JP2754527B2 - 近赤外線吸収性色素及びその色素を含有した樹脂成形体 - Google Patents

近赤外線吸収性色素及びその色素を含有した樹脂成形体

Info

Publication number
JP2754527B2
JP2754527B2 JP34175792A JP34175792A JP2754527B2 JP 2754527 B2 JP2754527 B2 JP 2754527B2 JP 34175792 A JP34175792 A JP 34175792A JP 34175792 A JP34175792 A JP 34175792A JP 2754527 B2 JP2754527 B2 JP 2754527B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
infrared
infrared absorbing
dye
resin
ethylene glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34175792A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06184520A (ja
Inventor
薫 濱田
俊幸 高野
寿巳 佐竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Seishi KK
Original Assignee
Nippon Seishi KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Seishi KK filed Critical Nippon Seishi KK
Priority to JP34175792A priority Critical patent/JP2754527B2/ja
Publication of JPH06184520A publication Critical patent/JPH06184520A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2754527B2 publication Critical patent/JP2754527B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な近赤外線吸収性色
素と、その色素を含有した可視光線を比較的良く透過
し、近赤外線吸収能力に優れた近赤外線吸収性樹脂成形
体に関するものである。
【0002】
【従来技術】近赤外線吸収材料は最近研究開発が特に盛
んに行われている機能性材料であり、感光材料、光記録
材料、光学材料等として利用されている。
【0003】タングステンやモリブデンを用いた近赤外
線吸収性化合物として、六塩化タングステンを用いたも
のが米国特許3,692,688号公報、特開平3−2
15561号公報及び特開平3−227366号公報等
により知られている。前者の明細書には六塩化タングス
テンと塩化スズをメタクリル酸メチルシラップに溶解さ
せて重合することにより、近赤外線吸収能に優れたプラ
スチック光学フイルターが得られることが開示されてい
る。また、後者の明細書には透明樹脂100 重量部に対し
六塩化タングステン0.01〜10重量部と六塩化タングステ
ンの少なくとも0.1 倍モルのリン酸エステルもしくは亜
リン酸エステルを反応させることにより優れた近赤外線
吸収能を有する材料が得られることが記載されている。
また、特開平4−189539号公報には六塩化タング
ステンとアルキル又はトリアリールフォスフェートとの
反応物を含有するメタクリル酸エステル系重合体フイル
ムをポリカーボネート系透明板に積層一体化した積層波
板が開示されている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、前記米
国特許を追試したところ、六塩化タングステンと塩化ス
ズとをメタクリル酸メチルシロップに溶解して反応させ
て得た組成物は、濃青色に発色し近赤外線を良く吸収す
る性質を持っていたが、これを鋳型に注入して加熱重合
して得られた鋳型板は不透明でかつ褪色しており近赤外
線吸収能も大幅に減少したものであった。また、この褪
色した鋳型板を紫外線あるいは太陽光に暴露すると再び
濃青色を呈し近赤外線吸収能を回復するが、これを暗所
に長期間放置すると再び褪色してしまうというフォトク
ロミズムを呈し、近赤外線吸収性に安定性がないといっ
た問題を抱えていた。
【0005】一方、前記公開公報に開示された六塩化タ
ングステンとリン酸エステルとの反応を追試したとこ
ろ、米国特許のものに比べ熱的安定性はかなり向上した
が、依然として無視できないフォトクロミズムを呈する
ものであった。また、リン酸エステルや亜リン酸エステ
ルは非常に毒性が高いという難点のほか、反応生成物を
プラスチックに十分な近赤外線吸収能が得られる量を加
えると、組み込まれたプラスチックの強度の劣化や製造
コストが高くなるという欠点があり、更に、ブルーの色
調の鮮明さがまだ不十分であるといった問題もあった。
