JP2754701B2 - 低抵抗シリコン薄膜の製造方法 - Google Patents

低抵抗シリコン薄膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、半導体薄膜の製造方法に係り、特に低抵抗
シリコン薄膜の製造方法に関する。
B.発明の概要 本発明は、低抵抗多結晶シリコンの製造方法におい
て、 多結晶シリコン上にプラズマCVD法によりドーピング
材(B,P等を含む)を含んだa−Si薄膜を形成し、これ
に熱処理を加えることにより、低抵抗シリコンを得る。
C.従来の技術 例えば金属−酸化物−半導体電界効果トランジスタ等
の半導体素子の電極材として使用される低抵抗多結晶シ
リコンの製造方法としては、従来より次のような各種の
方法がある。
(1)多結晶シリコンの成膜と同時に低抵抗化のための
ドーパントP(リン)を混入する方法である同時成膜
法。
(2)多結晶シリコン成膜後にP拡散を行う方法である
拡散法。
(3)多結晶シリコン成膜後にイオン注入によりPをド
ーピングするイオン注入法。
D.発明が解決しようとする課題 (1)の同時成膜法は、作製速度の低下のために、実
用的でない。(2)の拡散法は拡散時に高温(1000℃程
度)を必要とする。(3)のイオン注入法は高エネルギ
ーイオンを照射することによる欠陥の発生が起こるな
ど、それぞれ問題点を持っている。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、LPCVD法とプラズマCVD法を有効に利用するこ
とにより、作製速度の低下がなく、抵抗値のコントロー
ルが容易にして高信頼性の低抵抗多結晶シリコン薄膜の
製造方法を提供することである。
E.課題を解決するための手段と作用 本発明は、上述の目的を達成するために、SiH4ガスと
H2ガスとの混合ガス雰囲気中で圧力67〜133Pa,温度600
〜700℃の条件で基板上に多結晶シリコン膜を形成し、
この多結晶シリコン膜に、SiH4ガス,H2ガスおよびPH3
スの混合ガス雰囲気中で200〜300℃の条件でラジオ周波
数の電力を印加して前記多結晶シリコン膜上にa−Si膜
を形成し、しかる後に窒素ガス雰囲気中で600〜700℃で
所定時間熱処理してリンドープ多結晶シリコンを形成す
る。また、薄膜中のドーパント濃度を変えることによ
り、多結晶シリコンの抵抗率を制御する。
F.実施例 以下に本発明の実施例を第1図〜第4図を参照しなが
ら説明する。
第1図および第2図は本発明の実施例による低抵抗シ
リコン薄膜の製造方法に用いる薄膜形成装置を示す。
第1図はLPCVD法に用いる装置であって、1は真空容
器、2は真空容器1内に配設されたヒータ、3a,3bは真
空室1内に流入するガス体の流量を制御するためのマス
フローコントローラ(流量制御器)、4は真空室1内に
流入したガス体を排出するためのロータリーポンプで、
ヒータ2には基板8が配設される。
第2図はプラズマCVD法に用いる装置であって、真空
容器1内においてアノード電極6とカリード電極7を対
設する。アノード電極6には基板8を配設し、両電極間
にラジオ周波数電源(RF電源)から1350MHzの電圧を印
加する。
まず、第2図の装置によるLPCVD法において、流量制
御部3a通してSiH4ガスを10SCCM(m3/S)、流量制御部3b
を通してH2ガスを10SCCM真空容器1内に流入する。この
ときの真空容器1内の圧力は67〜133Paとし、ヒータ2
により600〜700℃に加熱して、第1図(A)に示すよう
に基板8に多結晶シリコンを成膜した。
次に第3図の装置によるプラズマCVD法によって、第
1図(A)に示すものをアノード電極6に配設し、流量
調節器3aを通してSiH4ガスを5SCCM、流量調節器3bを通
してH2ガスを35SCCM,流量調節器3Cを通してPH3ガスを0.
05〜0.5SCCM真空容器1内に流入する。しかる後に、RF
電源5によりRF電力(13.56MHz0.5W/cm2)を印加する。
この時の基板温度は200〜300℃とし、第1図(B)に示
すように多結晶シリコン膜9上にリンドープa−Si膜を
成膜した。
さらに、第1図(B)に示すものを窒素ガス雰囲気中
で、600〜700℃,0.5〜2時間アニールして、第1図
(C)に示すように基板8上にリンドープ多結晶シリコ
ン膜11を形成した。
以上のようにして、作製した多結晶シリコンにより、
抵抗率として10-2〜10-3の低抵抗多結晶シリコンが得ら
れた。
また、第4図に示すようにa−Si作製時のP濃度を変
化させることにより、多結晶シリコンの低抵抗を制御す
ることができる。
G.発明の効果 本発明は、上述の如くであって、次のような利点を有
する。
(1)多結晶シリコン作製後のドーピングのため、同時
成膜法に見られるような作製速度の低下がない。
(2)a−Siという固体からの拡散ドープであるため、
従来の拡散法(気体ドーパント)のような、高温を必要
としないため、高温による悪影響が少ない。
(3)a−Si作製時のP濃度を制御することにより、多
結晶シリコンの抵抗率を制御できるため、多結晶シリコ
ンを抵抗器等に使用する場合、抵抗値のコントロールが
簡単である。
(4)低電力密度のRFを使用するため、多結晶シリコン
さらにはその下の基板に対するダメージが少ない。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)〜(C)は本発明の実施例による薄膜製造
方法によって得られる低抵抗シリコン薄膜の形成課程を
示す図、第2図は本発明の方法に用いるLPCVD法を行う
装置の概略構成図、第3図は同じく本発明の方法に用い
るプラズマCVD法を行う装置の概略構成図、第4図は抵
抗率特性図である。 8……基板、9……多結晶シリコン、10……リンドープ
a−Si、11……リンドープ多結晶シリコン。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiH4ガスとH2ガスとの混合ガス雰囲気中で
    圧力67〜133Pa,温度600〜700℃の条件で基板上に多結晶
    シリコン膜を形成し、この多結晶シリコン膜に、SiH4
    ス,H2ガスおよびPH3ガスの混合ガス雰囲気中で200〜300
    ℃の条件でラジオ周波数の電力を印加して前記多結晶シ
    リコン膜上にa−Si膜を形成し、しかる後に窒素ガス雰
    囲気中で600〜700℃で所定時間熱処理してリンドープ多
    結晶シリコンを形成することを特徴とする低抵抗シリコ
    ン薄膜の製造方法。
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