JPH03215561A - 近赤外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

近赤外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法

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JPH03215561A
JPH03215561A JP19632789A JP19632789A JPH03215561A JP H03215561 A JPH03215561 A JP H03215561A JP 19632789 A JP19632789 A JP 19632789A JP 19632789 A JP19632789 A JP 19632789A JP H03215561 A JPH03215561 A JP H03215561A
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達也 中村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は可視光線を比較的よく透過し近赤外線吸収能に
優れた新規な近赤外線吸収性樹脂組成物とその製造方法
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来近赤外線吸収材料としては米国特許第3, 692
, 688号明細書に六塩化タングステン(WC l 
6)と塩化スズ(SnC (1 2・2H.0)をメタ
クリル酸メチルシラソプに溶解して重合することにより
、近赤外線吸収能に優れた材料が得られることが記載さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、我々が上記米国特許を追試した結果によ
れば、Wl!6とSnC j! z ・28zOをメタ
クリル酸メチルシラソプに溶解した組成物は濃青色に発
色し近赤外線をよく吸収する性質をもっているが、これ
を鋳型に注入して重合して得られた鋳型板すなわち近赤
外線吸収材料は褪色していると共に近赤外線を吸収する
能力が大幅に減少しており、これを紫外線あるいは太陽
光に曝露してはじめて再び濃青色を呈し近赤外線吸収能
を発揮し、一方暗所で長期間放置の間に褪色するいわゆ
るフォトクロミズムを呈するという問題を有していた。
このような従来のWCj!6とSnC /l z・2H
20を含有してなる近赤外線吸収材料における重合過程
での分光特性の大幅な変化や極めて緩かに進行するフォ
トクロミズムなどは、一定の品質を備えた光学的フィル
ターや熱線吸収性グレージングなどの工業製品を提供す
る上で好ましくない現象である。
また、メタクリル酸メチルシラップを反応溶媒として、
これにW(16とSnC 1 z・Hzoを溶解する方
法のため、フィルターの基体となる樹脂はポリメタクリ
ル酸メチルに限られてしまい、製造の方法も限定され形
状・加工性・表面特性など工業製品として多様な二−ズ
に応えることができないという問題点もあった。
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべく、メ
タクリル酸メチルシラソプを反応溶媒として限定して用
いる必要がなく、かつ近赤外線吸収能及びその安定性の
優れた近赤外線吸収性樹脂組成物およびその製造方法を
提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、重合過程での不安定性を改良し、フォト
クロミズムを抑制することを目的とする近赤外線吸収性
樹脂組成物とその製造方法について鋭意検討を重ねた結
果、六塩化タングステンとリン酸エステルおよび/また
は亜リン酸エステルを組み合せて用いることによってな
されることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明の要旨とするところは、(1)  透明
樹脂100重量部に対して、六塩化タングステン0.0
1〜10重量部と、六塩化タングステンの少なくとも0
. 1倍モルのリン酸エステルおよび/または亜リン酸
エステルとの反応混合物を含有せしめてなる近赤外線吸
収性樹脂組成物、(2)六塩化タングステン0.01〜
10重量部と、該六塩化タングステンに対して少なくと
も0. 1倍モルのリン酸エステルおよび/または亜リ
ン酸エステルとを反応させて得た混合物を、透明樹脂1
00重量部に混練混合せしめる近赤外線吸収性樹脂組成
物の製造方法、 f3)  (a) (メタ)アクリル酸モノエステル単
量体を主体とし、その重合体を含有していてもよい不飽
和単量体および/または(メタ)アクリル酸多価エステ
ル単量体100重量部に対して、(′b)六塩化タング
ステン0.01〜10重量部と、該六塩化タングステン
に対して少なくとも0.1倍モルのリン酸エステルおよ
び/または亜リン酸エステルとを反応させて得た混合物
を添加混合せしめた後、ラジカル重合開始剤の存在下で
重合する近赤外線吸収性樹脂組成物の製造方法、および (4)(メタ)アクリル酸モノエステル単量体を主体と
し、その重合体を含有していてもよい不飽和単量体およ
び/または(メタ)アクリル酸多価エステル単量体10
0重量部に対して、六塩化タングステン0.05〜2重
量部と、リン酸エステル0.05〜10重量部および/
または亜リン酸エステル0.05〜2重量部とを添加混
合せしめラジカル重合開始剤の存在下で重合する近赤外
線吸収性樹脂組成物の製造方法 である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明における透明樹脂とは、実質的に透明であって吸
収・散乱が大きくない樹脂であればよく特に制限はない
が、その具体的なものとしては、アクリル樹脂、スチレ
ン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、オ
レフィン系樹脂、エボキシ樹脂、ポリアミド樹脂等をあ
げることができ、実質的に透明であれば、上記1種類の
樹脂に限らず、2種以上の樹脂をブレンドしたものも用
いることができる。これらの透明樹脂のうちアクリル樹
脂である熱可塑性の又は架橋された(メタ)アクリル酸
エステル樹脂が近赤外線吸収性能を有する反応混合物の
分散性の点で好ましく、また耐候性の点と加味すればメ
タクリル酸メチル単独又はメタクリル酸メチル単位を5
0%以上含有するメタクリル樹脂が望ましい。
本発明において(メタ)アクリル酸モノエステル単量体
を主体とし、その重合体を含有していてもよい不飽和単
量体とは、(メタ)アクリル酸モノエステル単量体単独
、該単量体混合物、または(メタ)アクリル酸モノエス
テルを主成分とし、これと共重合し得る他の不飽和単量
体との混合物あるいは当該単量体もしくは単量体混合物
中にこれらの重合体を溶解含有するシラソブである。他
の不飽和単量体との混合物中(メタ)アクリル酸モノエ
ステルの割合は50重量%以上、好ましくは60重量%
以上、更に好ましくは80重量%以上である。(メタ)
アクリル酸モノエステルの具体的な例としては、(メタ
)アクリル酸メチル(アクリル酸メチルあるいはメタク
リル酸メチルの意。以下同じ)、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アク
