JP2754652B2 - アバランシェ・フォトダイオード - Google Patents
アバランシェ・フォトダイオードInfo
- Publication number
- JP2754652B2 JP2754652B2 JP1010582A JP1058289A JP2754652B2 JP 2754652 B2 JP2754652 B2 JP 2754652B2 JP 1010582 A JP1010582 A JP 1010582A JP 1058289 A JP1058289 A JP 1058289A JP 2754652 B2 JP2754652 B2 JP 2754652B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- composition
- gaas
- periodic structure
- avalanche photodiode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、光通信用受光素子として用いられる高感度
アバランシェ・フォトダイオードに関する。
アバランシェ・フォトダイオードに関する。
波長1〜1.6μm域における光通信用受光素子としてI
nPとInGaAsとから成るヘテロ接合型アバランシェ・フォ
トダイオード(以下APDと略記)がほぼ実用化されつつ
ある。このAPDはInpをアバランシェ・増倍層としている
がInPの電子のイオン化率(α)と正孔のイオン化率
(β)とのイオン化率比β/αは約2である。APDの高
感度化の為には電子、正孔のいずれか一方のキャリアの
イオン化率が他方のキャリアより充分大きい、即ちイオ
ン化率比が充分に大きい(β/α≫1)、或いは充分に
小さい(β/α≪1)事が必須となる。イオン化率比を
制御して、高感度なAPDを実現するために、第2のよう
な組成変化層を周期的に積層した超周期構造APDが報告
されている(F.Capasso,et al.:IEEE Trans.Electron D
evices ED30巻,81〜390ページ(1983年))。第2図で
は(a)が熱平衡時(0バイアス時)、(b)が逆バイ
アス電圧が印加されている時の超周期構造のバンド図を
示している。AlとGaの組成を変化させるAlxGa1-xInAs組
成変化層(0≦x<1)層で超周期構造が構成される。
この構造においては第2図(b)に示すように、バイア
ス印加時に、電子はAlInAsとGaInAsとの伝導帯不連続△
Ecでエネルギーを得てイオン化を生じる。それに対し、
正孔は価電子帯不連続が小さいためにイオン化は生じな
い。その結果α/β≫1となり、高感度化が期待され
る。
nPとInGaAsとから成るヘテロ接合型アバランシェ・フォ
トダイオード(以下APDと略記)がほぼ実用化されつつ
ある。このAPDはInpをアバランシェ・増倍層としている
がInPの電子のイオン化率(α)と正孔のイオン化率
(β)とのイオン化率比β/αは約2である。APDの高
感度化の為には電子、正孔のいずれか一方のキャリアの
イオン化率が他方のキャリアより充分大きい、即ちイオ
ン化率比が充分に大きい(β/α≫1)、或いは充分に
小さい(β/α≪1)事が必須となる。イオン化率比を
制御して、高感度なAPDを実現するために、第2のよう
な組成変化層を周期的に積層した超周期構造APDが報告
されている(F.Capasso,et al.:IEEE Trans.Electron D
evices ED30巻,81〜390ページ(1983年))。第2図で
は(a)が熱平衡時(0バイアス時)、(b)が逆バイ
アス電圧が印加されている時の超周期構造のバンド図を
示している。AlとGaの組成を変化させるAlxGa1-xInAs組
成変化層(0≦x<1)層で超周期構造が構成される。
この構造においては第2図(b)に示すように、バイア
ス印加時に、電子はAlInAsとGaInAsとの伝導帯不連続△
Ecでエネルギーを得てイオン化を生じる。それに対し、
正孔は価電子帯不連続が小さいためにイオン化は生じな
い。その結果α/β≫1となり、高感度化が期待され
る。
しかしながら、第2図に示した従来例においては、暗
電流が大きいためにそれが雑音源となり、期待する程に
高感度化が図れないという欠点を有する。その理由はAl
組成がお得なる程半導体結晶品質が劣化し、暗電流の源
