JP2751743B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP2751743B2
JP2751743B2 JP17862292A JP17862292A JP2751743B2 JP 2751743 B2 JP2751743 B2 JP 2751743B2 JP 17862292 A JP17862292 A JP 17862292A JP 17862292 A JP17862292 A JP 17862292A JP 2751743 B2 JP2751743 B2 JP 2751743B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一対のプーリに巻装され
るべルトの巻き付け径比を油圧アクチュエータの切り換
え操作によって変化させて無段変速を行う無段変速機、
特に、実変速比を目標変速比に修正すべく両プーリの巻
き付け径比を変化させて無段変速を行う無段変速機の変
速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プライマリプーリとセカンダリプ
ーリの間に駆動ベルトを巻装し、両プーリに巻装される
ベルトの巻き付け径比を変化させて無段変速を行うベル
ト駆動式の無段変速機(CVT)が知られている。この
無段変速機はアクセル操作情報(踏み込み量、速度)、
スロットル開度、車速等のエンジンの運転情報に応じて
決定された変速比に基づく変速制御油圧を変速制御弁に
供給し、同弁からの各プーリ制御油圧を両プーリの各固
定側プーリ材と可動側プーリ材の相対間隔を接離操作す
る各油圧アクチュエータに供給する。これによって、一
対のプーリに巻装されるベルトの巻き付け径比を変化さ
せて無段変速を行う様に構成されている。
【0003】ところで、無段変速機の変速比iはプライ
マリプーリ回転数Wpとセカンダリプーリ回転数Wsの
比i(=Wp/Ws)と成り、この変速比iを目標値に
補正する場合、制御手段はプライマリ及びセカンダリの
両プーリの油圧アクチュエータに対し、目標変速比を達
成出来る各プーリ制御油圧を変速制御弁及び電磁制御弁
を用いて供給することとなる。この場合、制御手段は図
18に示すように、目標変速比相当の目標プライマリプ
ーリ回転数Wpoと実プライマリプーリ回転数Wpを取
り込み、その偏差E1(=Wpo−Wp)を求め、エン
ジン回転数増に応じ応答性を低下させる変化ゲインK1
及びプライマリプーリの実値と目標値の偏差増に応じて
応答性を増加させる変化ゲインK2を求め、偏差E1に
両ゲインK1,K2を乗算して基本変速速度Vi1を算
出し、この基本変速速度Vi1を順次積分して積分項Σ
ΔViIを求め、それをリミッタに掛け、補正係数1/
Zの乗算によって積分補正変速速度ViIを求める。そ
の上で、基本変速速度Vi1と積分補正変速速度ViI
を加算して変速速度Viを算出し、同変速速度Viを達
成できる変速速度制御圧Pcに相当する変速速度信号D
uで電磁制御弁を駆動し、同電磁制御弁が変速速度制御
圧Pcを調圧し、変速速度制御圧Pcを受けた変速比制
御バルブが各プーリ制御油圧を両プーリの油圧アクチュ
エータに供給し、両プーリを目標変速比iに切り換える
ように構成されている。
【0004】ところで、このような無段変速機の無段変
速制御では車速Vとスロットル開度θsを取り込み、ま
ずスロットル開度に応じた目標プライマリプーリ回転数
(=目標エンジン回転数)を算出する。この場合、目標
プライマリプーリ回転数は、例えばエンジンの動力性能
重視の基にその値を図16に破線で示す軌跡にそって設
定してもよく、その他目標性能に応じそれぞれ設定して
も良い。そして、図17に示すように、まず無段変速機
のプライマリプーリの回転数であるエンジン回転数Ne
を目標エンジン回転数Neoに応答性良く高めるため、
無段変速機を高変速比(低変速段L側)側に修正してそ
の上昇を図り、目標エンジン回転数に達すると、その目
