JP2748966B2 - ハナバチ類用人工巣 - Google Patents

ハナバチ類用人工巣

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JP2748966B2 JP7017946A JP1794695A JP2748966B2 JP 2748966 B2 JP2748966 B2 JP 2748966B2 JP 7017946 A JP7017946 A JP 7017946A JP 1794695 A JP1794695 A JP 1794695A JP 2748966 B2 JP2748966 B2 JP 2748966B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハナバチ類用人工巣に関
し、特に、巣材としてろう引き処理を施した紙製の中空
筒体を用いる形式の人工巣における改良された筒孔類営
巣性野生ハナバチ類用の人工巣に関する。
【0002】
【従来の技術】筒孔類営巣性ハナバチ類として、マメコ
バチ(Osmia cornifrons)を含むツツハナバチ属(Osmi
a)、ハキリバチ属(Megachile)、ヤニハナバチ属(Chal
icodoma)、チビムカシハナバチ属(Hylaeus)、等が知ら
れており、そのなかでもマメコバチはリンゴ、オウトウ
などの落葉果樹の送粉昆虫として飼養されてきている。
これら筒孔類営巣性野生ハナバチ類を営巣させるため
に、これまで主にヨシの枯茎を切断したものが用いられ
てきたが、近年良好なヨシの生育地はほとんどなくな
り、マメコバチを飼養しているリンゴ農家等では、リン
ゴを受粉させるのに必要なマメコバチの巣材であるヨシ
筒の確保が困難となってきている。また、確保できた場
合であっても、農家の労働力不足から、多量のヨシの枯
茎を採取して切断する作業自体も大きな負担となってい
る。
【0003】これらの問題を解決するために、これまで
さまざまなタイプの人工巣が提案されてきており、例え
ば、紙製またはプラスチック製の内径5mm〜9mmの
ストローやチューブの後端を粘土やパラフィンなどで閉
鎖し、束ねただけのものや、これを容器に収納したも
の、または中空になるように厚紙を丸めたペーパーロー
ルコアをワックス処理したもの等がある(例えば、実開
平2−969号公報、実開平2−26469号公報、実
開平5−37064号公報等参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は筒孔類営巣
性ハナバチ類、特に、マメコバチをリンゴ、オウトウな
どの落葉果樹の送粉昆虫として長年にわたり飼養し、か
つ、その生態の研究を行い、その過程において、すでに
提案されている種々の人工巣についても多くの実験を行
った。そこにおいて、従来の人工巣は、ハチの定着率
や選択率が低い、産卵数が少ない、子孫の幼態時の
死亡率が高い、特定の寄生バチに攻撃され易い、等の
欠点があり、実用化には困難を伴うことを経験した。ま
た、実際の作業において、巣材としての筒状部の後端
を閉鎖するために多くの労力を必要とすること、巣材
を収納する容器は画一的な大きさのものであり、営巣個
体数に応じた人工巣数を適切に設定できないこと、等の
構造的問題があることも知った。
【0005】そのために、従来の人工巣では、天然のヨ
シ筒を用いた場合のように正常なハチの営巣活動や増殖
は期待できなかった。従って、本発明の目的は、筒孔類
営巣性ハナバチ類、特に、マメコバチ用のより改良され
た人工巣を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決し、かつ、目的を達成するために、筒孔類営巣性
ハナバチ類、特に、マメコバチの営巣習性、天敵の寄生
様式等の生態の研究を継続して行うことにより、次のよ
うな構成を持つ人工巣がハナバチ類用人工巣として特に
優れていることを知覚した。
【0007】すなわち、本発明によるハナバチ類用人工
巣は、基本的に、ろう引き処理を施した中空筒体を、上
下の2枚の板部材からなる収納ケース内に、一方端側が
大気に解放した状態で複数本、所定の間隔をおいて平行
