JP2761672B2 - 内燃機関用軸と軸受の組み合わせ - Google Patents

内燃機関用軸と軸受の組み合わせ

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関用軸と軸受の組み合わせに関する。
〔従来の技術〕
従来、内燃機関用のクランク軸、アーム、シャフト等
の軸材料には、中炭素の機械構造用炭素鋼(例えばJIS
G S45〜55C)が用いられている。これら軸材料は、強靱
性と耐摩耗性を要求されるので、一般的に焼入れ焼もど
しを施した後、所定の形状に加工し、特に耐摩耗性の要
求される部位には表面硬化層を得るための焼入れ処理を
施して使用される。また、この軸材料に用いられる中炭
素の機械構造用炭素鋼の焼入れ焼もどし処理を省略する
ために、特公昭63-9006号公報の発明においては、少量
のVを添加すると共に、熱間鍛造後の冷却速度を制御す
ることにより、所期の強度と耐摩耗性を得ている。
一方、軸受用の材料としては、Sn系またはPb-Sn系の
いわゆるオーバレイ合金、あるいはAl-Sn系の軸受合金
(特公昭61-40297号公報、特公昭57-9618号公報)が使
用されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記の如く内燃機関用軸の製造において、表
面硬化層を得るための焼入れ処理を施すことにより、生
産性が著しく低下すると共に大量の加熱エネルギーを消
費することとなり、大幅なコストアップとなっている。
そこで、表面硬化層を得るための焼入れ処理を施さな
いことが考えられる。しかし、軸材料に表面硬化層を得
るための焼入れを施さないで使用すると、軸の摩耗量が
増加し、軸表面の荒れが多く、かつ軸受側の摩耗が激し
くなる。これは、軸と軸受との摺動により、非焼入軸組
織中のフェライトが流動し、さらに長く流動したフェラ
イトは破断して軸表面から離脱するからである。その結
果、軸が荒れて、軸受を攻撃すると共に、その一部は異
物として軸受に埋没され、さらに軸を攻撃する。
本発明は焼入れ処理を施さない軸と軸受との組み合わ
せにおける前記のごとき問題点を解決すべくなされたも
のであって、軸表面の荒れが無く、軸および軸受の摩耗
量の少ない内燃機関用軸と軸受の組み合わせを提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、前記の問題点を解決するために、軸材
料のフェライトの量および粒径に着目し、種々の検討を
重ねた。また、軸受材の硬度と摩耗量との関係について
も、鋭意研究を重ねた。その結果、軸材料のフェライト
の面積率、粒径および硬さ、ならびに軸の全体硬さを所
定の範囲内に規制すると共に軸受材の硬度を所定の範囲
内に規制することにより、耐摩耗性に優れ、かつ相手攻
撃性が少ない、軸と軸受の組み合わせが得られることを
新たに知見して本発明を完成した。
本発明の内燃機関用軸と軸受の組み合わせの第1発明
は、フェライト面積率で35%以下、フェライトの平均粒
径(水平方向最大弦長平均)が12μm以下、フェライト
硬さがHv160以上、全体硬さがHv230以上の表面組織を有
し、表面硬化層を得るための焼入れ処理を施していない
鋼よりなる軸と、表面硬さの平均がHv10〜30のSn系また
はPb-Sn系の軸受合金よりなる軸受とからなることを要
旨とする。
第2発明は、フェライトが面積率で35%以下、フェラ
イトの平均粒径(水平方向最大弦長平均)が12μm以
下、フェライト硬さがHv160以上、全体硬さがHv230以上
の表面組織を有し、表面硬化層を得るための焼入れ処理
を施していない鋼よりなる軸と、表面硬さの平均がHv38
〜53のAl-Sn系の軸受合金よりなる軸受とからなること
を要旨とする。
本発明が適用される軸材料としては、例えばC;0.37〜
0.61%の中炭素の機械構造用炭素鋼であって、必要に応
じてV;0.05〜0.20%、Mn;1.50%以下、Cr;0.5%以下、S
i;1.0%以下が含有される他、被削性を改善する目的で
適量のPbまたはCa等が含有される鋼種等が考えられる。
軸材料のフェライトが面積率で35%以下、好ましくは