【0006】そこで、本発明は、上記従来の方法で得た
近赤外線吸収材料より安全性が高く、近赤外線吸収能の
熱や光に対する安定性が改善され、かつ色相の鮮明な新
規な近赤外線吸収性色素と、該色素を含有した近赤外線
吸収性樹脂成形体を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、六ハロゲン
化タングステン若しくは五塩化モリブデンと、一般式
(1)R−O−C2 4 −OH(式中、Rは炭素数が1
〜10個のアルキル基、アラルキル基、アリール基)で
示されるエチレングリコ−ルのエ−テル誘導体及び不揮
発性の酸とを加熱反応させて得られる反応生成物及びこ
の反応生成物を樹脂に含有させることにより達成され
た。反応生成物はいずれも高い近赤外線吸収能を有する
色素であって樹脂に含有させ、加熱成形しても褪色せず
近赤外線吸収能の低下もほとんど無く、更にフォトクロ
ミズムも従来のものに比べ大巾に改善されたものであっ
た。
【0008】本発明において用いられる六ハロゲン化タ
ングステンのうち好ましいものは六塩化タングステン、
六臭化タングステンであり、これらは次のようにして製
造することができる。六塩化タングステンは乾燥したタ
ングステンを水素気流中においた後、塩素気流中で350
℃に加熱して得るか、酸化タングステンに塩素あるいは
一塩化イオウ、五塩化リンを反応させて作製する。ま
た、六臭化タングステンは窒素、臭素気流下で金属タン
グステンと加熱することにより得られる。一方、五塩化
モリブデンは、金属モリブデンを塩素気流中で熱すると
生じる暗赤色の蒸気を冷却して得られる。
【0009】本発明において用いられる式(1)
【化3】R−O−C2 4 −OH (1) (式中、Rは炭素数が1〜10個のアルキル基、アラル
キル基、アリール基)で示されるエチレングリコ−ルの
エ−テル誘導体の具体例としてはエチレングリコ−ルモ
ノアリルエ−テル、エチレングリコ−ルモノベンジルエ
−テル、エチレングリコ−ルモノ−n−ブチルエ−テ
ル、エチレングリコ−ルモノ−iso−ブチルエ−テ
ル、エチレングリコ−ルモノ−tert−ブチルエ−テ
ル、エチレングリコ−ルモノ−n−ドデシルエ−テル、
エチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、エチレングリ
コ−ルモノ−n−ヘキシルエ−テル、エチレングリコ−
ルモノ−iso−プロピルエ−テル、エチレングリコ−
ルモノメチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノフェニ
ルエ−テル、エチレングリコ−ルモノ−m−トリルエ−
テル、エチレングリコ−ルモノ−p−トリルエ−テル等
が挙げられる。これらはアルコ−ル、フェノ−ルもしく
はアルキルフェノ−ルに触媒下でエチレンオキサイドを
付加することによって得られる。これらエチレングリコ
−ルのエ−テル誘導体は、色素形成反応における中性液
状媒体であって、六ハロゲン化タングステン若しくは五
塩化モリブデンとの反応中に実質的に揮発しない程度の
沸点を有し、かつ反応温度より低い融点を有するものが
好ましい。この誘導体の置換基は近赤外線吸収性の色素
が効率よく得られる反応環境をつくるだけでなく、樹脂
に組み込んだ場合に透過性の高いものを得るために重要
である。使用する樹脂毎に置換基を選択することによっ
て使用材料の相溶性を高める中性液状媒体を決定するこ
とができる。色素の近赤外線吸収能の耐熱性及び樹脂と
の相溶性等を考慮に入れた場合、次式(2)で示される
エチレングリコ−ルモノフェニルエ−テル誘導体をより
好適に使用することができる。
【化4】 R1−C6 4 −O−C2 4 −OH (2) (式中、R1は炭素数が1〜4個のアルキル基を示
す。)
【0010】式(2)で示されるエチレングリコ−ルモ
ノフェニルエ−テル誘導体はアクリル酸系単量体(アク
リル酸系単量体とはアクリル酸、メタクリル酸、アクリ
ル酸エステルあるいはメタクリル酸エステル単量体を指
す)及びその重合体である樹脂に極めて良く溶解するの
で、これらの単量体あるいは樹脂から造った本発明の色
素を含有したペレット及び成形体は透過性に優れたもの
が得られる。
【0011】本発明において用いられる不揮発性の酸
は、リン(オルトリン)酸及びピロリン酸、硫酸、硼酸
等の無機酸であり、これらの酸を使用することにより反
応生成物の熱安定性、樹脂に対する相溶性の向上あるい
フォトクロミズムの抑制といった効果を得ることができ
る。中でもリン酸及びピロリン酸はこれらの効果が顕著
である。また、不揮発性の酸を用いることにより、本発
明の近赤外線吸収性色素の生成反応中あるいは得られた
色素を樹脂中に含有させる際に揮発することがなく、安
定剤としての効果を保つことができる。
【0012】本発明の近赤外線吸収性色素は、六ハロゲ
ン化タングステンあるいは五塩化モリブデンとエチレン
グリコ−ルのエ−テル誘導体及び不揮発性の酸を混合
し、加熱反応させて得られる。反応中はこれらの原料が
十分に混合されるように攪拌し続けることにより、成分
相互の溶解性及び均一な色素を得ることができる。この