リル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ
エチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、
(メタ)アクリル酸テトラヒドロキシフルフリール、(
メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル等を挙げることができ、これらの1種類また
は2種類以上が用いられるが、耐候性を考慮した場合メ
タクリル酸メチルが好ましい。共重合可能な他の不飽和
単量体の例は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル
二トリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン、α−ス
チレン、ビニルトルエン、無水マレイン酸等を挙げるこ
とができる。(メタ)アクリル酸エステルの部分重合物
を得る方法としては、通常行われているように塊状予備
重合により部分重合物を得る方法、あるいは重合物を単
量体に溶解する方法があげられ、注入を考慮して35重
量%以下の重合体含有率に調整することが好ましい。
本発明において用いられる(メタ)アクリル酸多価エス
テルの例としてはポリオールボリ(メタ)アクリレート
、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ
)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート等
が挙げることができる。
さらにポリオールボリ (メタ)アクリレートの具体的
な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート
、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ (メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレートであり、ポリエ
ステル(メタ)アクリレートの具体的な例は多価アルコ
ールとしてエチレングリコール、1.4−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパンポ
リエチレングリコール、ペンタエリスリトール等と、多
塩基酸としてフタル酸、アジビン酸、マレイン酸、イタ
コン酸、テレフタル酸等を反応させて合成したポリエス
テルの(メタ)アクリレートであり、エポキシ(メタ)
アクリレートの具体的な例としてビスフェノールA一エ
ビクロルヒドリン型、フェノールノボラックーエビクロ
ルヒドリン型、脂環型エボキシ樹脂等のエポキシ樹脂の
(メタ)アクリレートであり、ポリウレタン(メタ)ア
クリレートの具体的な例としてはトリレンジイソシアネ
ート、ジフエニルメタンジイソシアネートなどのイソシ
アネート類の(メタ)アクリレートを挙げることができ
、これらの1種または2種以上の単量体が用いられる。
本発明に用いられる(a)(メタ)アクリル酸モノエス
テル単量体を主体とし、その重合体を含有していてもよ
い不飽和単量体および/または(メタ)アクリル酸多価
エステル単量体(以下(メタ)アクリル酸エステル単量
体などと称す)とは、前記(メタ)アクリル酸モノエス
テル単量体を主体としその重合体を含有していてもよい
不飽和単量体、前記(メタ)アクリル酸多価エステル単
量体およびこれらの混合物の場合をそれぞれ意味し、そ
の組成については広範囲にとることができる。
本発明において用いられるリン酸エステルは次式(1》
で示されるフォスフェート (但し式中nは1,2あるいは3であり、Rは炭素数1
〜18のアルキル基、アリル基、了りール基、アラルキ
ル基、(メタ)アクリロキシアルキル基あるいはそれの
誘導体を示す。)であり、具体的な例としては、モノエ
チルフォスフエート、ジエチルフォスフェート、トリエ
チルフォスフェ−ト、モノプチルフォスフェート、ジブ
チルフォスフエート、トリブチルフォスフェート、モノ
ブトキシエチルフォスフェート、モノ (2−エチルヘ
キシル)フォスフェート、ビス(2−エチルヘキシル)
フォスフエート、トリス(2−エチルヘキシル)フォス
フェート、モノフエニルフォスフェート、ジフェニルフ
ォスフェート、トリフエニルフォスフェート、モノ (
2−クロロエチル)フォスフェート、ビス(2−クロロ
エチル)フォスフェート、トリス(2−クロロエチル)
フォスフェート、モノ (2−ヒドロキシエチルメタク
リレート)フォスフエート、ビス(2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート)フォスフェート、トリス(2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート)フォスフェート等であり
、これらのうちでジエステル、トリエステル、またはこ
れらの混合物を好ましい例としてあげることができる。
本発明において用いられる亜リン酸エステルは次式(2
)で示されるフォスファイト (但し式中nは1.2あるいは3であり、Rは炭素数1
〜18のアルキル基、アリル基、アリール基、アラルキ
ル基、(メタ)アクリロキシアルキル基あるいはそれの
誘導体を示す。)であり、具体的な例としては、モノエ
チルフォスファイト、ジエチルフォスファイト、トリエ
チルフォスファイト、モノブチルフォスファイト、ジブ
チルフォスファイト、トリブチルフォスファイト、モノ
(2−エチルヘキシル)フォスファイト、ビス(2−エ
チルヘキシル)フォスファイト、トリス(2−エチルヘ
キシル)フォスファイト、モノデシルフォスファイト、
ジデシルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、
モノステアリルフォスファイト、ジステアリルフォスフ
ァイト、トリステアリルフォスファイト、モノフェニル
フォスファイト、ジフェニルフォスファイト、トリフエ
ニルフォスファイト、モノ  (ノニルフヱニル)フォ
スファイト、ビス(ノニルフェニル)フォスファイト、
トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、モノ(2,
3−ジクロ口プロビル)フォスファイト、ビス(2.3
−ジクロロプロピル)フォスファイト、トリス(2.3
−ジクロ口プロビル)フォスファイト等であり、これら
のうちでジエステル、トリエステルを好ましい例として
あげることができる。
本発明において用いられる六塩化タングステン、リン酸
エステルおよび亜リン酸エステルは、目的とする樹脂組
成物の可視および近赤外域の透過率の設定および樹脂組
成物の板厚によってその量を変えることができるが、六
塩化タングステンの量は透明樹脂100重量部に対して
、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量
部である。六塩化タングステンが0.01重量部未満の
場合には近赤外線吸収能の向上が十分でなく、10重量
部を超える場合には近赤外線吸収能の向上が見られず重
合原料中に不溶解部分が残る虞れがある。
リン酸エステルおよび/または亜リン酸エステルの量は
、六塩化タングステン量に対して少なくとも0. 1倍
モル、好ましくは1〜300倍モル、さらに好ましくは
2〜100倍モルである。リン酸エステルおよび/また
は亜リン酸エステルの量が六塩化タングステンの0. 