に収納した人工巣単位体を、複数段積層してなることを
特徴とする。前記中空筒体は紙製であることが好ましい
が、合成樹脂等他の材料を用いることもできる。また、
上下の2枚の板部材は発泡合成樹脂材料により成形する
ことが成形のし易さやコストの点から好ましいが、非発
泡合成樹脂、パーティクルボード等の加工木材、天然木
材等を用いて成形することもできる。
【0008】前記中空筒体にその長さ方向に切れ込みを
形成すること、前記収納ケースを構成する下方の板部材
を、収納されている紙製の中空筒体の前記解放側端部の
先端よりも前方に突出するようにすること、さらには、
前記収納ケースを構成する上下の2枚の板部材には、重
ね合わせたときに互いに係合することとなる凹条と凸条
とを形成すること等は好ましい態様であり、より目的を
達成することができる。また、各板部材には着色を施
し、多段に積層するに際して異なった着色のものを適宜
用いるようにすることも好ましい態様である。
【0009】なお、中空筒体の内径はハチの種類によっ
て適宜選択されるが、本発明者の実験によれば、4mm
〜18mm程度が好ましく、特に、マメコバチ用の人工
巣の場合には7mm程度が好ましい。中空筒体の長さは
100mm〜200mm程度のものが好ましく、本発明
者らの経験によれば150mm程度が最も有効であっ
た。これは、この長さがほとんどの筒孔類営巣性野生ハ
ナバチ類が営巣に好んで選択し、かつ子孫の増殖に悪影
響を及ぼしにくい長さであることによる。
【0010】また、中空筒体同士の間隔は、巣筒外から
産卵管を挿入して寄生するタイプの寄生蜂による加害を
防止するための最低限の距離を設ける理由から、7.5
mm以上であることが好ましく、実際に本発明者らの経
験によれば、7.5mm程度あれば寄生回避に有効であ
った。これは、この厚さであれば、寄生性天敵であるツ
ツハナトゲアシコバチ(Monodontomerus osmiae) による
寄生(産卵管の挿入)を回避できることによる。
【0011】
【作用】本発明の人工巣は上記の構成であり、ハチが営
巣に利用する中空筒体を上下の2枚の板部材からなる収
納ケース内に、一方端側が解放した状態で複数本所定の
間隔をおいて平行に収納して人工巣単位体を構成し、そ
れを所要段だけ積層したものをハチの活動期間中に巣箱
内に設置し放置することによって、中空筒体内にハチを
営巣させることができる。
【0012】本発明による人工巣においては、人工巣単
位体の数量を変更することによって営巣個体数に応じた
最適の人工巣数を容易に設定することが可能となる。ま
た、ハチが営巣に直接利用する部位は中空筒体であり、
それは上下の板部材からなる収納ケースに取り外し自在
に挿入されているので、該中空筒体を入れ替えるだけで
収納ケース部は数年間継続して利用でき、コスト的にも
有利となる。中空筒体の引き出しは容易であり、また繭
を中空筒体から離脱させることで、軟X線による健全繭
のチェックが容易となる。中空筒体に切れ込みを形成す
ることにより、巣内の繭の取り出しは一層容易となる。
【0013】中空筒体に切れ込みを形成する場合、本発
明者の実験によれば、その切れ込み部が真上にくるよう
にして上下の2枚の板部材からなる収納ケース内に配置
した場合に、より活発な営巣活動が得られた。これは、
中空筒体の天井(真上)部は筒内部の部位のうちハチに
よって最も注視されにくい部分であり、この部位に切れ
込みがくることでハチの営巣活動を妨げないという理由
によるものと考えられる。しかし、切れ込み部が真上で
ない場合でも営巣が行われていることも確認された。
【0014】また、収納ケースの前方部分にプラットホ
ームとして機能する突出部を形成する場合には、この部
分をハチが巣筒から出入りする際の離着陸に利用するこ
とができ、営巣活動がスムーズに行えるようになること
も確認できた。さらに、ハチの認識しやすい色の上下の
板部材をランダムに組み合わせることで、営巣中のハチ
が自分の巣を識別するのを容易とし、それによっても営
巣活動をスムーズにすることができることが確認され
た。
【0015】
【実施例】以下に、図示したマメコバチ用人工巣の実施
例に基づいて、本発明によるハナバチ類用人工巣をさら