25%以下とする。軸のフェライト面積率を35%以下とし
たのは、フェライト面積率が35%を越えるとフェライト
が流動し、軸の摩耗面積および摩耗量が増加するからで
ある。フェライトの面積率を25%以下とするとさらに好
ましい結果が得られる。
フェライトの平均粒径(水平方向最大弦長平均)を12
μm以下としたのは、平均粒径が12μmを越えると、耐
摩耗性が低下し軸表面が荒れて相手攻撃性が増大するか
らである。フェライトの平均粒径は好ましくは7μm以
下とする。7μmとすることにより、さらに優れた結果
が得られる。
また、軸材料の全体硬さをHv230以上とし、フェライ
トの硬さをHv160以上とすることが好ましく、全体硬さ
をHv250以上とし、フェライト硬さをHv180以上とするこ
とがより好ましい。軸材料全体およびフェライトの硬さ
を規制することにより、軸摩耗面積および軸受磨耗量が
低減するからである。軸材料の金属組織および硬さは、
軸材料の化学成分および熱間鍛造後の熱処理により、変
えることができる。また、特にV添加量を増すことによ
り、効果的にフェライト強化を図ることができる。
本発明に使用されるSn系またはPb-Sn系の軸受合金
は、いわゆるオーバレイ合金と称されるものであって、
Sn系では例えばSn-3Cu、Pb-Sn系では例えばPb-10Sn-9In
等が用いられる。この合金の表面硬さの平均をHv10〜30
としたのは、Hv10未満になると軸受の摩耗が激しくなる
からであり、Hv30を越えると軸材料のフェライトを流動
させて焼付を起こすからである。より好ましくはHv12〜
35である。
また、Al-Sn系軸受合金は、Al-15Snをベースとしてこ
れに第3元素としてPb、Bi、In、Cu、Mg、Cr、Zr、Mn、
V、Sb、Nb、Mo、Co、Ti、Sr等を添加するものであっ
て、好ましくは軸受合金中に硬質物が4%以下含有さ
れ、さらに好ましくは硬質物の平均粒径が6μm以下の
ものである。この合金の表面硬さの平均をHv38〜53とし
たのは、Hv38未満になると軸受の摩耗が激しくなるから
であり、Hv53を越えると軸材料のフェライトを流動させ
て焼付を起こすからである。より好ましくはHv40〜50で
ある。
〔作用〕
フェライトが面積率で35%以下、フェライトの平均粒
径が12μm以下、フェライト硬さがHv160以上、全体硬
さがHv230以上に規制した軸と、表面硬さの平均がHv10
〜30に規制したオーバレイ合金よりなる軸受または表面
硬さの平均がHv38〜53のAl-Sn系の軸受合金よりなる軸
受とを組み合わせて使用することにより、軸の摩耗、荒
れ、軸受の摩耗を低減でき、そのため焼付を防止するこ
とができたので、軸の表面硬化層を得るための焼入れ処
理を廃止できる。
これは、軸の金属組織中の流動を起こし易いフェライ
ト部の量と粒径を規制し、さらに必要に応じて硬さを硬
くすることにより、フェライトが流動しにくくなったた
めである。また、相手軸受の硬さが高いと相対すべりに
より、軸のフェライトを流動し易くなるのであるが、軸
受の硬さを適度に選択することにより、軸のフェライト
の流動の少ない軸と軸受の組み合わせとすることができ
た。
〔実施例〕
本発明の実施例を示し、本発明の効果を明らかにす
る。
(実施例1) Cu-22Pbからなる下地に、Pb-8Sn-6Inのオーバレイ合
金をめっきした軸受を用い、相手材である軸のフェライ
ト面積率、フェライト平均粒系および硬さを種々変化さ
せたものと組み合わせて、耐摩耗試験を行った。
なお、耐摩耗試験は、回転荷重試験機を用いて下記の
条件にて行った。
軸回転数:8000r.p.m 面圧 :300kgf/mm2 時間 :3時間 オイル :1010-30 得られた結果は、第1図(a)にフェライト面積率と
軸摩耗面積との関係線図として、第1図(b)にフェラ
イト面積率と軸受摩耗量との関係線図として、第2図
(a)にフェライト平均粒径と軸摩耗面積との関係線図
として、第2図(b)にフェライト平均粒径と軸受摩耗
量との関係線図として、第3図(a)にフェライト硬さ
と軸摩耗面積の関係線図として、第3図(b)にフェラ
イト硬さと軸受摩耗量の関係線図としてそれぞれ示し
