JP2756500B2 - 自動二輪車のアンチロックブレーキ装置 - Google Patents

自動二輪車のアンチロックブレーキ装置

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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、操向ハンドルに付設されるブレーキレバー
と車輪ブレーキとの間を、ヘッドパイプに沿って配設さ
れる機械式操作力伝達系を介して接続した自動二輪車に
おいて、制動時、車輪がロックしそうになると、車輪ブ
レーキの制動力を抑制してロック状態を未然に回避する
ようにした、自動二輪車のアンチロックブレーキ装置に
関する。
(2) 従来の技術 かゝるアンチロックブレーキ装置として、車輪ブレー
キの作動レバーを緩衝手段を介して、ブレーキペダルに
連なる機械式操作力伝達系を連結し、制動時、車輪内の
モジュレータが発揮する制御力を緩衝手段で吸収して、
制御力のブレーキ操作子へのキックバックを緩和するよ
うにしたものが従来知られている(例えば、特公昭44−
29491号公報参照)。
(3) 発明が解決しようとする課題 上記従来装置では、緩衝手段を車輪ブレーキに近接し
て配置せざるを得ないので、緩衝手段の地上高は必然的
に低くなり、車輪からの飛散泥水が緩衝手段にかかり易
く、したがって、実際には高価な防水手段を講じる必要
があり、コスト高となるを免れない。
本発明は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、制動
時、モジュレータが発揮する制御力を緩和する緩衝手段
の機能を、特別な防水手段を用いることなく、常に正常
に維持し得るようにした、前記自動二輪車のアンチロッ
クブレーキ装置を提供することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、操向ハンドル
に付設されるブレーキレバーと車輪ブレーキとの間を、
ヘッドパイプに沿って配設される機械式操作力伝達系を
介して接続した自動二輪車において、車輪ブレーキによ
り制動される車輪がロックしそうになると車輪ブレーキ
の制動力を弱めるべく制御力を発揮するモジュレータを
機械式操作力伝達系又は車輪ブレーキに連結し、このモ
ジュレータの一定値以上の制御力を受けると変形するよ
う予荷重を付与されたばねを備える緩衝手段を機械式操
作力伝達系に介装し、この緩衝装置を、ヘッドパイプを
覆うカウリング内に配置すると共に、前記ばねの軸線が
ヘッドパイプに沿うようにしてヘッドパイプに取付けた
ことを特徴とする。
(2) 作用 ブレーキレバーを操作して車輪ブレーキを作動状態に
しているとき、車輪がロックしそうになると、モジュレ
ータが作動して機械式操作力伝達系又は車輪ブレーキ
に、制動力を弱める方向に制御力が加えられるので、車
輪ブレーキのロック現象が回避される。このとき、前記
制御力は、キックバック力として機械式操作力伝達系を
介してブレーキレバーに伝達しようとするが、その伝達
途中で緩衝手段のコイルばねの変形により緩和される。
特に、この緩衝手段は、そのコイルばねの軸線が機械式
操作力伝達系と同様にヘッドパイプに沿うようにして配
置されるので、機械式操作力伝達系に加わる前記キック
バック力が該コイルばねに効率良く作用して、その力の
ブレーキレバーへの伝達を効果的に緩衝することができ
る。
また、この緩衝手段は、ヘッドパイプに取付けられる
ことにより地上高が高くなり、しかもヘッドパイプと共
にカウリングで覆われることになるから、車輪からの飛
散泥水や洗車時の洗浄水が緩衝手段にかかることを効果
的に防ぐことができ、したがって、特別な防水手段を施
すことなく、緩衝手段の機能を常に正常に維持すること
ができると共に、緩衝手段の支持を安定良く行うことが
できる。
さらに、機械式操作力伝達系と同様に、前記コイルば
ねをヘッドパイプに沿わせるような緩衝手段の前記配置
は、比較的狭小なカウリング内部への緩衝手段の設置を
容易にする。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明す
る。
