JP2754439B2 - 出窓用雨戸 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、袖窓部と前面窓部を有
する出窓に取付ける出窓用雨戸に関する。

【０００２】

【従来の技術】出窓用雨戸としては特開平３−１３７３
８９号公報に示すものが知られている。すなわち、図１
に示すように出窓Ａの袖窓部Ａ₁ 基部に第１の雨戸１の
基部を回動自在に連結２し、この第１の雨戸１の先端部
に第２の雨戸３の基部を回動自在に連結４し、この第２
の雨戸３に第３の雨戸５を、第２の雨戸３の表側に重な
り合う開き位置と第２の雨戸３より面内方向前方に突出
した閉じ位置とに亘って移動自在に設け、その第３の雨
戸５の先端部を出窓上枠・下枠のガイド溝６に沿って摺
動自在として、第３の雨戸５を第２の雨戸３の表側に重
なり合った状態で袖窓部Ａ₁ に向けて移動することで第
１・第２・第３の雨戸１，３，５を折り畳んだ状態で重
なり合せて開くことができるようにした出窓用雨戸であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】かかる出窓用雨戸であ
ると第１・第２・第３の雨戸１，３，５を閉じた時に図
１に示すように第２の雨戸３の室外側面と第３の雨戸５
との間に段差が生じるし、ガイド溝が見えるので、見栄
えが大変悪いものとなる。

【０００４】そこで、本発明は前述の課題を解決できる
ようにした出窓用雨戸を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】袖窓部Ａ_１と前面窓部Ａ
_２を有する出窓Ａに第１・第２・第３の雨戸２０，２
１，２２を設けた出窓用雨戸において、前記第１の雨戸
２０の基部を袖窓部Ａ_１の基部に、袖窓部Ａ_１と略平行
となった閉じ位置と袖窓部Ａ_１と離隔した開き位置とに
亘って回動自在に連結し、該第１の雨戸２０の先端部に
第２の雨戸２１の基部を、前面窓部Ａ_２と略平行となっ
た閉じ位置と第１の雨戸２０と重なり合う開き位置とに
亘って回動自在に連結し、該第２の雨戸２１の戸先側
に、前記出窓Ａの出窓上枠１０、出窓下枠１１のガイド
溝１０ａ，１１ａに摺動自在に嵌合し、かつ前記第３の
雨戸２２の上向ガイド溝６５、下向ガイド溝７０に摺動
自在に嵌合する凸部４５，５５を備えた上ガイド部材４
２と下ガイド部材５２を、第２の雨戸２１と第３の雨戸
２２が室外面が面一で前面窓部Ａ_２平行となった第１の
状態と第２の雨戸２１の室外面よりも第３の雨戸２２が
室外側となった第２の状態とに移動自在となるように室
内外側方向に回動自在に取付け、前記第３の雨戸２２の
戸先側には、前記出窓上枠１０、出窓下枠１１のガイド
溝１０ａ，１１ａに摺動自在に嵌合し、かつ第３の雨戸
２２が第２の雨戸２１の表側に重なり合った時に前記上
ガイド部材４２の凸部４５、下ガイド部材５２の凸部５
５に嵌合する凹部６８，７３を有する上下ガイド部材６
７，７２をそれぞれ取付け、この第３の雨戸２２と第２
の雨戸２１を、室外面が面一で前面窓部Ａ_２と平行とな
った閉じ状態と、第２の雨戸２１の表側に第３の雨戸２
２が重なり合った開き状態とに亘って相互に平行に摺動
自在とするスライドガイド部材８０を設けたことを特徴
とする出窓用雨戸。

【０００６】

【作 用】第１の雨戸２２を移動して第２の雨戸２１
が移動することで上下ガイド部材４２，５２の第１ガイ
ドがガイド溝１０ａ，１１ａのコーナー部を通過すると
第２の雨戸２１は第３の雨戸２２より室内側に平行移動
し、第３の雨戸２２を第２の雨戸２１の表側に移動させ
ると上下ガイド部材６７，７２の凹部６８，７３が上下
ガイド部材４２，５２の凸部４５，５５に嵌合して第２
の雨戸２１の戸先側と第３の雨戸２２の戸先側が連結さ
れて第２・第３の雨戸２１，２２が一体となって移動し
て第１・第２・第３の雨戸２０，２１，２２を折り畳み
重ね合せて開放できる。

