JP2757456B2 - モノヒドロキシ単環式アセタールおよびそのエステルの製法 - Google Patents

モノヒドロキシ単環式アセタールおよびそのエステルの製法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、モノヒドロキシ単環式アセタールおよびそ
のエステル、例えば、トリメチロールプロパン環式ホル
マール(TMPF)およびそのアクリル酸エステル(THPFAc
A)の改善された製造方法に関する。
[従来の技術] モノヒドロキシ単環式アセタール類およびそのある種
のエステル類は公知である。例えば、米国特許第4,076,
727号(Zey et al,1978年2月28日)および同第4,207,1
55号(Martin et al,1980年6月10日)は、トリメチロ
ールプロパン(TMP)、トリメチロールエタン(TME)、
および一般式: (式中、nは1〜4)で示される化合物(例、グリセリ
ン)よりなる群から選ばれた3価アルコールに、ホルム
アルデヒドもしくはホルムアルデヒド供給源、C2〜C4
ルデヒド(例、ブチルアルデヒド)、およびC2〜C4ハロ
ゲン化アルデヒド(例、クロラール)よりなる群から選
ばれたアルデヒドを反応させることによるモノヒドロキ
シ単環式アセタールの製造を開示している。この反応の
例として、上記米国特許のいずれの実施例1にも、触媒
としてp−トルエンスルホン酸を使用してベンゼンの存
在下でトリメチロールプロパンにホルムアルデヒドを反
応させて粗組成物を得る方法が例示されている。この粗
生成物は次いで還流して水分を除去し、冷却し、抽出に
より触媒を除去し、乾燥し、溶媒ストリッピングにより
ベンゼンを除去し、減圧蒸留して、モノヒドロキシ単環
式トリメチロールプロパンホルマール(TMPF)と思われ
る生成物を87%の収率で得ている。
モノヒドロキシ単環式アセタール(例、TMPF)を生成
させた後、これを上記の米国特許第4,207,155号に記載
の3種類の方法のいずれかにより、エステル(例、アク
リル酸もしくはメタクリル酸エステル)に転化させるこ
とができる。この3種類の方法とは、エステル交換触媒
(例、チタン酸エステル)を使用して所望の酸部位を含
有する低沸点エステル(例、アクリル酸エチル)とエス
テル交換する方法、塩化アクリロイルもしくは塩化メタ
クリロイルを反応させる方法、および酸性アセタール生
成触媒を使用してアクリル酸もしくはメタクリル酸によ
り直接エステル化する方法である。得られたモノヒドロ
キシ単環式アセタールのアクリル酸およびメタクリル酸
エステルは、米国特許第4,076,727号に、「ビニル重合
性モノマーを利用した実際上すべての使用目的に有用で
あり、また、特に不飽和基含有塗料の希釈剤、特に紫外
線硬化型塗料の希釈剤として有用である」と説明されて
いる。
関連する別の従来技術は英国特許第1,166,366号であ
り、この特許には、環式アセタールアルコールとエステ
ル化用の酸のハロゲン化物もしくは無水物との反応を、
当量のピリジンのような塩基の存在下に行う方法、ある
いは環式アセタールとエステル化用の酸もしくはその無
水物との反応を、別の強酸性触媒の存在下に行う方法を
包含する環式アセタールエステルの各種の合成手段が開
示されている。欧州特許出願公開第165,164号の6およ
び7頁には、グリセリンホルマールの混合物をピリジン
の存在下に無水酢酸によりアシル化する方法が記載され
ている。
本発明によれば、トリメチロールプロパン、トリメチ
ロールエタン、および一般式: (式中、nは1〜4)で示される化合物(例、グリセリ
ン)よりなる群から選ばれた3価アルコールと、一般
式: R′CHO (II) (式中、R′は水素、C1〜C3アルキル、またはC1〜C3
ロゲン化アルキル基を意味する)で示されるアルデヒド
とのモノヒドロキシ単環式アセタールが、この3価アル
コールとアルデヒドとから得られた、目的とするモノヒ
ドロキシ単環式アセタールに比べて「より重質な縮合生
成物」、すなわち、上記モノヒドロキシ単環式アセター
ルより高分子量かつ高沸点の縮合生成物(以下、この
「より重質な縮合生成物」を単に重質縮合生成物とい
う)を少なくとも1種含有する反応材料をアセタール生
成条件に付す(すなわち、アセタール生成条件で処理す
る)ことにより製造される。
上記米国特許第4,076,727号および4,207,155号に示さ
れているように、3価アルコールと一般式(II)のアル
デヒドとの縮合により、主に下記一般式(III)、(I
V)または(V)の少なくとも1種のモノヒドロキシ単
環式アセタールが生成する。
上記式中、Rはエチルまたはメチル基であり、R′お
よびnは前記と同じ意味である。すなわち、一般式(II
I)のアセタールは、TMPまたはTMEとアルデヒドとの縮