1倍モル未満の場合には近赤外線吸収能の向上が充分で
なく、樹脂組成物の表面に発生するプリードや近赤外線
吸収能の経時的な安定性を考慮すると等モル以上が望ま
しい。一方、リン酸エステルおよび/または亜リン酸エ
ステルの量が多すぎると、すなわち六塩化タングステン
の500倍モルを超える場合には、樹脂の機械的強度等
の物性低下が大きくなり好ましくない。
本発明の反応混合物(b)は、六塩化タングステンとリ
ン酸エステル、六塩化タングステンと亜リン酸エステル
、あるいは六塩化タングステンとリン酸エステルおよび
亜リン酸エステルをそれぞれ出発原料として得られ、こ
れらの原料を充分に混合されるように攪拌しながら反応
することが、六塩化タングステン(WC 6 1,)の
溶解性・反応性の点から好ましい。このときリン酸エス
テルおよび/または亜リン酸エステルが液体の場合には
、この液体中に一Cl6を添加して反応を行ってもよ《
、あるいは溶媒中に一〇!6とリン酸エステルおよび/
または亜リン酸エステルを添加し反応を行ってもよい。
また室温で固体のリン酸エステルおよび/または亜リン
酸エステルの場合には、これらを融点以上に加熱し溶融
状態でWC7!6を添加してもよく、あるいは溶媒に溶
解させてから反応を行ってもよい。溶媒としては、反応
混合物を溶解し、溶媒沸点が反応温度より著しく低くな
いものであれば特に限定はなく、また溶媒の量としては
少なくとも出発原料を溶解する程度の量があればよい。
該反応混合物を得るための反応条件としては、室温ある
いは室温より若干高い温度から出発原料の1つであるリ
ン酸エステルあるいは亜リン酸エステルが激しく分解を
起こさない程度の温度以下で反応を行うことが望ましく
、具体的には20〜200℃、好ましくは30〜180
℃、さらに好ましくは50〜150℃の温度で、30時
間以下、好ましくは0. 5〜20時間、さらに好まし
くは1〜10時間反応を行なう。
このようにして本発明の反応混合物は、六塩化タングス
テン0.01〜10重量部と六塩化タングステンの少な
くとも0. 1倍モル以上の前記リン酸エステルおよび
/または亜リン酸エステルとを反応せしめることによっ
て得られるが、更に近赤外線吸収性能を向上し、経時的
な安定性を向上する目的で、上記反応系中に水を添加す
ることができる。水の添加時期は、六塩化タングステン
とリン酸エステルおよび/または亜リン酸エステルとを
反応する前、反応中、あるいは反応した後に添加しても
よい。また水の添加量は、透明樹脂100重量部に対し
て0.01〜1重量部、好ましくは0.1〜0.5重量
部である。
本発明の樹脂組成物は、前記透明樹脂100重量部に対
して、前記特定量の六塩化タングステンとリン酸エステ
ルおよび/または亜リン酸エステルとの反応混合物を含
有せしめるものであり、優れた近赤外線吸収能及びその
安定性を有する。
本発明の近赤外線吸収性樹脂組成物の製造方法としては
、例えば前記透明樹脂中に近赤外線吸収能を有する前記
反応混合物を混合含有する方法、前記透明樹脂の構成単
量体、好ましくは前記(メタ)アクリル酸エステルなど
の重合性原料に前記反応混合物を添加し重合する方法、
あるいは重合性原料に大塩化タングステンとリン酸エス
テルおよび/または亜リン酸エステルとを添加混合し重
合する方法などが挙げられる。
透明樹脂中に前記反応混合物を混合含有する方法には、
たとえば押出成形、射出成形、押圧成形、キャスト製膜
等があげられる。押出成形あるいは射出成形により得る
方法としては、六塩化タングステンとリン酸エステルお
よび/または亜リン酸エステルの反応混合物を熱可塑性
透明樹脂のペレノトと均一にまぜ、これを溶融成形機に
搬送するか、またはこの混合ベレソトを溶融し反応物が
含有された樹脂のベレソトを形成した後溶融成形機に搬
送して成形を行う。押圧成形ではプレス機において成形
することにより得られる。
本発明で使用される溶融成形機あるいはプレス機は通常
の成形品、シート、異形品の製造に用いる成形機が用い
られる。またキャスト製膜は溶剤に透明樹脂と近赤外線
吸収性の反応混合物を溶解してボリマー溶液を得て、こ
れを回転ドラム、ガラス板あるいは金属板等の上に流延
して溶剤を蒸発除去して得られる。
また、透明樹脂の構成単量体、好ましくは(メタ)アク
リル酸エステルなどの重合性原料中に前記反応混合物を
添加し重合する方法の場合には、ラジカル重合開始剤の
存在下で行ない、たとえばこのラジカル重合開始剤を重
合性原料100重量部に対して0.0001〜2.0重
量部、望ましくは0.01〜1.0重量部添加し加熱重
合することが望ましい。
このようなラジカル重合開始剤として用いられるアゾ系
重合開始剤の具体例として2.2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、1,1′−アゾビス−1ーシク口ヘキサン
カルポニトリル、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレ口ニトリル、22′−アゾビス−4−メトキシー