【０００７】

【実 施 例】図２と図３に示すように、出窓Ａは平面
略台形状の出窓上枠１０と出窓下枠１１と取付縦枠１２
と方立１３より成る出窓枠１４を備え、その取付縦枠１
２と方立１３との間にガラス等のパネル部材１５が設け
られて袖窓部Ａ₁ となり、左右の方立１３，１３間に障
子等のパネル部材１６が設けられて前面窓部Ａ₂ とな
り、出窓枠１４の上部に屋根１７が取付けてある。出窓
用雨戸Ｂは袖窓部Ａ₁ と対向する左右一対の第１の雨戸
２０と前面窓部Ａ₂ と対向する左右一対の第２の雨戸２
１と第３の雨戸２２より成り、第１の雨戸２０の基部２
０ａが図３のように出窓下枠１２の室内寄り、つまり袖
窓部Ａ₁ の基部にヒンジ２３で回動自在に連結され、第
１の雨戸２０の先端部２０ｂと第２の雨戸２１の基部２
１ａがヒンジ２４で回動自在に連結され、第２の雨戸２
１の表側に第３の雨戸２２の裏側が相互に面内方向に衝
動自在に連結されて第１・第２・第３の雨戸２０，２
１，２２を閉じた時に第２の雨戸２１の室外面と第２の
雨戸２２の室外面が面一となるようにしてある。

【０００８】前記第１の雨戸２０は図２に示すように、
上框３０と下框３１と戸先縦框３２と戸尻縦框３３より
成る方形枠にパネル３４を装着してなり、その上框３０
の戸尻端部がヒンジ２３で出窓上枠１０に連結され、下
框３１の戸尻端部がヒンジ２３で出窓下枠１１に連結さ
れている。前記第２の雨戸２１は図２に示すように、上
框３５と下框３６と戸先縦框３７と戸尻縦框３８より成
る方形枠にパネル３９を装着して成り、その戸尻縦框３
８と第１の雨戸２０の戸先縦框３２がヒンジ２４で連結
されている。

【０００９】前記第２の雨戸２１の上框３５は図４と図
５に示すように、上向凹溝４０と室外側、つまり表側に
開口したガイド溝４１が形成され、その上向凹溝４０の
長手方向戸先端部に上ガイド部材４２が取付けてあり、
この上ガイド部材４２は取付片４３にガイド４４を回動
自在に設け、そのガイド４４に凸部４５を設けてある。
前記ガイド４４は円筒体４６の上端部に円弧状板４７を
一体的に設けて円筒体４６が第１ガイド部４４ａとな
り、円弧状板４７が第２ガイド部４４ｂとなっており、
その円弧状板４７に円形ピン４８が設けられて凸部４５
となり、取付片４３が上向凹溝４０に取付けられて円弧
状板４７が戸先縦框３７より面内方向に突出し、円筒体
４６の上部と円弧状板４７が図５に示すように出窓上枠
１０のガイド溝１０ａ内に摺動自在に嵌合している。

【００１０】前記第２の雨戸２１の下框３６は図４と図
５に示すように、下向凹溝５０と室外側、つまり表側に
開口したガイド溝５１が形成され、その下向凹溝５０の
長手方向戸先端部に下ガイド部材５２が取付けてあり、
この下ガイド部材５２は取付片５３にガイド５４を回動
自在に設け、そのガイド５４に凸部５５を設けてある。
前記ガイド５４は円筒体５６の下端部に円弧状板５７を
一体的に設けて円筒体５６が第１ガイド部５４ａとな
り、円弧状板５７が第２ガイド部５４ｂとなっており、
その円弧状板５７に円形ピン５８が設けられて凸部５５
となり、取付片５３が下向凹溝５０に取付けられて円弧
状板５７が戸先縦框３７より面内方向に突出し、円筒体
５６の下部と円弧状板５７が図５に示すように出窓下枠
１１のガイド溝１１ａ内に摺動自在に嵌合している。

【００１１】これにより、第２の雨戸２１の戸先側は上
下ガイド部材４２，５２で出窓上下枠１０，１１のガイ
ド溝１０ａ，１１ａに沿って摺動自在にガイドされる。
前記第３の雨戸２２は図２に示すように上框６０と下框
６１と戸先縦框６２と戸尻縦框６３より成る方形枠内に
パネル６４を装着して成り、その上框６０は図４と図６
に示すように上向ガイド溝６５と面外方向室内側に開口
した横向ガイド溝６６が形成され、その上向ガイド溝６
５に上ガイド部材６７が取付けてある。この上ガイド部
材６７は出窓上枠１０のガイド溝１０ａに摺動自在に嵌
合する形状となり、かつ面内方向戸尻側に開口した凹部
６８が形成され、この凹部６８は前記円形ピン４８が嵌
合する円弧状となっている。