合により生成し、一般式(IV)のアセタールはグリセリ
ンの第一および第三炭素原子に結合した2個のヒドロキ
シル基とアルデヒドとの縮合により生成し、一般式
(V)のアセタールは一般式(I)の任意の3価アルコ
ールの第一および第二炭素原子に結合した2個のヒドロ
キシル基とアルデヒドとの縮合により生成する。グリセ
リンの場合、一般式(IV)と(V)の両方のアセタール
の混合物(混合アセタール)が得られ、一般式(V)に
おけるnの値は1である。
しかし、上記の群から選ばれた3価アルコールとアル
デヒドとを、上で引用した米国特許に開示されたアセタ
ール生成条件で処理して縮合反応させると、目的とする
上記一般式(III)、(IV)または(V)のモノヒドロ
キシ単環式アセタールのみが生成するのではないことが
判明した。すなわち、より高分子量の重質縮合生成物が
少量ではあるがかなりの量(例えば、モノヒドロキシ単
環式アセタールの理論収量の約10〜20%程度の量)で同
時に生成することが認められた。このような重質縮合生
成物を廃棄してしまうと、目的とするモノヒドロキシ単
環式アセタール生成物の総収率が低下し、この製造方法
にとって経済的な損失となる。
さらに、このような重質縮合生成物の少なくとも一部
を供給混合物中に含む組成物を、上記のモノヒドロキシ
単環式アセタール目的生成物の製造時に特定の群から選
ばれた3価アルコールとアルデヒドとに作用させた反応
条件と同様のアセタール生成条件に付すと、この混合物
の再平衡化が起こり、再構成された平衡混合物が生成す
ることが見出された。しかも、この再構成された混合物
は、最初の3価アルコールとアルデヒドとの縮合で得ら
れたのとそれぞれほぼ同様の量で目的とするモノヒドロ
キシ単環式アセタール生成物と重質縮合生成物とを含有
する。すなわち、最初から存在していた重質縮合生成物
ならびに最初から存在していたモノヒドロキシ単環式ア
セタールと新たに添加した遊離の3価アルコールおよび
アルデヒドを包含する、反応系に存在する化合および未
化合の3価アルコールおよびアルデヒド反応成分の合計
量に基づいて、例えば理論収量の約80%の目的とするモ
ノヒドロキシ単環式アセタールと約20%の重質縮合生成
物とを含有する。従って、3価アルコールとアルデヒド
との反応による目的のモノヒドロキシ単環式アセタール
の製造において、上記の再平衡化の効果を利用し、反応
混合物からモノヒドロキシ単環式アセタール目的生成物
を分離した後に残る重質縮合生成物の少なくとも一部を
反応に再循環させることにより、目的生成物の総収率を
上げることが可能となる。モノヒドロキシ単環式アセタ
ール生成物をさらに生成させるために反応させる重質縮
合生成物が、最初の供給混合物中に、これに存在する任
意の遊離3価アルコール、遊離アルデヒド、さらにモノ
ヒドロキシ単環式アセタールを含む組成物の全成分の反
応から生ずる平衡量に対して多量、平衡量と同量、ある
いはそれより少量のいずれの量で存在していようとも、
上記の効果による利点が得られることは認められよう。
前述したように、重質縮合生成物のかかる平衡含有量
は、組成物中に遊離または化合状態のいずれかで存在す
る3価アルコールおよびアルデヒド成分の合計量に基づ
いて一般に約10〜20%の量である。
生成物中に存在する重質縮合生成物から分離したモノ
ヒドロキシ単環式アセタールを取得した後、得られたア
セタールをエステルに転化させることもできる。このよ
うなエステルの生成は、米国特許第4,207,155号に記載
の方法、すなわち、エステル交換法、酸ハロゲン化物と
の反応、および遊離酸との直接エステル化、あるいはそ
の他の適当なエステル化法、例えば、ピリジンの存在下
でアセタールをエステル化用の酸の無水物と反応させる
方法を使用して行うことができる。
本発明によりモノヒドロキシ単環式アセタール目的生
成物と副生する重質縮合生成物との生成に使用しうる3
価アルコールの具体例としては、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタンおよびグリセリンの他に、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオールお
よび1,2,6−ヘキサントリオールが挙げられる。好まし
い3価アルコールはトリメチロールプロパン(TMP)で
ある。
本発明によりモノヒドロキシ単環式アセタール目的生
成物と副生する重質縮合生成物との生成に使用しうるア
ルデヒドの例をいくつか挙げると、ホルムアルデヒド以
外に、例えば、アセトアルデヒド、n−プロピオンアル
デヒド、n−ブチルアルデヒド、およびクロラールがあ
る。好ましいアルデヒドはホルムアルデヒドであり、こ
れはガス状または水溶液(ホルマリン)またはアルコー
ル溶液の状態で使用することができる。また、ホルムア