2,4 −ジメチルバレ口ニトリル等をあげることがで
き、また過酸化物系重合開始剤の具体例としてt−プチ
ルパーオキシイソプチレート、1.1′−ビスーt−プ
チルパーオキシ−3.3.5 − トリメチルシクロヘ
キサン、ラウロイルパーオキサイド等をあげることがで
きるが、過酸化物系重合開始剤の種類または添加量によ
り可視・近赤外域に褪色がわずかながら起きるため重合
に際してアゾ系重合開始剤が好ましく用いられる。重合
は塊状重合、好ましくは鋳込重合で行なわれる。鋳型重
合する方法としては上記組成物を常法に従い、周辺をガ
スケソトでシールして対向させた2枚のガラスの間に注
入して加熱する方法が挙げられる。重合温度は使用する
ラジカル重合開始剤の種類によって異なるが、一般に4
0〜140℃であり通常前段階の重合を40〜90℃、
後段階の重合を100〜140℃で重合することが望ま
しい。
また、本発明の近赤外線吸収性樹脂組成物を光重合開始
剤の存在下で重合する場合、この光重合開始剤を重合性
原料100重量部に対して0.05〜20重量部、好ま
しくは0. 1〜10重量部、さらに好ましくは0. 
2〜5重量部添加することが望ましい。
光重合開始剤とし用いられる具体的な例としてはアセト
フエノン、2.2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロピオフエノン、ペンゾフェノ
ン、4.4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、1
−ヒドロキシシク口へキシルフェニルケトン、t−ブチ
ルアントラキノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエー
テル等があげられ、この1種類または2種類以上が用い
られる。
重合は前記重合性原料と光重合開始剤を主成分とする混
合物を例えば基板上に塗布するかあるいはセル中に封入
した後、光により硬化して得られる。
ここで使用される基板は例えば硝子、プラスチック、金
属等がある。またセルを使用する場合にはセルの少なく
とも一方の面は光重合を開始するのに必要な光を透過し
なければならず、透明な硝子、プラスソチク等が好適で
ある。露光用光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、
紫外線蛍光灯等を使用することができる。
また、透明樹脂の構成単位、好まし《は(メタ)アクリ
ル酸エステルなどの重合性原料に大塩化タングステンと
リン酸エステルおよび/または亜リン酸エステルとを添
加混合し重合する場合には、前記の如く重合性原料中に
反応混合物を添加する方法の場合と同様にラジカル重合
開始剤の存在下および光重合開始剤の存在下に重合を行
なうことができる。この場合、重合性原料への六塩化タ
ングステンとリン酸エステルおよび/または亜リン酸エ
ステルの添加混合は、室温又は室温より若干高い温度で
行うことがより簡便であることから、重合性原料への六
塩化タングステンの溶解性等を考慮して、六塩化タング
ステンの添加量は重合性原料100重量部に対して0.
05〜2重量部、好ましくは0. 1〜1重量部が望ま
しく、リン酸エステルの添加量は重合性原料100重量
部に対して0.05〜10重量部、好ましくは0.05
〜5重量部、また亜リン酸エステルの添加量は上記重合
性原料100重量部に対して0.05〜2重量部、好ま
しくは0.1〜1重量部がそれぞれ望ましい。
同じ含有量でも透過率は本発明で得られる樹脂材料が例
えば板であるとき、その板厚によって変化するので最終
的には設定した板厚における透過率が得られるように含
有量を決定することができる。
また、本発明において重合系中に水を添加することによ
り、樹脂組成物の近赤外線吸収性能を更に向上させ、近
赤外線吸収能の経時安定性を更に向上させることができ
る。添加する水の量は、前記重合性原料100重量部に
対して0.01〜1.0重量部、好ましくは0. 1〜
0.5重量部が望ましい。
本発明の実施にあたっては種々の添加剤、例えば着色に
用いられる染顔料、酸化防止剤、紫外線吸収等の安定剤
、難燃剤、可塑剤、重合調節剤、剥離剤などを添加する
ことができ、また、基板上に塗布するなどコーティング
組成物として用いる場合には、前記重合性原料に有機溶
剤を添加することができ、これらの添加剤の種類および
量は本発明の目的を達する範囲内で任意に選択すること
ができる。
このようにして製造された近赤外線吸収性樹脂組成物は
、樹脂板、フイルム、塗膜等の形態をとることにより近
赤外線吸収能を簡便に付与した光学的フィルターや熱線
吸収性グレージングとして用いることができ、例えば熱
線吸収材料、肉眼保護フィルター、半導体受光素子用赤
外吸収フィルター、赤外感光性の感光材料用セーフライ
トフィルターに好適である。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的実施例をもって説明するが、これ
