JP4260569B2 - 受粉用ミツバチの紙製巣箱 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、養蜂に不可欠な器具である巣礎、巣盤及び巣箱に関し、青果物または果樹等の花粉交配に特に適したミツバチの巣礎、巣盤及び巣箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
はちみつ、蜜蝋、ローヤルゼリーなどの生産を目的とする養蜂は、女王バチを中心とする数万匹の群を用いて行なわれている。また、近年、わが国では、イチゴ、メロン、サクランボなどの果実、スイカ、カボチャ、キュウリ等の果菜の栽培、特にハウス栽培において、受粉を行なうためにミツバチを利用する方法が行なわれつつある。この方法は、一般に昆虫のいない時季、または昆虫の少ない場所での受粉のために、数千匹単位のミツバチをハウス内等に放ち、ミツバチのもつ野菜、果樹類の花粉媒介昆虫(ポリネーター)として役割を利用して、花粉交配させるというものである。
【0003】
ハウス栽培される野菜や果物のうち、昆虫媒介受粉をする作物は、昆虫の少ないハウス内では自然受粉をしないため、ホルモン剤などを使い、人の手により一つ一つの花に花粉を付着させる人工交配が従来行なわれてきた。しかしながら、人工交配では人手により受粉作業を行なうため労働力が大きい割に結実しないものもかなりの割合で発生するほか、近年の環境問題に関する関心の高まりから、ホルモン剤などの薬剤の使用を最小限に控えた農産物への需要が高まっている。
ミツバチは、みつや花粉を集めながらチョウの何倍もの速さで花を追い求めて飛び回り、主に決まった種類の花を頻繁に訪れ、毛深い体中花粉にまみれるので、花粉媒介も一層効果的に行なわれ受粉効率が高いといわれている。
このようなミツバチの優れた花粉媒介能力を利用し、作物の花粉交配に使用すれば、人工交配に較べて低い労働力で結実効果を上げることができ、しかも薬物を使用しないで野菜や果実の受粉率を高めることができる。こうしたことから果樹園や野菜農家では、ミツバチによる花粉交配が盛んに行なわれるようになってきたのである。
【0004】
花粉交配用のミツバチは、養蜂会社によって、通常、種蜂と呼ばれる、一匹の女王バチと数千匹の働きバチからなる単位の群を収容した巣箱単位で農家等に販売される。
上記ミツバチを収容した巣箱はミツバチを運搬し、飼養する外装箱であって、該箱体の中には巣脾と呼ばれるミツバチが営巣した巣盤が数cm間隔で複数枚が釣り下げ保持収容されている。
外装箱の下部には巣門と呼ばれるミツバチの出入り口が設けられ、上面には天蓋を設けて巣脾が出し入れ可能になるように構成されている。
【0005】
ところで、従来の受粉用ミツバチに使用されてきた巣箱は、ベニヤ板や杉板などで作成した木箱前面の下部に出入り口(巣門)が設けられ、また巣脾の状態を上から検査できるように天面は開閉可能な蓋により閉じられている。蓋をあけると、数枚(5〜10枚程度)の木製巣枠が垂直に下がっている。巣枠と巣枠の間には狭い通路があり、その通路の間隔は10〜12mm程度で、ミツバチの平均体幅の2倍にあたり、ミツバチが背中合わせに動き回ることができるようになっている。
【0006】
また巣枠に張り付ける巣礎は、蜜蝋とパラフィンで人工的に造った薄い板が使用され、その板両面にはミツバチが巣を作りやすいようにプレス機で正六角形(内径約5mm)の型押しがなされている。この型板は、一般的には約41×20cmの大きさであり、重量は58〜60g程度であった。
【0007】
巣礎を保持する巣枠は上下左右4本の角材よりなる桟で四辺形の枠を作り、その木枠に金属線を張り、巣礎の一部を加熱して巣礎中に金属線を通して冷却し固定している。しかし巣礎は蜂巣の土台となるものであるからこの巣礎張り作業は、取付け強度も要求される難しく熟練が要求される作業である。そこで、専門家以外の者が簡単に巣礎の固定ができるようにすることを目的にした巣枠が提案されている(特許文献1参照)。
【0008】
前述したように受粉用のミツバチの巣箱は、養蜂会社から注文農家に運搬し、農家はこの巣箱を所有する分散したハウスに運搬設置して使用するため、軽量で運搬等取扱いが容易なものが望まれている。またミツバチの活動は気温に左右され、巣箱の管理温度が不適切であると生育や活動が低下し、場合によっては死滅してしまうことがある。一般の養蜂ではミツバチの数が多く、巣箱の中に固まることで巣箱内の温度低下を防ぐことができるが、受粉用のミツバチは群を構成するミツバチの数が少ないため、巣箱に十分な保温力が求められている。
【0009】