標エンジン回転数を保持したまま変速比を連続的に変化
させて車速の上昇を図っている。特に、発進時にはL段
(最大変速比)に沿ってエンジン回転数を応答性良く目
標エンジン回転数に上昇させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このよう
に、目標エンジン回転数が設定され、その値に実エンジ
ン回転数を修正するべく目標変速比を修正し、更に、燃
料供給制御や点火時期等の制御が適正に成されていて
も、エンジン回転数の上昇が比較的遅い場合が有る。即
ち、キックダウンが成された場合、エンジン回転数の上
昇が、例えば、0.5乃至0.7秒程度では運転者は違
和感を生じ無いが、例えば、エンジンの暖機が不十分な
運転時にキックダウンが成されると、エンジン回転数の
上昇が遅れぎみとなり、例えば、1.0秒を超えるよう
な場合には応答性が低いとして運転者に違和感を生じさ
せてしまい、運転フィーリングに問題が生じている。本
発明の目的はキックダウン時の運転フィーリングを改善
できる無段変速機の変速制御装置を提供することに有
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明は、入力部材に連結されたプライマりプーリ
と、出力部材に連結されたセカンダリプーリと、上記両
プーリに巻装された駆動ベルトと、上記両プーリの巻き
付け径比を変更することで所望の変速比を達成可能な無
段変速機と、上記変速比を切り換えるべく上記各プーリ
のアクチュエータを駆動制御する変速制御手段と、を備
えた無段変速機の変速制御装置において、上記変速制御
手段は、アクセル開度情報に基づきキックダウンを判定
するキックダウン判定手段と、上記キックダウン判定手
段によりキックダウンが判定された後の第1時点から同
第l時点より後の第2時点までの間における上記プライ
マりプーリの回転数の上昇率を算出するプーリ回転上昇
率算出手段と、上記回転上昇率での上記プライマりプー
リの回転上昇が継続したと想定して、上記第2時点より
後の第3時点における上記プライマりプーリの回転数を
予測し、同予測回転数を目標プライマリプーリ回転数と
して固定目標変速比を設定する目標変速比設定手段と、
を有し、上記第2時点から上記第3時点までの間の目標
変速比を上記固定目標変速比に設定するように構成され
たことを特徴とする。
【0007】
【作用】キックダウン判定手段がアクセル開度情報に基
づきキックダウンを判定し、プーリ回転上昇率算出手段
がキックダウンが判定された後の第1時点から同第l時
点より後の第2時点までの間における上記プライマりプ
ーリの回転数の上昇率を算出し、目標変速比設定手段が
上記回転上昇率での上記プライマりプーリの回転上昇が
継続したと想定して、上記第2時点より後の第3時点に
おける上記プライマりプーリの回転数を予測し、同予測
回転数を目標プライマリプーリ回転数として固定目標変
速比を設定し、その上で、変速制御手段は上記第2時点
から上記第3時点までの間の目標変速比を上記固定目標
変速比に設定し、これによりプライマリプーリを速やか
に固定目標変速比相当の予測回転数に保持出来る。
【0008】
【実施例】図1の無段変速機の変速制御装置は車両のエ
ンジン60に連結された動力伝達系P上の無段変速機2
0に付設される。ここでエンジン60は電子制御燃料噴
射型4サイクルエンジンであり、燃料を噴射するインジ
ェクタ1や混合気への点火をおこなう点火プラグ2等、
種々の装置がエンジンの電子制御手段としてのECU3
の制御下におかれ、しかも、このECU3には動力伝達
系P内の無段変速機(CVT)20の電子制御手段であ
るCVTECU21が接続されている。なお、両ECU
3,21間での信号の授受を常時行えるように両者間は
通信回線で結線されている。
【0009】CVTECU21には、無段変速機20の
変速速度を油圧制御する電磁制御弁23が接続されてい
る。ここでエンジン60の全体構成を簡略に述べる。エ
