JP2758996B2 - 中空バルブおよびその製造方法 - Google Patents

中空バルブおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レシプロ機関のバルブ
として利用され、とくに内部に冷却材が封入された中空
バルブおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷却封入型中空バルブおよびその
製造方法としては、例えば、図3および図4に示すよう
なものがある。
【0003】すなわち、図3および図4に示すように、
従来の中空バルブ11を製造するにあたっては、オース
テナイト系耐熱鋼(SUH)を熱間鍛造により加工して
バルブ傘部11aとバルブ軸部11bを有するバルブ粗
材形状に成形し、次いで前記バルブ粗材のバルブ軸部1
1bにドリルによる中空孔あけを行って中空孔11cを
形成し、この中空孔11c内に冷却材12の塊を投入し
た後、軸端部材11dを摩擦圧接面Fで摩擦圧接するこ
とにより接合して中空孔11cを閉塞し、所定の時効熱
処理および最終加工を行うようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の冷却材封入型中空バルブおよびその製造方法
にあっては、酸化皮膜を有する冷却材12の塊を酸素や
水分が残存する中空孔11c内に封入する製造方法とな
っていたため、その後の熱処理や使用時の高温下で溶融
冷却材の一部が酸化し、熱伝導度の低い酸化物より成る
スラグ14が中空孔11cの内壁に堆積することとなる
ため、中空バルブ11の冷却効果が低減することがあり
得るという問題点があり、このような問題点を解決する
ことが課題となっていた。
【0005】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたもので、中空孔の内壁に熱伝導度の低い
酸化物の堆積がないため、高温となっているバルブ傘部
から低温のバルブ軸端側への熱の移動が良好になされ、
バルブ傘部表面の冷却を十分効率よく行うことが可能で
ある冷却性能の優れた中空バルブを提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる中空バル
ブは、中空孔に冷却材を封入した中空バルブにおいて、
前記中空孔のバルブ軸端側に凝固冷却材を有すると共
に、前記中空孔のバルブ傘部側に冷却材の凝固引け巣に
より形成された溶融冷却材の移動空間を有する構成とし
たことを特徴としており、このような中空バルブの製造
に用いられる本発明に係わる中空バルブの製造方法は、
中空孔に冷却材を封入した中空バルブを製造するにあた
り、バルブ軸端側に開口して設けた中空孔に溶融状態の
冷却材を流し込んで凝固させることにより、バルブ傘部
側の中空孔底部近傍に引け巣よりなる溶融冷却材の移動
空間を形成した後、前記中空孔の開口部分に生じた冷却
材の酸化物よりなるスラグを除去し、次いでバルブ軸端
部材を接合して前記中空孔を閉塞する構成としたことを
特徴としており、上記した中空バルブおよびその製造方
法に係わる発明の構成を前述した従来の課題を解決する
ための手段としている。
【0007】本発明に係わる中空バルブおよびその製造
方法において、中空バルブのバルブ傘部およびバルブ軸
部の材質はとくに限定されないが、通常のオーステナイ
ト系の耐熱鋼が使用され、必要に応じてバルブ傘部には
高合金の肉盛溶接層が設けられる。
【0008】また、前記中空バルブに形成した中空孔に
封入される冷却材の材質においてもとくに細かくは限定
されないが、例えば、融点が500℃以下、固体状態で
の熱伝導度が0.2cal/cm・sec・deg以上
でかつ密度が5.0g/cm3 以下のナトリウムをはじ
めとするアルカリ金属(周期律表のIA )およびそれ以
外の共晶合金を用いることができ、より具体的には例え
ばナトリウムやMg−Zn系合金などが用いられる。
【0009】この場合、冷却材の融点が高すぎると、使
用時において冷却材が溶融しにくくなり、溶融冷却材の
攪拌作用による冷却効果が低下する傾向となるので、冷
却材の融点は500℃以下のものとすることがとくに望
ましい。
【0010】また、冷却材の熱伝導度が低くなると冷却
材による冷却効果が小さなものとなるので、冷却材の熱
伝導度は固体状態において0.2cal/cm・sec
・deg以上のものとすることがとくに望ましい。
【0011】さらに、冷却材の密度が大きくなるとバル
ブの慣性重量が増大することとなるので、冷却材の密度