に詳しく説明する。図1は本発明による人工巣単位体a
を多数個(n個)積層した人工巣Aを示す斜視図であ
り、第2図はその正面図を示している。人工巣単位体a
は発泡スチロールにより一体成形された上板部材10及
び下板部材20を有する。両者は幅W及び厚さhは等し
くされるが、奥行きLは上板部材10よりも下板部材2
0が幾分長いものとされる。この実施例において、幅W
は共に270mm、厚さhはすべて7.5mmであり、
奥行きLは、上板部材10がL1 =155mm、下板部
材20はL2 =162mmとされている。
【0016】図3にその裏面を示すように、上板部材1
0にはその裏面側に半円状の断面を持つ凹状溝11が所
定の間隔をおいて平行に複数本形成されており、該凹状
溝11の一方端は閉塞端13となっていて、その部分に
は半円形状の突出部14が一体成形されている。さら
に、上板部材10の幅W方向の両端近傍及び中央部分に
おける表面側には断面方形である凹条15a、15bが
形成され、かつ、該凹条15a、15bに対向する裏面
側には凹条15a、15bの断面より幾分小さい断面を
持つ凸条16a、16bが形成されている。この実施例
において、凹状溝11は16本、その断面をなす半円の
直径d(すなわち、凹状溝11の幅)は7.5mm、各
凹状溝11・・・間の距離sは7.5mmであり、ま
た、前記突出部14の厚さcは5mmとされている。従
って、凹状溝11の実質長さL12は150mm(L1
c)となっている。
【0017】下板部材20は、その表面側であって、前
記した上板部材10と重ね合わせたときに該上板部材1
0に形成した凹状溝11と対向する位置に、凹状溝11
と同じ形状の凹状溝21が同じ本数形成されており、か
つ、その幅W方向の両端近傍及び中央部分における表面
側にも同様の凹条25a、25bが形成され、また、該
凹条25a、25bに対向する裏面側には凹条25a、
25bの断面より幾分小さい断面を持つ凸条26a、2
6bが形成されている。
【0018】図4は巣材として用いられるろう引き処理
を施した紙製の中空筒体30を示しており、図示の実施
例のように好ましくはその長さ方向の全長にわたり切れ
込み31が形成される。中空筒体30の大きさは、上記
した上板部材10と下板部材20とを図1、図2のよう
に、後方端を一致させかつそれぞれの凹状溝11と21
とが対向する姿勢で重ね合わせたときに形成される挿入
孔Hにほぼ密着状態で挿入される大きさとされる。
【0019】中空筒体の素材としては、紙材料に限らず
ポリプロピレンのような合成樹脂材料等も用いることが
できるが、ハチの定着率、選択率等を向上させるという
理由から、紙を材料としてそこにろう引きしたものが特
に好ましい。中空筒体にはろう引きの前あるいは後に、
長さ方向の切れ込み31が形成される。なお、この実施
例において、中空筒体30の内径d30は7mm、長さL
30は150mmとされている。
【0020】人工巣単位体aの組み立ては、上板部材1
0を表裏反転させて各凹状溝11内に中空筒体30を挿
入する。その際に、中空筒体30に形成した切れ込み3
1を下面側、好ましくは真下にくるようにして挿入す
る。次に、その上から下板部材20を凹状溝21を下面
側として載置した後、全体を反転させる。そのようにし
て組み立てられた人工巣単位体aが複数個(図示のもの
ではn個)積み重ねられ、図1、図2に示すような本発
明によるハナバチ類用人工巣Aは構成される。なお、実
際の使用に際しては、人工巣Aは適宜の巣箱に収納され
る。
【0021】通常、1つの巣箱には数枚〜数十個の人工
巣単位体aが収納される。前記のように、上下の板部材
10、20の幅方向の両端近傍及び中央部分は相互に嵌
合できる凹条と凸条が形成されているので、すべての板
部材は横移動しない状態で密着状に積層可能である。図
5は本発明による人工巣Aの前方部分を一部拡大した斜
視図であり、図6は図5の人工巣において、上板部材1
0と下板部材20とにより形成される収納ケース部に挿
入した紙製の中空筒体30を見やすくするために上板部
材10を上方向に外したときの斜視図である。前記した
ように、下板部材20の奥行きL2 は上板部材10の奥
