JP2751511B2 - 電圧非直線抵抗器の製造方法 - Google Patents
電圧非直線抵抗器の製造方法Info
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- JP2751511B2 JP2751511B2 JP2006599A JP659990A JP2751511B2 JP 2751511 B2 JP2751511 B2 JP 2751511B2 JP 2006599 A JP2006599 A JP 2006599A JP 659990 A JP659990 A JP 659990A JP 2751511 B2 JP2751511 B2 JP 2751511B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、各種電子機器などの回路電圧の安定化やサ
ージ及びノイズ吸収などに利用される電圧非直線抵抗器
の製造方法に関するものである。
ージ及びノイズ吸収などに利用される電圧非直線抵抗器
の製造方法に関するものである。
従来の技術 電圧非直線抵抗器は一般にバリスタと称され、電圧の
安定化やサージ吸収などに広く用いられている。その代
表的なものとしては、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とするZ
nOバリスタが知られている。このZnOバリスタは、電圧
非直線性が良く、サージ電流耐量が大きいなどの特徴を
有するものである。その製造方法は、主成分のZnOにBi2
O3,Co2O3,MnO2,Sb2O3,SnO2などの副成分を微量添加し、
有機バインダーなどとともに均一混合を行い、その後、
通常スプレードライヤーなどにより造粒された粉を成形
し、1000〜1400℃で焼結させていた。
安定化やサージ吸収などに広く用いられている。その代
表的なものとしては、酸化亜鉛(ZnO)を主成分とするZ
nOバリスタが知られている。このZnOバリスタは、電圧
非直線性が良く、サージ電流耐量が大きいなどの特徴を
有するものである。その製造方法は、主成分のZnOにBi2
O3,Co2O3,MnO2,Sb2O3,SnO2などの副成分を微量添加し、
有機バインダーなどとともに均一混合を行い、その後、
通常スプレードライヤーなどにより造粒された粉を成形
し、1000〜1400℃で焼結させていた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、従来の方法では焼結過程中の700℃付
近よりBi2O3とSnO2が反応することにより、Bi2Sn3O9が
形成されていた。そのため、ZnOバリスタの結晶粒子の
形成に重要な役目を果たすパイロクロア相(Zn2Bi3Sb3O
14)が形成されず、以上粒成長が起きやすく、バリスタ
電圧のバラツキ、制限電圧特性の悪化という課題を有し
ていた。
近よりBi2O3とSnO2が反応することにより、Bi2Sn3O9が
形成されていた。そのため、ZnOバリスタの結晶粒子の
形成に重要な役目を果たすパイロクロア相(Zn2Bi3Sb3O
14)が形成されず、以上粒成長が起きやすく、バリスタ
電圧のバラツキ、制限電圧特性の悪化という課題を有し
ていた。
本発明は上記のような従来の課題を解決するもので、
バリスタ電圧のバラツキが小さく、制限電圧特性の優れ
た電圧非直線抵抗器を提供することを目的とするもので
ある。
バリスタ電圧のバラツキが小さく、制限電圧特性の優れ
た電圧非直線抵抗器を提供することを目的とするもので
ある。
課題を解決するための手段 この目的を達成するために本発明の電圧非直線抵抗器
の製造方法は、ZnOを主成分とし、副成分として少なく
ともビスマス,アンチモン,スズをそれぞれBi2O3,Sb2O
3,SnO2に換算して、 Bi2O3:0.050〜2.000モル% Sb2O3:0.050〜3.000モル% SnO2:0.050〜3.000モル% の割合で含んでなる原料のうち、ZnO:3.000モル%以
上、Bi2O3:0.025モル%以上,Sb2O3:0.025モル%以上を
あらかじめ混合し、700℃以上で仮焼後添加するもので
ある。
の製造方法は、ZnOを主成分とし、副成分として少なく
ともビスマス,アンチモン,スズをそれぞれBi2O3,Sb2O
3,SnO2に換算して、 Bi2O3:0.050〜2.000モル% Sb2O3:0.050〜3.000モル% SnO2:0.050〜3.000モル% の割合で含んでなる原料のうち、ZnO:3.000モル%以
上、Bi2O3:0.025モル%以上,Sb2O3:0.025モル%以上を
あらかじめ混合し、700℃以上で仮焼後添加するもので
ある。
作用 この方法により、ZnO,Bi2O3,Sb2O3をあらかじめ700℃
以上で仮焼することにより、パイロクロア相が形成され
ることとなり、バリスタ電圧のバラツキが小さくなり、
また制限電圧特性の優れた電圧非直線抵抗器を提供する
ことができることとなる。
以上で仮焼することにより、パイロクロア相が形成され
ることとなり、バリスタ電圧のバラツキが小さくなり、
また制限電圧特性の優れた電圧非直線抵抗器を提供する
ことができることとなる。
実施例 以下、本発明を実施例にしたがって詳細に説明する。
(実施例1) まず、ZnO,Bi2O3,Co2O3,MnO2,Sb2O3,SnO2を下記の第