となるキャリヤ再結合中心が禁制帯中に生成されるから
である。この傾向はAlの最も多いAlInAsにおいて顕著で
ある。従って本発明は上述の欠点を除去し、低暗電流
で、かつイオン化率比の改善された高感度APDを提供す
る事である。
電流が大きいためにそれが雑音源となり、期待する程に
高感度化が図れないという欠点を有する。その理由はAl
組成がお得なる程半導体結晶品質が劣化し、暗電流の源
となるキャリヤ再結合中心が禁制帯中に生成されるから
である。この傾向はAlの最も多いAlInAsにおいて顕著で
ある。従って本発明は上述の欠点を除去し、低暗電流
で、かつイオン化率比の改善された高感度APDを提供す
る事である。
本発明は、少くとも半導体周期構造を含んだ半導体多
層構造を有し、半導体周期構造がアバランシェ増倍領域
となるアバランシェ・フォトダイオードにおいて、該半
導体周期構造がAlxGa1-xInAs組成変化層(ただし0≦x
<1)、及びGaAs均一組成層とから構成され、かつ、最
大の伝導帯不連続部分がGaAsとGaInAs(Al組成x=0)
とから成る事を特徴とするアバランシェ・フォトダイオ
ードである。
層構造を有し、半導体周期構造がアバランシェ増倍領域
となるアバランシェ・フォトダイオードにおいて、該半
導体周期構造がAlxGa1-xInAs組成変化層(ただし0≦x
<1)、及びGaAs均一組成層とから構成され、かつ、最
大の伝導帯不連続部分がGaAsとGaInAs(Al組成x=0)
とから成る事を特徴とするアバランシェ・フォトダイオ
ードである。
本発明の周期構造は比較的Al組成の少ないAlxGa1-xIn
As組成変化層とGaAs層とから構成され、そのバンド図を
第1図(a)に示す。Alが多くなる程、桁違いに暗電流
が増加するので、Alの最も多いAlInAsを用いずAl組成の
比較的多い部分をGaAs層4に置換する。それにより暗電
流は低減される。GaAsは基板となるInPに対し、数%の
格子不整を有するが、GaAs層厚は各周期100Å程度であ
るから格子不整に起因する暗電流の発生は無視できる。
Al組成の比較的少ないAlGaInAs組成変化層3で加速され
た電子はGaAsとの伝導帯障壁△Ec′(〜0.1eVと小さ
い)を容易に乗り越えられるので応答劣化は無視でき
る。更にGaAsとGaInAsとの伝導帯不連続△Ecは従来のAl
InAsとの不連続よりも大きいので、電子のイオン化率が
より大きくなる。
As組成変化層とGaAs層とから構成され、そのバンド図を
第1図(a)に示す。Alが多くなる程、桁違いに暗電流
が増加するので、Alの最も多いAlInAsを用いずAl組成の
比較的多い部分をGaAs層4に置換する。それにより暗電
流は低減される。GaAsは基板となるInPに対し、数%の
格子不整を有するが、GaAs層厚は各周期100Å程度であ
るから格子不整に起因する暗電流の発生は無視できる。
Al組成の比較的少ないAlGaInAs組成変化層3で加速され
た電子はGaAsとの伝導帯障壁△Ec′(〜0.1eVと小さ
い)を容易に乗り越えられるので応答劣化は無視でき
る。更にGaAsとGaInAsとの伝導帯不連続△Ecは従来のAl
InAsとの不連続よりも大きいので、電子のイオン化率が
より大きくなる。
本発明の周期的アバランシェ層構造を有するAPD斜視
断面(第1図(b)に示す)を有機金属気相成長法によ
り成長した。成長温度は650℃である。Znドープのp+型I
nP基板1の上にp型InPバッファ層2(厚さ約1μm)
を積層した後、比較的Alの少ない(AlxGa1-x)0.47In
0.53As組成変化層3とGaAs均一組成層4を交互に3〜7
周期積層してアバランシェ増倍領域を形成し、更にその
上にInP裏面層5を積層してウェーハを完成させた。AlG
aInAs組成変化層3、GaAs層4の厚さは各々400,100Åで
ある。Al組成xは0から0.5まで変化させた。キャリヤ
濃度は約5×1015cm-3である。n+導電領域6は200kV加
速のSiイオン注入によって形成し、n+p接合フロントを
InP5とGaAs層4との界面付近に形成した。7はプラズマ
CVD法で作製したSiNx表面保護膜(厚さ1500〜2000Å)
である。8,9は各々、通常の蒸着法で形成したn側電
極、p側電極である。光はn側電極8側に開けられた窓