アクリーナエレメント5から吸引された吸入気は、その
直後のカルマン渦式のエアフローセンサ6によりその流
量が計測される。尚、エアクリーナボデー4内には、エ
アフローセンサ6の他、図示しない大気圧センサや大気
温度センサ等の装置が設けられており、吸入気に関する
各種のデータが計測されて、ECU3に入力されるとい
う周知の構成を採っている。
【0010】エアクリーナボデー4より吸気菅7を介し
てスロットルボデー8内に流入した吸入気はバタフライ
型のスロットルバルブ9によりその通過量を制御され
る。図中、符号12はスロットルバルブ9の開度θs情
報を吸入空気量情報として出力するスロットルポジショ
ンセンサ(以下、スロットルセンサ)であり、その検出
信号はECU3に入力されている。尚、アクセルペダル
10には加速要求検出手段としてのアクセル開度センサ
13が取付けられており、その踏み込み量θaは運転者
のアクセル開度情報として電気信号に変換されてECU
3に入力される。なお、ここではアクセル開度θa及び
スロットル開度θsの両信号を同様の値と見做し、適宜
の選択手段(両センサ13,12のフェール判定、その
他等に応じて切り換えを行うもので図4にSeとして示
した)を経てくる信号を代表してスロットル開度θsと
見做す。
【0011】吸入気体はスロットルボデー8からサージ
タンク14を介してインテークマニホールド15に流入
し、ECU3の指令によりインジェクタ1から噴射され
た燃料によって、混合気となる。混合気はエンジン60
の爆発・膨張行程が終了して排気ガスとなり、排気マニ
ホウルド16に流入し、図示しない排気ガス浄化装置を
経由して有害成分が除去された後、図示しないマフラー
から大気中に放出されている。なお、符号24はエンジ
ンの回転情報を出力するエンジン回転センサを、符号3
9は水温センサを示している。エンジン60のクランク
シャフトには流体継手41及び遊星歯車式の前後進切り
換え装置42を介して図3の無段変速機20が接続され
ている。
【0012】ここで、無段変速機20は前後進切り換え
装置42の出力軸に一体結合されたプライマリシャフト
22を有するプライマリプーリ26と減速機30側に回
転力を出力するセカンダリシャフト29を有するセカン
ダリプーリ28を備え、このプライマリプーリ26とセ
カンダリプーリ28とにスチールベルト27が掛け渡さ
れる。セカンダリシャフト29は減速機30や図示しな
いデフを介して駆動軸31の駆動輪32,32に回転力
を伝達するように構成されている。両プーリ26,28
は共に2分割に構成され、可動側プーリ材261,28
1は固定側プーリ材262,282に相対回転不可に相
対間隔を接離可能に外嵌される。この可動側プーリ材2
61,281には固定側プーリ材との相対間隔を接離操
作する油圧アクチュエータとしてのプライマリシリンダ
33とセカンダリシリンダ34とが装着される。
【0013】なお、プライマリプーリ26とセカンダリ
プーリ28の両回転数Wp,Wsを検出する一対の回転
センサs1,s2が実変速比In(=Wp/Ws)の検
出手段として装着されている。この場合、プライマリプ
ーリ26の固定側プーリ材262に対し可動側プーリ材
261を近付けてプライマリプーリの巻き付け径を大き
くし、セカンダリプーリ28の固定側プーリ材282よ
り可動側プーリ281を遠ざけて巻き付け径を小さく
し、これによって実変速比In(プライマリ回転数Wp
/セカンダリ回転数Ws)を小さくし、即ち、低変速比
(高変速段)とし、逆に操作して高変速比(低変速段)
を達成する様に構成されている。
【0014】このような無段変速機20の油圧回路を図
2と共に説明する。この油圧回路はオイルポンプ37を
備え、その吐出油が流体継手41と、前後進切り換え部
42の前進クラッチ43及び後進クラッチ44と、無段
変速機20のプライマリシリンダ33及びセカンダリシ
リンダ34に供給される。ここでオイルポンプ37はエ
ンジンにより駆動され、その吐出量はエンジン回転に応