ときエチレングリコ−ルのエ−テル誘導体が室温で液体
の場合には、この液体中に六ハロゲン化タングステンあ
るいは五塩化モリブデンを添加し、室温でエチレングリ
コ−ルのエ−テル誘導体が固体の場合には、これらを融
点以上に加熱して溶融状態で六ハロゲン化タングステン
あるいは五塩化モリブデンを添加して攪拌混合する。成
分が十分混合されたら攪拌したまま加熱し、反応させ
る。反応条件としては、エチレングリコ−ルのエ−テル
誘導体が激しく分解を起こさない程度の温度以下で反応
させることが望ましく、具体的には20〜200℃、好
ましくは50〜150℃で、0.5〜20時間、好まし
くは1〜10時間反応を行う。
【0013】本発明の特徴は、従来法で使用する反応媒
体と安定剤の作用を兼有するリン酸エステルまたは亜リ
ン酸エステルの代わりに、反応媒体であるエチレングリ
コ−ルのエ−テル誘導体と安定剤であるリン酸またはピ
ロリン酸等の不揮発性の酸とを分けて用いる点にある。
これにより、反応媒体と安定剤の比率を自由に変えるこ
とができるので、近赤外線吸収能の優れた安定な色素を
得ることができる。
【0014】六ハロゲン化タングステン若しくは五塩化
モリブデンとエチレングリコ−ルのエ−テル誘導体及び
不揮発性の酸のモル比は十分な近赤外線吸収能、その経
時的安定性及び樹脂の機械的強度の低下等を考慮に入れ
ると1:1〜10:0.1〜10が好ましい。
【0015】この様にして得られた反応生成物はいずれ
も近赤外線吸収性色素であり、中でも六塩化タングステ
ンから得た色素は鮮やかな濃青色の色素でかつ近赤外線
吸収能が最も高いので、これが近赤外線吸収材料として
最も優れている。この近赤外線吸収材料は相溶性のある
透明樹脂中に含有させることにより近赤外線吸収性樹脂
組成物が得られ、更にこの組成物を公知の方法で成形す
ることで、近赤外線吸収性成形体とすることができる。
【0016】本発明において用いられる透明樹脂とは、
実質的に透明であって可視部の吸収及び散乱が少い樹脂
であれば良く、具体的なものとしては、アクリル樹脂、
スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹
脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等
を挙げることができる。実質的に透明であれば、上記1
種類の樹脂に限られず、2種類以上の樹脂をブレンドし
たものを用いることもできる。これらの透明樹脂のうち
アクリル樹脂の一種であるメタクリル酸エステル樹脂は
本発明の近赤外線吸収色素との相溶性が良く、また耐候
性も良好である点で望ましいものである。
【0017】本発明において用いられるメタクリル酸エ
ステル樹脂はメタクリル酸エステルの重合体、あるいは
この重合体を主成分として含有する樹脂混合物のいずれ
の形態でも良い。メタクリル酸エステルとしては、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メ
タクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸テトラデシル等およびこれらの混合物を挙げることが
できる。近赤外線吸収性色素との相溶性、耐候性を考慮
に入れた場合メタクリル酸メチルを主成分とする樹脂が
望ましい。
【0018】本発明の近赤外線吸収性樹脂成形体は、本
発明の近赤外線吸収性色素を含有する樹脂組成物を成形
手段を用いて所望の形状に成形するが、その組成物は、
前記透明樹脂粉末あるいはペレットと近赤外線吸収性色
素を混合して含有させる方法、更にこの混合物を例えば
押出し成形機、射出成形機などの加熱溶融手段を有する
機械でペレット中に含有させる方法、メタクリル酸エス
テル等の単量体に近赤外線吸収性色素を添加混合する方
法、及び樹脂を単量体に溶解し、更に近赤外線吸収性色
素を添加混合する方法等により得ることができる。この
時、酸化防止剤を加えることによりこれら樹脂組成物を
成形手段により成形した成形体中における近赤外線吸収
性色素の溶解安定性が向上し、加熱や光による近赤外線
吸収能の劣化を改善するとともに成形体の透明性の劣化
も改善することができる。
【0019】本発明の近赤外線吸収性色素は目的とする
樹脂成形体の可視域及び近赤外域の透過率の設定及び板
厚によってその添加量を変えることができ、透明樹脂1
00重量部に対して0.01〜10重量部、好ましくは
0.1〜5重量部である。近赤外線吸収性色素が0.0
1重量部未満の場合は近赤外線吸収能の向上が十分では
なく、10重量部を越えると透明樹脂中に不溶解部分が
残ってしまい出来上がったプラスチック板が不透明にな
る恐れがある。一方、安定剤として用いる酸化防止剤は
透明樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部、
好ましくは0.1〜5重量部である。
【0020】本発明において用いられる酸化防止剤とし
ては、4,4´−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6
−tert−ブチルフェノ−ル)、4,4´−チオ−ビ