を通して入射される。入射光はAlGaInAs組成変化層の比
較的禁制帯幅の狭い領域で吸収され、それにより発生し
たフォト・キャリヤのうち電子が△Ecの伝導帯不連続エ
ネルギーを得ながらn+p接合に向って走行する。それに
より、電子の選択的なキャリヤ増倍が生じ、高感度化が
達成される。
断面(第1図(b)に示す)を有機金属気相成長法によ
り成長した。成長温度は650℃である。Znドープのp+型I
nP基板1の上にp型InPバッファ層2(厚さ約1μm)
を積層した後、比較的Alの少ない(AlxGa1-x)0.47In
0.53As組成変化層3とGaAs均一組成層4を交互に3〜7
周期積層してアバランシェ増倍領域を形成し、更にその
上にInP裏面層5を積層してウェーハを完成させた。AlG
aInAs組成変化層3、GaAs層4の厚さは各々400,100Åで
ある。Al組成xは0から0.5まで変化させた。キャリヤ
濃度は約5×1015cm-3である。n+導電領域6は200kV加
速のSiイオン注入によって形成し、n+p接合フロントを
InP5とGaAs層4との界面付近に形成した。7はプラズマ
CVD法で作製したSiNx表面保護膜(厚さ1500〜2000Å)
である。8,9は各々、通常の蒸着法で形成したn側電
極、p側電極である。光はn側電極8側に開けられた窓
を通して入射される。入射光はAlGaInAs組成変化層の比
較的禁制帯幅の狭い領域で吸収され、それにより発生し
たフォト・キャリヤのうち電子が△Ecの伝導帯不連続エ
ネルギーを得ながらn+p接合に向って走行する。それに
より、電子の選択的なキャリヤ増倍が生じ、高感度化が
達成される。
本発明のAPDの電流−電圧特性を第3図に実線で示
す。降伏電圧は40〜50Vで、暗電流は10nA程度であっ
た。比較のため、従来の暗電流を一点鎖線で示すが、図
から分るように従来より2〜3桁暗電流が低減してい
る。この結果、高感度化が達成される。また、波長1.5
μmの光を入射させて、AlGaInAs層で電子キャリヤを増
倍させた場合(電子注入)、及び波長0.63μmの光を入
射させ、n+導電領域で正孔キャリヤを発生させ増倍させ
た場合(正孔注入)の光電流も示しているが、正孔注入
に比、電子注入による光電流が大きい事からα≫βが達
成された事がわかる。
す。降伏電圧は40〜50Vで、暗電流は10nA程度であっ
た。比較のため、従来の暗電流を一点鎖線で示すが、図
から分るように従来より2〜3桁暗電流が低減してい
る。この結果、高感度化が達成される。また、波長1.5
μmの光を入射させて、AlGaInAs層で電子キャリヤを増
倍させた場合(電子注入)、及び波長0.63μmの光を入
射させ、n+導電領域で正孔キャリヤを発生させ増倍させ
た場合(正孔注入)の光電流も示しているが、正孔注入
に比、電子注入による光電流が大きい事からα≫βが達
成された事がわかる。
以上のように、本発明によれば、低暗電流でかつイオ
ン化率比の改善された受光素子が可能となる、高感度化
が達成できる。
ン化率比の改善された受光素子が可能となる、高感度化
が達成できる。
第1図は本発明の構成を示し(a)はバンド図、(b)
は構造の斜視断面図である。図において1…基板、2…
バッファ層、3…AlGaInAs組成変化層、4…GaAs均一組
成層、5…表面層、6…n+導電領域、7…表面保護膜、
8…n電極、9…p電極である。 第2図は従来構造のバンド図で(a)が0バイアス、
(b)が逆バイアス印加時である。第3図は発明の効果
を示す電流−電圧特性である。
は構造の斜視断面図である。図において1…基板、2…
バッファ層、3…AlGaInAs組成変化層、4…GaAs均一組
成層、5…表面層、6…n+導電領域、7…表面保護膜、
8…n電極、9…p電極である。 第2図は従来構造のバンド図で(a)が0バイアス、
(b)が逆バイアス印加時である。第3図は発明の効果
を示す電流−電圧特性である。
Claims (1)
- 【請求項1】少なくとも半導体周期構造を含む半導体多
層構造を具備し、前記半導体周期構造がアバランシェ増
倍領域となるアバランシェ・フォトダイオードにおい
て、該周期構造がAlxGa1-xInAs組成変化層(0≦x<
1)及びGaAs均一組成層とから構成され、かつ最大の伝
導帯不連続部分がGaAsとGaInAs(Al組成x=0)とから