た。
第1図(a)および第1図(b)より明らかなよう
に、フェライト面積率が35%以下になると、軸摩耗面
積、軸受摩耗量共に急激に低下することが確認された。
また、第2図(a)および第2図(b)に示したよう
に、フェライト平均粒径が12μm以下になると、軸摩耗
面積、軸受摩耗量共に急激に低下することが判明した。
さらに、第3図(a)および第3図(b)に示したよ
うに、軸の全体硬さがHv230以上になると軸摩耗面積、
軸受摩耗量共に急激に低下することが確認された。第3
図(a)に示したように、フェライトの硬さがHv160以
上になると、軸摩耗面積が減少した。
(実施例2) Pb-Sn系オーバレイ合金の組成および熱処理を適宜選
択して第4図に示す範囲の硬さを有する軸受を調製し、
フェライト面積率24.8%、フェライト平均粒径6.3μm
の軸と組み合わせて、実施例1と同じ方法で耐摩耗試験
を行った。
得られた結果は、第4図(a)に軸受材の硬さと軸摩
耗面積との関係線図として、第4図(b)に軸受材の硬
さと軸受摩耗量の関係線図として示した。
第4図(a)および第4図(b)に示したように、軸
受材の硬さがHv10である場合に、軸摩耗面積は少ないも
のの軸受摩耗量がやや多く、軸受材の硬さがHv30まで増
加すると、軸摩耗面積は微増に止まるのに対し、軸受摩
耗量は急減する。その結果、軸のフェライト面積率35%
以下、フェライト平均粒径12μm以下の場合に、Pb-Sn
系軸受の硬さをHv10〜30とすることにより、耐摩耗性の
優れた組み合わせが得られることが確認された。
(実施例3) 第1表に示す化学成分を有する軸材料を熱間鍛造する
ことにより、軸を製造した。なお、第1表において、F
およびGについては、熱間鍛造後、焼入れ焼もどし処理
を施したのち、高周波焼入れ処理を施したものである。
得られた軸について、フェライト面積率、フェライト平
均粒径、全体硬さ、フェライト硬さを測定したところ、
第2表に示すような結果を得た。
この軸を、第2表に示す組成および硬さを有する軸受
とそれぞれ組み合わせて、実施例1に記載したと同じ耐
摩耗試験を行い、軸摩耗量および軸受摩耗量を測定し、
得られた結果を第2表に併せて示した。
第2表に示した結果から明らかなように、比較例1は
軸受材の硬さがHv7と低かったので、軸受摩耗量が50.0m
gと極めて高かった。また、比較例2は軸受材の硬さがH
v35と高かったため、逆に軸摩耗面積が12.7×10-3mm2
高かった。フェライト面積率が38%、フェライト平均粒
径が13μmといずれも本発明の範囲外であった比較例3
〜5は、軸の荒れによる相手攻撃性により、軸受摩耗量
が32.5〜48.0mgと高く、軸摩耗面積も軸受硬さHv22の比
較例4で13.3×10-3mm2、Hv35の比較例5で15.5×10-3m
m2と高かった。
これに対して本発明例である記号A〜E4−2は、軸摩
耗面積は5.5〜10.0×10-3mm2、軸受摩耗量は17.0〜36.0
mgであって、高周波焼入れ処理を施した記号FおよびG
と比較しても、同等あるいはそれ以上の耐摩耗性を示
し、本発明の効果が確認できた。
なお、第5図は実施例3の軸摩耗面積と軸受摩耗量と
の関係を示す関係線図であるが、第5図からも、本発明
の実施例は比較例1〜5と比較しても、軸摩耗面積と軸
受摩耗量共に著しく改善されていることが一目で判断さ
れる。
(実施例4) A1-13Sn-1.8Pb-3Si-1Cu-0.3Crからなる組成のAl-Sn系
軸受合金を軸受として加工し、フェライト面積率、フェ
ライト平均粒径および硬さを種々変化させた中炭素の機
械構造用炭素鋼からなる軸と組み合わせて、耐摩耗試験
を行った。
なお、耐摩耗試験は、回転荷重試験機を用いて下記の
条件にて行った。
軸回転数:8000r.p.m 面圧 :300kgf/mm2 時間 :3時間 オイル :1010-30 得られた結果は、第6図(a)にフェライト面積率と
軸摩耗面積との関係線図として、第6図(b)にフェラ
イト面積率と軸受摩耗量との関係線図として、第7図
(a)にフェライト平均粒径と軸摩耗面積との関係線図
として、第7図(b)にフェライト平均粒径と軸受摩耗
