JP2753375B2 - 酸素噴出口をもつ切断火口 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、切断酸素管路及び燃料混合物の環状分配室
と上流で連結された前記管路と同心の多数の酸素−燃料
混合物管路を有する切断火口に関する。

（従来技術） 一般にこの種の切断火口は、切断酸素管路、長手方向
部分の少くとも一部分上に多数の長手方向リブを有する
中央切断部材又は切断ノズルによつてつくられ、この部
材は、前記リブとともに前記多数の酸素−燃料混合物管
路を限定する外側鞘に、典型的にはねじによつて取付け
られる。

これら公知の切断火口は、いくつかの欠点を有してい
る。例えば、 −切断火口の寸法（軸方向の長さが約50〜60mm）を考慮
に入れると、切断酸素管路の製造はこの管路が、先細部
分とそれにつずくカラー部、先広部分を有し、先細部
分、音速カラー部及び先広部分の機械加工が、良好な性
能を与える決定的要素となるだけに微妙である。

−公知の装置は、切断火口をつくる部材の上流端部が、
酸素−燃料混合物を中間分配室に通せるように鞘端部を
覆うようなものであり、このカバー部を通る連通穴を設
けることが必要である。

−一方ではトーチヘツドを構成する部品の、他方では火
口とトーチ本体との間の気密が、内側部材の上流端面に
環状分配通路が存在するため気密度は低下するので、維
持するのが困難である。

−切断ノズルと鞘との間の酸素−燃料混合物の環状分配
室が存在するため、これらの火口は、使用後に清掃する
ときに、小さな酸化物粒子が内部に入り込み、ガスの流
れを妨げるので、取外すことができない。他方では、こ
の構造は、切断作業中に火口によつて吸収された熱量の
除去を促進しない。

−これらの切断火口のコストは、その出発材料及びその
大きさや酸素−燃料混合物を供給するに必要な穴を考慮
した機械加工の点で比較的高い。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、上に明らかにされた問題点を解決すること
を可能にし、作業性能を維持し、むしろ改良し、すぐれ
た信頼性を保証する新しい火口の構造を目的としてい
る。

（課題を解決するための手段） 本発明によれば、切断ノズルのリブは、切断ノズルの
上流端部に近い長手方向の位置まで上流方向の延び、鞘
は、リブの外側鞘部より非常にわずかに小さい内部空所
を有し、切断ノズルは、切断ノズルの上流端面と鞘の上
流端面とが、切断トーチ本体の端面に対する気密横方向
平面を構成する同一横方向平面になるまで強制嵌合によ
つて鞘と組合わされ、それによりリブは、切断ノズルと
鞘との間にリブによつて区切られた多数の長手方向の燃
料混合物管路に通ずる、酸素−燃料混合物の横方向環状
分配室を、切断ノズル、鞘及び切断トーチ本体の間に限
定する。

強制嵌合によつて当接位置決めをもたらすこの配置か
ら、組立て体の良好な機械的性質が得られ、このこと
は、切断火口の寸法（例えば軸方向の）を減少すること
ができ、リブが鞘とほとんどその全長にわたつて連続し
て接触しているので、特に熱除去特性を確実に大きくす
る。

さらに詳しくは、 −切断酸素管路の製作は、火口の軸方向の寸法の減少
（通常の50〜60mmの代りに20mmと30mmとの間、典型的に
は25mm）を考慮するとより容易であり、これは良好な性
能を保証する理想的条件での管路の機械加工をもたら
す。

−より良好な加熱抵抗が、強制嵌合による“一体”構造
のために得られる。

−コストが、材料及び加工の面で安い。

好ましい実施態様によれは、リブは、鞘の対応する肩
部で堺を接しているようなリブの下流区域の主要部にお
けるより大きい半径方向の寸法を、上流区域の限られた
部分において有している。

本発明は、いわゆるカーテン切断火口にも適用するこ
とができ、切断ノズル自身が強制嵌合によつて結合され
る二つの部材で形成され、内側部材は、カーテンノズル
と呼ばれる第２の部材に対する外側当接部をもつた上流
部分を有し、下流部分では、穴によつて切断酸素管路と
連通する環状カーテン管路を形成するように、切断ノズ
ルの外壁に関して小さな広がりを備えており、前記カー
テンノズルが、その外側にリブを有し、ノズル鞘に強制
嵌合されることを特徴としている。