ルデヒドはパラホルムアルデヒドまたはトリオキサンな
どのポリマー状態で入手したものを使用することもでき
る。TMPとホルムアルデヒドとの縮合反応の場合、目的
とするモノヒドロキシ単環式アセタール生成物、すなわ
ち、TMPFは次式で示される。
本発明の方法を実施する場合、上記3価アルコールと
アルデヒドとの重質縮合生成物を含有する反応供給材料
を、アセタール生成用の酸触媒(例、硫酸、メタンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、スルホン酸型イオン交換触媒等の酸性イオン交換触
媒など)と、約150℃までの温度、好ましくは約120℃以
下の温度で、約1〜20時間接触させる。好ましくは、反
応供給材料は、上記重質縮合生成物以外に、別途に供給
した3価アルコールと、3価アルコール1モル当たり約
0.5〜1.2モルのアルデヒド、ならびに組成物の全重量の
約15〜90重量%の量の比較的低沸点の還流溶媒を含有す
る。この溶媒は、大気圧での沸点が約150℃以下より、
より好ましくは約115℃以下のものがよく、具体的に
は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、またはこれらの溶媒の混合物が例示される。
得られた組成物を、例えば、約60〜130℃で還流加熱し
て反応水を除去し、反応後、アルカリ金属炭酸塩、重炭
酸塩もしくは水酸化物の水溶液で抽出して触媒を除去す
る。次いで、還流溶媒を、例えば、約100〜300mmHgの絶
対圧で約150℃以下の温度で減圧留去する。大部分の還
流溶媒を除去した後、残留する混合物を真空度を高めて
蒸留し(例、約20mmHgの絶対圧で約130〜136℃の温度
で)、目的とするモノヒドロキシ単環式アセタール生成
物を取り出す。残留する重質縮合生成物を、次いで上記
と同様の反応条件で処理する。この処理は、好ましくは
これを反応器に再循環し、別途に供給した3価アルコー
ルおよびアルデヒドと共に反応させることにより行う。
前述したように、3価アルコール(例、TMP)とアル
デヒド(例、ホルムアルデヒド)との縮合により、目的
とするモノヒドロキシ単環式アセタール(例、TMPF)の
他に、理論収量の約10〜20%の量で重質縮合生成物が副
生する。TMPとホルムアルデヒドとの縮合の場合、この
ような重質縮合生成物のガスクロマトグラフィー(GC)
および核磁気共鳴(NMR)分析の結果から、この生成物
の一つは次式で示されるTMPの2環式モノ線状ホルマー
ルであることが示される。
TMPとホルムアルデヒドとの他の重質縮合生成物とし
て、下記構造を有するTMP2モルとホルムアルデヒド2モ
ルとの単環式線状縮合生成物[一般式(VIII)]および
TMP2モルとホルムアルデヒド1モルとの非環式縮合生成
物[一般式(IX)]が考えられる。
本発明で使用するTMPおよび/またはホルムアルデヒ
ド以外の3価アルコールおよび/またはアルデヒドの縮
合の場合、副生する重質縮合生成物の構造は、上に示し
たTMPとホルムアルデヒドとの重質縮合生成物の構造式
に類似したものとなると考えられ、その各種の化学基
は、目的とするモノヒドロキシ単環式アセタールを製造
するために縮合させた原料の3価アルコールとアルデヒ
ドに存在していたものに対応する。
本発明の方法は、上記の3価アルコールとアルデヒド
との重質縮合生成物のみからなる反応性材料を、前述し
たようなアセタール生成反応条件で処理することにより
行うことも可能であるが、かかる重質縮合生成物に別途
に供給した遊離(非化合)状態の3価アルコールおよび
アルデヒドを混合してこの重質縮合生成物の反応を行う
ことが好ましい。例えば、上記縮合反応混合物から水お
よび目的生成物のモノヒドロキシ単環式アセタールを分
離した後に残渣として残る重質縮合生成物を、反応帯域
に再循環させ、3価アルコールおよびアルデヒドの新た
な供給物と混合する。この方法は、再循環させた重質縮
合生成物に新たに供給した3価アルコールとアルデヒド
を混合し、この混合物をアセタール生成条件下で反応さ
せ、反応水と目的生成物のモノヒドロキシ単環式アセタ
ールとを分離した後、残留する重質縮合生成物をまた別
途に供給した3価アルコールおよびアルデヒドと混合と
混合して反応させるという工程順で行なわれ、これは連
続式(揺動型反応器を使用)、半連続式または回分式の
いずれでも実施することができる。
本発明のモノヒドロキシ単環式アセタールと適当な酸
とのエステルを形成する場合、米国特許第4,207,155号
に開示された方法、すなわち、この酸の低沸点アルコー
ルとのエステルを使用してエステル交換触媒の存在下で
エステル交換させる方法、この酸の酸ハロゲン化物ある
いは酸無水物を反応させる方法(酸無水物を使用する場
合には、例えばピリジンなどの塩基の存在下で反応させ
