JP2755424B2 - 下地材 - Google Patents

下地材

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は下地材に関するものである。詳しくは義歯床
に予め塗布することにより義歯床と粘膜調整材の適度な
接着性と剥離性を付与するための下地材及び裏装方法に
関するものである。
〔従来の技術〕
現在歯科分野に於て、義歯床用の軟質裏装材としては
種々の組成の材料が使用されている。中でもエチルメタ
クリレートの単独重合体又はその共重合体よりなる粉成
分と可塑材及びエタノールよりなる液成分を混合、ゲル
化させて使用するタイプのアクリル系粘膜調整材が簡便
かつ適度な流動性及び弾性を有するため広く用いられて
いる。また、アクリル系粘膜調整材は義歯床との接着性
が非常に良く、口腔内に装着後に剥離することがほとん
どないという特徴がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記の粘膜調整材は、逆に義歯床との
接着性が良すぎるために義歯床から簡単にはずすことが
非常に難しく、通常、歯科用の研磨用バー等で削り取っ
ている。この方法は口腔内で粘膜調整材に吸着した食物
残渣等による臭いが激しく、また、時間がかかる上に、
これを完全に除去することも難しいという問題点があ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記問題点を解決するために鋭意研究
を行ってきた。その結果、親水性基及び疎水性基を有す
る重合体の特定濃度の溶液を下地材として義歯床に塗布
した後に粘膜調整材を裏装した場合には、使用時に義歯
床と粘膜調整材との適度な接着性を有し、しかもはずし
たいときには義歯床から粘膜調整材を容易にはずすこと
のできることを見い出し、本発明を完成させるに至っ
た。
即ち、本発明は、親水性基及び疎水性基を有する重合
体を0.1〜5重量%の濃度で溶解した溶液よりなる下地
材である。
本発明において、重合体は、親水性基及び疎水性基を
有する重合体が特に限定されず、公知のものが特に制限
なく使用できるが、一般には分子量が1万〜100万の範
囲のものが好適である。例えば、親水性基と疎水性基の
両方を有するビニルモノマー単独重合体あるいは親水性
基を有するビニルモノマーと該ビニルモノマーと共重合
可能な疎水性基を有するビニルモノマーとの共重合体が
好適である。勿論、親水性基及び/又は疎水性基を重合
後に付与してもよいが、共重合の方がビニルモノマー比
を変えることにより、親水性基と疎水性基のバランスを
容易にコントロールできるため好適である。
上記した親水性基の代表的なものを挙げると例えば、
水酸基、カルボキシル基、無水カルボン酸基、リン酸
基、スルホン酸基、アミノ基等がある。中でも、口腔粘
膜に対する刺激、保存安定性等を考慮すると、水酸基、
カルボキシル基、無水カルボン酸基が好適である。ま
た、共重合に使用されるこれらの親水性基を有するビニ
ルモノマーとして一般に好適に使用されるものを例示す
れば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル
酸、メタクリル酸等のアクリル酸系ビニルモノマー、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸等の不飽和二塩基性カルボン酸モノマー、
4−メタクリロキシエチルトリメリット酸のような芳香
族系カルボン酸モノマーあるいはこれらのビニルモノマ
ーに置換基を置換した置換誘導体などが挙げられる。
上記した疎水性基の代表的なものを挙げると例えば、
フェニル基、ナフチル基等のアリール基;メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;エトキ
シ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;アセチルオキシ基
等のアシルオキシ基;エトキシカルボニル基、ブトキシ
カルボニル基等のアルコキシカルボニル基等がある。ま
た、共重合に使用されるこれらの疎水性基を有するビニ
ルモノマーとして一般に好適に使用されるものを例示す
れば、スチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、
エチレン、プロピレン、ブテン、エチルビニールエーテ
ル、ブチルビニールエテル、酢酸ビニル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が挙
げられる。 また、上記の親水性基及び疎水性基を有す
る重合体の親水性基/疎水性基のモル比は0.2〜5の範
囲が好ましい。かかる重合体の代表的なものを挙げると
例えば、アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、無
水マレイン酸−スチレン共重合体及びその加水分解物、
マレイン酸−イソブチレン共重合体及びその加水分解
物、2−ヒドロキシエチル重合体、ビニルアルコール−
エチレン共重合体等が好適に使用できる。
本発明で用いる溶媒は上記した重合体を溶解するもの
であれば特に限定されず公知のものが使用できるが、一
般には沸点が低く、後で乾燥除去の容易なものが好適で
ある。具体的に例示すれば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレ
ン等の揮発性有機溶媒がある。
本発明において、重合体の溶液における重合体は0.1
〜5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。即ち、
重合体の濃度が0.1重量%より低い場合は、得られる粘
膜調整材用下地材を義歯床に塗布した後、粘膜調整材を
離装したとき該義歯床からの粘膜調整材の剥離性が悪
く、また、該濃度が5重量%より高い場合は、義歯床と
粘膜調整材との接着性を著しく低下させるため、本発明
の目的を達成し得ない。
本発明の下地材を使用した、粘膜調整材による義歯床
の裏装方法は、義歯床と裏装する粘膜調整材との間に該
下地材による層を形成させる方法であれば特に制限され
