JP2753031B2 - 発振回路 - Google Patents

発振回路

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JP2753031B2
JP2753031B2 JP9309589A JP9309589A JP2753031B2 JP 2753031 B2 JP2753031 B2 JP 2753031B2 JP 9309589 A JP9309589 A JP 9309589A JP 9309589 A JP9309589 A JP 9309589A JP 2753031 B2 JP2753031 B2 JP 2753031B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、弾性表面波共振子等の圧電共振子を用いた
高安定発振回路に関し、特に集積化に適した発振回路に
関する。
(従来の技術) 従来から、テレビ機器や通信機器等には、低雑音で高
安定な周波数源が必要とされる部分に、弾性表面波共振
子や水晶振動子等の圧電素子を用いた発振器が多用され
ている。
その一例として、弾性表面波共振子を用いた最も一般
的なコルピッツ形発振回路を第13図に示す。
第13図において、符号51は発振用トランジスタであ
り、そのベースは抵抗52を介して直流電源1の正極端子
に、抵抗53を介して負荷端子にそれぞれ接続され、コレ
クタは抵抗54を介して電源1の正極端子に、エミッタは
抵抗55を介して電源1の負荷端子に接続され、これによ
りトランジスタ51に直流バイアス電圧・電流が供給され
る。
さらに、抵抗55と並列に高周波電流をバイパスするた
めのコンデンサ58が接続され、トランジスタ51のベース
と電源1の負極端子間にコンデンサ56が、トランジスタ
51のコレクタと電源1の負極端子間にコンデンサ57がそ
れぞれ接続されている。これらコンデンサ56,57は、ト
ランジスタ51のコレクタ〜ベース間に並列に接続された
弾性表面波共振子49のインピーダンスとこの発振回路の
インピーダンスとの整合をとり、発振を生じさせるもの
である。
そして、トランジスタ51の増幅度が十分大きければ、
以上のような回路構成により弾性表面波共振子49の共振
周波数で発振し、トランジスタ51のコレクタに接続され
た出力端子61から、上記周波数の信号が出力される。
ところで、テレビ機器や通信機器においては、装置の
小形軽量化、低価格化を図るため、回路の集積化が進め
られている。よって、そこに使用される発振器について
も集積化が望まれている。しかしながら、弾性表面波共
振子等の圧電共振子は、他の回路と同じ基板上に集積す
ることは困難なため、共振子を除く発振回路部分の集積
化が検討されている。
ところが、第13図に示したようにな回路の場合、コン
デンサが3個も必要であり、集積回路化には適さない。
なぜならば、集積回路においては、コンデンサは他のト
ランジスタや抵抗に比べ、その形状が極めて大きいから
である。
特に第13図において、コンデンサ58はそのインピーダ
ンスの絶対値が発振周波数において抵抗55の抵抗値より
十分小さくなければならず、そのためには数十PF〜数百
PFの容量が必要である。そして、この程度の容量を集積
回路上で実現するためには、1000μm2〜1mm2程度の面
積が必要であるが、1個のコンデンサのためにこれだけ
の面積を費やすことは、集積回路においては極めて不経
済である。
また、第13図に示した回路においては、トランジスタ
51のコレクタに流れる高周波電流が抵抗54とコンデンサ
58を介して電源1に流れるが、電源1に他の回路が接続
されているとすると、この他の回路にとって高周波数電
流は雑音源となる。逆に他の回路からの雑音が電源1の
ラインに進入した場合、第13図に示した回路は不平衡形
であるため、その雑音が抵抗52,54や他の素子を介して
回路内に進入し、発振周波数が変調されたり、出力信号
に雑音が生じてしまう。これらの影響は特に第13図の発
振器と他の回路とを同一の集積回路基板上に実装した時
に顕著となる。
このように、第13図に示したような従来の発振回路を