らの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中において部は重量部を表わし、また得ら
れた樹脂組成物の透過スペクトルおよび透過率は、実施
例18〜30を除いてすべて分光光度計(@日立製作所
製: U−3410型)で測定し、実施例18〜30は
同種の分光光度計((t1日立製作所製:323型)で
測定した。
実施例1 100mj’三つ口フラスコに六塩化タングステン(W
CA6)1 2.0部とモノブチルフォスフエートとジ
ブチルフォスフェートの混合物(城北化学KK製:商品
名JP−504 ) 27.76gを入れテフロン製の
攬拌棒・羽根で攪拌した後、三つ口フラスコをオイルバ
ス中で徐々に加熱して、120℃で2時間反応を行った
得られた近赤外線吸収能を有する反応混合物の0. 5
部をとりメタクリル酸メチル100部に添加し溶解させ
た。これに紫外線吸収剤としてTinuvin327 
(CIBA−GEIGY社製)0.6部、重合触媒とし
て2.2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル0.15部を添加混合した後、これを常法に従って、
ガスケソトを2枚の平行なガラス板にはさんでつくった
鋳型間に注入し、60℃の水槽に3時間浸漬し、ついで
120℃の空気槽で2時間加熱を行って重合を完了させ
、冷却後ガラスより剥離させて板厚3.12mmの樹脂
板を得た。
得られた樹脂板の透過スペクトルを測定し、その結果を
第1図中のAで示すが、同図に示す板厚3鶴の通常のメ
タクリル樹脂板(協和ガス化学工業KK製:パラグラス
)の透過スペクトルBとの比較からわかるように、この
樹脂板は可視域の光は比較的よく透過するが通常のメタ
クリル樹脂板には見られない近赤外域の吸収能にすぐれ
ていた。
実施例2 1 0 0ml三つ口フラスコに大塩化タングステン9
.6部とJP−504 2 0. 0部を入れ実施例1
と同様に反応させた。
得られた反応混合物の0.54部をとり予め0.4部の
水を溶解しておいたメタクリル酸メチル100部に添加
し溶解させ、剥離剤としてZELEC ON(デュポン
社製)0.1部を添加し実施例lと同様に紫外線吸収剤
および重合触媒を添加し重合を行い、板厚3.15mm
の樹脂板を得た。得られた樹脂板の450〜1400m
における透過率を測定し、その結果を第1表に示すが、
実施例1で得られた樹脂板と同様近赤外域の吸収能にす
ぐれていた。
本実施例で得られた樹脂板と、水を添加しないほかは本
実施例と同様にして重合して得た樹脂板とを80℃、湿
度50%の過酷な条件下に5日問おいて近赤外線吸収性
能の経時変化を測定したところ、1000nmにおける
透過率が水を添加しなかった樹脂板は0.7%から6.
1%へ変化したのに比べて、本実施例の樹脂板は0. 
1%から0. 8%の変化しか見られず、近赤外線吸収
性能の安定性が向上していることがわかる。
実施例3 六塩化タングステン5.0部とトリブチルフォスフェー
ト2 6. 8部を実施例1と同様に反応させ、得られ
た反応混合物の0.8部をメタクリル酸メチル100部
に添加溶解させ、実施例1と同様に紫外線吸収剤および
重合触媒を添加し重合を行い、板厚2.85mの樹脂板
を得た。得られた板の透過率を測定し、その結果を第1
表に示す。
実施例4 六塩化タングステン0. 4部とトリブチルフォスファ
イト2.0部を試験管中で加熱し、80℃1時間反応さ
せ、得られた反応混合物の0. 4部をメタクリル酸メ
チル100部に溶解させ、実施例1と同様に紫外線吸収
剤および重合触媒を添加し重合を行い、板厚2.890
の樹脂板を得た。得られた板の透過率を測定し、その結
果を第1表に示す。
実施例5 六塩化タングステン5.0gとジプチルフォスフz}(
fi大八化学工JI所W : Dp−4)  2 1.
 2 g ヲ実施例lと同様に反応させ、得られた反応
混合物のIO.5部をとり、予め0. 3部の水を溶解
させておいたメタクリル酸メチル100部に添加混合し
、紫外線吸収剤としてTinuvin 327 1. 
2部および重合触媒として2.2′−アゾビス−2.4
−ジメチルバレロニトリル0.6部を添加混合し、常法
に従って重合を行い、膜厚0.12Imの樹脂膜を得た
得られた樹脂膜の透過率を測定し、その結果を第1表に
示す。
実施例6 六塩化タングステ7 1 6. 0部とJP−504 
3 3. 1部を実施例1と同様に反応させ、得られた
反応混合物の0.54部をシクロへキシルメタクリレー
ト100部に添加混合し、実施例1と同様に紫外線吸収
剤及び重合触媒を添加し重合を行い板厚3.40鶴の樹
脂板を得た。得られた樹脂板の透過率を測定し、その結
果を第1表に示す。
実施例7 スチレン60部、メタクリル酸メチル36部およびネオ
ベンチルグリコールジメタクリレート4部を混合し、こ
れに実施例6で得られた反応混合物の0.09部を添加
混合した。紫外線吸収剤としてTinuvin 327
 0. 3部、重合触媒として2.2′アゾビス−2.