ない。代表的な裏装方法として、義歯床の裏装面に、本
発明の下地材によって層を形成させた後、粘膜調整材に
よる裏装を行う方法がある。上記粘膜調整材用下地材に
よって層を形成させる手段は、該下地材を義歯床の裏装
面上に塗布し、溶媒を乾燥する方法が一般的である。か
かる層の厚みは、特に制限されないが、一般に0.1〜5
μm程度が好適である。
本発明の下地材を適用するのに好適な粘膜調整材とし
ては、例えば、粉成分としてポリエチルメタクリレー
ト、ポリエチルメタクリレート、エチルメタクリレート
−メチルメタクリレート共重合体等を使用したアクリル
系粘膜調整材が挙げられる。上記粘膜調整材の液成分と
しては、一般に、ジブチルナフタレート、ブチルフタリ
ルブチルグリコレート、ブチルベンジルフタレート、2
−エチルヘキシルフタレート等の可塑材とエタノールと
の組成が好適である。
〔作用及び効果〕
本発明の下地材の特徴は義歯床に塗布することによ
り、義歯床とアクリル系粘膜調整材の適度な接着力と適
度な剥離性という相反する性質を同時に満足させること
にある。このような効果の現れる原因は明らかではない
が、本発明者等は、以下のように推測している。即ち、
義歯床に本発明の下地材を塗布乾燥させて層を形成させ
たとき、重合体の疎水性基が、例えば、義歯床の主成分
であるポリメチルメタクリレート(以下PMMAと略す)と
相互作用として接着被膜を形成し、その被膜表面は親水
性面となる。また、その被膜は薄い濃度の溶液を乾燥し
て形成されるため、無数のピンホールができる。このよ
うな被膜上に裏装した粘膜調整材は、無数のピンホール
部ではPMMAと接着し、親水性の被膜部ではほとんど接着
しない。従って、主として圧縮力の働く口腔内装着時
は、ピンホール部で十分な接着力を発現する。一方、は
がすために引っ張り力を加えると被膜部は容易に剥離
し、接着しているピンホール部は1つ1つの面積が非常
に小さいため下地材が義歯床側に残ることなく剥すこと
が出来るものと推定される。
以上より、本発明の下地材を使用することにより、患
者は粘膜調整材で裏装した義歯床で充分な咀嚼力を回復
でき、歯科医は容易に剥すことが出来るため、これまで
以上にアクリル系粘膜調整材等の比較的接着力の高い粘
膜調整材を使いやすい材料にすることが可能になった。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、本実施例に示す粘膜調整材、義歯床用レンジ及び剥
離力試験方法は以下の通りである。
(1) 粘膜調整材 粉成分:ポリエチルメタクリレート(分子量約50万、平
均粒子径40μm) 液成分:ブチルフタリルグリコレート85重量%、エタノ
ール15重量% (2) 義歯床用レジン 而至社製加熱重合タイプ床用レジン「アクロン」をメ
ーカー指示どうりに重合させて10×100×2mmの床用レジ
ン板を作成した。
(3) 剥離力試験方法 上記床用レジン板の片面に、端部から20mmまでの面を
覆うようにアルミホイルを積層したのち、上記床用レジ
ン板の全面の外周に枠を作り、この枠中に粉液重量比1.
2で混和した粘膜調整材を、2mmの厚さになるように直ち
に流し込んで、アルミホイル面を含む床用レジン板の片
面に粘膜調整材を裏装した。混和開始2分後に37℃湿度
100%中に1時間保持し、次いで37℃水中に23時間浸漬
した後、23℃中に2時間保持した。上記床用レジン板の
アルミホイル部分を180°折り返し、引っ張り試験機に
より(クロスヘッドスピード0.5mm/min)、床用レジン
板と粘膜調整材の剥離力を測定した。尚、粘膜調整材は
弾性体のため、測定した最高の値を剥離力とした。尚、
この剥離力が0.2kg以上であれば、臨床上十分な接着力
を有するといえる。
実施例1 分子量5万のスチレン(60mol%)−マレイン酸(40m
ol%)共重合体の加水分解物をエタノールに溶解し、1
重量%溶液を調整した。
この溶液を床用レジン板の片面に筆で1回塗布し、エ
アーで乾燥させた後、前記した剥離力試験方法により、
該処理面における粘膜調整材の剥離力を測定した。その
結果、剥離力は0.71kgであり、剥離後、床用レジン板に
は粘膜調整材は全く付着していなかった。
実施例2 比較例1、2 実施例1に於て、スチレン−マレイン酸共重合体の加
水分解物、エタノール溶液濃度を変えた以外は実施例1
と同様な方法により剥離力を測定した。結果を表1に示
す。
実施例3 比較例3〜5 実施例1に於て、重合体及び溶媒を変えた以外は実施
例1と同様な方法により剥離力を測定した。結果を表2
に示す。
実施例4 装着後5年経過した上顎全部床の適合性が悪くなった
ため、表面を一層研磨したのち、実施例1で使用した重
合体溶液を塗布、乾燥したのち粘膜調整材を全面に流し
込み、口腔内に装着して筋形成を行い3分間保持した。
口腔内より取り出し、余剰部分をナイフで除去した。そ
の後、1週間使用したのち、調べたところ剥離は全く見
られなかった。又、辺縁部より引っ張って剥したとこ
ろ、床面に粘膜調整材が残ることなく容易に剥すことが
出来た。
比較例6 実施例4と同じ床に重合体溶液を塗布しないで同様な
操作をしたところ、剥離は全く見られなかったが、剥そ
うとすると粘膜調整材がちぎれて、床面に残りバーで研
磨しなければならなかった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性基及び疎水性基を有する重合体を0.
    1〜5重量%の濃度で溶解した溶液よりなる下地材。
  2. 【請求項2】義歯床を粘膜調整材で離装するに際し、該
    義歯床の離装面に親水性基及び疎水性基を有する重合体
    を0.1〜5重量%の濃度で溶解した溶液よりなる下地材
    の層を形成することを特徴とする義歯床の離装方法。
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JP5743466B2 (ja) * 2010-09-17 2015-07-01 株式会社トクヤマデンタル シリコーン系軟質材料が裏装された義歯床の適合試験用分離材

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