先ず第1図において、自動二輪車における車体フレー
ム前端のヘッドパイプ1には、前輪2を支持するフロン
トフォーク3のステアリングステム4が操向可能に支承
されており、そのステアリングステム4の上端に結着さ
れた操向ハンドル5にブレーキレバー6が軸支される。
このブレーキレバー6に上端を接続した第1ブレーキワ
イヤ71の下端は、ヘッドパイプ1に取付けられた接続装
置8を介して第2ブレーキワイヤ72の上端と接続され、
この第2ブレーキワイヤ72の下端は前輪2のためのブレ
ーキ即ち前輪ブレーキ9の作動レバー10に接続される。
上記第1及び第2ブレーキワイヤ71,72は、いずれもボ
ーデンワイヤで構成される。そしてこれらは、ヘッドパ
イプ1に沿って配設されてブレーキレバー6及び前輪ブ
レーキ9間を連結する機械式操作力伝達系を構成する。
前記接続装置8には、また、制御ワイヤ11の上端が接
続され、その下端はアンチロック制御装置12(第2図及
び第3図)に接続される。
第2図及び第3図において、フロントフォーク3の左
右の脚体に両端を固定支持される車軸13は前輪2のハブ
2aをベアリング14を介して回転自在に支承する。ハブ2a
にはブレーキドラム15が連設されており、これと協働す
るブレーキシュー16は、車軸13に支持された回転不能の
ブレーキパネル17の内側面に装着される。このブレーキ
パネル17には、ブレーキシュー16を拡張作動し得るカム
軸18が回動可能に支承され、このカム軸18の外端に前記
作動レバー10が固着される。こうして前輪ブレーキ9は
機械的に構成される。
而して、ブレーキレバー6の操作により第1,第2ブレ
ーキワイヤ71,72を牽引して作動レバー10を回動すれ
ば、それと共にカム軸18が回動してブレーキシュー16を
拡開させることによりブレーキドラム15の内周面に圧接
し、前輪2に制動力を掛けることができる。その際、制
動力は前記アンチロック制御装置12により自動的に制御
される。
アンチロック制御装置12は、前輪2に一側に隣接して
車軸13上に設けられる。該装置12は、前輪2側に位置す
る内側ケース20aと、それと反対側に位置する外側ケー
ス20bとからなるケーシング20を有し、両ケース20a,20b
はボルト21により結合される。そして内側ケース20aは
オイルシール22を介して前記ハブ2aの一端部外周に相対
回転自在に嵌合され、外側ケース20bは車軸13に支承さ
れると共にフロントフォーク3に回り止め手段を介して
連結される。
ケーシング20内には、前記ハブ2aから駆動される増速
装置23、この増速装置23から駆動されるクラッチ24、こ
のクラッチ24を開閉制御するクラッチ制御装置25、及び
クラッチ24の出力トルクを増幅して前記制御ワイヤ11に
伝達するモジュレータ26が収容され、それらの構成を以
下に順次説明する。
増速装置23は、前記ハブ2aにスプライン結合した大径
ギヤ27と、内側ケース20aにベアリング28を介して回転
自在に支承されて大径ギヤ27に噛合する小径ギヤ29とか
ら構成される。
クラッチ24は、上記小径ギヤ29に固着された駆動摩擦
板30(入力部材)と、それに対置される被動摩擦板31
(出力部材)とから構成される。被動摩擦板31は中心部
にボス31aを備えており、このボス31aはクラッチ制御装
置25の後述する作動杆36にベアリング32を介して回転自
在に連結され、作動杆36の軸方向の進退により駆動摩擦
板30に対し圧接・離間するようになっている。
クラッチ制御装置25は、外側ケース20bに固着される
継鉄枠33と、この継鉄枠33に支持されるソレノイド34
と、このソレノイド34の通電時に継鉄枠33に吸着される
可動鉄芯35と、この可動鉄芯35に固設されると共に継鉄
枠33に摺動自在に支承される作動杆36と、この作動杆36
に装着されて可動鉄芯35を継鉄枠33の吸着面から離反す
る方向へ付勢する戻しばね37とから構成される。作動杆
36は前記小径ギヤ29と同軸上に配置され、この作動杆36
の先端に前述のように被動摩擦板31がベアリング32を介
して回転自在に連結される。
而して、ソレノイド34への通電により可動鉄芯35が継
鉄枠33に引き寄せられると、前進する作動杆36により被