ス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノ−
ル)、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−te
rt−ブチルフェノ−ル)、n−オクタデシル−3−
(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェ
ノ−ル)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t
ert−ブチル−ヒドロキシフェノ−ル)プロピオネ−
ト]メタン、n−オクタデシル−3−(4´−ヒドロキ
シ−3´,5´−ジ−tert−ブチルフェノ−ル)プ
ロピオネ−ト、1,1´−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらの酸化防止
剤は反応生成物の樹脂中における安定性を向上させる働
きがあるが、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−
tert−ブチル−ヒドロキシフェノ−ル)プロピオネ
−ト]メタンの様に分解温度が高く、樹脂中に導入する
際に分解されないものが望ましい。
【0021】近赤外線吸収性色素を含有した樹脂成形体
は、近赤外線吸収性色素を含有したペレットを用いて再
び押出成形機、射出成形機や圧縮成形機等の成形機によ
り成形するか、樹脂単量体と近赤外線吸収性色素とを含
有する前記樹脂組成物に更に酸化防止剤や重合開始剤を
加えて、例えば周囲をガスケットでシ−ルして対向させ
た2枚のガラス板からなる鋳型に充填し、加熱重合する
ことで得ることができる。重合開始剤としては、2,2
´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾ
ビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)等が挙げられ、その量は透明樹脂100重量部に対
して0.001〜2重量部、好ましくは0.01〜1重
量部であり、重合温度は使用するラジカル重合開始剤に
よって異なるが、一般には40〜140℃であり、前段
階のプレ重合を40〜90℃、後段階の本重合を100
〜140℃で行うことが望ましい。
【0022】この様にして製造された近赤外線吸収性樹
脂成形体は、近赤外線吸収能を有する光学フィルタ−や
熱線吸収性グレ−ジングとして用いることができ、例え
ば熱線吸収材料、肉眼保護用フィルタ−等に用いること
ができる。
【0023】
【作用】エチレングリコ−ルのエ−テル誘導体と六ハロ
ゲン化タングステンや五塩化モリブデンと不揮発性の酸
との反応生成物が優れた近赤外線吸収性色素となり、熱
的安定性が高く透明樹脂に含有させたときに褪色や近赤
外線吸収能の低下が少なく、かつフォトクロズミズム現
象が改善された透明樹脂成形体が得られる理由は明らか
ではないが、エチレングリコ−ルのエ−テル誘導体は六
ハロゲン化タングステン、五塩化モリブデンや不揮発性
の酸で分解されるようなことのない中性液状媒体であ
り、この媒体中でエチレングリコ−ルのエ−テル誘導体
と六ハロゲン化タングステンや五塩化モリブデンと不揮
発性の酸の三者が相互に反応若しくは作用し合って、複
雑な結合様式の安定な一種の錯体が生成するからであろ
うと考えられる。
【0024】その結果、驚くべきことにリン酸エステル
及び亜リン酸エステルを使用した従来の方法に比較し
て、例えば六塩化タングステンが3分の1の量で濃青色
のタングステンを含有する近赤外線吸収性色素が得られ
る。これを使用してプラスチックを着色した場合、その
添加量が少なくて済むのでプラスチックの強度の低下が
少なくなる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を具体的実施例によって説明す
るが、これらの実施例に限定されるものではない。尚、
得られた近赤外線吸収性色素の反射スペクトル及び近赤
外線吸収性樹脂成形体の透過スペクトルは分光光度計
(島津製作所製UV−3100型)を用いて測定を行っ
た。近赤外線吸収性色素の反射スペクトルは近赤外線吸
収性色素の一定量を厚紙とスライドグラスの間に挾んで
測定した。また、日射透過率及び可視光透過率はJIS
R−3106に準じて算出した。以下、部は重量部を
表す。
【0026】[実施例1]100mlの三つ口フラスコ
に六塩化タングステン16.5部、エチレングリコ−ル
モノフェニルエ−テル29.7部及びピロリン酸7.7
部とを入れ、テフロン製の攪拌棒・羽根で攪拌した後、
三つ口フラスコをオイルバス中で徐々に加熱して、12
0℃で2時間反応を行って濃青色の色素を得た。ここ
で、六塩化タングステンとエチレングリコ−ルモノフェ
ニルエ−テル及びピロリン酸のモル比は1:5:1であ
る。得られた色素の近赤外線反射スペクトルを図1に示
した。
【0027】[実施例2]100mlの三つ口フラスコ
に六塩化タングステン16.5部、エチレングリコ−ル
モノフェニルエ−テル29.7部及びピロリン酸23.