てもよい)、および酸性エステル化触媒の存在下でこの
酸により直接エステル化する方法のいずれを使用して
も、アセタールから所望のエステルを製造することがで
きる。エステル化用の酸は、例えば、不飽和酸(例、ア
クリルもしくはメタクリル酸など)、または飽和酸
(例、アルキル基の炭素数が1〜10のアルカン酸など)
のいずれも可能である。エステル、特にアクリル酸もし
くはメタクリル酸とのエステルの好ましい製造方法は、
エステル交換触媒としてオルトチタン酸テトライソプロ
ピルを使用して、原料のモノヒドロキシ単環式アセター
ルを、適当な酸の炭素数1〜4のアルキル基によるアル
キルエステルとエステル交換することによる方法であ
る。このエステル交換反応の副生物は、使用したエステ
ル交換用のエステルのアルキル基に対応するアルカノー
ルである。例えば、アクリル酸メチルとのエステル交換
により原料モノヒドロキシ単環式アセタールのアクリル
酸エステルを製造する場合、副生物はメタノールであ
り、これはアクリル酸メチルとの共沸混合物として反応
混合物から留出してくる。一般に、エステル交換反応
は、アセタールと1.0〜10モルのアルキルエステルとを
約0.1〜5.0重量%の触媒を使用して、約50〜150℃の温
度で副生する低級アルカノールがほとんど或いはまった
く発生しなくなるまで(一般には約1〜20時間)反応さ
せることにより行われる。
上記エステルの別の好ましい製造方法は、使用する環
式アセタールに、ピリジンなどの塩基の存在下でエステ
ル化用の酸の無水物を反応させる方法である。
環式アセタールとアクリル酸もしくはメタクリル酸な
どの不飽和酸とのエステルをエステル交換反応または酸
との直接エステル化反応により製造する場合、反応中の
不飽和酸の重合を防止ないし抑制するために、米国特許
第4,207,155号の第3欄に開示されているヒドロキノン
メチルエステル(MEHQ)またはその他の任意の重合防止
剤を一般に添加してエステル化反応を行う。
以下、実施例により本発明の方法を例示する。
実施例1〜6 本実施例では、トリメチロールプロパン環式ホルマー
ル(TMPF)の製造を、トリメチロールプロパン(TMP)
とパラホルムアルデヒドから得られたホルムアルデヒド
(HCHO)との反応(実施例1)、前の実施例で得られた
TMPF以外のTMPとHCHOとの重質縮合生成物に、TMPおよび
パラホルムアルデヒドからのHCHOを新たに添加した混合
物の反応(実施例2および3)、新たなTMPおよびHCHO
のいずれも添加せずに重質縮合生成物のみの反応(実施
例4および5)、あるいはTMPのみを新たに添加した重
質縮合生成物の混合物の反応(実施例6)により行っ
た。反応は、酸性触媒としてメタンスルホン酸(MSA)
を使用し、反応溶媒として還流ベンゼン中で実施して、
反応水の共沸蒸留により反応完結に導いた。使用した装
置は、加熱マントル、サーモウェル、機械式撹拌機、3
インチ(7.6cm)×10段のオルダーショー(Oldershaw)
蒸留カラム、分液器、および還流冷却器を取り付けた12
のフラスコからなるものであった。中和および分液工
程には、加熱マントル、機械式撹拌機、および底部抜取
口を備えた別の12のフラスコを用いた。ベンゼン溶媒
の除去および最終的なTMPFの減圧蒸留には1段式(one
−plate)フラッシュ蒸留装置を使用した。
上記反応成分を70%水溶液の状態のMSAおよびベンゼ
ン溶媒と共に反応器に仕込んだ。この反応混合物を加熱
撹拌し、反応水を塔頂からベンゼンとの共沸混合物とし
て除去しながら、反応を還流ベンゼン中で80〜95℃の温
度で行った。留出速度は、1分当たり全反応装入物の約
0.8%に相当する速度であった。反応の進行は、水の生
成量および生成速度を測定することにより追跡した。5.
5〜6.5時間の代表的な反応時間の経過後、水の生成速度
は1時間当たり全理論量の約1%に低下し、理論量の水
が塔頂留出物として捕集された。
MSA触媒を20%過剰の13%Na2CO3水溶液により中和し
た。45〜50℃で1時間後、分液を行った。下層の水層は
反応器から抜き出し、捨てた。有機相からは100gの水に
よる洗浄で中和により生成した痕跡量の塩を除去し、こ
の分液は45〜50℃で30分を要した。有機相を1段式減圧
蒸留装置に移し、ベンゼンの大部分を100〜130mmHgの圧
力でフラッシュ蒸発させた。塔底温度は150℃以下に保
持した。
ベンゼンの除去後、生成物の蒸留のために圧力を20mm
Hgに低下させた。少量の立ち上がり部の留分(20mmHgで
塔底<140℃、塔頂<130℃)の後、生成物を130〜136℃
(塔底<140〜165℃,20mmHg)で捕集した。生成物の熱
分解を抑えるために、塔底温度は165℃を超さないよう
にした。
各実施例における新たに装入した材料(別途装入
物)、再循環材料および生成物の蒸留で取得した材料の
