JP2761939B2 - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

水中油型乳化化粧料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水中油型乳化化粧料に関し、更に詳しくは、
塩化ナトリムウ及び/又は塩化カリウムがその溶解度を
越えて配合され、スクラブ効果に優れ、使用性が良好
で、かつ使用感が非常に良い水中油型乳化化粧料に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、種々の目的で無機塩類を配合した化粧料が知ら
れており、例えば、無機塩類を他成分の可溶化安定剤と
して配合した化粧用ローション(特開昭58−69806号)
や、保湿成分として配合した化粧料(特開昭62−209009
号、同62−209010号)がある。
一方、塩化ナトリウムや塩化カリウムは、共に生体内
に普遍的に存在する塩であり、体液の浸透圧維持や組織
代謝、生体電位に深く関わっており、食塩の高浸透圧に
より浮腫の減少、血液循環の活発化が認められることも
報告されている。このため、身体を引き締め、血行を促
進すること、さらに食塩の粒によるスクラブ効果、すな
わち、摩擦により皮膚の老廃物を取り除いて肌をなめら
かにしたり、新陳代謝を高めることを期待して、食塩を
身体にすりこみマッサージすることが行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、食塩をそのままマッサージに使用した
場合には、ザラザラ感を強く感じてしまうばかりか、滑
りが悪くマッサージしづらいという欠点があった。
また、湯で湿らせたタオル等に食塩をのせマッサージ
することも行われているが、実際にマッサージに必要な
量よりも食塩を多く使わなければならず、無駄が多いと
いう問題もあった。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者は鋭意研究を行った結
果、塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムをその溶解
度を越えて配合した水中湯型乳化化粧料は、スクラブ効
果が高く、しかも使用性及び使用感に優れていることを
見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、塩化ナトリウム及び/又は塩化
カリウムがその溶解度を越えて配合されているとを特徴
とする水中油型乳化化粧料を提供するものである。
本発明で用いられる塩化ナトリウム及び塩化カリウム
としては、特に制限されず市販のものであればいずれも
良く、また岩塩を使用することもできる。これらの20℃
における水に対する溶解度は塩化ナトリウム26.38g、塩
化カリウム25.5gである。本発明化粧料における、塩化
ナトリウム及び/又は塩化カリウムの水系中への配合量
は、それぞれの溶解度以上であって、未溶解のものによ
りスクラブ効果ができる範囲であればよく、特に制限さ
れないが、27〜50重量%であるのが好ましい。また、化
粧料全量中における配合量は8〜40重量%、特に10〜30
重量%が好ましい。これらの配合量未満ではスクラブ効
果が劣り、また多すぎるとざらざらしすぎて使用感が悪
くなるので好ましくない。
なお、これらの水系中に分散した状態における粒径
は、0.05〜2mmの範囲のものが好ましく、岩塩を使用す
る場合には粉砕することにより上記範囲内に調整して使
用する。粒径が0.05mm未満ではスクラブ効果が得られ
ず、2mmを越えると使用時にスクラブによる刺激が強す
ぎて傷みを感じるので好ましくない。
また、これら塩を溶解する水は全組成中に20〜70重量
%配合するのが好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料は、水系にナトリウムイ
オンやカリウムイオンが高濃度に存在することから、用
いる界面活性剤としては、良好な安定性を得るために非
イオン性界面活性剤が好ましく、例えばグリセリン脂肪
酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビット脂肪酸エステル等のエステル系
界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエール
等のエーテル系界面活性剤等が挙げられる。これら界面
活性剤は、全組成中に、0.1〜15重量%配合するのが好
ましい。
また、本発明に用いられる油相成分としては、通常の
化粧料に使用されるものであれば特に制限されず、天然
動・植物油、合成油のいずれでも使用することができ
る。具体的には、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油等の
植物油、ミツロウ、ラノリン、キャンデリラワックス、
木ロウ、パラフィンワックス等のワックス類、流動パラ
フィン、スクワラン、ワセリン等の炭化水素、セタノー
ル、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高
級アルコール、その他のエステル油、シリコーン油等が