1部とを入れ、実施例1と同様にして反応を行って濃青
色の色素を得た。ここで、六塩化タングステンとエチレ
ングリコ−ルモノフェニルエ−テル及びピロリン酸のモ
ル比は1:5:3である。得られた色素の近赤外線反射
スペクトルを図1に示した。
【0028】[実施例3]100mlの三つ口フラスコ
に六塩化タングステン16.5部、エチレングリコ−ル
モノフェニルエ−テル44部及びピロリン酸4.4部と
を入れ、実施例1と同様にして反応を行って濃青色の色
素を得た。 ここで、六塩化タングステンとエチレング
リコ−ルモノフェニルエ−テル及びピロリン酸のモル比
は1:8:0.6である。得られた色素の近赤外線反射
スペクトルを図1に示した。
【0029】[実施例4]100mlの三つ口フラスコ
に六塩化タングステン16.5部、エチレングリコ−ル
モノフェニルエ−テル44部及びリン酸4.4部とを入
れ、実施例1と同様にして反応を行って濃青色の色素を
得た。ここで、六塩化タングステンとエチレングリコ−
ルモノフェニルエ−テル及びリン酸のモル比は1:8:
1である。得られた色素の近赤外線反射スペクトルを図
1に示した。
【0030】[実施例5]100mlの三つ口フラスコ
に六塩化タングステン16.5部、エチレングリコ−ル
モノ−m−トリルエ−テル44部及びピロリン酸4.4
部とを入れ、実施例1と同様にして反応を行って濃青色
の色素を得た。ここで、六塩化タングステンとエチレン
グリコ−ルモノ−m−トリルエ−テル及びピロリン酸の
モル比は1:7:0.6である。得られた色素の近赤外
線反射スペクトルを図2に示した。
【0031】[実施例6]100mlの三つ口フラスコ
に六塩化タングステン16.5部、エチレングリコ−ル
モノベンジルエ−テル44部及びピロリン酸4.4部と
を入れ、実施例1と同様にして反応を行って濃青色の色
素を得た。ここで、六塩化タングステンとエチレングリ
コ−ルモノベンジルエ−テル及びピロリン酸のモル比は
1:7:0.6である。得られた色素の近赤外線反射ス
ペクトルを図2に示した。
【0032】[実施例7]100mlの三つ口フラスコ
に六塩化タングステン16.5部、エチレングリコ−ル
モノイソブチルエ−テル44部及びピロリン酸4.4部
とを入れ、実施例1と同様にして反応を行って濃青色の
色素を得た。ここで、六塩化タングステンとエチレング
リコ−ルモノイソブチルエ−テル及びピロリン酸のモル
比は1:9:0.6である。得られた色素の近赤外線反
射スペクトルを図2に示した。
【0033】[実施例8]100mlの三つ口フラスコ
に六塩化タングステン16.5部、エチレングリコ−ル
モノ−n−ヘキシルエ−テル44部及びピロリン酸4.