量を次の表にまとめて示す。「別途装入物」の欄の数値
は、各実施例で添加した新たなTMPおよびHCHOの量、前
回の実施例から回収された溶媒と処理中に失われた分を
補給するために添加した新たなベンゼンとの両方を含む
全ベンゼン量、および各回に添加したMSAの量を包含す
る。MSAの再循環は不可能である。「再循環」の欄の数
値は、蒸留立ち上がり留分(riser cut)すなわち前駆
留分(forecut)、蒸留釜残、および減圧蒸留の冷却ト
ラップに捕集された材料の量であり、その大部分は次の
実施例に再循環して、新たに装入した材料に加えて初期
装入物の一部として利用した。各実施例において、蒸留
での中心留分(heart cut)をTMPF生成物として回収
し、「重質縮合生成物」は既に述べたように残渣に濃縮
された。
上記の表に示した各実施例の中心留分をガスクロマト
グラフィー(GC)および核磁気共鳴(NMR)を用いて分
析した結果、これらはTMPF約99%からなり、残部は主と
してTMPの2環式線状ホルマール[前記一般式(VII)]
からなることが示された。この分析結果から実施例1〜
6で得たTMPFの総合的な製造効率(収率)を算出したと
ころ、TMPに基づいて94.6%、HCHOに基づいて95.3%で
あった。次の実施例に再循環した各実施例で得られた残
渣(釜残)の試料の同様な分析結果から、TMPの2環式
線状ホルマール[前記一般式(VII)]の存在のほか
に、恐らく前記一般式(VIII)および(IX)の化合物を
含む他の「重質縮合生成物」の存在も示された。一般
に、これらの実施例の結果から、残渣の重質縮合生成物
を、前回の実施例で生成したTMPFを取り出した後でさら
に反応に付すと、これは約80%のTMPF生成物と約20%の
重質縮合生成物とに再平衡化することが示された。この
再平衡化により、上述したTMPFの全体的な製造効率は、
残渣中の重質縮合生成物を反応させてもさらにTMPFを生
成することはないと仮定してこれを捨ててしまった場合
に比べてはるかに高くなった。
実施例7および8 本実施例は、TMPおよびパラホルムアルデヒドからの
ホルムアルデヒドを原料とするTMPFの製造を例示する。
次に述べる点を除いて、実施例1の一般的な方法を使用
した。
10段×3インチではなく5段×2インチ(5.1cm)の
オルダーショー蒸留カラムを使用した。反応装入物は、
TMP 4294g(32モル)、ホルムアルデヒド1045g(32モ
ル)、トルエン3535g、n−ヘキサン1773g、および70%
MSA 水溶液75.5gであった。これらの反応材料を丸底フ
ラスコに仕込み、撹拌しながら7時間還流加熱した。塔
底温度は75〜92℃の範囲内で変動し、塔頂温度は63〜68
℃の範囲内で変動した。水の除去速度が遅くなるまで反
応水を塔頂から捕集して、理論量の水を回収した。反応
後、粗製反応混合物を13% Na2CO3水溶液500mlづつで
2回抽出し、蒸留水で洗浄した。中和後、生成物を1段
式蒸留装置を使用した蒸留により精製した。残留する溶
媒の大部分を中程度の減圧条件(100〜140mmHg絶対圧=
mmHgA)で留去し、その後、残留する生成物を1段蒸留
および高真空を使用して蒸留することにより純粋なTMPF
を得た。
実施例7では、溶媒260gを圧力125mmHgAおよび塔頂温
度81〜85℃で回収し、立ち上がり前駆留分202g(理論収
量の4.3%)は圧力12〜25mmHgAおよび塔頂温度80〜122
℃で回収し、TMPF留分3541g(理論収量の75.8%)は圧
力3〜5mmHgAおよび塔頂温度106〜114℃で回収し、558g
の残渣(理論収量の11.9%)が残った。
実施例8では、溶媒240gを圧力115mmHgAおよび塔頂温
度81〜103℃で回収し、立ち上がり前駆留分375g(理論
収量の8.0%)は圧力8mmHgAおよび塔頂温度106℃以下で
回収し、TMPF留分3238g(理論収量の69.2%)は圧力4
〜5mmHgAおよび塔頂温度104〜115℃で回収し、520gの残
渣(理論収量の11.1%)が残った。
実施例9 実施例7および8の方法を繰り返したが、実施例7お
よび8で回収した立ち上がり前駆留分および残渣の全量
1655g(11.32モル)も他の反応材料と共に反応器に仕込
んだ。133gの量の溶媒を圧力25〜135mmHgA及び塔頂温度
94℃までで回収し、立ち上がり前駆留分238g(理論収量
の3.8%)は圧力8〜25mmHgAおよび塔頂温度115℃まで
で回収し、TMPF留分4390g(理論収量の69.4%)は圧力
5〜8mmHgAおよび塔頂温度112〜115℃で回収し、1259g
の残渣(理論収量の19.9%)が残った。
実施例7、8および9で得られた生成物の累積収量
は、立ち上がり前駆留分238g(1.63モル、理論収量の1.