動摩擦板31が駆動摩擦板30に圧接させられる。その際、
ソレノイド34への通電は、大径ギヤ27の歯部に対向して
ケーシング20に装着された減速度センサ38が大径ギヤ27
即ち前輪2の所定値以上の角減速度を検知したとき、図
示しない制御回路から行われる。
モジュレータ26は、前記被動摩擦板31のボス31aに相
対摺動可能にスプライン嵌合すると共に、作動杆36にリ
テーナ39を介して回転自在に支承されるサンギヤ40と、
このサンギヤ40に噛合する複数のプラネタリギヤ41と、
このプラネタリギヤ41を回転自在に軸支するキャリヤ42
と、ケーシング20に固設されてプラネタリギヤ41に噛合
するリングギヤ43とから構成される。
上記キャリヤ42は、サンギヤ40のボス40aを囲繞し且
つベアリング44を介して外側ケース20bに回転自在に支
承される左側板42aと、被動摩擦板31のボス31aを囲繞し
且つベアリング45を介して外側ケース20bに回転自在に
支承される右側板42bとを、プラネタリギヤ41の支軸46
により一体的に連結して構成されており、両側板42a、4
2bに前記制御ワイヤ11下端の接続端子11bが嵌着され
る。またキャリヤ42と外側ケース20bとの間には、制御
ワイヤ11をケーシング20内に引き込むようにばね力を発
揮するばね47が張設される。
ケーシング20の内部は、それに固着された隔壁48によ
り湿式の第1室491と乾式の第2室492とに仕切られる。
そして第1室491に増速装置23が、また第2室492にクラ
ッチ24及びモジュレータ26がそれぞれ収容される。
次に第4図及び第5図により前記接続装置8の構成に
ついて説明する。
接続装置8の基板51は、前記ヘッドパイプ1を挟むよ
うにして該基板51にクランプ部材53をボルト52で締着す
ることにより、ヘッドパイプ1の前面に取付けられる。
この基板51には枢軸54によりレバー55が上下揺動自在に
支承され、このレバー55の中間部にシリンダ56の下端が
前記枢軸54と平行なピボットピン57により連結される。
シリンダ56の内部は下面が閉塞されており、その内部に
ピストン58と、それを下方へ弾発する、即ち圧縮方向に
予荷重が付与されたコイルばね59とが収容され、このコ
イルばね59の上端はシリンダ56の開放端に係止される座
板60に受止められる。ピストン58は座板60を貫通するピ
ストンロッド58aを一体に備えており、このピストンロ
ッド58aに螺着されるボルト61の頭部に前記第1ブレー
キワイヤ71下端の接続端子71bが装着される。
またレバー55の中間部には、前記第2ブレーキワイヤ
72上端の接続端子72aが直接装着される。
而して、シリンダ56、ピストン58及びコイルばね59
は、前記モジュレータ26の作動時、その制御力のブレー
キレバー6への伝達を緩和する緩衝手段Dを構成するも
ので、この緩衝手段Dは、シリンダ56及びコイルばね59
の軸線を第1及び第2ブレーキワイヤ71,72と同様にヘ
ッドパイプ1に沿わせるようにして配置される。この緩
衝手段Dは、また、ヘッドパイプ1を覆うカウリングC
内に配置される。
さらにレバー55の揺動端には前記枢軸54と平行な連結
軸62が回動自在に嵌装され、それの横孔63に下方から挿
通した前記制御ワイヤ11上端の接続ボルト11aに調節ナ
ット64が螺合される。而して、調節ナット64を連結軸62
との当接状態で回転させれば、その回転方向により連結
軸62に対する接続端子72aの嵌合位置を調節し、これに
より制御ワイヤ11の張り具合を調整することができる。
次にこの実施例の作用について説明する。
自動二輪車の走行中、その前輪2を制動すべくブレー
キレバー6を操作して第1ブレーキワイヤ71を上方へ牽
引すれば、その牽引力はピストン58、コイルばね59及び
シリンダ56を介しレバー55に伝達してこれを上方へ揺動
させるので、このレバー55を介して第2ブレーキワイヤ
72をも上方へ牽引して前輪ブレーキ9を作動させ、前輪
2に制動力を掛けることができる。
ところで、前輪2の回転中は、そのハブ2aから増速装
置23を介してクラッチ24の駆動摩擦板30を増速駆動し続
けるが、通常はクラッチ24は遮断していて、モジュレー
タ26を不作動状態に保っているので、前記レバー55の上