4−ジメチルハレ口ニトリル0. 2 部を添加して溶
解後実施例1と同様にして重合を行い、板厚2.881
1の樹脂板を得た。得られた樹脂板の透過率を測定し、
その結果を第1表に示す。
実施例8 試験管にフタル酸ジー2−エチルヘキシル2. 0部を
入れ、これに六塩化タングステン0. 4部とジブチル
フォスフェー}0.79部を添加し攪拌を行いながら徐
々に加熱を行い、100℃1時間反応させた。得られた
反応混合物の1.66部をメタクリル酸メチル100部
に添加混合し、実施例1と同様に紫外線吸収剤および重
合触媒を添加し重合を行い板厚3. 2 1 mの樹脂
板を得た。得られた樹脂板の透過率を測定し、その結果
を表1に示す。
実施例9 試験管にフタル酸ジー2−エチルヘキシル2.0部を入
れ、これに六塩化タングステン0.4部とジ2−エチル
へキシルフォスフェート(城北化学KK製: LB−5
8) 0.075部を添加し攪拌を行いながら徐々に加
熱を行い、100℃1時間反応させた。
得られた反応混合物の1.66部をメタクリル酸メチル
100部に添加混合し、実施例1と同様に紫外線吸収剤
および重合触媒を添加し重合を行い板厚2.910の樹
脂板を得た。得られた樹脂板の透過率を測定し、その結
果を表1に示す。
実施例1〇 六塩化タングステン2. 0部とジエチルフォスファイ
ト2 5. 0部を三つ口フラスコに入れ80℃で1時
間加熱攪拌して反応を行った。
ポリメタクリル酸メチル(協和ガス化学工業KK製:バ
ラベソトF−1000B) 5部をメタクリル酸メチル
95部に溶解して調製したシラノプに上記反応混合物を
0. 3部添加し、実施例1と同様に紫外線吸収剤およ
び重合開始剤を添加し重合を行い板厚2. 5−nの樹
脂板を得た。得られた樹脂板の透過率を測定し、その結
果を第1表に示す。
実施例11 大塩化タングステン5.0部とモノ−2−エチルへキジ
ルフオスフェートとジー2−エチルへキシルフォスフェ
ートの混合物(城北化学KK製:JP508) 26.
86部を実施例1と同様にして反応を行い、得られた反
応混合物の2.0部をメタクリル酸メチル100部に添
加し溶解させた。これに光重合開始剤としてIrgac
ure−184 (CIBA−GEIGY社製)0.5
部を加えガスヶ・7トを2枚の平行なガラス板にはさん
だ鋳型間に注入し、蛍光ケミカルランプ(@東芝社製:
 FL40BL)に30分間照射し重合を行い、板厚2
.34mの樹脂板を得た。得られた樹脂板の透過率を測
定し、その結果を第1表に示す.実施例12 六塩化タングステン5.0部とジブチルフォスフ工 }
9.66部およびモノブチルフォスフェート(■大八化
学工業所製: MP−4)  8. 6 7部を実施例
lと同様にして反応を行い、得られた反応混合物の10
部をメタクリル酸メチル100部に添加し溶解させた。
これに光重合開始剤としてDarocure1173 
( Merk社製)0.1部を添加混合し、実施例10
と同様にして光重合を行い膜厚0.09mmの樹脂膜を
得た。得られた樹脂膜の透過率を測定し、その結果を第
1表に示す。
実施例13 実施例6で得られた反応混合物の5部をとり、これに0
. 3部の水を添加し、加温しながら溶解させ、ウレタ
ンアクリレートのアロ二ソクストl210(東亜合成化
学KK製)100部を添加混合した。
これに光重合開始剤としてDarocure−1173
 1.0部を添加し、ガラス板に0.09mの厚さにな
るように塗布して実施例10と同様にして光重合を行っ
た。得られた樹脂膜の透過率を測定し、その結果を第1
表に示す。
実施例l4 実施例12と同様にして反応混合物を調製し、光重合開
始剤としてDarocure−1173 1.0部を添
加した。これを2枚の板厚2nの通常のメタクリル樹脂
板にはさんでウレタンアクリレートの膜厚が0.12m
になるように実施例10と同様にして光重合を行った。
得られた樹脂材料は接着して一体化されていた。得られ
た積層板の透過率を測定し、その結果を第1表に示す。
実施例15 三つ口フラスコに六塩化タングステン48.0部とJP
−504 9 9. 3部を入れ実施例1と同様に反応
させた後冷却して、これに水を10.9部添加し60℃
で1時間加熱攪拌を行い溶解させた。
ジペンタエリスリトールへキサアクリレート70部、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート20部およびネオ
ペンチルグリコールジアクリレート10部からなる混合
溶液に上記で得られた反,応混合物10部を添加混合し
、これに光重合開始剤Irgacure−184 5部
を加え溶解した後、これをシリコン処理されたポリエス
テルフィルム(創研化工KK製: PET−7512)
上に0.07鶴の厚さになるように塗布して実施例l1
と同様にして光重合を行った。得られた樹脂膜の透過率
を測定し、その結果を第1表に示す。
実施例16 実施例2で得られた反応混合物0.56部をポリメタク
リル酸メチル(バラベソトF−1000B) 1 0 
0部と混合し、これをラボプラストミルに入れ250℃
で15分間混練した。ついでプレス機で200℃、5分
間圧力をかけて板厚2酊の平板を得た。
得られた板の通過率を測定し、その結果を第1表に示す
実施例17 ポリ塩化ビニル(理研ビニル工業KK製: MS−18
40)100部をテトラヒド口フラン700部に溶解し
、これに実施例6で得られた反応混合物6部を加え混合
した後ガラス上に流延して溶媒を留去し、150μmフ
ィルムを得た。得られたフィルムの透過率を測定し、そ
の結果を第1表に示す。
実施例18 ポリメタクリル酸メチル(協和ガス化学工業KK製:パ
ラベント}IR−1000P)  5部をメタクリル酸