4部とを入れ、実施例1と同様にして反応を行って濃青
色の色素を得た。ここで、六塩化タングステンとエチレ
ングリコ−ルモノ−n−ヘキシルエ−テル及びピロリン
酸のモル比は1:7:0.6である。得られた色素の近
赤外線反射スペクトルを図2に示した。
【0034】[実施例9]100mlの三つ口フラスコ
に六臭化タングステン16.5部、エチレングリコ−ル
モノフェニルエ−テル44部及びピロリン酸4.4部と
を入れ、実施例1と同様にして反応を行って濃青色の色
素を得た。ここで、六臭化タングステンとエチレングリ
コ−ルモノフェニルエ−テル及びピロリン酸のモル比は
1:8:0.6である。得られた色素の近赤外線反射ス
ペクトルを図3に示した。
【0035】[実施例10]100mlの三つ口フラス
コに五塩化モリブデン11部、エチレングリコ−ルモノ
フェニルエ−テル44部及びピロリン酸4.4部とを入
れ、実施例1と同様にして反応を行って深緑色の色素を
得た。ここで、五塩化モリブデンとエチレングリコ−ル
モノフェニルエ−テル及びピロリン酸のモル比は1:
8:0.6である。得られた色素の近赤外線反射スペク
トルを図3に示した。
【0036】[比較例1]100mlの三つ口フラスコ
に六塩化タングステン15.0部とピロリン酸40部を
入れ、テフロン製の攪拌棒・羽根で攪拌した後、三つ口
フラスコをオイルバス中で徐々に加熱して、120℃で
2時間反応を行った。このようにして得られた色素の近
赤外線反射スペクトルは図4に示したとおりであり、図
1、図2及び図3に示した実施例1〜10で得た本発明
の色素の近赤外線反射スペクトルと比べ、明らかに近赤
外線吸収性が劣るものであった。
【0037】[実施例11]実施例1で得た近赤外線吸
収性色素の0.5部をとりポリメタクリル酸メチルのペ
レット99.5部に混合し、押し出し機によって色素を
含有したペレットを製造した。得られたペレットの成形
は射出成形機によって行い、厚さ2.0mmの樹脂板を
得た。得られた樹脂板の透過スペクトルを図5に、樹脂
板の透明性を表1に示した。また、合わせて算出した日
射透過率は11.92%、可視光透過率は10.08%
であった。暗所に放置した場合のこれらの値の経時変化
は表2に示した。
【0038】[実施例12]実施例2で得た近赤外線吸
収性色素の0.5部をとりポリメタクリル酸メチルのペ
レット99.5部に混合し、実施例11と同様にして成
型を行い、厚さ2.0mmの樹脂板を得た。得られた樹
脂板の透過スペクトルを図5に、樹脂板の透明性を表1
に示した。また、合わせて算出した日射透過率は10.
01%、可視光透過率は6.94%であった。暗所に放
置した場合のこれらの値の経時変化は表2に示した。
【0039】[実施例13]実施例1で得た近赤外線吸
収性色素の0.5部を、メタクリル酸メチルモノマ−9
9.5部に添加して溶解した。これに重合触媒として
2,2´−アゾビスイソブチロニトリルを0.05部添
加混合した後、マグネチックスタ−ラで攪拌しながら6
5℃で約1時間半プレ重合させた後、これを常法に従っ
て、ガスケットを2枚の平行なガラス板にはさんで作っ
た鋳型に注入し更に65℃で3時間静置した。この後、
100℃で1時間本重合を行って重合を完了させ、冷却
後にガラス板から剥離して厚さ2.8mmの樹脂板を得
た。得られた樹脂板の透過スペクトルを図5に、樹脂板
の透明性を表1に示した。また、合わせて算出した日射
透過率は12.17%、可視光透過率は8.52%であ
った。
【0040】[実施例14]実施例2で得た近赤外線吸
収性色素0.5部及びテトラキス[メチレン−3(3,
5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキシフェノ−ル)プ
ロピオネ−ト]メタン0.07部をとりポリメタクリル
酸メチルのペレット99.4部に混合し、実施例11と
同様にして成型を行い、厚さ2.0mmの樹脂板を得
た。得られた樹脂板の透過スペクトルを図5に、樹脂板
の透明性を表1に示した。また、合わせて算出した日射
透過率は9.64%、可視光透過率は6.74%であっ
た。また、暗所に放置した場合のこれらの値の経時変化
を表2に示した。
【0041】[比較例2]ポリメタクリル酸メチル25
部をメタクリル酸メチル75部に加えてシラップを調整
し、このシラップに六塩化タングステン0.2部と塩化
スズ0.11部を添加溶解すると濃青色の溶液が得られ
た。これに重合触媒として2、2´−アゾビス−2,4
−ジメチルバレロニトリル0.05部を添加し、十分混
合した後にこれを常法に従ってガスケットを2枚の平行
なガラス板にはさんで作った鋳型に注入し更に65℃で
3時間静置した。この後、更に100℃で1時間本重合
を行って重合を完了させ、冷却後にガラスより剥離させ
て厚さ2.9mmの樹脂板を得た。得られた樹脂板は重
合前の濃い青色はほとんど褪色してしまい、透明性もそ
れほど良好ではなかった。この樹脂板の透過スペクトル
を図6に、樹脂板の透明性を表1に示した。
【0042】[比較例3]六塩化タングステン12.0
部、モノブチルフォスフェ−トとジブチルフォスフェ−
トの混合物27.8部を混合し、120℃で2時間反応
を行って得た青色色素0.5部とポリメタクリル酸メチ
ルのペレット99.5部とを混合し、この混合ペレット
を押し出し機によって色素を含有したペレットを製造し