1表に示すように調合した。そのうち、ZnO:10.000モル
%,Bi2O3全量とSb2O3全量をあらかじめ混合し、900℃で
仮焼を行い添加した。次に、この調合した原料を混合
し、バインダーなどを加え造粒を行った。次いで、この
造粒粉を成形後、1250℃で2時間焼成を行い、直径10m
m,厚さ1mmの焼結体を得た。この焼結体の両端面に電極
を形成して試料とした。そして、各試料につき各50個の
バリスタ電圧(V1mA/mm)を測定し、その平均値とバラ
ツキ(αn-1)を第1表に併せて示す。また、電圧非直
線係数(α),制限電圧比(V25A/V1mA)およびサージ
電流耐量(8/20μs,2500Aの電流印加後のV1mAの変化
率)についても示す。
1表に示すように調合した。そのうち、ZnO:10.000モル
%,Bi2O3全量とSb2O3全量をあらかじめ混合し、900℃で
仮焼を行い添加した。次に、この調合した原料を混合
し、バインダーなどを加え造粒を行った。次いで、この
造粒粉を成形後、1250℃で2時間焼成を行い、直径10m
m,厚さ1mmの焼結体を得た。この焼結体の両端面に電極
を形成して試料とした。そして、各試料につき各50個の
バリスタ電圧(V1mA/mm)を測定し、その平均値とバラ
ツキ(αn-1)を第1表に併せて示す。また、電圧非直
線係数(α),制限電圧比(V25A/V1mA)およびサージ
電流耐量(8/20μs,2500Aの電流印加後のV1mAの変化
率)についても示す。
なお、第1表中の試料1は従来の仮焼を行わずに添加
したものであり、本発明品は試料番号3,4,5,8,9,12,13
である。
したものであり、本発明品は試料番号3,4,5,8,9,12,13
である。
上記の第1表から明らかなように、ZnO,Bi2O3,Sb2O3
を仮焼後、添加したものは、バリスタ電圧のバラツキが
小さくなっている。また、制限電圧特性も優れたもので
ある。しかし、Bi2O3が0.050モル%より少ない場合はサ
ージ電流耐量の変化が大きく、また2.000モル%より多
くなると制限電圧特性が悪くなり、共に好ましくない。
さらに、Sb2O3が0.050モル%より少ない場合は制限電圧
特性,サージ電流耐量が悪くなり、3.000モル%より多
くなるとαが悪くなり、共に好ましくない。また、SnO2
が0.050モル%より少ない場合、サージ電流耐量が悪
く、3.000モル%より多くなるとαが悪くなり、共に好
ましくない。
を仮焼後、添加したものは、バリスタ電圧のバラツキが
小さくなっている。また、制限電圧特性も優れたもので
ある。しかし、Bi2O3が0.050モル%より少ない場合はサ
ージ電流耐量の変化が大きく、また2.000モル%より多
くなると制限電圧特性が悪くなり、共に好ましくない。
さらに、Sb2O3が0.050モル%より少ない場合は制限電圧
特性,サージ電流耐量が悪くなり、3.000モル%より多
くなるとαが悪くなり、共に好ましくない。また、SnO2
が0.050モル%より少ない場合、サージ電流耐量が悪
く、3.000モル%より多くなるとαが悪くなり、共に好
ましくない。
(実施例2) Bi2O3:0.500モル%,Co2O3:0.500モル%,MnO2:0.500モ
ル%,Sb2O3:1.000モル%,SnO2:0.500モル%,残量ZnOと
いう組成の中で、ZnO,Bi2O3,Sb2O3を下記の第2表に示
す比率であらかじめ混合し、900℃で仮焼後添加し、各
試料を作成した。その時の各特性を下記の第2表に示
す。ここで、その他の作製条件は実施例1と同様であ
る。
ル%,Sb2O3:1.000モル%,SnO2:0.500モル%,残量ZnOと
いう組成の中で、ZnO,Bi2O3,Sb2O3を下記の第2表に示
す比率であらかじめ混合し、900℃で仮焼後添加し、各
試料を作成した。その時の各特性を下記の第2表に示
す。ここで、その他の作製条件は実施例1と同様であ
る。
第2表から明らかなように、ZnO:3.000モル%以上,3B
i2O3:0.025モル%以上,Sb2O3:0.0250モル%以上をあら
かじめ仮焼し添加したものは、バリスタ電圧のバラツキ
が小さく、制限電圧特性に優れている。また、ZnO:3.00
0モル%未満,Bi2O3:0.025モル%未満,Sb2O3:0.025モル
%未満の場合には、異常粒成長を抑制するのに必要なパ
イロクロア相が十分に形成されないため、効果を示さな
いと考えられる。したがって、ZnO:3.000モル%以上,Bi
2O3:0.025モル%以上,Sb2O3:0.025モル%以上で、異常
粒成長を抑制するのに必要なパイロクロア相が得られる
ものである。
i2O3:0.025モル%以上,Sb2O3:0.0250モル%以上をあら
かじめ仮焼し添加したものは、バリスタ電圧のバラツキ
が小さく、制限電圧特性に優れている。また、ZnO:3.00
0モル%未満,Bi2O3:0.025モル%未満,Sb2O3:0.025モル
%未満の場合には、異常粒成長を抑制するのに必要なパ
イロクロア相が十分に形成されないため、効果を示さな
いと考えられる。したがって、ZnO:3.000モル%以上,Bi
2O3:0.025モル%以上,Sb2O3:0.025モル%以上で、異常
粒成長を抑制するのに必要なパイロクロア相が得られる
ものである。
(実施例3) Bi2O3:0.500モル%,Co2O3:0.500モル%,MnO2:0.500モ