行きL1 よりも幾分長いものとされている(この実施例
では7mm長くされている)ので、相互に組み付けた状
態では、下板部材20の先端は上板部材10の先端より
も7mmだけ前方に突出した状態となり、該突出部にお
ける前記凹状溝21部分は、プラットホーム部Pとして
利用される。
【0022】本発明において、上板部材10と下板部材
20は共に無着色状態で成形してもよく、着色剤と共に
成形してもよく、成形後に着色してもよい。着色は営巣
するハチの生態を考慮して行うことが望まれるが、実験
では白色(無着色)、緑色、黄色、青色の4色のものと
し、それを巣箱内にランダムに組み合わせて収納したも
のが有効であった。
【0023】上記の説明は本発明による人工巣の一実施
例にすぎず、他に多くの変形例が存在する。収納ケース
すなわち上板部材と下板部材を発泡スチロールで構成し
たのは、生産コストを低く抑えることができることによ
り、これに限らず、前記のように、他の発泡あるいは非
発泡合成樹脂材料で構成することも可能である。また、
プラットホームPを構成する突出部は、それを一体に設
けることは必須ではなく、他の部材により形成してもよ
く、ハチの種類によっては設けない場合もあり得る。上
板部材10の端部に形成した半円形状の突出部14は、
上板部材10と下板部材20とにより人工巣単位体aを
組み立てたときに形成される挿入孔Hの一端を閉塞する
ために設けられるものであって、閉塞の目的が達成でき
るものであればその位置や形状は任意であることは理解
されよう。
【0024】さらに、上下の板部材に形成した凹条と凸
条は、2つの板部材の位置合わせを有利にする目的で形
成するものであるが、必須ではなく、押さえ枠等の手段
により容易に位置合わせができる場合には、不要であ
る。また、上記の実施例はマメコバチ用の人工巣として
望ましいものであるが、他の筒孔類営巣性野生ハナバチ
類を営巣させる場合にあっては、中空筒体30の内外径
と、それに対応する中空筒体用の挿入孔Hを構成する上
下の板部材10、20に形成される凹状溝11、21の
直径を適宜変更する。本発明者らの実験によれば、中空
筒体の内径d30の変更幅は、小型のチビムカシハナバチ
属から大型のヤニハナバチ属までで4mm〜18mmで
あった。
【0025】前記構成を持つ本発明による人工巣は、以
下のような機能を奏することができる。すなわち、 上下の板部材10、20の組み合わせにより人工巣
単位体aが構成されるため、該人工巣単位体aの数量を
変更することによって、営巣個体数に応じた人工巣数を
容易に設定することができる。
【0026】 ハチが営巣に直接利用する部位は中空
筒体30のみであり、中空筒体30を入れ替えるだけで
上下の板部材10、20や、それを収納する巣箱等の収
納材料は数年間継続して利用できる。 中空筒体30を引き出すことで、また繭を中空筒体
から離脱させることで、軟X線による健全繭のチェック
が容易となる。その際に、中空筒体に切れ込み31を形
成することにより、ハチの営巣後、巣内の繭を一層容易
に取り出すことができる。
【0027】 上板部材10より下板部材20を長く
してプラットホームPを形成することにより、この部分
をハチが巣筒から出入りする際に離着陸に利用すること
が可能となり、営巣活動がスムーズに行えるようにな
る。 上板部材10の最奥部に栓状部材14を設けること
によって、中空筒体30自体の後端に栓をするための作
業が省略でき、コストの低減となる。
【0028】 ハチの認識しやすい色の上下の板部材
10、20をランダムに組み合わせることで、営巣中の
ハチが自分の巣を識別しやすくすることができる。 なお、上記の実施例において、中空筒体用の挿入孔H間
の距離を7.5mmとしたのは、特にツツハナバチ属の
寄生性天敵であるツツハナトゲアシコバチによる寄生
(産卵管の挿入)を回避できる厚さを設けるためであ
り、また、中空筒体の長さを150mmに設定したの
は、この長さがほとんどの筒孔類営巣性野生ハナバチ類
が営巣に好んで選択し、かつ子孫の増殖に悪影響を及ぼ
しにくい長さであることによる。これより有意に長くし
たり短くしたりすると、ハチの定着率が低下したり、子
孫の性比がオスに偏ったりするため、経済的ではない