7%)、TMPF留分11,169g(76.40モル、理論収量の79.6
%)、及び残渣1259g(8.61モル、理論収量の9.0%)で
あった。
実施例9の残渣の収量が、実施例7および8の2実施
例から装入された残渣の絶対量より少ないことは注目に
値する。これは、前述したTMPFより重質成分の再循環が
ホルマール混合物の再平衡化に作用するとの結論を支持
している。
実施例10 本実施例は、エステル交換触媒としてオルトチタン酸
テトライソプロピルを、また重合防止剤としてヒドロキ
ノンメチルエステル(MEHQ)を使用して、TMPFをアクリ
ル酸メチル(MeAcA)とエステル交換することによる、
トリメチロールプロパン単環式ホルマールアクリル酸エ
ステル(TMPFAcA)の合成を例示する。
このエステル交換反応には、1インチ(2.5cm)×40
段のオルダーショー蒸留カラム、温度計用サーモウェ
ル、機械式撹拌機、ガススパージ導入口、試料採取口、
および追加の導入口を備えた3のフラスコを使用し
た。加熱には油浴を使用した。
10%の酸素(O2)を含有する窒素を0.25Nft3/hr(SCF
H)の流速で導入してスパージしている反応器に、実施
例2〜6に記載の重質縮合生成物を再循環させる方法で
調製したTMPF730g(5.0モル)、MeAcA603g(0.7モル)
およびMEHQ0.2g(最終生成物に基づいて200ppm)を仕込
んだ。反応系を還流状態に加熱し、沸騰により留出した
物質を、オルダーショー蒸留カラムの塔頂に設けた塔頂
冷却装置内で完全に凝縮させた。オルダーショー蒸留カ
ラムの40段の位置にある導入口を使用して、蒸留カラム
内でのMeAcAの重合を防止するために重合防止剤を添加
した(MeAcA 中MEHQ 1000ppm,添加速度=3ml/hr)。30
段の位置に設けた試料採取口は、共沸組成物の試料採取
のために使用した。凝縮液は蒸留カラムの塔頂に戻すた
めに貯液槽に流した。この貯液槽は、留出速度を測定す
るための目盛り付の受け器と、留出物のデータを取らな
い場合に凝縮液を集めるための別の受け器との組合わせ
からなるものであった。貯液槽内の液面は、これに付設
した液面センサーにより動作される液体ポンプにより一
定に保持した。
触媒を添加する前に、塔底の水分含有量が0.05重量%
以下に低下するまで貯液槽から水分を含有するアクリル
酸メチルを除去した。水分の除去は、オルトチタン酸テ
トライソプロピル触媒が加水分解して触媒として不活性
な二酸化チタンが生成するのを防止するために行った。
この乾燥中に除去されたMeAcAを補給するために、MeAcA
貯液槽からMeAcAを添加した。
触媒のオルトチタン酸テトライソプロピル14.5g(1.2
5重量%)を、ゴム膜(rubber septum)に通した注射器
から反応器に添加した。エステル交換反応で副生するメ
タノールを塔頂からメタノール/アクリルメチル共沸混
合物として除去しながら反応系を加熱撹拌した。この共
沸混合物の除去は、オルダーショー蒸留カラムの30段の
位置に配置した温度センサーにより制御した。この温度
センサーでタイマーとポンプとを動作させて、30段での
温度が65℃より低温に低下したときに貯液槽から共沸混
合物を除去した。
定常状態での操作中、貯液槽内の液体は、液面センサ
ーにより制御されるポンプにより蒸留カラムの塔頂に戻
された。液面センサーおよびポンプは、貯液槽内の液面
が一定で、かつ蒸留カラムの塔頂に戻る液体の液量が一
定に保持されるように調整した。この循環させる液体流
は、これを65℃に加熱する予熱器を通過させてから戻し
た。反応中に、共沸混合物として除去されたか、TMPFAc
Aに転化された分を補給するためにアクリル酸メチル(M
eAcA)を追加した。MeAcAの追加は、塔底で85℃付近の
ほぼ一定温度を保持するように温度条件により制御し
た。すなわち、塔底でのその濃度を変化させることによ
り、反応温度をある程度変化ないし制御することができ
た。このMeAcA供給系は、外部MeAcA貯液槽および塔底温
度を監視している温度センサーにより動作されるポンプ
から構成された。
反応は、GCモニターで測定して出発原料のTMPFの99.5
%が消費されるまで続けた。反応時間は、温度および触
媒仕込み量により異なるが、代表的には12〜13時間であ
った。反応終了後、還流冷却器、サーモウェル、ガス・
スパージ導入口、および機械式撹拌機を備えた3のフ
ラスコを含む反応装置を使用して、触媒を加水分解させ
るために、水を添加(触媒1gに対して1g)し、混合物を
80〜85℃に1時間加熱した。触媒の加水分解の終了は、
非晶質の水和TiO2の淡黄色沈殿により確認された。
セライト(Celite)濾過助剤(触媒1gに対して1g)を
添加し、よく混合した。触媒の減圧濾過工程は普通で1
〜2時間を要し、3の漏斗型ガラス濾過器を取り付け
た側腕(side−arm)型の濾過フラスコを使用した。脱
気を防止するために、濾液の液面より下に空気スパージ
(10%O2)を吹き込んだ(0.2SCFH)。濾過ケーキをMeA
cAで洗浄し、この洗液も濾液に合わせた。過剰のMeAcA
を回転フラッシュ蒸発器で除去すると、TMPFAcA生成物
が得られた。この蒸発器は、フラスコ内の液中にガス
(10%O2,2SCFH)を吹き込むバブリング管を備え、約10
0〜150mmHgの絶対圧で使用した。水浴を使用して、この
溶媒除去(ストリッピング)操作中フラスコ温度を45〜
50℃に保持した。
得られた生成物を小型のセライト・ガラス濾過器に通
して、最終濾液から痕跡量の固形粒子を除去した。
上述したエステル交換法を利用したTMPFAcAの製造収
率は、TMPFに基づいて少なくとも95.6%であることが認
められた。
次の実施例11および12は、ピリジンの存在下でのTMPF
と無水酢酸との反応によるトリメチロールプロパン環式
ホルマール酢酸エステル(TMPFA)の合成を例示する。
実施例11 機械式撹拌機、冷却器、温度計用サーモウェル、およ
び加熱浴を備えた三つ口丸底フラスコを反応に使用し
た。これに、実施例9に記載のように重質縮合生成物を
再循環させて調整したTMPF439g(3.00モル)、無水酢酸
388g(3.80モル)、およびピリジン600g(7.58モル)を
仕込んだ。
上記混合物を室温で29.5時間反応させた。この時点で
反応器内にはなお未転化のアルコールが残っていた。反
応混合物を次いで66〜67℃に2時間加熱した。得られた
生成物を、1インチ(2.5cm)×5段のオルダーショー
蒸留カラムを備えた3の丸底フラスコを使用して、減
圧(3〜15mmHgA)下に蒸留残渣の温度を約70℃より低
温に保持しながら蒸留により精製すると、無水酢酸、酢
酸およびピリジンがまず留出した。トリメチロールプロ
パン環式ホルマール酢酸エステル(TMPFA)を含有する
残留する混合物を、次に1段式蒸留装置を使用して蒸留
した。まず、全部で26g(理論収量の4.6%)の立ち上が
り前駆留分および減圧蒸留冷却トラップ留分を、圧力0.