本発明の特徴及び利点は、例として示された添付の図
面を参照した以下の記載によつて明らかになるであろ
う。

（実施例） 第１図ないし第３図を参照すると、切断火口１は、二
つの部分、すなわち切断ノズル２又は芯部を限定する内
側部分と、加熱ノズル３を形成する鞘とからなる。

切断ノズル２は、幅広の上流端部４と幅の狭い下流端
部５をもつた、全体としてわずかに截頭円錐形状の機械
加工された金属部材を有し、上流端部４から下流端部５
へ真直ぐに延びている軸方向管路６を備えている。上流
端部４から下流端部５の方へ、この管路６は、大きな直
径の円筒部分７、それにつずく別個の先細部分８、大き
な長さをもつ細長い音速カラー部９及び下流端部５に開
口するわずかに先広の部分10でつくられている。切断ノ
ズル２は、外周に、金属体に長手方向の刻みをつけるこ
とによつて形成された多数の放射状リブを有し、これら
のリブは、軸方向には限られ、半径方向には大きな寸法
の円筒形部分12及びそれにつずく半径方向の広がりが明
らかにそれより小さい截頭円錐形主部13となつて、切断
ノズル２の端部４のわずかに前方位置まで延びている。

鞘部３は、内部空所21を含む比較的大きい部材で形成
され、内部空所は、その上流端部ではリブ11の縁部の外
側円筒形鞘と非常に小さな遊び空間で適合せねばなら
ず、すなわち23の大径円筒形空所と肩部24から下流端部
28まで延びる截頭円錐形空所27とであつて、鞘３は、切
断ノズル２の軸方向長さよりも軸方向にわずかに長い。
図示のように、加熱ノズル３の内部空所21は、切断ノズ
ル２のリブの外側円筒形鞘部より非常にわずか小さく、
それにより切断ノズル２は、強制係合によつて鞘３に組
合わせることができる。この強制係合は、切断ノズル２
の端面４と加熱ノズルの端面25とが、正確に同一の横方
向平面になる軸方向位置で、肩部24に対するリブ12の当
接位置に対応する位置にリブ11の部分12が達するまで行
われる。切断ノズル及び加熱ノズルの面４及び25を密着
するのに必要な厳密な平坦を得るのに、付加的機械加工
が行われる。

切断酸素管路31及び酸素−燃料混合物管路32を有する
トーチ本体30に、加熱ノズル３の外側フランジ34に係止
するねじ33によつて取付けられるときに、トーチ本体30
の横方向端面35は、トーチ本体30の切断酸素管路31と切
断ノズル２の切断酸素管路６とを連通させるように火口
１の端面４及び25に対して気密に係合し、一方、いくつ
かの混合物管路32は、切断ノズル２、鞘部３及びリブ12
の上流端部の間に形成された環状分配室36に開口し、こ
の室は、２個の隣接リブ11の間に形成された多数の環状
配置管路37に通じ、これらの管路は、LPGのようなガス
の炎が確実につながるように、加熱ノズル３の下流端面
28に関してわずかに引込められた位置に配置された、切
断ノズル２の下流端面５に開口する。

第４図を参照すると、図示された切断火口は、二つの
部材で形成された複合切断ノズルでつくられ、一つの部
材は、その外形が上流端部43から下流端部44へと減少す
る断面を有する中央軸方向部材であり、まず肩部47によ
つて分けられた二つの円筒形部分45と46、円筒形部分46
よりわずかに小さな直径の第３の円筒形部分48、それに
つずく截頭円錐形部分49及び最後に円筒形部分50でつく
られる。

他の部材は、肩部54によつて分けられた壁面52と53を
もつたカーテンノズル51と呼ばれる鞘であり、円筒形部
分45,46及び肩部47と強制嵌合により係合され、中空部
分は、軸方向に三段階の区域、すなわち円筒形区域55、
截頭円錐形区域56及び円筒形端部区域57からなり、それ
らの断面は、部材51と42とが一体にはめ込まれたときに
穴59を介して切断ノズルの内部と連通する自由環状空間
58が形成されるようなものであり、一方では48−49−5
0、他方では55−56−57の両者の間の環状区域は、カー
テンガス用の環状管路を限定している。