が、本発明はこの数値に制限されるものではなく、ハチ
の種類や習性に応じて実験的に最適のものを適宜定めれ
ばよい。
【0029】また、営巣させるハチの種類によって、中
空筒体30の内径とそれに対応する中空筒体挿入孔Hの
口径を変更させることが必要となる。その理由は、ハチ
の種類によって、営巣に選択する巣筒の口径サイズの範
囲が異なること、及び、子孫のメス比率を最も高くする
ための巣筒口径サイズの範囲がさらに狭く限定されるこ
と等による。また、子孫の増殖にとって最適サイズの口
径を設定することで、放飼したハチの定着率を高める効
果も得られる。
【0030】さらに、上記の実施例において、中空筒体
30と上下の板部材10、20を重ねたときに生じる中
空筒体挿入孔Hとの口径差を0.5mmとし、両者がほ
とんど密着するようにしたのは、余分な隙間をなくすこ
とが巣筒内に貯蔵された花粉団子の乾燥を防ぎ、子孫の
幼態時の死亡率を低下させるためと、放飼したハチの定
着率を高めるためであるが、この数値は必須でないこと
も容易に理解されよう。
【0031】
【発明の効果】本発明の人工巣は上記の構成であり、筒
孔類営巣性野生ハナバチ類の人工巣において、その定着
率、選択率、増殖率を高くすることができ、同時に、利
用の簡便性を高め、かつ、営巣完了後のハチの管理作業
を容易に行うことができる。すなわち、営巣個体数に応
じた最適の人工巣数を容易に設定することが可能とな
り、コストを低減できる。また、ハチが営巣に直接利用
する部位である中空筒体と収納ケースとは別部材により
構成され、かつ取り外し自在となっているので、中空筒
体を入れ換えるのみで人工巣として数年間継続して利用
可能であり、この点からもコスト的に有利となる。ま
た、中空筒体を引き出しさらに繭を中空筒体から離脱さ
せることで、繭のチェックも容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工巣単位体を積層して構成した人工巣を示す
斜視図。
【図2】人工巣の正面図。
【図3】上板部材を裏面側から見た斜視図。
【図4】中空筒体を示す斜視図。
【図5】人工巣の右下前部を一部拡大した斜視図。
【図6】人工巣単位体の上板を上方向に移動した状態で
の斜視図。
【記号の説明】
a…人工巣単位体、10…上板部材、11…上板部材に
形成した凹状溝、15a、15b…上板部材に形成した
凹条、16a、16b…上板部材に形成した凸条、20
…下板部材、21…下板部材に形成した凹状溝、25
a、25b…下板部材に形成した凹条、26a、26b
…下板部材に形成した凸条、30…中空筒体、31…中
空筒体の切れ込み、P…プラットホーム。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ろう引き処理を施した中空筒体を、上下の
    2枚の板部材からなる収納ケース内に、一方端側が解放
    した状態で複数本所定の間隔をおいて平行に収納した人
    工巣単位体を、複数段積層してなることを特徴とするハ
    ナバチ類用人工巣。
  2. 【請求項2】前記紙製の中空筒体は、長さ方向に切れ込
    みを有していることを特徴とする請求項1記載のハナバ
    チ類用人工巣。
  3. 【請求項3】前記収納ケースを構成する下方の板部材
    は、収納された紙製の中空筒体の前記解放側端部の先端
    よりも前方に突出する部分を有していることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のハナバチ類用人工巣。
  4. 【請求項4】前記収納ケースを構成する上下の2枚の板
    部材には、重ね合わせたときに互いに係合することとな
    る凹条と凸条とがそれぞれ形成されていることを特徴と
    する請求項1ないし3いずれか記載のハナバチ類用人工
    巣。
  5. 【請求項5】異なった色に着色された上板部材あるいは
    下板部材を適宜積層していることを特徴とする請求項1
    記載のハナバチ類用人工巣。
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