5〜1.0mmHgAおよび塔頂温度70℃で取り出した。次い
で、519g(理論収量の91.9%)のTMPFA留分を圧力1.0mm
HgAおよび温度78℃で取り出すと、29g(理論収量の5.1
%)の残渣が残った。
実施例12 反応器に、TMPF2193g(15.0モル)、無水酢酸2231g
(21.9モル)、およびピリジン3450g(43.6モル)を仕
込み、この混合物を室温で70時間反応させた以外は、実
施例11の方法を繰り返した。反応生成物から、まず圧力
10〜20mmHgAおよび塔底温度60〜80℃で無水酢酸、酢酸
およびピリジンを取り出した。次いで、1段式蒸留装置
を使用して、圧力10〜20mmHgAおよび塔頂温度45〜112℃
で立ち上がり前駆留分613gを取り出した。最後に、圧力
10mmHgAおよび塔頂温度112〜115℃で2527g(理論収量の
89.5%)のTMPFA留分を取り出すと、154gの残渣が残っ
た。
実施例13 本実施例は、実施例11および12の一般的な操作を使用
した、本発明に係るグリセリン環式ホルマール酢酸エス
テル(MGFA)混合物の製造を例示する。
アセチル化反応は磁気撹拌機および滴下漏斗を備えた
2の丸底フラスコで行った。実施例9に記載のように
重質縮合生成物の再循環を行って調製したグリセリン環
式ホルマール(MGF)混合物320g(3.07モル)、無水酢
酸510.5g(5.0モル)、およびピリジン790g(10.0モ
ル)からなる反応材料を上記反応フラスコに仕込み、室
温で119時間撹拌した。アセチル化が完了した後、直径
1インチ(2.5cm)の蒸留ヘッド(蒸留カラムは用い
ず)、冷却器および減圧加熱用マントルを取り付けた丸
底フラスコで減圧蒸留を行うことにより、反応混合物を
精製した。まず、圧力60mmHgA、塔底温度68〜90℃で無
水酢酸、酢酸およびピリジンからなる軽質留分を取り出
した。次に、塔頂温度69〜125℃で立ち上がり前駆留分1
00gを取り出した。最後に、MGFA留分352g(理論収量の7
8.5%)を取り出すと、30gの残渣が残った。また、減圧
蒸留冷却トラップから4gの材料が捕集された。
実施例2〜6および実施例9の方法は、本発明に係る
他のモノヒドロキシ単環式アセタールの製造にも利用す
ることができた。この他のモノヒドロキシ単環式アセタ
ールの具体例としては、TMP環式アセタール、TMP環式プ
ロピオナール、TMP環式ブチラール、TME環式ホルマー
ル、TME環式アセタール、TME環式プロピオナール、TME
環式ブチラール、グリセリン−1,2−環式ホルマールと
グリセリン−1,3−環式ホルマールとの混合物(混合グ
リセリン環式ホルマール)、混合グリセリン環式アセタ
ール、混合グリセリン環式プロピオナール、混合グリセ
リン環式ブチラール、1,2,6−ヘキサントリオールの1,2
−環式ホルマール、1,2,6−ヘキサントリオールの1,2−
環式アセタール、1,2,6−ヘキサントリオールの1,2−環
式プロピオナール、および1,2,6−ヘキサントリオール
の1,2−環式ブチラールが例示される。製造する生成物
の種類に応じて反応その他の操作条件の最適範囲がいく
らか変動することは当然である。
実施例10〜13に記載の方法を使用して、本発明にかか
るTMPFAcA、TMPFAおよびMGFA以外のモノヒドロキシ単環
式アセタールのエステルを製造することができた。この
ような他のエステルの具体例としては、TMPFメタクリレ
ート、TMPFプロピオネート、TME環式ホルマールアクリ
レート、TME環式ホルマールメタクリレート、TME環式ホ
ルマールアセテート、TME環式ホルマールプロピオネー
ト、混合グリセリン環式ホルマールアクリレート、混合
グリセリン環式ホルマールメタクリレート、混合グリセ
リン環式ホルマールアセテート、混合グリセリン環式ホ
ルマールプロピオネート、4−(4−ヒドロキシブチ
ル)−1,3−ジオキソランアクリレート、4−(4−ヒ
ドロキシブチル)−1,3−ジオキソランメタクリレー
ト、4−(4−ヒドロキシブチル)−1,3−ジオキソラ
ンアセテート、および4−(4−ヒドロキシブチル)−
1,3−ジオキソランプロピオネートが例示される。
前述したように、本発明の方法により得られる不飽和
酸による環式アセタールのエステルは、多様なポリマー
製品、特に、例えば前掲の米国特許に開示されたような
紫外線硬化性塗料を含む製品の製造にモノマーとして使
用するのに適している。
本発明の方法により得られる遊離の環式アセタールお
よびこの環式アセタールと飽和または不飽和酸とのエス
テルは、例えば、トリオキサンなどのホルムアルデヒド
供給源との共重合により、ある種の官能性側鎖を有する
アセタールポリマーの製造にも使用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 ジェイムズ・エイチ・ジョージ アメリカ合衆国テキサス州、ポートラン ド、セント・チャールズ2011 (56)参考文献 特公 昭44−30094(JP,B1) 特公 昭44−27892(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 319/06 C07D 321/00 C07D 317/20 C07D 317/24