量との関係線図として、第8図(a)にフェライト硬さ
と軸摩耗面積の関係線図として、第8図(b)にフェラ
イト硬さと軸受摩耗量の関係線図としてそれぞれ示し
た。なお、第6図〜第8図において、○はフェライトを
強化しなかった通常材であり、●はフェライトを強化し
た本発明例である。
第6図(a)より明らかなように、フェライトを強化
しなかった通常材は、フェライト面積率が10%辺りから
軸摩耗面積が急増したのに対し、本発明例はフェライト
面積率が10〜35%の範囲において、低い水準で微増する
に止まった。また、第6図(b)より明らかなように、
フェライトを強化しなかった通常材は、急傾斜で軸受摩
耗量が増加するのに対し、本発明例はフェライト面積率
が10〜30%の範囲において、それより低い水準で微増す
るに止まった。以上の結果より、フェライト面積率35%
以下において、所期の効果が得られることが確認され
た。
第7図(a)より明らかなように、フェライトを強化
しなかった通常材は、フェライト平均粒径が4μm辺り
から軸摩耗面積が急増したのに対し、本発明例はフェラ
イト面積率が2〜10μmの範囲において、低い水準で微
増するに止まった。また、第7図(b)より明らかなよ
うに、フェライトを強化しなかった通常材は、急傾斜で
軸受摩耗量が増加するのに対し、本発明例はフェライト
平均粒度が4〜10μmのの範囲において、それより低い
水準で微増するに止まった。以上の結果より、フェライ
ト平均粒径が12μm以下において、所期の効果が得られ
ることが確認された。
さらに、第8図(a)および第8図(b)に示したよ
うに、軸の全体硬さがHv230以上になると軸摩耗面積、
軸受摩耗量共に急激に低下することが確認された。第8
図(a)に示したように、フェライトの硬さがHv160以
上になると、軸摩耗面積が減少した。
(実施例5) Al-12Sn-2.8SiをベースとするAl-Sn系軸受合金の組成
および熱処理を適宜選択して第9図に示す範囲の硬さを
有する軸受を調製し、フェライト面積率24.8%、フェラ
イト平均粒径6.3μm、全体硬さHv235、フェライト硬さ
Hv158の軸と組み合わせて、実施例4と同じ方法で耐摩
耗試験を行った。
得られた結果は、第9図(a)に軸受材の硬さと軸摩
耗面積との関係線図として、第9図(b)に軸受材の硬
さと軸受摩耗量の関係線図として示した。
第9図(a)および第9図(b)に示したように、軸
受材の硬さがHv38である場合に、軸摩耗面積は少ないも
のの軸受摩耗量がやや多く、軸受材の硬さがHv60まで増
加すると、軸摩耗面積は暫増するのに対し、軸受摩耗量
はHv53までに急減する。その結果、軸のフェライト面積
率35%以下、フェライト平均粒径12μm以下の場合に、
Al-Sn系軸受合金の硬さをHv38〜53とすることにより、
耐摩耗性の優れた組み合わせが得られることが確認され
た。
なお、参考までにAl-12Sn-1Cu-0.2CrをベースとするA
l-Sn系軸受合金のSi含有量を0〜6%の範囲で変化させ
て時空を調製し、フェライト面積率24.8%、フェライト
平均粒径6.3μm、全体硬さHv235、フェライト硬さHv15
8の軸と組み合わせて、実施例4と同じ方法で耐摩耗試
験を行い、軸摩耗面積および軸受摩耗量を測定し、結果
を第10図(a)および第10図(b)に示した。
第10図の結果より、Si含有量が4%以下の範囲におい
て、耐焼付性および耐摩耗性の優れた軸と軸受の組み合
わせが得られることが判明した。
(実施例6) 実施例3で製造した軸を、第3表に示す組成、硬さ、
硬質物量、硬質物粒径を有するAl-Sn系合金からなる軸
受とそれぞれ組み合わせて、実施例4に記載したと同じ
耐摩耗試験を行い、軸摩耗面積量および軸受摩耗量を測
定し、得られた結果を第3表に併せて示した。
第3表に示した結果から明らかなように、比較例1お
よび2は軸受材の硬さがHv55〜58と高かったので、軸摩
耗面積が12.5〜12.6×10-3mm2と極めて高かった。ま
た、フェライト面積率が38%、フェライト平均粒径が13
μmといずれも本発明の範囲外であった比較例3〜5
は、軸の荒れによる相手攻撃性により、軸受摩耗量が2.
4〜2.9mgと高く、軸摩耗面積も11.6〜14.3×10-3mm2
高かった。
これに対して本発明例である記号A〜E4−2は、軸摩
耗面積は5.5〜8.7×10-3mm2、軸受摩耗量は0.5〜2.5mg
であって、高周波焼入れ処理を施した記号FおよびGと
比較しても、同等あるいはそれ以上の耐摩耗性を示し、
本発明の効果が確認できた。
なお、第11図は実施例6の軸摩耗面積と軸受摩耗量と
の関係を示す関係線図であるが、第11図からも、本発明
の実施例は比較例1〜5と比較しても、軸摩耗面積と軸
受摩耗量共に著しく改善されていることが一目で判断さ
れる。
〔発明の効果〕
本発明の内燃機関用軸と軸受の組み合わせは以上詳述
したように、フェライトが面積率で35%以下、フェライ
トの平均粒径が12μm以下、フェライト硬さがHv160以
上、全体硬さがHv230以上に規制した軸と、表面硬さの
平均がHv10〜30に規制したオーバレイ合金よりなる軸受
または表面硬さの平均がHv38〜53のAl-Sn系の軸受合金
よりなる軸受とを組み合わせて使用することにより、軸
の摩耗、荒れ、軸受の摩耗を低減でき、そのため焼付を
防止することができたので、軸の焼入れ処理を廃止する
ことができると共に、生産性を向上し、熱エネルギーの
節減が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はフェライト面積率と軸摩耗面積との関係
線図、第1図(b)はフェライト面積率と軸受摩耗量と
の関係線図、第2図(a)はフェライト平均粒径と軸摩
耗面積との関係線図、第2図(b)はフェライト平均粒
径と軸受摩耗量との関係線図、第3図(a)はフェライ
ト硬さと軸摩耗面積の関係線図、第3図(b)はフェラ
イト硬さと軸受摩耗量の関係線図、第4図(a)は軸受
材の硬さと軸摩耗面積との関係線図、第4図(b)は軸
受材の硬さと軸受摩耗量の関係線図、第5図は実施例3
の軸摩耗面積と軸受摩耗量との関係を示す関係線図、第
6図(a)はフェライト面積率と軸摩耗面積との関係線
図、第6図(b)はフェライト面積率と軸受摩耗量との
関係線図、第7図(a)はフェライト平均粒径と軸摩耗
面積との関係線図、第7図(b)はフェライト平均粒径
と軸受摩耗量との関係線図、第8図(a)はフェライト
硬さと軸摩耗面積の関係線図、第8図(b)はフェライ
ト硬さと軸受摩耗量の関係線図、第9図(a)は軸受材
の硬さと軸摩耗面積との関係線図、第9図(b)は軸受
材の硬さと軸受摩耗量の関係線図、第10図(a)はAl-S
n系軸受合金のSi含有量と軸摩耗面積との関係線図、第1
0図(b)はAl-Sn系軸受合金のSi含有量と軸受摩耗量と
の関係線図、第11図は実施例6の軸摩耗面積と軸受摩耗
量との関係を示す関係線図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16C 33/12 F16C 33/12 Z // C21D 9/30 C21D 9/30 A 9/40 9/40 A (72)発明者 不破 良雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 前田 千芳利 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 安田 茂 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 熱海 富昭 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 伊藤 英二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 神谷 荘司 愛知県豊田市緑ケ丘3丁目65番地 大豊 工業株式会社内 (72)発明者 山田 晃 愛知県豊田市緑ケ丘3丁目65番地 大豊 工業株式会社内 (72)発明者 野村 一衛 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知 製鋼株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−158218(JP,A) 特開 昭63−203721(JP,A) 特開 昭48−49622(JP,A) 特公 昭57−9618(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェライトが面積率で35%以下、フェライ
    トの平均粒径(水平方向最大弦長平均)が12μm以下、
    フェライト硬さがHv160以上、全体硬さがHv230以上の表
    面組織を有し、表面硬化層を得るための焼入れ処理を施
    してない鋼よりなる軸と、表面硬さの平均がHv10〜30の
    Sn系またはPb-Sn系の軸受合金よりなる軸受とからなる
    ことを特徴とする内燃機関用軸と軸受の組み合わせ。
  2. 【請求項2】フェライトが面積率で35%以下、フェライ
    トの平均粒径(水平方向最大弦長平均)が12μm以下、
    フェライト硬さがHv160以上、全体硬さがHv230以上の表
    面組織を有し、表面硬化層を得るための焼入れ処理を施
    してない鋼よりなる軸と、表面硬さの平均がHv38〜53の
    Al-Sn系の軸受合金よりなる軸受とからなることを特徴
    とする内燃機関用軸と軸受の組み合わせ。
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