挙げられる。これら油相成分は、全組成中に1〜60重量
%配合するのが好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料には、前記成分のほか、
通常の化粧料に用いられる成分、例えば保湿剤、防腐
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、美容成分、香料、水溶
性高分子、体質顔料、着色顔料、光輝性顔料、有機粉
体、タール色素等を、本発明の効果を損わない範囲で配
合することができる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、通常の方法に従って
乳化することにより製造することができ、ボディーマッ
サージクリーム、フットマッサージクリーム等各種マッ
サージクリームなどとして好適に用いることができる。
なお、これらを使用するには、適量を手にとり、身体に
すりこむようにしてマッサージした後、水又はぬるま油
で洗い流せばよく、使用性が非常に良いものである。
〔実施例〕
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 ボディーマッサージクリーム 第1表に示す組成のクリームを調製し、スクラブ効
果、使用後のひきしまり感及び経時安定性について評価
した。結果を第1表に示す。
(製法) A.(1)〜(7)を70℃にて加熱溶解する。
B.(8)〜(11)を70℃にて均一混合する。
C.AにBを加えて乳化後、冷却して製品とする。
(評価方法) スクラブ効果、使用後のひきしまり感; 10名の女子パネルを対象とした使用テストを行い、ス
クラブ効果及びひきしまり感があると判定した人数によ
り次の通り評価した。
7人以上の場合:○ 3〜6人の場合:△ 0〜2人の場合:× 経時安定性; 40℃で1ケ月保存した後、分離等の経時変化を有無を
外観により判定した。
経時変化成し:○ 経時変化有り:× 第1表から明らかな如く、本発明のボディーマッサー
ジクリームは、塩化ナトリウムがその溶解度を越えて配
合されており、クリーム中に塩化ナトリムの粒が安定に
分散し、優れたスクラブ効果を示すとともに、使用後の
皮膚にひきしまり感を与え、しかも経時安定性も良好で
ある。これに対し、比較品1及び2のクリームは、いず
れも塩化ナトリウムの配合量が溶解度未満であり、スク
ラブ効果を示さず、使用後のひきしまり感も劣るもので
あった。
実施例2 フットマッサージクリーム (処方) (重量%) (1)ポリオキシエチレン(15)セチル エーテル 4.0 (2)グリセリルモノステアレート 4.0 (3)ステアリルアルコール 1.0 (4)流動パラフィン 10.0 (5)ゲイロウ 2.0 (6)ワセリン 10.0 (7)ジメチルポリシロキサン(100cs) 1.0 (8)ホホバ油 20.0 (9)塩化ナトリウム 11.0 (10)プロピレングリコール 8.0 (11)防腐剤 0.2 (12)精製水 23.8 (13)岩 塩 5.0 (製法) A.(1)〜(8)を70℃にて加熱溶解する。
B.(9)〜(12)を70℃にて加熱溶解する。
C.AにBを加えて乳化後冷却し、(13)を粉砕して加え
て混合する。
上記の如くして得られたフットマッサージクリーム
は、スクラブ効果が高く、使用性が良好で、使用感も非
常に良いものであった。
実施例3 首すじ用マッサージクリーム (処方) (重量%) (1)ポリオキシエチレン(15)セチル エーテル 3.0 (2)ポリオキシエチレン(2)モノステ アレート 2.0 (3)ベヘニルアルコール 3.0 (4)スクワラン 10.0 (5)アボガド油 5.0 (6)オリーブ油 5.0 (7)ジメチルポリシロキサン(100cs) 0.5 (8)塩化カリムウ 15.5 (9)プロピレングリコール 15.0 (10)防腐剤 0.1 (11)精製水 40.9 (製法) A.(1)〜(7)を70℃にて加熱溶解する。
B.(8)〜(11)を70℃にて均一混合する。
C.AにBを加えて乳化後冷却して製品とする。
上記の如くして得られた首すじ用マッサージクリーム
は、未溶解の塩化カリウムが安定に存在し、良好なスク
ラブ効果を有すると共に、使用感も極めて良好なもので
あった。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く、本発明の水中油型乳化化粧料は、
未溶解の塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムが系中
に安定に分散して存在し、スクラブ効果に優れると共に
マッサージ後は簡単に洗い流すことができ、使用性が良
好で、かつ使用感も非常に良い、極めて有用なものであ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムが
    その溶解度を越えて配合されていることを特徴とする水
    中油型乳化化粧料。
JP22894789A 1989-09-04 1989-09-04 水中油型乳化化粧料 Expired - Lifetime JP2761939B2 (ja)

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