方への揺動により制御ワイヤ11が上方へ牽引されても、
その制御ワイヤ11の牽引につれてモジュレータ26のキャ
リヤ42がばね47の力に抗して自由に回動するのみで、前
輪ブレーキ9の作動を何等妨げない。
上記のような制動力、過大な制御力若しくは路面の低
摩擦係数に起因して前輪2がロックしそうになると、そ
のとき前輪2に発生する所定値以上の角減速度が減速度
センサ38に検知され、それに基づいて図示しない制御回
路がクラッチ制御装置25のソレノイド34に通電する。こ
の通電によれば可動鉄芯35が継鉄枠33に吸引されて作動
杆36を第3図で右方へ押動するので、その推力はベアリ
ング32を介して被動摩擦板31に駆動摩擦板30との係合力
として作用し、クラッチ24は接続状態になる。その結
果、駆動摩擦板30の回転トルクは被動摩擦板31を介して
モジュレータ26のサンギヤ40を駆動するので、サンギヤ
40の回転に伴いプラネタリギヤ41がリングギヤ43に沿っ
て自転しつゝ公転することにより、サンギヤ40の回転ト
ルクを増幅してキャリヤ42に伝達するので、キャリヤ42
は大なる回転トルクをもって制御ワイヤ11を下方へ牽引
する。
このような制御ワイヤ11の下方への牽引によれば、接
続装置8においてレバー55が下方へ揺動され、第2ブレ
ーキワイヤ72の牽引力を弱めるので、前輪ブレーキ9の
前輪2に対する制動力が抑制され、前輪2のロック状態
は回避される。
一方、第1ブレーキワイヤ71には、レバー55の下方へ
の揺動力がキックバック力としてコイルばね59を介して
作用するが、その力の一部はコイルばね59の圧縮変形に
より吸収されるので、ブレーキレバー6を握る操縦者へ
のキックバック力の伝達は緩和される。その際、特に、
コイルばね59は、第1及び第2ブレーキワイヤ71,72
同様にヘッドパイプ1に沿って配置されているので、前
記キックバック力がコイルばね59に効率良く作用して、
その力のブレーキレバー6への伝達を効果的に緩衝する
ことができる。したがって、操縦者は、適度なキックバ
ック力を感受することにより、操作フィーリングを害さ
れずにモジュレータ26によるアンチロック制御状態を知
ることができる。しかも、コイルばね59を含む緩衝手段
Dは、ヘッドパイプ1に取付けられることにより地上高
が高くなり、且つヘッドパイプ1と共にカウリングCで
覆われることになるから、車輪からの飛散泥水のみなら
ず、洗車時の洗浄水が緩衝手段Dに掛かれことを効果的
に防ぐことができ、したがって、特別な防水手段を施す
ことなく、緩衝手段Dの機能を常に正常に維持すること
ができると共に、緩衝手段の支持を安定良く行うことが
できる。
さらに、第1及び第2ブレーキワイヤ71,72と同様
に、コイルばね59をヘッドパイプに沿わせるような緩衝
手段Dの前記配置により、比較的狭小なカウリングC内
部への緩衝手段Dの設置を容易にして、組立性の向上を
図ることができる。
以上、本発明の一実施例について詳述したが、本発明
は、その要旨を逸脱しない範囲で設計変更が可能であ
る。例えば、制御ワイヤ11の上端を前輪ブレーキ9の作
動レバー10に直接接続して、モジュレータ26の作動によ
る制御ワイヤ11の牽引力を作動レバー10の戻し側に作用
させるようにしてもよい。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、操向ハンドルに付設さ
れるブレーキレバーと車輪ブレーキとの間を、ヘッドパ
イプに沿って配設される機械式操作力伝達系を介して接
続した自動二輪車において、車輪ブレーキにより制動さ
れる車輪がロックしそうになると車輪ブレーキの制動力
を弱めるべく制御力を発揮するモジュレータを機械式操
作力伝達系又は車輪ブレーキに連結し、このモジュレー
タの一定値以上の制御力を受けると変形するよう予荷重
を付与されたばねを備える緩衝手段を機械式操作力伝達
系に介装し、この緩衝装置を、ヘッドパイプを覆うカウ
リング内に配置すると共に、前記ばねの軸線がヘッドパ
イプに沿うようにしてヘッドパイプに取付けたので、制
動時、車輪がロックしそうになると、モジュレータの作
動により機械式操作力伝達系又は車輪ブレーキに、制動
力を弱める方向に制御力を加えることにより、車輪ブレ