じて変化する。このため吐出圧はその最大許容圧がライ
ンプレッシャレギュレータバルブ47で規制され、しか
も任意の設定値にライン圧を保持する様に、ソレノイド
弁40及びレギュレータバルブ48が調圧作動する。ラ
イン圧路49の一部はクラッチプレッシャコントロール
バルブ50に連結され、同弁によって設定値に調圧され
た圧油はクラッチ油路51を経てマニュアルバルブ52
に供給される。このマニュアルバルブ52は変速段切り
換え用の手動切り換えレバーに連動し、前進側D,2,
Lの各レンジと、後進側Rレンジと、ニュートラルN及
びパーキングPの各レンジを備える。
【0015】マニュアルバルブ52はこのレンジが前進
側D,2,Lでは前進クラッチ43を接合し、この時エ
ンジン回転がそのまま無段変速機20に伝達され、他
方、後進側Rレンジではエンジン回転が逆転されて無段
変速機20に伝達される。ライン圧路49の一部は分岐
してプレッシャモジュレータバルブ53によって設定値
に調圧され、同油圧が変速制御弁としての変速比制御バ
ルブ54及び電磁制御弁23に供給される。なお、電磁
制御弁23はCVTECU21に接続され、変速比In
に応じた変速比制御圧Pcを変速比制御バルブ54に出
力する。
【0016】無段変速機20のプライマリシリンダ33
とセカンダリシリンダ34はそれぞれ、変速比制御バル
ブ54の主ポート541、副ポート542に連通され、
特にセカンダリシリンダ34はライン圧路49にも直結
される。ここで変速比制御バルブ54は主、副ポート5
41,542のほかに電磁制御弁23の変速速度制御圧
Pcを受けるパイロットポート543、プレッシャモジ
ュレータバルブ53からの調整圧を受ける調圧ポート5
44、オイルタンク55に連通するドレーンポートXを
備え、スプール56によって油路の切り換え制御が成さ
れる。
【0017】ここで、スプール56はそのパイロットポ
ート543との対抗部分が変速比制御圧Pcを左向きに
受け、他端が逆方向に調整圧及びバネ力を受け、そのバ
ランス位置に切り換え移動する。この場合、スプール5
6の右移動(変速比制御圧Pcが減)に応じてドレーン
ポートXが閉鎖され、一定移動の後に完全に閉鎖され、
更に、一定移動の後に主ポート541と副ポート542
の連通状態の増加量が増し、プライマリシリンダ33の
プライマリプーリ制御油圧Ppを増加させ(セカンダリ
プーリ制御圧は常時ライン圧)、実変速比Inを減少さ
せて低変速比(高変速段)とし、逆に制御油圧Ppを減
少させ、実変速比Inを増加させて高変速比(低変速
段)とすることが出来る。
【0018】ECU3及びCVTECU21は共にマイ
クロコンピュータによりその主要部が構成され、内蔵す
る記憶回路には各々のメインルーチン、その他の各制御
プログラムが記憶処理され、特に、CVTECU21の
記憶回路には図6乃至図10の目標プライマリプーリ回
転数Wpo、付加回転数WPA、算出処理時間域tmの開
始時点T1算出処理時間tmの終了する第2時点2
第2時点T 2 より後の第3時点3の各算出マップと、図
11及び図15のCVT制御処理ルーチンの各制御プロ
グラムが記憶処理されている。
【0019】VTECU21は変速制御手段として機
能する。即ち、CVTECU21はキックダウン判定手
段としてアクセル開度θa情報に基づきキックダウンを
判定する。更に、プーリ回転上昇率算出手段としてキッ
クダウンが判定された後の第1時点T 1 から同第l時点
1 より後の第2時点T 2 までの所定算出処理時間域tm
におけるプライマりプーリ回転数Wpの回転上昇率α
(=dWp/dt)を算出する。更に、目標変速比設定
手段として上述の回転上昇率αでプライマりプーリ26
の回転上昇が継続したと想定して、第2時点T 2 より第
3時点T 3 の間の目標変速比一時固定域におけるプライ
マりプーリ26の回転数Wp3を予測し、同予測回転数
Wp3を目標プライマリプーリ回転数Wpoとして固定
目標変速比Ioを設定し、その上で、第2時点T 2 から