メチル95部に加えてシラノブを調製し、このシラソプ
にトリフェニルフォスファイト0. 1部およびモノブ
トキシエチルフォスフェートとジブトキシエチルフォス
フェートの混合物(城北化学工業KK製: JP−50
6) 0. 1部を加え撹拌しさらに六塩化タングステ
ン0. 2部を添加し溶解した後2,2′−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル0. 2 部を添加混
合し青色組成物を得た。常法に従って、予め製品の板厚
が31mになるようにガスケソトを2枚の平行なガラス
板にはさんだ鋳型間に前記組成物を注入し、60℃の水
浴槽に6時間浸漬し、ついで120℃の空気浴槽で2時
間加熱を行って重合を完了させ、冷却後ガラスより剥離
して厚さ3Illでヘイズのない青色系の透明樹脂板を
得た。
得られた樹脂板の透過スペクトルを第2図中のCで示す
が、同図に示す紫外線吸収剤を含まない通常のメタクリ
ル樹脂板の透過スペクトルDとの比較からわかるように
、この樹脂板は可視域の光は比較的よく透過するが通常
のメタクリル樹脂仮に見られない近赤外域の吸収能にす
ぐれていた。
また暗所に1ケ月間放置しておいても得られた樹脂板の
褪色は見られなかった。
実施例19〜22 六塩化タングステンにリン酸エステルあるいは亜リン酸
エステルを添加混合し第2表記載のような組成に変更し
たほかは実施例l8と同様にして重合を行ない、ヘイズ
のない青色系の透明樹脂板を得た。得られたこれらの板
について透過スペクトルを測定し、第3表に400〜1
400nmにおける透過率を示すが、実施例18で得ら
れた樹脂板と同様近赤外線の吸収能にすぐれていた 実施例23.24 大塩化タングステンに亜リン酸エステルを添加し、これ
に重合した樹脂板をガラス板から取りだす際の剥離性を
向上させるためにZELEC UNを添加混合する。こ
のZELEC LINはリン酸エステルを主成分として
いるため樹脂板の剥離剤として機能するとともに、近赤
外線吸収能の向上にも効果がある。これらの組成を第2
表記載のような組成で重合を行ないヘイズのない板を得
た。第3表にこの板の透過率を示す。
実施例25〜3〇 六塩化タングステンにリン酸エステルおよび亜リン酸エ
ステルを添加混合し、第2表記載のよ・うな組成で重合
を行ないヘイズのない板を得た。第3表にこの板の透過
率を示す。
第3表からわかるように実施例19〜30で得られたヘ
イズのない樹脂板は近赤外域の吸収能にすぐれており、
しかも可視域の透過率は比較的高い値を示した。
実施例31 シクロへキシルメタクリレート100部にモノプチルフ
ォスフェートとジブチルフォスフェートの混合物JP−
504 0.3部を加え攪拌しさらに六塩化タングステ
ン0.15部を添加し溶解した後紫外線吸収剤としてT
inuvin 327 0. 6部を添加し、重合触媒
として2.2′〜アゾビス−2,4−ジメチルハレロニ
トリル0.15部を添加混合した。常法に従って、ガス
ケソトを2枚の平行なガラス板にはさんだ鋳型間に前記
重合性組成物を注入し、60℃の水浴槽に3時間浸漬し
、ついで120゜Cの空気浴槽で2時間加熱を行って重
合を完了させ、冷却後ガラスより剥離させて板厚3. 
5 amの樹脂板を得た。
得られた樹脂板の透過スペクトルを測定し、その結果を
第3図中のEで示すが、同図に示す通常のメタクリル樹
脂板の透過スペクトルBとの比較からわかるように、こ
の樹脂板は可視域の光は比較的よく透過するが通常のメ
タクリル樹脂板には見られない近赤外域の吸収能にすぐ
れていた。また暗所に1ケ月放置しておいても得られた
樹脂板の褪色は見られなかった。
実施例32 ポリメタクリノレ酸メチノレ(バラベント!{R−10
00P)5部をメタクリル酸メチル95部に加えてシラ
,ブを調製し、このシラソブに水を0. 4部添加し溶
解させた後トリフェニルフォスファイト、0.3部を添
加し、さらに大塩化タングステン0. 2部を添加混合
した重合性組成物に剥離剤としてZELEC INを0
.4部および2,2′−アヅビス−2.4−ジメチルハ
レ口ニトリル0、15部を添加し溶解させた。重合は実
施例31と同様にして行ない板厚2.71の樹脂板を得
た。得られた樹脂板の透過スペクトルを測定した。その
結果として第4表に400〜1400mlm411”お
ける透過率を示すが、実施例31で得られた樹脂板と同
様近赤外線の吸収能にすぐれてイタ。また80℃、湿度
50%の条件下において経時変化を調べたところ、水を
添加して得られた本実施例の樹脂板は水を添加しない樹
脂板に比して更に褪色しにくかった。
実施例33 ウレタンアクリレートとしてアロニソクス門1210 
9 0部にメタクリル酸メチルlO部を添加混合し、こ
れにモノブトキシエチルフォスフェートとジブトキシエ
チルフォスフェートの混合物(JP−506) 5.0
部を加え混合し、六塩化タングステン1.0部を添加し
溶解した。これに光重合開始剤としてDarocure
−1173 1.0部を添加混合し、この溶液をガラス
板上に100μmの厚さになるように塗布した後蛍光ケ
ミカルランプに10分間照射させて重合を行い、得られ
た樹脂膜の透過スペクトルを測定した。この結果を第4
表に示す。
比較例l メタクリル酸メチル100部に青色染料としてSE夏K
AGEN−0−BLUE BM}11416(大日精化
工業KM製)0.01部を添加溶解し、重合触媒として
2.2′アブビスイソブチロニトリルo.oos部添加
した後、これを常法に従ってガスケソトを2枚のガラス
板の間にセノトして作られた鋳型中に注入し、80℃の
水槽に5時間浸漬し、ついで120℃空気槽で2時間加
熱を行って重合を完了させ、冷却後鋳型からとり出して