ーキのロック現象が回避される。このとき、前記制御力
は、キックバック力として機械式操作力伝達系を介して
ブレーキレバーに伝達しようとするが、その伝達途中で
緩衝手段のコイルばねの変形により緩和される。その
際、特に、緩衝手段は、そのコイルばねの軸線が機械式
操作力伝達系と同様にヘッドパイプに沿うようにして配
置されるので、機械式操作力伝達系に加わる前記キック
バック力が該コイルばねに効率良く作用して、その力の
ブレーキレバーへの伝達を効果的に緩衝することができ
る。したがって、キックバックが少なく、操作フィーリ
ングを害することなくモジュレータによるアンチロック
制御状態を操縦者に知らしめることができる。
また、緩衝手段は、ヘッドパイプに取付けられること
により地上高が高くなり、しかもヘッドパイプと共にカ
ウリングで覆われることになるから、車輪からの飛散泥
水や洗車時の洗浄水が緩衝手段に掛かることを効果的に
防ぐことができ、したがって、特別な防水手段を施すこ
となく、緩衝手段の機能を常に正常に維持することがで
きると共に、緩衝手段の支持を安定良く行うことができ
る。
さらに、機械式操作力伝達系と同様に、前記コイルば
ねをヘッドパイプに沿わせるような緩衝手段の前記配置
は、比較的狭小なカウリング内部への緩衝手段の設置を
容易にし、組立性の向上にも寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は自動二
輪車の右側面図、第2図は第1図の前輪部の一部破断左
側面図、第3図は第2図のIII−III線断面図、第4図は
第1図の接続装置部の一部破断拡大図、第5図は第4図
のV−V線断面図である。 1……ヘッドパイプ、2……前輪(車輪)、5……操向
ハンドル、6……ブレーキレバー、71,72……機械式操
作力伝達系(ボーデンワイヤ)、9……車輪ブレーキ
(前輪ブレーキ)、26……モジュレータ、56……シリン
ダ、58……ピストン、59……コイルばね、C……カウリ
ング、D……緩衝手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操向ハンドル(5)に付設されるブレーキ
    レバー(6)と車輪ブレーキ(9)との間を、ヘッドパ
    イプ(1)に沿って配設される機械式操作力伝達系
    (71,72)を介して接続した自動二輪車において、 車輪ブレーキ(9)により制動される車輪(2)がロッ
    クしそうになると車輪ブレーキ(9)の制動力を弱める
    べく制御力を発揮するモジュレータ(26)を機械式操作
    力伝達系(71,72)又は車輪ブレーキ(9)に連結し、
    このモジュレータ(26)の一定値以上の制御力を受ける
    と変形するよう予荷重を付与されたコイルばね(59)を
    備える緩衝手段(D)を機械式操作力伝達系(71,72
    に介装し、この緩衝装置(D)を、ヘッドパイプ(1)
    を覆うカウリング(C)内に配置すると共に、前記ばね
    (59)の軸線がヘッドパイプ(1)に沿うようにしてヘ
    ッドパイプ(1)に取付けたことを特徴とする、自動二
    輪車のアンチロックブレーキ装置。
  2. 【請求項2】請求項記載のものにおいて、 機械式操作力伝達系をボーデンワイヤ(71,72)で構成
    した、自動二輪車のアンチロックブレーキ装置。
  3. 【請求項3】請求項記載のものにおいて、緩衝手段
    (D)を、ヘッドパイプ(1)に軸線を沿わせたシリン
    ダ(56)と、このシリンダ(56)に摺動自在に嵌合する
    ピストン(58)と、シリンダ(56)内でその端壁とピス
    トン(58)との間に予荷重を付与されて介装されるコイ
    ルばね(59)とで構成し、シリンダ(56)及びピストン
    (58)の一方に、ブレーキレバー(6)に連なる第1ブ
    レーキワイヤ(71)を、またその他方に、車輪ブレーキ
    (9)に連なる第2ブレーキワイヤ(72)をそれぞれ接
    続した、自動二輪車のアンチロックブレーキ装置。
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