【００１２】前記第３の雨戸２２の下框６１は図４と図
６に示すように下向ガイド溝７０と面外方向室内側に開
口した横向ガイド溝７１が形成され、その下向ガイド溝
７０に下ガイド部材７２が取付けてある。この下ガイド
部材７２は出窓下枠１１のガイド溝１１ａに摺動自在に
嵌合する形状となり、かつ面内方向戸尻側に開口した凹
部７３が形成され、この凹部７３は前記円形ピン５８が
嵌合する円弧状となっている。

【００１３】これにより、第３の雨戸２２の戸先側は上
部ガイド部材６７と下部ガイド部材７２と出窓上枠１０
のガイド溝１０ａ、出窓下枠１１のガイド溝１１ａによ
って面内方向に移動可能に支承され、第３の雨戸２２の
戸尻側は第２の雨戸２１の上部、下部ガイド部材４２，
５２によって支持される。つまり、図４ないし図７に示
すように第２の雨戸２１の上部ガイド部材４２の円弧状
板４７が第３の雨戸２２の上框６０における上向ガイド
溝６５に摺動自在に嵌合し、第２の雨戸２１の下部ガイ
ド部材５２の円弧状板５７が第３の雨戸２２の下框６１
の下向ガイド溝７０に摺動自在に嵌合している。

【００１４】図４と図７に示すように、前記第２の雨戸
２１と第３の雨戸２２とに亘って第３の雨戸２２を第２
の雨戸２１に沿って摺動自在にガイドするスライドガイ
ド部材８０が配設してあり、このスライドガイド部材８
０は図８に示すように第１横材８１と第２横材８２の長
手方向一端部を縦ピン８３で折曲可能に連結し、その第
１横材８１と第２横材８２の長手方向他端部に主ローラ
８４を回転自在にそれぞれ取付け、第１横材８１の長手
方向一端寄りに第１・第２従ローラ８５，８６を取付け
て成り、図９に示すように、第２・第３の雨戸２１，２
２の上框３５，６０における横向ガイド溝４１、横向ガ
イド溝６６間及び下框３６，６１における横向ガイド溝
５１，７１間にそれぞれ摺動自在に挿入してあり、第２
の雨戸２１と第３の雨戸２２が直線状となった閉じ状態
の時には第１横材８１と第２横材８２が一直線状となっ
て主ローラ８４と第１従ローラ８５が第３の雨戸２２の
上下框６０，６１の横向ガイド溝６６，７１に面外方向
に斜めの姿勢で嵌合し、かつその主ローラ８４が第１ス
トッパー８７に当し、第２横材８２の主ローラ８４と第
２従ローラ８６が第２の雨戸２１の上下框３５，３６の
横向ガイド溝４１，５１に面外方向に斜めの姿勢に嵌合
し、かつその主ローラ８４は第２ストッパー８８と対向
している。

【００１５】次に雨戸の開閉操作を説明する。第１・第
２・第３の雨戸２０，２１，２２を閉じた時には図７に
示すように、第１の雨戸２０が袖窓部Ａ₁ と平行とな
り、第２の雨戸２１と第３の雨戸２２が前面窓部Ａ₂ と
平行でかつ室外面が面一となっている。

【００１６】前述の状態で第３の雨戸２２を矢印方向に
移動すると第３の雨戸２２とともに第２の雨戸２１が矢
印方向に移動して図１０に示すように第１の雨戸２０が
室外側に若干回動する。

【００１７】第３の雨戸２２をさらに矢印方向に移動す
ると第２の雨戸２１の上部・下部ガイド部材４２，５２
の円筒体４６，５６が図１１に示すようにガイド溝１０
ａ，１１ａにおける袖窓部Ａ₁ と前面窓部Ａ₂ のコーナ
ー部を通過して袖窓部Ａ₁ 側に摺動し、かつガイド４
４，５４が取付片４３，５３に対して回動する。

【００１８】これによって、第２の雨戸２１が袖窓部Ａ
₁ 側に平行移動して第３の雨戸２２よりも室内寄りとな
り、上下部ガイド部材４２，５２の円弧状板４７，５７
は第３の雨戸２２の上框６０上向ガイド溝６５、下框６
１下向ガイド溝７０に嵌合したままとなっている。この
時、スライドガイド部材８０は図１２に示すように、第
１横材８１と第２横材８２が縦ピン８３を中心として折
曲して各横向ガイド溝４１，５１，６６，７１より突出
し、各主ローラ８４と第１・第２従ローラ８５，８６は
平行姿勢となる。