板厚3.05wmの樹脂板を得た。
得られた樹脂板の450〜1400nmにおける透過率
を測定し、その結果を第4表に示す。吸収の極大は63
7nmにあり透過率は10.8%であったが、700n
m以上の波長では吸収はほとんどなかった。
比較例2 ポリメタクリル酸メチル25部をメタクリル酸メチル7
5部に加えてシランプを調整し、このシラノプに六塩化
タングステン(WCt’6) 0.2部と塩化スズ( 
SnCj!z’2HzO ) 0.1 5部を添加溶解
すると濃い青色の溶液が得られた。これに重合触媒とし
て22′−アゾビス−24−ジメチルパレロニトリル0
.05部を添加混合した後、これを常法に従ってガスケ
ットを2枚のガラス板の間にセットして作られた鋳型中
に注入し、60℃の水槽に3時間浸漬し、ついで120
℃の空気槽で2時間加熱を行って重合を完了させ、冷却
後鋳型からとり出して板厚2.91mの樹脂板を得た。
得られた樹脂板は重合前の濃い青色はほとんど褪色して
おり、非常に薄い青色で透明に近い色であった。また透
過スペクトルを測定したが、近赤外域の吸収能はわずか
であった。
第 3 表 〔発明の効果〕 本発明は以上述べたように、透明樹脂に、大塩化タング
ステンと、リン酸エステルおよび/または亜リン酸エス
テルとを反応させて得た反応混合物を含有せしめてなる
近赤外線吸収性樹脂組成物であるから。得られた樹脂組
成物は重合過程での褪色など不安定性はなく、暗所に長
期間放置により徒色するというフォトクロミズムも見ら
れず、ずくれた近赤外線吸収性能を示すので、光学的フ
ィルター、熱線吸収性グレージング材等として工業的に
有用である。また、本発明は、透明樹脂に前記反応混合
物を混練混合せしめる近赤外線吸収性樹脂組成物の製造
方法、(メタ)アクリル酸モノエステル単量体を主体と
しその重合体を含有していてもよい不飽和i量体および
/または(メタ)アクリル酸多価エステル車量体に前記
反応混合物を混合せしめ重合する近赤外線吸収性樹脂組
成物の製造方法、および(メタ)アクリル酸モノエステ
ル単量体を主体とし、その重合体を含有してもよい不飽
和単量体および/または(メタ)アクリル酸多価エステ
ル単量体100重量部に対し、六塩化タングステンと、
リン酸エステルおよび/または亜リン酸エステルを添加
混合せしめ重合する近赤外線吸収性樹脂組成物の製造方
法であるから、種々の方法を提供することができ、重合
過程での褪色を考慮せず、重合原料段階での色調調整に
より色調の変化した上記近赤外線吸収性樹脂組成物を簡
便に得られるので存用である。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図はそれぞれ透過スペクトルを表
わした図である。 A:実施例1で得られた樹脂板の透過スペクトノレ B,D:通常のメタクリル樹脂板の透過スペクトル C:実施例18で得られた樹脂板の透過スペクトル E:実施例31で得られた樹脂板の透過スペクトル

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 透明樹脂100重量部に対して、六塩化タングステ
    ン0.01〜10重量部と、六塩化タングステンの少な
    くとも0.1倍モルのリン酸エステルおよび/または亜
    リン酸エステルとの反応混合物を含有せしめてなる近赤
    外線吸収性樹脂組成物。 2 透明樹脂が(メタ)アクリル酸エステル樹脂である
    請求項1記載の近赤外線吸収性樹脂組成物。 3 (メタ)アクリル酸エステル樹脂がメタクリル樹脂
    である請求項2記載の近赤外線吸収性樹脂組成物。 4 請求項1乃至3記載の近赤外線吸収性樹脂組成物か
    らなる光学用フィルター。 5 請求項1乃至3記載の近赤外線吸収性樹脂組成物で
    コーティングされた物品からなる光学用フィルター。 6 六塩化タングステン0.01〜10重量部と、該六
    塩化タングステンに対して少なくとも0.1倍モルのリ
    ン酸エステルおよび/または亜リン酸エステルとを反応
    させて得た混合物を、透明樹脂100重量部に混練混合
    せしめることを特徴とする近赤外線吸収性樹脂組成物の
    製造方法。 7 (a)(メタ)アクリル酸モノエステル単量体を主
    体とし、その重合体を含有していてもよい不飽和単量体
    および/または(メタ)アクリル酸多価エステル単量体
    100重量部に対して、(b)六塩化タングステン0.
    01〜10重量部と、該六塩化タングステンに対して少
    なくとも0.1倍モルのリン酸エステルおよび/または
    亜リン酸エステルとを反応させて得た混合物を添加混合
    せしめた後、ラジカル重合開始剤の存在下で重合するこ
    とを特徴とする近赤外線吸収性樹脂組成物の製造方法。 8 (a)(メタ)アクリル酸モノエステル単量体を主
    体とし、その重合体を含有していてもよい不飽和単量体
    および/または(メタ)アクリル酸多価エステル単量体
    100重量部に対して、六塩化タングステン0.05〜
    2重量部と、リン酸エステル0.05〜10重量部およ
    び/または亜リン酸エステル0.05〜2重量部とを添
    加混合せしめラジカル重合開始剤の存在下で重合するこ
    とを特徴とする近赤外線吸収性樹脂組成物の製造方法。 9 請求項7又は8記載の製造方法において、ラジカル
    重合開始剤が光重合開始剤であり、該開始剤の存在下で
    光重合することを特徴とする近赤外線吸収性樹脂組成物
    の製造方法。
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