前に述べたように、鞘51の外面は、鞘の下流端部62か
ら上流端部とわずかの距離にある63まで長手方向に延び
ているリブ61を備え、こうしてつくられた組立体は、前
に延びた種類の鞘（加熱ノズル）64に強制嵌合される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による切断火口の二つの構成要素の組
立て前の断面図、第２図は、切断ノズル自身を限定する
部材の第１図矢印II−IIによる横断面図、第３図は、ト
ーチ本体に取付けた第１図の切断火口の断面図、第４図
は、三つの部分からなる酸素カーテン型切断火口の断面
図である。 1:切断火口、2:切断ノズル、3:加熱ノズル（鞘）、4:2
の上流端部（端面）、5:2の下流端部（端面）、6:2の切
断酸素管路、7:6の円筒形部分、8:6の先細の部分、9:6
の細長い音速カラー部、10:6の先広の部分、11:6の放射
状リブ、12:11の放射状円筒形部分、21:3の内部空所、2
3:21の大径円筒形空所、24:3の肩部、25:3の上流端部
（端面）、27:3の截頭円錐形空所、28:3の下流端部（端
面）、30:トーチ本体、31:30の切断酸素管路、32:30の
酸素−燃料混合物管路、33:ねじ、34:3のフランジ、35:
30の横方向端面、36:2の環状分配室、37:2の環状配置管
路、42:中央軸方向部材、43:42の上流端部、44:42の下
流端部、45,46,48,50:42の円筒形部分、47:42の肩部、4
9:42の截頭円錐形部分、51:カーテンノズル（鞘）、52,
53:51の壁面、54:51の肩部、55:51の円筒形区域、56:51
の截頭円錐形区域、57:51の円筒形端部区域、58:自由環
状空間、59:穴、61:51のリブ、62:51の下流端部、63:51
の上流端部、64:鞘（加熱ノズル）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リシヤル・ソーラ フランス国．95000・ジエイールームー チエ．リユ・デ・ヴイネ・ブランシエ. 25 (56)参考文献 実開 昭58−137240（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭43−23704（ＪＰ，Ｙ１) 米国特許1733698（ＵＳ，Ａ) 英国公開493088（ＧＢ，Ａ) 英国特許494218（ＧＢ，Ｂ)

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】切断酸素管路（６）及び燃料混合物の環状
   分配室と上流で連結された前記管路と同心の多数の酸素
   −燃料混合物管路（37）を有し、切断酸素管路、長手方
   向部分の少くとも一部分上に多数の長手方向リブ（11;6
   1）を有する中央部材又は切断ノズルを含み、前記切断
   ノズル（2;42;51）が、前記リブとともに前記多数の酸
   素−燃料混合物管路（37）を限定する外側鞘（4;43）に
   取付けられる種類の切断火口において、切断ノズル（2;
   42;51）のリブ（11;61）が、切断ノズルの上流端部（4;
   43）に近い長手方向の点まで上流端部に延び、鞘（3;6
   4）は、リブ（11）の外側鞘部より非常にわずかに小さ
   い横方向寸法をもつた内部空所（27）を有しており、切
   断ノズルが、切断ノズルの上流端面（４）と鞘の上流端
   面（25）とが、切断トーチ本体（30）の端面（35）に対
   する気密横方向平面を構成する同一横方向平面になるま
   で、強制嵌合によつて鞘と組合わされ、それによりリブ
   （11;61）が、二つの隣接するリブによつてそれぞれ区
   切られた多数の長手方向の燃料混合物管路（37）に通ず
   る燃料混合物の環状分配室（36）を切断ノズル（2;42;5
   1）と鞘（3;64）との間の上流端部に限定していること
   を特徴とする切断火口。
2. 【請求項２】上流区域の限られた部分（12）のリブ（1
   1;61）が、鞘（3;64）の対応する肩部（24）に対して当
   接するように下流区域の主要部分より大きい半径を有す
   ることを特徴とする請求項１記載の切断火口。
3. 【請求項３】切断火口の軸方向の長さが、20mmと30mmと
   の間にあることを特徴とする請求項１又は２記載の切断
   火口。
4. 【請求項４】切断ノズル（42,51）自体が、互に強制嵌
   合的に係合された二つの同軸部材で形成され、切断酸素
   管路（６）をもつた内側部材（42）は、第２の管状部材
   （51）に当接する外側肩部（47）をもつた上流端部（4
   3）を有し、下流部分では、穴（59）によつて切断酸素
   管路（６）と連通する環状管路を形成するように該内側
   部材の上部壁からわずかの距離まで延びており、第２の
   部材（51）は、外側リブ（61）を有し、それ自身はノズ
   ル鞘（64）に強制嵌合されることを特徴とする請求項１
   ないし３のいずれか１項に記載の切断火口。