第3時点T 3 までの間において、変速制御弁23,54
を介して一対の油圧アクチュエータとしてのプライマリ
シリンダ33、セカンダリシリンダ34を駆動し、目標
変速比を固定目標変速比Ioに保持するという機能を備
える。
【0020】以下、本実施例の無段変速機の変速制御装
置を図11乃至図15の制御プログラムや図4のブロッ
クダイヤグラム及び図5の本装置の経時変化線図を参照
して説明する。本実施例では、図示しないイグニッショ
ンキーを操作することによってエンジン本体60が始動
し、図1、図2に示すECU3及びCVTECU21内
での制御も開始される。制御が開始すると、ECU3
は、燃料供給量制御に伴う燃料噴射弁1の駆動処理、点
火時期制御に伴う点火プラグ2の駆動処理が実行され
る。他方、CVTECU21は、図11乃至図15のC
VT制御に入り、初期設定を成し、各センサの検出デー
タである、プライマリプーリ26とセカンダリプーリ2
8の両回転数Wp,Wsや、ECU3よりのスロットル
開度θsや、エンジン回転数Neその他が取り込まれ、
所定のエリアにストアされる。
【0021】ステップa2、3ではセカンダリプーリ回
転数Ws,減速機30の減速比rより車速Vを算出し、
スロットル開度θsと車速Vとから目標変速比Ioを算
出し、その目標変速比Ioに応じた目標プライマリプー
リ回転数Wpoを算出する。この後、ステップa4のキ
ックダウン制御に進む。このキックダウン制御では、図
12に示すように、キックダウン条件判定d1とキック
ダウンでの制御処理d2を行う。キックダウン条件判定
d1では、図14に示すように、スロットル開度θsを
微分してその開速度(dθs/dt)を算出し、この値
がキックダウン判定値である開速度所定値Vθを上回っ
たか否か判定し、下回るとキックダウンフラグをクリア
し、上回るとステップb2に進む。ここでは、スロット
ル開度θsが開度所定値θsaを上回らないとキックダ
ウンフラグをクリアし、上回るとステップb4に進む。
ここでは、プライマリプーリ回転数Wpとセカンダリプ
ーリ回転数Wsの比より変速機の実変速比Inを求め、
この値がキックダウン域に含まれないと見做せる閾値で
ある変速比所定値Iaを上回ったか否か判定し、下回る
とキックダウンフラグをクリアし、上回るとステップb
6,7に進む。
【0022】ステップb6,7ではキックダウンフラグ
をセットし、制御時刻設定処理に入る。この制御時刻設
定処理では、図13に示すように、エンジン回転数増に
応じた応答開始時間である第1時点1を設定するもの
で、各エンジンの吸気系固有の特性及びエンジン回転数
の増加に応じて短く成る様にT1マップ(図8参照)に
よって設定される。ステップe2ではスロットル開度θ
s及びスロットル開速度Vθの増加に応じて第2時点T
2 2=f4+T1)を所定幅f4MAX内で比較的大きく設
定し、運転者のキックダウン要求の程度を反映させる。
この第2時点2の設定により算出処理時間域tm(=
2−T1)が決まる。更に、第2時点T 2 より後の第3
時点T 3 (T3=f5+T2)を車速に応じてT3マップで
算出する。この場合車速が高いほど変速比を同一量変更
するには多目にプライマリプーリ回転数Wpを増大させ
る必要が生じ、これに時間を要することに対応する必要
があるが、これもドライバーがレスポンス不良を感じな
い限度(T3MAX)内に設定される。
【0023】キックダウン処理に入り図15のステップ
c1に達すると、時点ゼロより第1時点1に達し、算
出処理時間域tmを経過して第2時点T 2 達するまで
は、まずステップc2において変速速度を稼ぐためセカ
ンダリプーリ最大油圧を出力すべく設定する。続いて、
スロットル開度θsに応じた目標プライマリプーリ回転
数Wpoを図6のWpoマップで算出し、設定する。な
お、目標プライマリプーリ回転数Wpoをスロットル開
度θsと車速Vより設定しても良い。ステップc4,5
では特に、算出処理時間域tm(=T2−T1)にあると