【００１９】前述の状態でさらに第３の雨戸２２を移動
すると第３の雨戸２２はスライドガイド部材８０を介し
て第２の雨戸２１の表側に沿って移動して図１３に示す
ように第２の雨戸２１の表側に重なり合う。この時第１
・第２の雨戸２０，２１は動かない。これによって、第
３の雨戸２２の上下ガイド部材６７，７２の凹部６８，
７３が第２の雨戸２２の上下ガイド部材４２，５２の凸
部４５，５５に嵌合して第２の雨戸２１の戸先側と第３
の雨戸２２の戸先側が連結される。

【００２０】この状態で第３の雨戸２３を矢印方向に移
動すると第２の雨戸２２と第３の雨戸２３が一体となっ
て移動して図１４に示すように第１・第２・第３の雨戸
２０，２１，２２が折り畳み重なり合った開状態とな
る。

【００２１】

【発明の効果】第１・第２・第３の雨戸２０，２１，２
２を閉じた時に第２の雨戸２１の室外面と第３の雨戸２
２の室外面が面一となるから見栄えが良くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の出窓用雨戸の横断面図である。

【図２】本発明の実施例を示す全体外観図である。

【図３】本発明の実施例を示す全体横断面図である。

【図４】第１・第２・第３の雨戸の斜視図である。

【図５】第２の雨戸装着状態の縦断面図である。

【図６】第３の雨戸装着状態の縦断面図である。

【図７】第１・第２・第３の雨戸装着状態の平面図であ
る。

【図８】スライドガイド部材の分解斜視図である。

【図９】スライドガイド部材の装着状態の横断面図であ
る。

【図１０】雨戸開閉動作説明図である。

【図１１】雨戸開閉動作説明図である。

【図１２】スライドガイド部材の作動説明図である。

【図１３】雨戸開閉動作説明図である。

【図１４】雨戸開閉動作説明図である。

【符号の説明】

１０…出窓上枠、１０ａ…ガイド溝、１１…出窓下枠、
１１ａ…ガイド溝、２０…第１の雨戸、２１…第２の雨
戸、２２…第３の雨戸、４２…上ガイド部材、４４…ガ
イド、４５…凸部、４６…円筒体、４７…円弧状板、５
２…下ガイド部材、５４…ガイド、５５…凸部、５６…
円筒体、５７…円弧状板、６７…上ガイド部材、６８…
凹部、７２…下ガイド部材、７３…凹部、８０…スライ
ドガイド部材。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 袖窓部Ａ_１と前面窓部Ａ_２を有する出窓
   Ａに第１・第２・第３の雨戸２０，２１，２２を設けた
   出窓用雨戸において、 前記第１の雨戸２０の基部を袖窓部Ａ_１の基部に、袖窓
   部Ａ_１と略平行となった閉じ位置と袖窓部Ａ_１と離隔し
   た開き位置とに亘って回動自在に連結し、該第１の雨戸
   ２０の先端部に第２の雨戸２１の基部を、前面窓部Ａ_２
   と略平行となった閉じ位置と第１の雨戸２０と重なり合
   う開き位置とに亘って回動自在に連結し、該第２の雨戸
   ２１の戸先側に、前記出窓Ａの出窓上枠１０、出窓下枠
   １１のガイド溝１０ａ，１１ａに摺動自在に嵌合し、か
   つ前記第３の雨戸２２の上向ガイド溝６５、下向ガイド
   溝７０に摺動自在に嵌合する凸部４５，５５を備えた上
   ガイド部材４２と下ガイド部材５２を、第２の雨戸２１
   と第３の雨戸２２が室外面が面一で前面窓部Ａ _２ 平行と
   なった第１の状態と第２の雨戸２１の室外面よりも第３
   の雨戸２２が室外側となった第２の状態とに移動自在と
   なるように室内外側方向に回動自在に取付け、 前記第３の雨戸２２の戸先側には、前記出窓上枠１０、
   出窓下枠１１のガイド溝１０ａ，１１ａに摺動自在に嵌
   合し、かつ第３の雨戸２２が第２の雨戸２１の表側に重
   なり合った時に前記上ガイド部材４２の凸部４５、下ガ
   イド部材５２の凸部５５に嵌合する凹部６８，７３を有
   する上下ガイド部材６７，７２をそれぞれ取付け、この
   第３の雨戸２２と第２の雨戸２１を、室外面が面一で前
   面窓部Ａ _２ と平行となった閉じ状態と、第２の雨戸２１
   の表側に第３の雨戸２２が重なり合った開き状態とに亘
   って相互に平行に摺動自在とするスライドガイド部材８
   ０を設けたことを特徴とする出窓用雨戸。