ル%,Sb2O3:1.000モル%,SnO2:0.500モル%,ZnO残量の
組成の中で、ZnO:10.000モル%,Bi2O3:0.500モル%,Sb2
O3:1.000モル%をあらかじめ混合し、各温度で仮焼後添
加し、上記実施例1と同様の方法で試料を作製した。そ
して、各試料につき、バリスタ電圧のバラツキ
(αn-1)と制限電圧比(V25A/V1mA)を確認した。その
結果を第1図,第2図に示す。第1図,第2図から明ら
かなように、700℃以上で仮焼を行ったものはバラツキ
が小さく、制限電圧特性に優れているものである。な
お、仮焼温度が1200℃を超えると仮焼物が固くなるの
で、できれば1200℃以下が望ましい。
ル%,Sb2O3:1.000モル%,SnO2:0.500モル%,ZnO残量の
組成の中で、ZnO:10.000モル%,Bi2O3:0.500モル%,Sb2
O3:1.000モル%をあらかじめ混合し、各温度で仮焼後添
加し、上記実施例1と同様の方法で試料を作製した。そ
して、各試料につき、バリスタ電圧のバラツキ
(αn-1)と制限電圧比(V25A/V1mA)を確認した。その
結果を第1図,第2図に示す。第1図,第2図から明ら
かなように、700℃以上で仮焼を行ったものはバラツキ
が小さく、制限電圧特性に優れているものである。な
お、仮焼温度が1200℃を超えると仮焼物が固くなるの
で、できれば1200℃以下が望ましい。
発明の効果 以上のように、本発明はあらかじめZnO,Bi2O3,Sb2O3
をあらかじめ混合し、700℃以上で仮焼後添加すること
により、パイロクロア相が形成されることとなり、バリ
スタ電圧のバラツキが小さくなり、また制限電圧特性も
優れたものとなる。
をあらかじめ混合し、700℃以上で仮焼後添加すること
により、パイロクロア相が形成されることとなり、バリ
スタ電圧のバラツキが小さくなり、また制限電圧特性も
優れたものとなる。
第1図は本発明方法を説明するための仮焼温度とバリス
タ電圧のバラツキの関係を示す図、第2図は同じく仮焼
温度と制限電圧比の関係を示す図である。
タ電圧のバラツキの関係を示す図、第2図は同じく仮焼
温度と制限電圧比の関係を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】酸化亜鉛(ZnO)を主成分とし、副成分と
して少なくともビスマス,アンチモン,スズをそれぞれ
Bi2O3,Sb2O3,SnO2に換算して、 Bi2O3:0.050〜2.000モル% Sb2O3:0.050〜3.000モル% SnO2 :0.050〜3.000モル% の割合で含んでなる原料のうち、ZnO:3.000モル%以
上、Bi2O3:0.025モル%以上、Sb2O3:0.025モル%以上を
あらかじめ混合し、700℃以上で仮焼後添加することを
特徴とする電圧非直線抵抗器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006599A JP2751511B2 (ja) | 1990-01-16 | 1990-01-16 | 電圧非直線抵抗器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006599A JP2751511B2 (ja) | 1990-01-16 | 1990-01-16 | 電圧非直線抵抗器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03211705A JPH03211705A (ja) | 1991-09-17 |
JP2751511B2 true JP2751511B2 (ja) | 1998-05-18 |
Family
ID=11642799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006599A Expired - Lifetime JP2751511B2 (ja) | 1990-01-16 | 1990-01-16 | 電圧非直線抵抗器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2751511B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3039224B2 (ja) * | 1993-09-29 | 2000-05-08 | 松下電器産業株式会社 | バリスタの製造方法 |
JP2008100856A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Koa Corp | 酸化亜鉛積層チップバリスタの製造方法 |
CN102126852B (zh) * | 2011-03-22 | 2013-06-05 | 襄樊市三三电气有限公司 | 一种氧化锌压敏电阻陶瓷的制备方法 |
-
1990
- 1990-01-16 JP JP2006599A patent/JP2751511B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03211705A (ja) | 1991-09-17 |
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Legal Events
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