して、プライマリプーリ回転数Wpを所定サンプリング
周期毎に取り込み、ストアしてステップc6に進む。ス
テップc6,7,8では目標変速比一時固定域の終了す
る第3時点3を図10のT3マップに基づき算出し、更
に、tm間にサンプリングされたプライマリプーリ回転
数Wpに基づき、同回転数の変化率(回転上昇率)α
(=dWp/dt)、及び算出時における最新のプライ
マリプーリ回転数Wpを算出する。その上で、このプラ
イマリプーリ回転数Wpが回転上昇率αで第3時点T 3
まで継続して上昇すると想定し、第3時点T 3 の予測プ
ライマリプーリ回転数Wp3を予測算出する。なお、こ
のような処理が可能であることはいうまでもない。そし
て、その予測プライマリプーリ回転数を目標プライマリ
プーリ回転数、即ち、目標エンジン回転数に設定する。
【0024】なお、このステップc8と次のステップc
9の間に通常の目標プライマリプーリ回転数(ここでは
Wp3)達成のための制御が行われるが、この制御処理
は従来例として図18で説明したと同様のためその説明
を略す。この結果、図5に示すように目標変速比一時固
定域(この間セカンダリプーリ回転数は変動しないと見
做すので目標変速比固定)の終了する第3時点3にプ
ライマリプーリ回転数が予測プライマリプーリ回転数W
p3に保持され、キックダウン開始時点から第3時点T
3 でエンジン出力は専らエンジン、プライマリプーリ
回転数の上昇に利用され、エンジン回転数の上昇の応答
性が改善され、第3時点T 3 以後は車速Vの上昇を図る
ことと成り、これによるキックダウン応答性が改善され
る。第2時点2の後に第3時点3に達するとステップ
C9,10,11に進み、セカンダリプーリの油圧をス
テップc2で上昇させていたものを通常値に戻し、目標
プライマリプーリ回転数を新たに設定する。
【0025】即ちステップc12乃至c14では付加回
転数WPAを図7のWPAマップより算出し、各経過時間毎
にT3時点の値にマップ値WPAが加算され、仮目標値1
(=WP3+WPA)が算出されストアされる。更に、図6
の目標プライマリプーリ回転数Wpoをスロットル開度
に基づき算出し仮目標値2としてストアする。ステップ
c15に達すると、仮目標値1(=WP3+WPA)が仮目
標値2(Wpo)を下回っている間はステップc16に
進み(時点T4の前まで)、目標プライマリプーリ回転
数Wpoを仮目標値1(=WP3+WPA)とし、上回ると
ステップc17,18に進み(時点T4の後)、目標プ
ライマリプーリ回転数Wpoを仮目標値2(通常値)と
し、キックダウンフラグをクリアし、制御を戻す。
【0026】このように、ステップc12乃至c17の
処理によって、第3時点T 3 乃至第4時点T 4 の間に車速
V増を図った後、徐々に、プライマリプーリ回転数を通
常の目標プライマリプーリ回転数に戻すので、キックダ
ウンにおいて、一旦途中で目標変速比を固定して、車速
アップの応答性を上げると同時に、その途中で固定変速
比を再度徐々に変化させて通常のスロットル開度θsと
車速Vから決まる変速比に修正できる。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の無段変速機の変
速制御装置は、キックダウンが判定された後の第1時点
から同第l時点より後の第2時点までの間におけるプラ
イマりプーリの回転数の上昇率を算出し、その回転上昇
率でのプライマりプーリの回転上昇が継続したと想定し
て、第2時点より第3時点(ドライバーが応答性良好と
感じる時間内に設定)におけるプライマリプーリの回転
数を予測し、同予測回転数を目標プライマリプーリ回転
数として固定目標変速比を設定し、この第2時点より第
3時点の間、エンジン出力をエンジン、プライマリプー
リ回転数の上昇に利用し、第3時点ではプライマリプー
リを予測回転数に保持し、その第3時点以後はエンジン
出力を車速Vの上昇に寄与させることが出来るので、キ