成る事を特徴とするアバランシェ・フォトダイオード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1010582A JP2754652B2 (ja) | 1989-01-18 | 1989-01-18 | アバランシェ・フォトダイオード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1010582A JP2754652B2 (ja) | 1989-01-18 | 1989-01-18 | アバランシェ・フォトダイオード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02189983A JPH02189983A (ja) | 1990-07-25 |
JP2754652B2 true JP2754652B2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=11754243
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1010582A Expired - Lifetime JP2754652B2 (ja) | 1989-01-18 | 1989-01-18 | アバランシェ・フォトダイオード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2754652B2 (ja) |
-
1989
- 1989-01-18 JP JP1010582A patent/JP2754652B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02189983A (ja) | 1990-07-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10032950B2 (en) | AllnAsSb avalanche photodiode and related method thereof | |
Stillman et al. | III-V compound semiconductor devices: Optical detectors | |
US4731641A (en) | Avalanche photo diode with quantum well layer | |
JP2937404B2 (ja) | 半導体受光素子 | |
US5539221A (en) | Staircase avalanche photodiode | |
JPH0821727B2 (ja) | アバランシェフォトダイオード | |
JP2747299B2 (ja) | 半導体受光素子 | |
JPH08111541A (ja) | 半導体装置 | |
JP2002231992A (ja) | 半導体受光素子 | |
JP2751846B2 (ja) | 半導体受光素子 | |
JPH0493088A (ja) | アバランシェフォトダイオード | |
JP4058921B2 (ja) | 半導体受光素子 | |
JPS60247979A (ja) | 半導体光素子 | |
US4839706A (en) | Avalanche photodetector | |
JP2754652B2 (ja) | アバランシェ・フォトダイオード | |
JPH02119274A (ja) | アバランシェフォトダイオード | |
Osaka et al. | Electron and hole ionization coefficients in (100) oriented Ga0. 33In0. 67As0. 70P0. 30 | |
JPS63281480A (ja) | 半導体受光素子及びその製造方法 | |
JP2700492B2 (ja) | アバランシェフォトダイオード | |
JP2739824B2 (ja) | 半導体受光素子 | |
JP2671555B2 (ja) | 超格子アバランシェ・フォトダイオード | |
JPH0389566A (ja) | 超格子アバランシェ・フォトダイオード | |
JP2995751B2 (ja) | 半導体受光素子 | |
JPH0265279A (ja) | 半導体受光素子 | |
JPS63142683A (ja) | アバランシエホトダイオ−ド |