JP2753902B2 - イメージファイバの製造方法 - Google Patents

イメージファイバの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含有気泡が少なく高信
頼性で、かつ、表面強化の図られたイメージファイバの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イメージファイバは、通常、画素となる
数千〜数万本の光ファイバ素線を束ね、これをジャケッ
ト管中に収めてイメージファイバ母材とした後、線引き
して製造されるものであるため、その構造上、光ファイ
バ素線間に多くの界面が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような構造のイメ
ージファイバ母材を線引きすると、イメージファイバ内
に気泡などが発生し易かった。特に、画像伝送特性を良
好に保つために、光ファイバ素線の比屈折率差を大きく
した場合、石英管などからなるジャケット管と光ファイ
バ素線の溶融粘度の違いが大きいため、通常の線引き条
件では、光ファイバ素線の変形が大きく、気泡発生を抑
制することが困難であった。
【0004】このような気泡発生を抑制するには、光フ
ァイバ素線の溶融温度の付近まで昇温させて線引きすれ
ばよいわけであるが、この場合、ジャケット管となる石
英ガラスの軟化が不十分となるため、イメージファイバ
表面に傷や歪み残り易く、機械的強度の低下が避けられ
なかった。
【0005】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かゝる本発明の特徴は、
外表面または全体に軟化温度の低い材料をドープさせた
ジャケット管にイメージサークルをなすイメージファイ
バ素線を収め、これを100g以上の高張力で線引きす
るイメージファイバの製造方法にある。
【0007】
【作用】このように軟化温度の低い材料をドープさせ、
しかも、100g以上の高張力で線引きすると、気泡の
発生が最小限に抑えられ、かつ、イメージファイバ表面
には軸方向圧縮応力が残留されるため、表面強度の強化
が図られた、高信頼性、高強度のイメージファイバが得
られる。
【0008】
【実施例】図1は本発明に係る線引き前のイメージファ
イバ母材の一実施例を示したものである。図において、
1は画素となる多数(数千〜数万本)の光ファイバ素線
2・・・が束ねられてなる光ファイバ束、3はこの光フ
ァイバ束1が収納された石英ガラスなどからなるジャケ
ット管、4はジャケット管3の表面部分で、軟化温度の
低い材料、例えばチタン(TiO)、弗素(F)など
が単独でまたは併用してドープされてなるドープ層であ
る。
【0009】このようにしてなる素線を、高張力で線引
きすれば、光ファイバ束1部分はイメージサークルとし
て光伝送部をなし、ジャケット管3部分は保護層とな
り、本発明の目的とする、高信頼性、高強度のイメージ
ファイバが得られる。
【0010】因に、イメージファイバ径=500μm、
イメージサークル径=450μm、ドープ材料=TiO
、ドープ層厚さ=3〜5μm、画素の屈折率差(Δ)
=4.5%のイメージファイバにおいて、気泡発生率と
線引張力との関係を実験により調べたところ、図2の結
果を得た。この図2から、線引きの高張力は、100g
以上、好ましくは150g以上であることが判る。この
高張力での線引きにより、気泡発生率が低く抑えられる
のは、張力の大きい分だけ、低い加熱温度下で線引きで
きるため、画素の屈折率差を大きくとっても、光ファイ
バ素線の変形が小さく抑えられ、気泡発生を効果的に抑
制することができるからである。
【0011】さらに、ファイバ表面にドープ層を持つイ
メージファイバと、持たないイメージファイバについ
て、その破断回数と線引張力との関係を実験により調べ
たところ、図3の結果を得た。ここで、破断試験は、歪
率2%相当の曲げプルーフ試験により行った。この図3
から、線引きの高張力は、やはり100g以上、好まし
くは150g以上であることが判る。この高張力での線
引きにより、破断回数が小さく抑えられるのは、すなわ
ち表面強度が大きいのは、ジャケット管に軟化温度の低
い材料をドープさせることにより、ジャケット管表面は
比較的低い温度で軟化し、内外層間の粘度が異なる状態
で、線引きされるため、ジャケット管表面には軸方向圧
縮応力が残留され、表面強度の強化が図られるからであ
る。
【0012】なお、上記実施例では、ジャケット管の外
表面にドープ層4を設ける方法であったが、ドープ材料
をジャケット管全体にドープさせることもできる。
【0013】
【発明の効果】このように本発明によれば、ジャケット
管の外表面または全体に軟化温度の低い材料をドープさ
せ、しかも、100g以上の高張力で線引きするもので
あるため、内部での気泡の発生は最小限に抑えられ、か
つ、イメージファイバ表面には軸方向圧縮応力が残留さ
れるため、表面強度の強化が図られた、高信頼性で、か
つ高強度のイメージファイバが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイメージファイバの線引き前の状
態を示した縦断面図である。
【図2】本発明に係るイメージファイバにおける、気泡
発生率と線引張力との関係を示したグラフである。
【図3】本発明に係るイメージファイバにおける、破断
回数と線引張力との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1 光ファイバ束、 2 光ファイバ素線、 3 ジャケット管、 4 軟化温度の低い材料がドープされ
たドープ層、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 妻沼 孝司 千葉県佐倉市六崎1440番地 藤倉電線株 式会社 佐倉工場内 (72)発明者 真田 和夫 千葉県佐倉市六崎1440番地 藤倉電線株 式会社 佐倉工場内 (56)参考文献 特開 平2−114209(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外表面または全体に軟化温度の低い材料
    をドープさせたジャケット管にイメージサークルをなす
    イメージファイバ素線を収め、これを100g以上の
    張力で線引きすることを特徴とするイメージファイバの
    製造方法。
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