そのまま集積回路化することは、極めて困難であった。
(発明が解決しようとする課題) 以上のように、弾性表面波共振子等の圧電共振子を用
いた従来の発振回路は、他の回路の雑音源となるととも
に、他の回路からの雑音の影響を受けやすいことや容量
の大きなコンデンサが必要などの理由から、そのまま集
積回路化することには問題があった。
本発明はこれらの問題点を解決しようとするものでそ
の目的は、他の回路に対する雑音源とならず、他の回路
からの影響も受けにくい集積回路化に適した発振回路を
提供しようとするものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明は、一対のトランジスタの各コレクタをそれ
ぞれ同一抵抗値の抵抗を介し直流電源の一端に接続する
とともに、各エミッタを共通の電流源を介し前記直流電
源の他端に接続し、かつ各ベースにバイアス電圧を印加
するバイアス回路を接続してなることにより差動増幅回
路を構成し、前記トラジスタ対の一方のトラジスタのコ
レクタ〜ベース間に同一基板上に2組のポートを有する
圧電共振子の一方のポートを接続するとともに、他方の
トランジスタのコレクタ〜ベース間に他方のポートを接
続してなるものである。
〔作用〕
この発明は、上記のような構成により、2ポート形の
圧電共振子を介して差動増幅回路の出力すなわち一対の
トランジスタの各コレクタ間から、差動増幅回路の入力
すなわち一対のトランジスタの各ベース間に、2ポート
形の圧電共振子の共振周波数において正帰還が施され、
回路が発振し、差動増幅回路の出力から発振出力が得ら
れる。この発明によれば、回路全体が完全な平衡構成と
なる。そして、一対のトランジスタは差動増幅回路とし
て動作し、一方の電流が増加すると他方の電流が減少す
るため、全体の電流は常に一定となり、直流電源に発振
時の高周波電流は流れない。
(実施例) 以下、この発明の一実施例について図面を参照しなが
ら詳細に説明する。
第1図はこの発明の一実施例に係る回路構成図であ
る。
第1図において、トランジスタ5と6は差動増幅用の
トランジスタ対であり、その各コレクタはそれぞれ同じ
抵抗値の抵抗8と9を介して直流電源1の一端に接続さ
れている。また、各エミッタは共通の直流電流源7を介
して直流電源1のもう一方の端に接続され、各ベースは
それぞれ同じ抵抗値の抵抗11と12を介してバイアス回路
10の出力端子に接続されている。なお、バイアス回路10
は直流電源1から電源を得ている。
以上の回路により差動増幅回路が構成され、その一方
のトランジスタ5のコレクタ〜ベース間に、2ポート形
弾性表面波共振子2の一方のポート3が接続され、もう
一方のトランジスタ6のコレクタ〜ベース間にもう一方
のポート4が接続されている。
そして、トランジスタ5と6のベース間に入力された
交流電圧は増幅されコレクタ間から出力されるが、トラ
ンジスタ5とトランジスタ6との電圧・電流の位相は差
動動作により反転するため、2ポート形弾性表面波共振
子2のポート3と4とは共振時のそれぞれのポートに発
生する電圧が逆相となるように極性に接続される。
この回路の発振出力は、トランジスタ5とトランジス
タ6のコレクタにそれぞれ接続された出力端子13と14か
ら差動出力として取出される。
なお、2ポート形弾性表面波共振子2を除く他の素子
によって構成された差動増幅回路の入出力間の電界増幅
度すなわちトランジスタ5とトランジスタ6のベース間
に入力された電力とコレクタ間から得られる電力との比
は、2ポート形弾性表面波共振子2の損失を十分捕える
ように設定すうる。これは、トランジスタ5、6の特
性、直流電流源7の電流値、抵抗8、9の抵抗値等によ
って決定される。
以上のような構成により第1図の回路は、トランジス
タ5と6のコレクタ間すなわち差動増幅回路の出力か
ら、2ポート形弾性表面波共振子2のポート3、ポート
4を介して、トランジスタ5と6のベース間すなわち差
動増幅回路の入力に正帰還が施され、回路が発振し、出
力端子13と14の間から発振出力が得られる。
ただし、トランジスタ5とトランジスタ6との各寄生
容量や、2ポート形弾性表面波共振子2のポート間寄生