た。この後、溶融成形機にて成形を行い、若干曇りのあ
る厚さ2.0mmの樹脂板を得た。この樹脂板の透過ス
ペクトルを図6に、樹脂板の透明性を表1に示した。ま
た、合わせて算出した日射透過率は22.08%、可視
光透過率は26.87%であって、本発明のものに比べ
日射が約2倍透過するものであった。また、暗所に放置
した場合のこれらの値の経時変化は表2に示した。この
結果から明らかなように、本発明によって得られた色素
を使用した樹脂板は比較例のものに比べ近赤外線の吸収
効率が良く、樹脂板に成形する際の加熱による褪色もな
く、また暗所放置によるフォトクロミズムも小さく改善
されたものであった。
【0043】
【表1】
【表2】
【0044】
【発明の効果】一般式(1)で示されるエチレングリコ
−ルのエ−テル誘導体六ハロゲン化タングステンあるい
は五塩化モリブデン及び不揮発性の酸とを加熱、反応さ
せて得られた近赤外線吸収性色素は耐熱性に優れ、特に
アクリル樹脂との相溶性も良好である。従って、溶融成
形の際に近赤外線吸収性の劣化は確認されず、透明性に
優れた近赤外線吸収性のアクリル樹脂板を得ることがで
きる。さらに、従来品に比べるとフォトクロミズムがか
なり制御されており、酸化防止剤と合わせて樹脂中に組
み込むとさらに安定性は向上する。また、近赤外線吸収
効率が高いので樹脂への添加量もその分少なくて所望の
吸収が得るれるので、色素の添加による樹脂の強度の劣
化も防ぐことができ、更に低コストで従来品と同等のも
のを作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4で得られた近赤外線吸収性色素の
反射スペクトル
【図2】実施例5〜8で得られた近赤外線吸収性色素の
反射スペクトル
【図3】実施例9、10で得られた近赤外線吸収性色素
の反射スペクトル
【図4】比較例1で得られた色素の反射スペクトル
【図5】実施例11〜14で得られた樹脂板の透過スペ
クトル
【図6】比較例2、3で得られた樹脂板の透過スペクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/00 105 C08F 2/44 C08K 3/16 C08L 33/00 C08L 101/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)に示すエチレングリコ−ル
    のエ−テル誘導体と六ハロゲン化タングステン若しくは
    五塩化モリブデンのいずれかと不揮発性の酸からなる反
    応組成物を加熱して得られる近赤外線吸収性色素。 【化1】R−O−C2 4 −OH (1) (式中、Rは炭素数が1〜10個のアルキル基、アラル
    キル基、アリール基を示す。)
  2. 【請求項2】 不揮発性の酸がリン酸もしくはピロリン
    酸である請求項1記載の近赤外線吸収性の色素。
  3. 【請求項3】 エチレングリコ−ルのエ−テル誘導体が
    一般式(2)に示すエチレングリコ−ルモノフェニルエ
    −テル誘導体である請求項1あるいは請求項2記載の近
    赤外線吸収性色素。 【化2】 R1−C6 4 −O−C2 4 −OH (2) (式中、R1は炭素数が1〜4個のアルキル基を示
    す。)
  4. 【請求項4】 六ハロゲン化タングステン若しくは五塩
    化モリブデンと一般式(2)に示すエチレングリコ−ル
    モノフェニルエ−テル誘導体と不揮発性の酸のモル比率
    が1:1〜10:0.1〜10である請求項1記載の近
    赤外線吸収性色素。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の近赤外線吸収性色素を透
    明樹脂ペレット中に含有せしめたことを特徴とする近赤
    外線吸収性樹脂ペレット。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の近赤外線吸収性樹脂ペレ
    ットを成形手段を用いて成形して得られる近赤外線吸収
    性樹脂成形体。
  7. 【請求項7】 透明樹脂がアクリル酸、メタクリル酸、
    アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルを主
    成分とする樹脂であることを特徴とする請求項6記載の
    近赤外線吸収性樹脂成形体。
  8. 【請求項8】 透明樹脂がメタクリル酸エステル樹脂で
    あることを特徴とする請求項6記載の近赤外線吸収性樹
    脂成形体。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の近赤外線吸収性色素とア
    クリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルあるいは
    メタクリル酸エステルから選ばれる単量体の少なくとも
    1つを含有する組成物を所望の型に入れて重合させるこ
    とによって得られる近赤外線吸収性樹脂成形体。
  10. 【請求項10】 近赤外線吸収性樹脂成形体が更に酸化
    防止剤を含有したものであることを特徴とする請求項6
    あるいは請求項9記載の近赤外線吸収性樹脂成形体。