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリメチロールプロパン、トリメチロール
    エタン、および一般式: (式中、nは1〜4)で示される化合物よりなる群から
    選ばれた3価アルコールと、一般式: R′CHO (式中、R′は水素、C1〜C3アルキル、またはC1〜C3
    ロゲン化アルキル基を意味する)で示されるアルデヒド
    とのモノヒドロキシ単環式アセタールの製造方法であっ
    て、前記3価アルコールと前記アルデヒドとから得た、
    目的とするモノヒドロキシ単環式アセタールより高分子
    量かつ高沸点の少なくとも1種の縮合生成物を含有する
    反応材料をアセタール生成条件で処理することを特徴と
    する方法。
  2. 【請求項2】前記モノヒドロキシ単環式アセタールがト
    リメチロールプロパン環式ホルマールであり、前記3価
    アルコールがトリメチロールプロパンであり、前記アル
    デヒドがホルムアルデヒドである、請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】トリメチロールプロパン、トリメチロール
    エタン、および一般式: (式中、nは1〜4)で示される化合物よりなる群から
    選ばれた3価アルコールを、一般式: R′CHO (式中、R′は水素、C1〜C3アルキル、またはC1〜C3
    ロゲン化アルキル基を意味する)で示されるアルデヒド
    と反応させて、モノヒドロキシ単環式アセタールおよび
    このモノヒドロキシ単環式アセタールより高分子量かつ
    高沸点の少なくとも1種のより重質な縮合生成物を生成
    させ、前記より重質な縮合生成物から前記モノヒドロキ
    シ単環式アセタールを分離し、前記より重質な縮合生成
    物の少なくとも一部をアセタール生成条件で処理して、
    前記モノヒドロキシ単環式アセタールをさらに生成させ
    ることを特徴とする、モノヒドロキシ単環式アセタール
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記より重質な縮合生成物を、追加供給し
    た前記3価アルコールおよびアルデヒドの存在下にアセ
    タール生成条件で処理する、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記反応の反応帯域から生成物を取り出
    し、前記モノヒドロキシ単環式アセタールとより重質な
    縮合生成物とに分離し、分離したより重質な縮合生成物
    を前記3価アルコールおよびアルデヒドの新たな供給と
    共に前記反応帯域に再循環させる、請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】前記3価アルコールがトリメチロールプロ
    パンであり、前記アルデヒドがホルムアルデヒドであ
    り、前記モノヒドロキシ単環式アセタールがトリメチロ
    ールプロパン環式ホルマールである、請求項4記載の方
    法。
  7. 【請求項7】請求項5記載の方法において分離されたモ
    ノヒドロキシ単環式アセタールを、触媒としてオルトチ
    タン酸テトライソプロピルを使用して、アクリル酸、メ
    タクリル酸およびアルキル基部分の炭素数1〜4のアル
    カン酸よりなる群から選ばれたエステル化用の酸のアル
    キルエステルとエステル交換反応させて、前記モノヒド
    ロキシ単環式アセタールの相当するエステルを製造する
    方法。
  8. 【請求項8】前記モノヒドロキシ単環式アセタールがト
    リメチロールプロパン環式ホルマールであり、前記アル
    キルエステルがアクリル酸メチルエステルであり、前記
    モノヒドロキシ単環式アセタールのエステルがトリメチ
    ロールプロパン環式ホルマールアクリル酸エステルであ
    る請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】請求項5記載の方法において前記分離され
    たモノヒドロキシ単環式アセタールを、ピリジンの存在
    下にエステル化用の酸の無水物でエステルして、該アセ
    タールのエステルを製造する方法。
  10. 【請求項10】前記モノヒドロキシ単環式アセタールが
    モノヒドロキシ単環式ホルマールであり、前記エステル
    化用の酸が酢酸である請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】前記モノヒドロキシ単環式ホルマールが
    トリメチロールプロパン環式ホルマールである、請求項
    10記載の方法。
  12. 【請求項12】前記モノヒドロキシ単環式ホルマールが
    グリセリン環式ホルマール類の混合物である、請求項10
    記載の方法。
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