容量が無視できる場合、第1図のように2ポート形弾性
表面波共振子2を接続すると、差動増幅器に対して正帰
還ではなく、負帰還を施すことになる。なぜならば、上
記各寄生容量が無いと、トランジスタ5とトランジスタ
6とは理想トランジスタとして動作するため、各ベース
間に印加された電圧と各コレクタ間に発生する電圧との
位相は180°反転する。これに対して、2ポート形弾性
表面波共振子のポート3とポート4の各一端の間から各
他端の間へ伝達される電圧の位相は、共振周波数におい
てほぼ0°となるためである。
しかし、通常の場合、委記各寄生容量は無視できず、
抵抗8及び抵抗9と、上記各寄生容量との時定数によ
り、トランジスタ5とトランジスタ6の各コレクタ間に
発生する電圧の位相は180°より遅れ360°すなわち0°
に近くなる。このため、第1図のように2ポート形弾性
表面波共振子2を接続することにより、作動増幅器に対
して正帰還を施すことができる。
この時の発振周波数は、2ポート形弾性表面波共振子
のポート3とポート4のインピーダンスが低くなる周波
数すなわち共振周波数となるが、厳密には2ポート形弾
性表面波共振子2のポート3とポート4の各一端の間か
ら各他端の間へ伝達される電圧の位相変化量と、トラン
ジスタ5と6のベース間からコレクタ間へ伝達・増幅さ
れる電圧の位相変化量との和が0°または360°の整数
倍となる周波数となる。2ポート形弾性表面波共振子2
はその共振周波数を中心とするごく狭い周波数範囲にお
いて、ポート3とポート4の各一端の間と、各他端の間
との電圧の位相変化量が約180°急激に変化する。よっ
て、回路はこの共振周波数を中心とするごく狭い周波数
範囲の、上記位相変化量の和の条件を満足する周波数で
発振する。ただし、共振周波数から離れるにしたがっ
て、ポート3とポート4のインピーダンスが大きくなり
損失が増加するので、その分、差動増幅回路の増幅度が
必要となる。
なお、第1図においてトランジスタ5とトランジスタ
6のコレクタ、ベース、エミッタの各直流電位は双方の
トランジスタにおいて同一となる。よって、トランジス
タ5と6との各コレクタ〜ベース間に接続された2ポー
ト形弾性表面波共振子2のポート3とポート4との直流
電位も同一となる。
次に、第1図の実施例の効果であるが、第1図の回路
において直流電源1から流れる電源電流は、バイアス回
路10へ流れる電流と、抵抗8、抵抗9とトランジスタ5
と、トランジスタ6を介して直流電流源7に流れる電流
だけである。よって、直流電源1に流れる電流は直流の
みであり、発振周波数の高周波電流は流れない。なぜな
らば、バイアス回路10はトランジスタ5、6に直流バイ
アス電圧を供給するだけなので、直流しか流れず、直流
電流源7には一定の直流電流しか流れないため、トラン
ジスタ5と6は一方の電流が増加すると他方の電流が減
少する差動動作となり、抵抗8と抵抗9とに流れる電流
の和は常に一定となるからである。このことから、直流
電源1に他の回路を接続したとしても、第1図の回路か
その回路に対して雑音源となることはない。逆に、直流
電源1から供給される直流電圧に雑音が生じた場合、第
1図の回路では、バイアス回路を介してトランジスタ5
と6の各ベースに印加される雑音は同相となるため、差
動動作により打消されて、コレクタ間の出力電圧には現
れなす。また、抵抗8と抵抗9を介して進入する雑音に
ついても同様である。
さらに、第1図の回路はコンデンサを使用しないた
め、極めて集積回路化に適する。
なお、この発明は、上記の実施例に限定されるもので
はなく、種々に変形して実施することができる。
第2図はこの発明の他の実施例に係る回路構成図であ
る。
この実施例の回路は、トランジスタ5とトランジスタ
6のエミッタの接続点と直流電源の一端との間に直流電
流源ではなく抵抗15が接続されてなるものである。この
ような接続でもトランジスタ5と6は作動対として動作
するため、上記の実施例とほぼ同様な効果が得られる。
第3図はバイアス回路を抵抗のみで構成した極めて簡
単に実施できる実施例の回路構成図である。
すなわち、この実施例では、電流電源1の電圧を抵抗
16と抵抗17とで分圧してトランジスタ5のベースにバイ
アス電圧を印加し、同様に直流電源1の電圧を抵抗18と
抵抗19で分圧してトランジスタ6のベースにバイアス電
圧を印加している。なお、この場合、抵抗16と抵抗18の
抵抗値、抵抗17と抵抗19の抵抗値はそれぞれ同じ値であ
る。
第4図は高周波での使用に適した実施例に係る回路構
成図である。
この実施例では、トランジスタ5のコレクタと直列に
トランジスタ21のコレクタ〜エミッタ間が、トランジス
タ6のコレクタと直列にトランジスタ22のコレクタ〜エ
ミッタ間がそれぞれ接続され、トランジスタ21と22のベ
ースにはバイアス回路20から共通のバイアス電圧が印加
されている。このような接続にすることにより、第1図
の実施例よりも高周波で使用できるようになる。
なぜならば、第4図においてトランジスタ5と6のコ
レクタ電位は、バイアス回路20からトランジスタ21と22
のベースに印加される電圧からトランジスタ21と22のベ
ース〜エミッタ間電圧約0.7Vを減じた値に固定され、回
路が発振状態にあってもほぼ一定となる。このため、特
に高周波で問題となるトランジスタ5と6のコレクタ〜
ベース間寄生容量によってコレクタ交流電圧がベースに
負帰還されトランジスタ5と6の増幅度が等価的に低下
する効果が低減できるためである。
その他の回路動作については、トランジスタ5と6の
コレクタ電流がそれぞれトランジスタ21とトランジスタ
22を介して流れるだけで、第1図の回路と同じである。
第5図はこの発明のさらに他の実施例に係る回路構成
図である。
この実施例は、2ポート形弾性表面波共振子2のポー
ト3とポート4との間に直流電圧が印加されないだけで
なく、ポート3の電極間およびポート4の電極間のそれ
ぞれに直流電圧が印加されない様にしたものである。
図において、コレクタが直流電源1の一端に接続され
たトランジスタ27のベースがトランジスタ5のコレクタ
に接続されており、さらにトランジスタ27のエミッタは
ダイオード29と抵抗31を介して直流電源1のもう一方の
端子に接続されている。同様に、コレクタが直流電源1
の一端に接続されたトランジスタ28のベースがトランジ
スタ6のコレクタに接続され、さらにトランジスタ28の
エミッタはダイオード30と抵抗32を介して直流電源1の
もう一方の端子に接続されている。そして、2ポート形
弾性表面波共振子2のポート3はトランジスタ5のコレ
クタ〜ベース間ではなく、ダイオード29と抵抗31の接続
点とトランジスタ5のベースとの間に接続され、同様に
ポート4はトランジスタ6のコレクタ〜ベース間ではな
く、ダイオード30と抵抗32の接続点とトランジスタ6の
ベースとの間に接続されている。
この回路において、バイアス回路10によってトランジ
スタ5とトランジスタ6のそれぞれのベースに印加され
る電圧および抵抗8と抵抗9の抵抗値および直流電流源
7の電流値とによって定まるトランジスタ5とトランジ
スタ6のコレクタ〜ベース間の直流バイアス電圧値は、
トランジスタ27、28のベース〜エミッタ間電圧と、ダイ
オード29、30の両端電圧との和の電圧値と同じになるよ
うに設計される。すなわち、2ポート形弾性表面波共振
子2のポート3の電極間およびポート4の電極間に直流
電圧が印加されない。
このように、本実施例によれば、2ポート形弾性表面
波共振子2のポート3とポート4との間だけでなくポー
ト3の電極間およびポート4の電極間にも直流電圧が印
加されないようにできる。
2ポート形弾性表面波共振子2のポート3及びポート
4を形成する電極指の間隔は数μmと極めて狭く、水蒸
気の水分や塵芥が付着した場合、直流電圧が電極間に印
加されると、電極が電気的に腐食されたり、放電が起っ
て破壊されてしまうことがある。
本実施例によれば、この2ポート形弾性表面波共振子
2の劣化、破壊を未然に防止できる。
また、トランジスタ27とダイオード29及び抵抗31から
なる回路と、トランジスタ28とダイオード30及び抵抗32
からなる回路とは、それぞれいわゆるエミッタ・フォロ
ワ形のバッファ増幅器として動作し、トランジスタ27と
28の各ベースに印加された交流電圧はこの回路を介して
2ポート形弾性表面波共振子2に対して出力される。こ
のため、2ポート形弾性表面波共振子2のインピーダン
ス値によって、差動増幅回路が大きな影響を受けること
がなく、安定な発振が得られる。
なお、第5図において、出力端子13、14はそれぞれト
ランジスタ5、6の各コレクタに接続されているが、各
ベースまたは、トランジスタ27、28の各エミッタ、さら
に、ダイオード29と抵抗31の接続点及びダイオード30と
抵抗32の接続族点などに接続してもかまわない。
第6図も第5図に示した実施例と同様の目的の他の実
施例に係る回路構成図である。
この実施例では、第5のダイオード29、30がそれぞれ
抵抗33と抵抗34とに変更されており、また抵抗31、32が
それぞれ直流電流源35と直流電流源36とにそれぞれ変更
されている。
第6図の回路において、トランジスタ5とトランジス
タ6のコレクタ〜ベース間の直流バイアス電圧値は、ト
ランジスタ27、28のベース〜エミッタ間電圧と、抵抗3
3、34の両端電圧の和の電圧値と同じになるように設計
される。なお、抵抗33と抵抗34との両端電圧は、抵抗3
3、34の抵抗値と直流電流源35、36の電流値によって定
まる。
以上の構成、設計により2ポート形弾性表面波共振子
2のポート3の電極間およびポート4の電極間に直流電
圧が印加されないようにできる。
このように、本実施例によっても、2ポート形弾性表
面波共振子2のポート3の電極間およびポート4の電極
間、さらにポート3とポート4の間に直流電圧が印加さ
れないようにできる。
なお、第6図において、出力端子13、14はそれぞれト
ランジスタ5、6の各コレクタに接続されているが各ベ
ースまたはトランジスタ27、28の各エミッタさらに、抵
抗33と直流電流源35の接続点22及び抵抗34は直流電流源
36との接続点等に接続してもかまわない。
また、第5図のダイオード29と30、第6図の抵抗33と
34はそれぞれ省略することが可能である。この場合、ト
ランジスタ5と6のコレクタ〜ベース間のバイアス電圧
は、トランジスタ27、28のベース〜エミッタ間電圧すな
わち約0.7Vになるように設定される。
第7図はこの発明の他の実施例に係る回路構成図であ
る。
この実施例では、トランジスタ5とトランジスタ6の
エミッタは直流電流源には接続されず、それぞれ抵抗37
と抵抗38を介して直流電源1の一端に接続される。そし
て、トランジスタ5のエミッタとトランジスタ6のエミ
ッタの間に、コンデンサ39と抵抗40が接続される。ここ
で、コンデンサ39の容量値は2ポート形弾性表面波共振
子2の共振周波数においてそのインピーダンスの絶対値
が抵抗40の抵抗値よりも十分小さくなるように選定され
る。
このような構成により、2ポート形弾性表面波共振子
2の共振周波数においては、コンデンサ39のインピーダ
ンスが十分小さくなるため、等価的に第7図の回路は第
2図の回路とほぼ同じとなり、発振する。また、低い周
波数においては、コンデンサ39のインピーダンスが大き
くなるため、トランジスタ5とトランジスタ6による差
動増幅器の増幅度が低下し、不要な発振が防止される。
なお、ここで、不要な発振とは、2ポート形弾性表面波
共振子のスプリアスや等価並列容量、その他が原因とな
る共振周波数以外での発振である。
さらに、第7図の回路は、コンデンサ39の容量値を小
さくすることにより2ポート形弾性表面波共振子2の第
2次、第3次高調波またはそれ以外の高調波の周波数で
発振させることが可能である。
本発明によれば、回路全体の消費電流及び発振出力レ
ベルを可変できる発振回路を構成することも可能であ
る。第8図はその一実施例を示す回路構成図である。
第8図において、トランジスタ5と6は差動増幅をお
こなうトランジスタ対であり、その各コレクタはそれぞ
れトランジスタ21と22の各コレクタ〜エミッタ間と、同
じ抵抗値の抵抗8と9をを介して直流電源1の一方の端
子に接続されている。また、トランジスタ5と6の各エ
ミッタは共通の直流電流源60を介して直流電源1のもう
一方の端子に接続され、各ベースはそれぞれ同じ抵抗値
の抵抗11と12を介してバイアス回路61の一方の出力に接
続されている。バイアス回路61のもう一方の出力には、
トランジスタ21、22の各ベースが直流接続されている。
さらに、コレクタが直流電源1の一方の端子に接続され
たトランジスタ27と28の各ベースがトランジスタ21と22
の各コレクタにそれぞれ接続されている。トランジスタ
27と28の各エミッタはそれぞれ、ベースとコレクタが接
続されダイオードとして動作するトランジスタ62と63の
各コレクタ〜エミッタ間と直流電流源64と65とを介して
直流電源1のもう一方の端子に接続されている。なお、
直流電流源60、64、65は電流値を可変できる機能を有し
ており、その制御端子は電力制御端子66に接続されてい
る。また、バイアス回路61は直流電源1に接続され電源
を得ているが、消費電流を可変できる機能を有してお
り、その制御端子もまた電力制御端子66に接続されてい
る。
以上の回路により差動増幅器が構成され、その差動入
力の一方の端子すなわちトラジスタ5のベースと、差動
出力の一方の端子すなわちトランジスタ62とエミッタと
の間に2ポート形弾性表面波共振子2のポート3が接続
され、同様に、作動入力のもう一方の端子すなわちトラ
ンジスタ6のベースと、差動出力のもう一方の端子すな
わちトランジスタ63のエミッタとの間にポート4が接続
されている。なお、出力端子13、14はトランジスタ5と
6の各ベースにそれぞれ接続されているが、これは、ト
ランジスタ21と22の各コレクタは、トランジスタ27と28
の各エミッタ、またはトランジスタ62と63の各エミッタ
などに接続してもよい。
以上の構成により、第8図の回路は発振回路として動
作する。この実施例は基本的には、第4図〜第6図の実
施例の組み合せであるので、発振動作及び効果の説明は
省略し、消費電流及び出力レベルの可変動作について以
下に説明する。
第8図の発振回路においては、直流電源1から回路に
流れる電流は全て、直流電流源60、64、65及びバイアス
回路61を介して流れる。そして、これらの直流電流源6
0、64、65の電流値と、バイアス回路61の消費電流は、
電力制御端子66に印加される信号によって可変できる。
すなわち、電力制御端子66に印加される信号によって、
回路全体の消費電流を可変できる。場合によっては、回
路全体の消費電流をゼロとし、回路動作を停止させ、い
わゆるスタンバイ状態になることも可能である。また、
直流電流源60、64、65の電流値が変化すると、各トラン
ジスタに流れる電流値も変化するため、差動増幅回路と
しての増幅度が変化する。よって、電力制御端子66の印
加される信号により、回路全体の消費電流とともに、出
力端子13と14から出力される発振出力のレベルも可変で
きる。
以上のように第8図の発振回路は回路全体の消費電流
と発振出力レベルが可変できる。このような動作は、第
1図、第3図〜第6図の実施例を変形することにより、
おこなわせることもできる。すなわち、これらの実施例
の直流電流源7とバイアス回路10及び20とに電流可変機
能を追加することにより、回路全体の消費電流と発振出
力レベルを可変することできる。
なお、第8図の実施例において、特に消費電流と発振
出力レベルの可変機能が必要ない場合には、直流電流源
60、64、65とバイアス回路61の電流可変機能を省略すれ
ばよい。この場合においても、他の実施例と同様の効果
が得られる。
以上の全ての実施例・変形例の説明における2ポート
形弾性表面波共振子の接続方法は、第1図の実施例で説
明したように各トランジスタの寄生容量及び2ポート形
弾性表面波共振子のポート間寄生容量が無視できない場
合についての接続方法である。これらの各寄生容量が無
視できる場合、たとえば発振周波数におけるこれらの各
寄生容量のインピーダンスに対して、抵抗8及び抵抗9
の抵抗値が十分低い場合、第1図〜第8図のように2ポ
ート形弾性表面波共振子やその他の2ポート形圧電素子
を接続すると、第1図の実施例で説明したように差動増
幅器に対して正帰還が施されない。このような場合は、
2ポート形弾性表面波共振子やその他の2ポート形圧電
素子の一方のポートの一端と、もう一方のポートの相対
する一端との接続をいれかえることにより、差動増幅器
に対して、正帰還を施し、回路を発振させることができ
る。
第9図はこのような各トランジスタの寄生容量や2ポ
ート形弾性表面波共振子のポート間寄生容量等が無視で
きる場合の一実施例を示す回路構成図である。2ポート
形弾性表面波共振子2のポート3が、トランジスタ5の
コレクタ〜ベース間ではなく、トランジスタ5のコレク
タとトランジスタ6のベースとの間に接続され、同様に
ポート4が、トランジスタ6のコレクタ〜ベース間では
なく、トランジスタ6のコレクタとトランジスタ5のベ
ースとの間に接続されている。
第9図の実施例は第1図の実施例の変形であるが、同
様の変形が全ての実施例において可能である。
以上の実施例、変形例においてはトランジスタ5とト
ランジスタ6を全てバイポーラトランジスタとして示し
たが、これに限定されるものではなく、たとえば電界効
果トランジスタ等でもかまわない。
第10図はこのような電界効果トランジスタを用いた場
合の回路構成図であり、バイポーラトランジスタの代り
に、電界効果型トランジスタ23と24が接続されている。
また、圧電素子についても、弾性表面波共振子のみに
限定されるものではなく、たとえば2ポート形水晶振動
子等や弾性表面波フィルタ、弾性表面波遅延線等でもか
まわない。
第11図は2ポート形水晶振動子を用いた場合の回路構
成図であり、2ポート形弾性表面波共振子の代りに、2
ポート形水晶振動子44が接続されている。
さらに、圧電素子については、2ポート形に限定され
るものでなく、3ポート以上を有するものでもかまわな
い。この場合、複数のポートの内ひとつまたは、それ以
上のポートを発振出力用として用いることが可能であ
る。また、複数のポートを並列または直列接続して等価
的に2ポート形として用いることも可能である。
第12図はこのような4ポート形弾性表面波共振子を等
価的に2ポート形として用いた場合の回路構成図であ
り、4ポート形弾性表面波共振子66の第1のポート67と
第2のポート68とが直列接続され、トランジスタ5のコ
レクタ〜ベース間に接続され、同様に、第3のポート69
と第4のポート70とが直列接続されトランジスタ6のコ
レクタ〜ベース間に接続されている。このような構成で
も第1図の実施例と同様の動作、効果が得られる。
なお、以上の全ての実施例において、出力端子13と14
は、トランジスタ5と6の各ベースまたは電界効果トラ
ンジスタ23と24の各ゲートに接続することが可能であ
る。
以上、いくつかの実施例、変形例について説明した
が、これらの例において発振周波数の微調整をすること
が可能である。
たとえば、第1図の実施例を例にすると、トランジス
タ5とトランジスタ6のコレクタ間またはベース間、ま
たはトランジスタ5のコレクタと直流電源1の一端およ
びトランジスタ6のコレクタと直流電源1の一端、また
はトランジスタ5のベースと直流電源1の一端およびト
ランジスタ6のベースと直流電源1の一端等にコンデン
サを接続して、このコンデンサの容量値により発振周波
数の微調整を行えば良い。他の実施例、変形例について
も同様である。
以上、この発明の実施例、変形例について説明した
が、要するにこの発明は、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて、種々の変形して実施することができる。また、
以上に説明した実施例、変形例のいくつかを組合せて実
施することも可能である。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、回路が完全な対
称構成となり、電源からは直流電流しか流れ込まない。
このため、電源に接続された他の回路の雑音源となら
ず、他の回路からの雑音の影響を受けにくい。さらに、
大容量のコンデンサを必要としないため、極めて集積回
路化に適する。また、弾性表面波共振子等の圧電素子を
用いているため、極めて安定な周波数の発振が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に係る回路構成図、第2図
〜第12図はそれぞれこの発明の他の実施例または変形例
を示す回路構成図、第13図は従来例を示す回路構成図で
ある。 1…直流電源 2…2ポート形弾性表面波共振子 3、4…ポート、5、6…トランジスタ 7…直流電流源、8、9…抵抗 10…バイアス回路、11、12…抵抗 13、14…出力端子、20…バイアス回路 21、22…トランジスタ、27、28…トランジスタ 29、30…ダイオード、31、32…抵抗 39…コンデンサ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】差動増幅回路の差動入力の一方の端子と差
    動出力の一方の端子との間に、複数のポートを有する圧
    電素子の少なくともひとつのポートを接続し、前記差動
    入力のもう一方の端子と、前記差動出力のもう一方の端
    子との間に、前記圧電素子の他のポートを接続したこと
    を特徴とする発振回路。
  2. 【請求項2】一対のトランジスタの各コレクタをそれぞ
    れ同一抵抗値の抵抗を介し直流電源の一端に接続すると
    ともに、各エミッタを共通の電流源を介し前記直流電源
    の他端に接続し、かつ各ベースにバイアス電圧を印加す
    るバイアス回路を接続してなることにより差動増幅回路
    を構成し、前記トランジスタ対の一方のトランジスタの
    コレクタ〜ベース間に同一基板上に2組のポートを有す
    る圧電素子の一方のポートを接続するとともに、前記ト
    ランジスタ対の他方のトランジスタのコレクタ〜ベース
    間に他方のポートを接続してなることを特徴とする発振
    回路。
  3. 【請求項3】一対のトランジスタの各コレクタをそれぞ
    れ同一抵抗値の抵抗を介し直流電源の一端に接続すると
    ともに、各エミッタを共通の電流源を介し前記直流電源
    の他端に接続し、かつ各ベースにバイアス電圧を印加す
    るバイアス回路を接続してなることにより差動増幅回路
    を構成し、前記トランジスタ対の一方のトランジスタの
    コレクタと他方のトランジスタのベースとの間に同一基
    板上に2組のポートを有する圧電素子の一方のポートを
    接続するとともに、前記一方のトランジスタのベースと
    前記他方のトランジスタのコレクタとの間に前記圧電素
    子の他方のポートを接続してなることを特徴とする発振
    回路。
  4. 【請求項4】一対の電界効果トランジスタの各ドレイン
    をそれぞれ同一抵抗値の抵抗を介し直流電源の一端に接
    続するとともに、各ソースを共通の電流源を介し前記直
    流電源の他端に接続し、かつ各ゲートにバイアス電圧を
    印加するバイアス回路を接続してなることにより差動増
    幅回路を構成し、前記電界効果トランジスタ対の一方の
    電界効果トランジスタのドレイン〜ゲート間に同一基板
    上に2組のポートを有する圧電素子の一方のポートを接
    続するとともに、前記電界効果トランジスタ対の他方の
    電界効果トランジスタのドレイン〜ゲート間に他方のポ
    ートを接続してなることを特徴とする発振回路。
  5. 【請求項5】一対の電界効果トランジスタの各ドレイン
    をそれぞれ同一抵抗値の抵抗を介し直流電源の一端に接
    続するとともに、各ソースを共通の電流源を介し前記直
    流電源の他端に接続し、かつ各ゲートにバイアス電圧を
    印加するバイアス回路を接続してなることにより差動増
    幅回路を構成し、前記電界効果トランジスタ対の一方の
    電界効果トランジスタのドレインと他方の電界効果トラ
    ンジスタのゲートとの間に同一基板上に2組のポートを
    有する圧電素子の一方のポートを接続するとともに、前
    記一方の電界効果トランジスタのゲートと前記他方の電
    界効果トランジスタのドレインとの間に前記圧電素子の
    他方のポートを接続してなることを特徴とする発振回
    路。
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