ックダウン時の加速応答性を向上させて、運転フィーリ
ングを改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての無段変速機の変速制
御装置を含む車両の動力伝達系の全体構成図である。
【図2】図1の装置が用いる無段変速機の油圧回路図で
ある。
【図3】図1の装置が用いる無段変速機の要部断面図で
ある。
【図4】図1の装置内の電子制御装置の機能ブロック図
である。
【図5】図1の装置の経時特性を示す線図である。
【図6】図1の装置内の電子制御装置が採用する目標プ
ライマリプーリ回転数算出マップの特性線図である。
【図7】図1の装置内の電子制御装置が採用する付加回
転数算出マップの特性線図である。
【図8】図1の装置内の電子制御装置が採用するT1
算出マップの特性線図である。
【図9】図1の装置内の電子制御装置が採用するT2
算出マップの特性線図である。
【図10】図1の装置内の電子制御装置が採用するT3
時算出マップの特性線図である。
【図11】図1の装置内の電子制御装置が採用するCV
T制御処理メインルーチンのフローチャートである。
【図12】図1の装置内の電子制御装置が採用するキッ
クダウン制御ルーチンのフローチャートである。
【図13】図1の装置内の電子制御装置が採用するキッ
クダウン制御ルーチンのフローチャートである。
【図14】図1の装置内の電子制御装置が採用するキッ
クダウン制御ルーチンのフローチャートである。
【図15】図1の装置内の電子制御装置が採用するキッ
クダウン制御ルーチンのフローチャートである。
【図16】図1の装置が用いる無段変速機のプライマリ
プーリ回転数とセカンダリプーリ回転数の相関を表す変
速比特性線図である。
【図17】図1の装置内の電子制御装置が採用するスロ
ットル開度をパラメータとしたエンジン回転数−エンジ
ントルク特性線図である。
【図18】従来装置内の電子制御装置の機能ブロック図
である。
【符号の説明】
12 スロットル開度センサ 13 アクセル開度センサ 20 無段変速機 21 CVTECU 23 電磁制御弁 26 プライマリプーリ 27 駆動ベルト 28 セカンダリプーリ 33 プライマリシリンダ(油圧アクチュエータ) 34 セカンダリシリンダ(油圧アクチュエータ) 54 変速油圧制御弁 T3 変速一時固定時 α 上昇率 tm 算出処理時間域 Wp3 予測回転数 Wpo 目標プライマリプーリ回転数 Io 目標変速比

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力部材に連結されたプライマりプーリ
    と、 出力部材に連結されたセカンダリプーリと、 上記両プーリに巻装された駆動ベルトと、 上記両プーリの巻き付け径比を変更することで所望の変
    速比を達成可能な無段変速機と、 上記変速比を切り換えるべく上記各プーリのアクチュエ
    ータを駆動制御する変速制御手段と、 を備えた無段変速機の変速制御装置において、 上記変速制御手段は、 アクセル開度情報に基づきキックダウンを判定するキッ
    クダウン判定手段と、 上記キックダウン判定手段によりキックダウンが判定さ
    れた後の第1時点から同第l時点より後の第2時点まで
    の間における上記プライマりプーリの回転数の上昇率を
    算出するプーリ回転上昇率算出手段と、 上記回転上昇率での上記プライマりプーリの回転上昇が
    継続したと想定して、上記第2時点より後の第3時点に
    おける上記プライマりプーリの回転数を予測し、同予測
    回転数を目標プライマリプーリ回転数として固定目標変
    速比を設定する目標変速比設定手段と、を有し、 上記第2時点から上記第3時点までの間の目標変速比を
    上記固定目標変速比に設定するように構成されたことを
    特徴とする無段変速機の変速制御装置。
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