はバルブ母材の密度よりも小さなものであることが望ま
しく、バルブの慣性重量をより一層低下させてバルブ運
動の改善効果を得ることができるようにするためには、
冷却材の密度は5.0g/cm3 以下のものとすること
がとくに望ましい。
【0012】そして、このような冷却材を中空孔内に溶
融状態で流し込んだあと凝固させることによりバルブ傘
部側の中空孔底部近傍部分に引け巣よりなる溶融冷却材
の移動空間が形成されるようにするに際しては、例え
ば、冷却や加熱によって冷却速度を調整し、上記中空孔
底部近傍部分における溶融冷却材の凝固が最も遅くなる
ようにして当該部分での最終凝固により引け巣が形成さ
れるようになすことが可能である。
【0013】
【発明の作用】本発明に係わる中空バルブによれば、高
温となった状態で凝固冷却材のうちバルブ傘部側の一部
が溶融することにより高温のバルブ傘部より熱を奪って
高熱伝導度の前記凝固冷却材に効率的に熱を伝達する溶
融冷却材の移動空間を前記冷却材の凝固時の引け巣によ
り形成したものとなっているので、高温となっているバ
ルブ傘部からの低温のバルブ軸端側への熱の移動が前記
引け巣により形成された移動空間内で移動する溶融冷却
材を介して良好かつ円滑になされるようになり、バルブ
傘部の冷却が十分良好に行われるようになる。
【0014】また、本発明に係わる中空バルブの製造方
法によれば、上述した冷却性能の優れた中空バルブの製
造が容易に実現されるようになる。
【0015】
【実施例】図1は本発明に係わる中空バルブの一実施例
を示すものであって、この中空バルブ1は、バルブ傘部
1aとバルブ軸部1bを有していると共にバルブ軸部1
bからバルブ傘部1aにかけての内部に中空孔1cを有
し、中空孔1c内には冷却材2を封入した構造をなすも
のである。
【0016】そして、前記中空孔1cのバルブ軸端側に
は溶融状態で装入された冷却材2が凝固することにより
形成された凝固冷却材2aを有していると共に、中空孔
1cのバルブ傘部1a側には前記溶融状態で装入された
冷却材が最終的に凝固することにより引け巣として形成
された溶融冷却材の移動空間3を有した構造をなすもの
であり、中空バルブ1のバルブ傘部1aでの温度上昇時
において前記凝固冷却材2aのうちバルブ傘部1a側の
一部が溶融することにより高温のバルブ傘部1aから熱
を奪って高熱伝導度の前記凝固冷却材2aに効率的に熱
を伝達する溶融冷却材2bが前記移動空間3内で移動す
る構造となっている。
【0017】このような構造をなす中空バルブ1を製造
するに際しては、例えば、図2にも示すように、この実
施例においてオーステナイト系耐熱鋼であるSUH36
からなる棒材を熱間鍛造してバルブ傘部1aとバルブ軸
部1bを有するバルブ粗材に形成し、前記バルブ粗材の
前記バルブ軸部1bに直径4mm,深さ50mmの中空
孔1cをあけ、この中空孔1cの中に、冷却材2として
共晶合金であるMg−26原子%Znの塊をあらかじめ
溶融した溶融冷却材を取鍋の底部より流出させて不活性
雰囲気である窒素中で注入した後、冷却凝固させる。
【0018】このとき、バルブ傘部1a側の中空孔1c
付近が最終凝固位置となるようにするために、バルブ傘
部表面1e側を約100℃に加熱しておく。
【0019】その結果、バルブ傘部1a側の中空孔1c
付近には、この部分が最終凝固位置となることにより引
け巣が形成されてこれが溶融冷却材の移動空間3とな
り、バルブ軸端側に冷却材の酸化物よりなるスラグが浮
かび上がって堆積した状態となる。
【0020】そこで、この部分を削り落としてスラグ削
除を行った後、前記バルブ粗材とマルテンサイト系耐熱
鋼であるSUH11からなるバルブ軸端部材1dと摩擦
圧接面Fで摩擦圧接することにより中空孔1cを塞ぐ。
【0021】この後、バルブ母材(オーステナイト系耐
熱鋼;SUH36)の時効熱処理として700℃×1h
の加熱を実施したあと、バルブ軸端部材1dを高周波焼
入れすることにより、中空孔1cの内壁に低熱伝導度の
冷却材酸化物の堆積が全く見られない冷却材封入型中空
バルブ1が製造される。
【0022】このようにして、エンジン稼働時の高温状
態においても、バルブ軸端側の中空孔1cには凝固冷却
材2aが常時存在すると共に、前記凝固冷却材2aのう
ちバルブ傘部1a側の一部が溶融して溶融冷却材2bと
なり、この溶融冷却材2bが引け巣により形成された移
動空間3内で移動することにより高温のバルブ傘部1a
より熱を奪って高熱伝導度の前記凝固冷却材2aに効率
的に熱を伝達してスムーズな冷却が行なわれるようにな
る。
【0023】
【評価例】次に、図1に示した本発明実施例の冷却材封
入型中空バルブ1と、本発明の他の実施例として共晶合
金の代わりにナトリウムを封入した冷却材封入型中空バ
ルブと、従来の冷却材封入方法で製作した図3に示す比
較例の中空バルブ11と、冷却材を封入しない同じく比
較例の中実バルブとをそれぞれ実機エンジンの排気側に
組み込み、表1に示すエンジン運転条件で1時間運転し
て、各実施例および比較例のバルブにおけるバルブ傘部
表面1eの最高温度を測定した。これらの結果を表2に
示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表2に示すように、本発明実施例1,2の
場合には比較例1,2の場合に比べてバルブ傘部表面1
eの最高温度がかなり低いものとなっていることが認め
られた。そして、実施例1では冷却材2としてアルカリ
金属ではない共晶合金を用いているので製造性に優れた
ものであり、実施例2では冷却材として融点の低いナト
リウムを用いているので冷却効果がより十分なものであ
ることが認められた。
【0027】
【発明の効果】本発明に係わる中空バルブによれば、中
空孔のバルブ軸端側に凝固冷却材を有すると共に、前記
中空孔のバルブ傘部側に冷却材の凝固引け巣により形成
された溶融冷却材の移動空間を有する構成としたから、
高温となっているバルブ傘部から低温のバルブ軸端側へ
の熱の移動が良好かつ円滑になされるようになり、熱処
理時や使用時の高温下でバルブ中空孔の内壁に低熱伝導
度の冷却材酸化物の堆積がなくなって、優れた冷却性能
を有する中空バルブを提供することが可能になるという
著しく優れた効果が得られ、また、本発明に係わる中空
バルブの製造方法によれば、上記顕著な効果を有する中
空バルブを容易に製造することが可能であるという優れ
た効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による冷却材封入型中空バル
ブの構造を示す説明図である。
【図2】本発明による中空バルブの製造方法における工
程を例示する説明図である。
【図3】従来の冷却材封入型中空バルブの構造を示す説
明図である。
【図4】従来の冷却材封入型中空バルブの製造方法にお
ける工程を例示する説明図である。
【符号の説明】
1 中空バルブ 1a バルブ傘部 1b バルブ軸部 1c 中空孔 2 冷却材 2a 凝固冷却材 2b 溶融冷却材 3 溶融冷却材の移動空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江 平 淳 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社 内 (72)発明者 片 瀬 康 亨 神奈川県藤沢市石川2958 富士バルブ株 式会社 内 (72)発明者 阿久津 英 俊 埼玉県桶川市上日出谷1230 三菱マテリ アル株式会社 内 (72)発明者 中 山 宏 明 埼玉県桶川市上日出谷1230 三菱マテリ アル株式会社 内 (56)参考文献 特開 平3−18605(JP,A) 特開 平2−218807(JP,A) 実開 昭56−147305(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 3/14 F01L 3/24 F01L 3/02 F01L 3/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空孔に冷却材を封入した中空バルブに
    おいて、前記中空孔のバルブ軸端側に凝固冷却材を有す
    ると共に、前記中空孔のバルブ傘部側に冷却材の凝固引
    け巣により形成された溶融冷却材の移動空間を有するこ
    とを特徴とする中空バルブ。
  2. 【請求項2】 中空孔に冷却材を封入した中空バルブを
    製造するにあたり、バルブ軸端側に開口して設けた中空
    孔に溶融状態の冷却材を流し込んで凝固させることによ
    り、バルブ傘部側の中空孔底部近傍に引け巣よりなる溶
    融冷却材の移動空間を形成した後、前記中空孔の開口部
    分に生じた冷却材の酸化物よりなるスラグを除去し、次
    いでバルブ軸端部材を接合して前記中空孔を閉塞するこ
    とを特徴とする中空バルブの製造方法。
JP3453991A 1991-02-28 1991-02-28 中空バルブおよびその製造方法 Expired - Lifetime JP2758996B2 (ja)

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