JP34175792A 1992-12-22 1992-12-22 近赤外線吸収性色素及びその色素を含有した樹脂成形体 Expired - Fee Related JP2754527B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34175792A JP2754527B2 (ja) 1992-12-22 1992-12-22 近赤外線吸収性色素及びその色素を含有した樹脂成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34175792A JP2754527B2 (ja) 1992-12-22 1992-12-22 近赤外線吸収性色素及びその色素を含有した樹脂成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06184520A JPH06184520A (ja) 1994-07-05
JP2754527B2 true JP2754527B2 (ja) 1998-05-20

Family

ID=18348530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34175792A Expired - Fee Related JP2754527B2 (ja) 1992-12-22 1992-12-22 近赤外線吸収性色素及びその色素を含有した樹脂成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2754527B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BRPI0722164A8 (pt) * 2007-10-25 2017-12-12 Sumitomo Metal Mining Co Mistura padrão de alta resistência ao calor, e, corpo de laminação transparente de bloqueio de radiação térmica.

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06184520A (ja) 1994-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0227337B1 (en) Process for manufacturing photochromic articles
KR101979962B1 (ko) 폴리카르보네이트 수지 조성물 및 성형품
JP3206940B2 (ja) 近赤外線吸収メタクリル系樹脂組成物及びその成形体
JP3603315B2 (ja) 近赤外線吸収剤およびそれを含有した熱線遮蔽材
EP0610861B1 (en) Fluorine-containing bezophenone derivatives and use thereof
EP1182467B1 (en) Optical material
KR101673101B1 (ko) 아크릴 수지 필름 및 재귀 반사 시트
JP2754527B2 (ja) 近赤外線吸収性色素及びその色素を含有した樹脂成形体
JPS598709A (ja) 高屈折率レンズ用樹脂
KR100297671B1 (ko) 광필터
JP2882641B2 (ja) 近赤外線吸収性改質剤およびその製造方法
DE2524587A1 (de) Vulkanisierbare massen
JPH0129217B2 (ja)
JP2769009B2 (ja) 熱線吸収グレージング材
CH660369A5 (de) Copolymer fuer die herstellung von linsen mit hohem brechungsvermoegen und linsen auf basis dieses copolymers.
JPH03246256A (ja) 新規なフタル酸誘導体金属塩及び該金属塩を含有する光遮断性及び光感応性のあるプレート
KR102146616B1 (ko) 형광 염료를 포함하는 3d 프린팅용 광경화성 수지 조성물
US5759448A (en) Plastic optical material
EP0356027A1 (en) Near-infrared ray absorbent resin composition and method for production thereof
JPH0436337A (ja) 近赤外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法
JPH03215561A (ja) 近赤外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法
US3488725A (en) Fire retardant acrylic polymers
JPH01161036A (ja) 近赤外線吸収メタクリル樹脂材料およびその製造方法
EP0183276A2 (en) Flame-retardant resin composition
JPH073242A (ja) 含フッ素紫外線吸収剤、およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees