JP2761209B2 - 静止画テレビ電話通信方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、静止画テレビ電話通信方式、特に異なっ
た機種同士の通信方式の改善に関する。 ［従来の技術］ 電話通信回線を用いて音声と画像とを同時に送るテレ
ビ電話が要望されているが、実際上、現在の電話通信回
線では、膨大なデータ量を必要とする動態画像を連続的
に送受信することが困難であり、静止画像を通話中に相
手方に送信する静止画テレビ電話が実用化されつつあ
る。 この静止画テレビ電話は、通常の音声による通話中
に、この通話を一時的に中断して所望の静止画、例えば
話者の顔、通話内容に応じた写真画面あるいは絵等を任
意に送ることが可能である。 従って、このような静止画テレビ電話によれば従来不
可能であった画像を電話回線によって送受信することが
でき、またその都度一枚のみの静止画像を送るためにデ
ータ処理量も限られて、テレビ電話の実用化を容易に行
うことができるという利点があった。 このような静止画の伝送を行えるテレビ電話は、例え
ば外国通信技術1986年10月号などに示されている。第５
図は、その簡易静止画テレビ電話機の回路構成図であ
る。図において、（１）は送受話器、（２）はマイクロ
ホン、（３）は音声入出力回路、（４）はアナログ回
路、（５）はマトリクススイッチ、（６）は電話インタ
フェース回路、（７）は電話回線接続端子、（８）はス
ピーカ、（９）はキーパッド、（10）は入出力ポート、
（11）はCPU、（12）はプログラムメモリ、（13）は変
復調回路、（14）はテレビカメラ、（13）はイメージコ
ントローラ、（16）は画像メモリ、（17）はディスプレ
イである。 次に、この従来のテレビ電話機の音声と画像信号伝送
の動作を第５図及び第６図に基づいて説明する。 第５図において、音声による通話は送受話器（１）ま
たはマイクロホン（２）から音声入出力回路（３）、ア
ナログ回路（４）、マトリクススイッチ（５）、電話イ
ンターフェース回路（６）を経て電話回線接続端子
（７）に送出される。また、通話相手からの音声信号は
上記信号経路と逆の経路を経て送受話器（１）またはス
ピーカ（８）で再生される。 ここで、画像信号を送信する場合は、第６図に示すよ
うに通信相手が同一データ形式画像データの通信能力が
あるテレビ電話機であるかを確認するため、能力につい
てのデータ等のIDコードを含むヘッダの送出を行う。そ
して、相手からのヘッダ返送を受け、同様の能力を有す
ることを確認した後に画像データの送信を行う。 すなわち、第５図において、キーパッド（９）によっ
て画像送出を指示すると、入出力ポート（10）を介して
CPU（11）がこれを検知し、プログラムメモリ（12）に
予め格納されたプログラムに従ってヘッダを変復調回路
（13）に送出する。そして、このヘッダをアナログ信号
に変調した後にマトリクススイッチ（５）を介して電話
回線接続端子（７）から送出する。通信相手からのヘッ
ダは上記信号経路と逆の経路を経てCPU（11）がコード
等を確認する。 一方、この間にテレビカメラ（14）でとらえた画像は
イメージコントローラ（15）で量子化され、画像メモリ
（16）に格納されて逐次ディスプレイ（17）に導出表示
され、CPU（11）の命令によって画像メモリ（16）から
電話回線接続端子（７）に出力される。 また、通信相手からヘッダの入力があると、これによ
りこれから画像データの受信が始まることを認識しマト
リクススイッチ（５）が受信したキャリア信号によって
送出先を電話インタフェース回路（６）からの受信信号
をアナログ回路（４）から変復調回路（13）へ切り替え
る。そして、前記受信信号を変復調回路（13）で復調し
た後、CPU（11）がヘッダの返送または画像メモリ（1
6）へデータを格納し、イメージコントローラ（15）が
自画像データと相手画像データを逐次導出してディスプ
レイ（17）に表示する。また、通常画像データの先頭に
も、これから画像データが始まることの標識を含む簡単
なヘッダが前置される。 なお、画像の送受信が終了して変復調回路（13）から
のキャリア信号が無くなると、マトリクススイッチ
（５）は電話インタフェース回路（６）とアナログ回路
（４）を接続して音声による通話に復旧する。 ［発明が解決しようとする問題点］ このような従来の静止画テレビ電話通信方式において
は、画面の縦横比率の異なる静止画テレビ電話装置から
画像データが送られてきた場合に、これを表示すること
ができないという問題点があった。 この発明は、このような問題点を解決するためになさ
れたものであって、画面の縦横比率の異なる画像データ
が送られてきた時にも受信側において表示画像の縦横比
が歪むことなく、的確な表示が行える静止画テレビ電話
通信方式を提供することを目的とする。 ［問題点を解決するための手段］ 第１発明は、電話通信回線を用いて、通話中の所望の
静止画を送受信する静止画テレビ電話通信方式におい
て、送受信する画像データのヘッダに縦と横の画素数お
よび縦横比率についてのデータを含ませ、送信側の画面
における縦横比率が自己の画面における縦横比率と相違
する画像データを受信した場合には、自己の画面の全表
示エリアに、その縦または横の方向の一方には送信画像
の全領域を、他方には送信画像の一部領域を表示させて
歪みのない表示画像が得られるように、前記ヘッダに含
ませたデータに基づいて、前記画像データから前記送信
画像の一部領域に対応する画素を選択すると共に、選択
された画像データの各画素の値をもとに前記全表示エリ
アの各画素に値を割当てる画素数変換を行うことを特徴
とする静止画テレビ電話通信方式を提供しようとするも
のである。 第２発明は、電話通信回線を用いて、通話中の所望の
静止画を送受信する静止画テレビ電話通信方式におい
て、送受信する画像データのヘッダに縦と横の画素数お
よび縦横比率についてのデータを含ませ、送信側の画面
における縦横比率が自己の画面における縦横比率と相違
する画像データを受信した場合には、自己の画面の縦ま
たは横方向の一方の全領域と他方の一部領域よりなる表
示エリアに送信画像の全領域を表示させて歪みのない表
示画像が得られるように、前記ヘッダに含ませたデータ
に基づいて、送信画像を上記一部領域に収める圧縮を行
うと共に前記画像データの各画素の値をもとに前記表示
エリアの各画素に値を割当てる画素数変換を行い、か
つ、前記表示エリアの周囲の画像の存在しない部分には
予め記憶している特定パターンの画像データを割当てて
表示することを特徴とする静止画テレビ電話通信方式を
提供しようとするものである。 ［作用］ この発明の静止画テレビ電話通信方式にあっては、画
像データのヘッダに画像信号の画素数および画面縦横比
率のデータが含まれている。このため、受信側におい
て、送られてきたデータがどのような縦横比率の画面に
ついてのものかを認識することができる。 第１の発明では、例えば自己の画面が縦流であり送信
画像が横長である場合、送信画像の中央部分のみ自己の
画面に表示し、両サイドは削除し、表示エリアに対応す
る画素数から自己の画面の画素数に合致するように画素
数変換を行う。 第２の発明では、受信した横長の画像の上下に特定の
パターンを付加し、表示エリアに対応する画素数から自
己の画面の画素数に合致するように画素数変換する。 これによって異なった画面構成を有する静止画テレビ
電話装置同士の通信が可能となる。 ［実施例］ 以下、この発明の一実施例について図面に基づいて説
明する。 この発明の静止画テレビ電話通信方式は、CPU（11）
の内部における処理手順を特徴とするものであって、
（１）〜（17）の構成要素については第５図に示す従来
例と同一であり、説明を省略する。 この実施例において特徴的なことは、まず送受する画
像データに前置するヘッダに自己の画面の縦と横の画素
数および縦横比率についてのデータを含めたことであ
る。 このデータは、上述の従来例のように画像データの送
受に先立って行うIDコードのやりとりに用いるヘッダに
含ませてもよいし、画像データの先頭部分に設けるヘッ
ダに含ませてもよい。 そして、CPU（11）は、プログラムメモリ（12）に予
め格納されているプログラムに従って自己のディスプレ
イ（１）に対応した画面の縦と横の画素数および縦横比
率（以下、アスペクト比という）を含むヘッダを作成す
る。 次に、この実施例において、画像データを受信する場
合、まずヘッダがCPU（11）に供給され、CPU（11）はこ
のヘッダに含まれる縦と横の画素数およびアスペクト比
を認識し、アスペクト比が自己の画面のアスペクト比に
合っているかを判定する。そして、これが合っている場
合には、そのまま従来通りの処理を行う。 ここで、送信されて来る画像データのアスペクト比と
自己の画面のアスペクト比が異なる場合には、次のよう
な処理を行う。 例えば、自己の画面の画素数が96×96で、第２図に示
すようにアスペクト比が縦5:横４であり、受信した画像
データの画素数が96×96で、第３図に示すようにアスペ
クト比が縦3:横４であった場合には、これをそのまま画
面に表示すると、縦長のおかしな表示となってしまう。
そこで、この実施例においては、CPU（11）において前
記ヘッダに含まれる画素数とアスペクト比のデータに基
づいて受信した画像データの中から特定の画素に対応す
るデータを削除する。 すなわち、１ライン目から96ライン目までのそれぞれ
の96個ずつの画像データの中から自己の画面の両サイド
に当たる画素に対応する１〜20および77〜96番目のデー
タを削除する。このため、ディスプレイ（17）における
表示は、第１図において斜線で示した領域のデータが削
除され、第１図における中央部分の表示のみが行なわれ
る。つまり、第２図に示したものとほぼ同様の画面が得
られることになる。 第１図における両サイドの部分における画像は削除さ
れてしまうので、送信側においてこの部分に表示されて
いたものは受信側において表示されないことになる。し
かし、静止画テレビ電話装置の場合、自画像等を送受す
る場合が多く両サイドの部分を削除しても問題とならな
い場合が多い。また、自己の両面における表示は縦96×
横96の画素についてのものとなる。そこで、画像データ
をCPU（11）内でとなりの画素と同一のデータを挿入す
る等の手段によって処理し、96×96の画素に対応するも
のとして表示することになる。このようにして、アスペ
クト比の異なる画像データを受信した場合にも的確な表
示が行える。 また、受信した画像データの画素数が異なる場合も受
信した画像データについて画素数の対応をとった後、両
サイドの画素に対応するデータを削除することによって
同様の効果が得られる。 次に、第４図に示すように受信した横長の画像データ
に特定のパターンを付加することによって自己の画面に
適合した画像データに変換して表示を行ってもよい。 例えば、上述の場合と同様に自己の画面の画素数が96
×96で、第２図に示すようにアスペクト比が縦5:横４で
あり、受信した画像データの画素数が96×96で、第３図
に示すようにアスペクト比が縦3:横４であった場合に
は、CPU（11）において前記ヘッダに含まれる画素数と
アスペクト比のデータに基づいて96ラインの画像データ
を58ラインのものに圧縮処理する。そして、上下19ライ
ンずつ画像データについては、白、黒等の特定のパター
ンを挿入する。これによってディスプレ（17）に表示さ
れる画像は、送信先の画面に表示されているものと同様
のものとできる。このように、この例によってもアスペ
クト比の異なる画像データの送受が行える。 さらに詳細を説明すると、第４図に示すように、アス
ペクト比が縦3:横４の画像全体を、アスペクト比縦5:横
４の画面に歪みなく表示するためには、横方向を画面に
ちょうど入るように設定すると、画像の縦方向が画面の
５分の３となるようにする必要がある。上述の例では、
表示画面が縦96ラインなので、96÷５×３＝57.6となり
端数の情報を表示するためにも１ライン必要とするの
で、58ラインで受信画像を表示すると歪みなく表示でき
る。受信画像データの縦方向の画素数は96なので、96の
画像データから、表示画面の58画素のそれぞれに割当て
る値を算出し、対応する画像メモリ16に格納する。たま
たまこの例では、受信画像と表示画面の横方向の画素数
は等しいので、横方向は受信画像データと表示画面の画
素は１対１に対応しているが、横方向の画素数が異なる
場合には、縦方向と同様に表示画面の画素に割り当てる
値を算出する。算出はCPU11内でプログラムメモリ12に
予め格納されたプログラムによって行われ、その方法は
単純な間引きや平均等によってなされる。 第４図において斜線で示した部分は、表示する画像が
存在しない領域である。この部分に対応する画像メモリ
16に値を書き込まないと、直前に書き込んだ値、つまり
直前の画像が残っており、これが表示されてしまう。こ
れを防ぐためにこの部分に対応する画像メモリ16に、白
や黒に相当する特定のパターンを書き込む。特定のパタ
ーンはプログラムメモリ12に予め格納されたプログラム
に埋め込まれている。第４図では表示する画像が存在し
ない領域を画面の上下均等に配置している。表示画面は
96ラインなので、表示する画像が存在しない領域は画面
縦方向の５分の２であるから、38ラインとなり、上下19
ラインずつに対応する画像メモリ16に特定パターンを書
き込むことで、画像が表示されない部分には特定パター
ンが表示されることになる。 なお、上述の例によらず、各種アスペクト比の画像デ
ータ相互間の変換も可能である。また、上述のデータ削
除、特定パターン付加の両方の手段を有し、キーパッド
（９）等の操作によって処理の方法を選べるようにして
もよいし、またこれを組み合せてもよい。 ［発明の効果］ 第１発明によって、縦と横の画素数あるいは画面縦横
比が表示画面と異なる画像を受信した場合にも、受信画
像データの一部を削除し、残りの画像データを表示画面
の画素に対応付け、表示することにより、送信画面を歪
みを生じさせることなく自己の画面に有効に表示でき
る。 第２発明によって、縦と横の画素数あるいは画面縦横
比が表示画面と異なる画像を受信した場合にも、表示画
面の一部にあたる画素に受信画像データを対応付けるこ
とにより、受信した画像全体を歪みを生じさせることな
く自己の画面に有効に表示することができ、しかも受信
した画像情報が削除されることはない。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明に係る静止画テレビ電話通信方式の一
実施例を適用した画像データ処理を示す説明図、第２図
は同実施例における静止画テレビ電話装置の表示の一例
を示す説明図、第３図は同実施例における静止画テレビ
電話装置の表示の他の一例を示す説明図、第４図は他の
実施例を適用した画像データ処理を示す説明図、第５図
は従来の静止画テレビ電話装置の構成を示すブロック
図、第６図は従来のテレビ電話機の画像伝送手順を示す
シーケンス図である。 図において、（１）は送受話器、（５）はマトリクスス
イッチ、（11）はCPU、（13）は変復調回路である。 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三枝 一主 神奈川県鎌倉市大船２丁目14番40号 三 菱電機株式会社商品研究所内 (72)発明者 樺沢 昭史 神奈川県鎌倉市大船２丁目14番40号 三 菱電機株式会社商品研究所内 (72)発明者 大塚 洋俟 神奈川県鎌倉市大船２丁目14番40号 三 菱電機株式会社商品研究所内 (72)発明者 横舘 伸也 群馬県新田郡尾島町大字岩松800番地 三菱電機株式会社群馬製作所内 (56)参考文献 特開 昭62−171262（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−165883（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−271579（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．電話通信回線を用いて、通話中の所望の静止画を送
   受信する静止画テレビ電話通信方式において、 送受信する画像データのヘッダに縦と横の画素数および
   縦横比率についてのデータを含ませ、送信側の画面にお
   ける縦横比率が自己の画面における縦横比率と相違する
   画像データを受信した場合には、 自己の画面の全表示エリアに、その縦または横の方向の
   一方には送信画像の全領域を、他方には送信画像の一部
   領域を表示させて歪みのない表示画像が得られるよう
   に、前記ヘッダに含ませたデータに基づいて、前記画像
   データから前記送信画像の一部領域に対応する画素を選
   択すると共に、選択された画像データの各画素の値をも
   とに前記全表示エリアの各画素に値を割当てる画素数変
   換を行うことを特徴とする静止画テレビ電話通信方式。 ２．電話通信回線を用いて、通話中の所望の静止画を送
   受信する静止画テレビ電話通信方式において、 送受信する画像データのヘッダに縦と横の画素数および
   縦横比率についてのデータを含ませ、送信側の画面にお
   ける縦横比率が自己の画面における縦横比率と相違する
   画像データを受信した場合には、 自己の画面の縦または横方向の一方の全領域と他方の一
   部領域よりなる表示エリアに送信画像の全領域を表示さ
   せて歪みのない表示画像が得られるように、前記ヘッダ
   に含ませたデータに基づいて、送信画像を上記一部領域
   に収める圧縮を行うと共に前記画像データの各画素の値
   をもとに前記表示エリアの各画素に値を割当てる画素数
   変換を行い、 かつ、前記表示エリアの周囲の画像の存在しない部分に
   は予め記憶している特定パターンの画像データを割当て
   て表示することを特徴とする静止画テレビ電話通信方
   式。