さらにミツバチにはダニ等が寄生したり、蜂病に感染することがあるので、ダニや病気の感染を防ぐために使用後の巣箱は解体して廃棄、焼却処分を行なうことが多いものである。このため経済的に安価で、運搬等使用時の取扱いが簡単で、しかも使用後廃棄物として農家の処理が短時間で容易に行え、かつ焼却又は埋立て処分しても金属類が残渣とならないミツバチ巣箱が求められている。このような農家のニーズにこたえる巣箱の提案がされている。(例えば、特許文献2〜4参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平11―313570号公報(ミツバチ飼育用巣枠)
【特許文献2】
特開2001−161205号公報(みつばち巣箱)
【特許文献3】
特開2001−178298号公報(ミツバチ巣箱)
【特許文献4】
実公平6―36694号公報(折畳養蜂箱)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ミツバチは、体から分泌された蜜蝋によって、巣礎の両面に略六角形をした壁を盛り上げて巣穴を作り、その巣穴内部に蜂卵、花粉、蜂蜜等を貯蔵するものであるが、従来使用されている蜜蝋とパラフィンの薄板を素材とする巣礎を元にしてミツバチに造巣させた場合、巣脾が完成されるまでには3〜4ヶ月を要するのが現状であった。ミツバチが造巣に要する期間は短期間であるほど養蜂会社はミツバチを早期に出荷できるようになり、また、該当作物の開花期間に左右される花粉交配期間に合わせたタイミングでの出荷が可能になるため、ミツバチの造巣期間を短縮することが望まれていた。
また、前述した通り巣枠及び巣箱に木材を使用したものは製作に熟練さと多くの手数を要し工業的に生産するのに困難があるほか、製作素材として木材のほかに金属の釘、ネジ、針金を使用するので重量がかさみ、また保管、輸送及び管理の面でも不便がある。
そのうえ、使用後の分解、解体処理の面でも時間と手間がかかり、焼却或いは埋立て処分しても金属かすが発生するという問題がある。
先の特許文献1〜3に示す巣枠は、いずれも木またはプラスチック等を素材として四辺形の枠をつくり、その枠体に係止部材また針金を張って蜜蝋で造った巣礎を取付ける構造であったから、製造に手間がかかるという問題があった。
また特許文献2〜4に示すミツバチ巣箱は、箱本体を撥水段ボールまたは防水加工紙で形成したものではあるが、巣礎や巣枠は従来品がそのまま使用されている上に通気窓部には金網等が使用されていたので、巣枠、巣箱を使用後に焼却処理したときに、金属が焼却残渣として発生するという課題があった。この点は、長期間同じ巣箱を使用して蜂蜜等を採集するためのミツバチ巣箱と異なり、受粉用に使用するミツバチ巣箱の場合は、目的の作物の花粉交配期間が終了すると、通常は、他へ転用することなく焼却処分されるために、特に問題となっていた。
【0012】
本発明の目的は、第一にミツバチの造巣期間を短縮可能な巣礎を提供し、ミツバチの早期出荷を可能とするものである。
本発明の他の目的は、巣礎の巣枠への取り付け作業を無用とし、あらかじめ巣礎と巣枠が一体化された生産性の良い巣盤を提供するものである。
本発明の他の目的は、軽量で運搬容易なミツバチ用紙製巣箱を提供するものである。
本発明の他の目的は、金属部材を使用せず、全体がほぼ紙素材で構成され、焼却しても金属残渣が残らず、使用後の廃棄処分が容易であり、特に受粉用に好適なミツバチ用紙製巣箱を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の受粉用ミツバチの紙製巣箱の構成は次の通りである。
(1)セル径が5〜10mmであり、厚さが5〜20mmである紙製ハニカムコア又はロールコアを使用し、これを紙製仕切りの両面に積層し、かつ全体に蜜蝋を塗布又は含浸させて成る紙製巣礎をほぼ四辺形の紙製枠体ではさみ一体に固定した紙製巣盤を、段ボール製の箱体に複数枚収容してなり、使用材料に金属部材を用いないことを特徴とする受粉用ミツバチの紙製巣箱である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の紙製巣礎と紙製巣枠とかなる巣盤の正面図である。符号1は巣盤で、巣枠3により巣礎2の周囲を囲み、固定している。
【0015】
巣礎2は紙製ハニカムコア4を紙製仕切り5の両面に接着等の手段によって積層したものである。該ハニカムコアの対辺間の距離は5〜10mmが、ミツバチの造巣に適しており造巣速度が速いため好適である。また、ハニカムコアの厚さは5〜20mmが好適であり、さらに好適には10〜15mmである。従って、巣礎全体の厚さは10〜40mmが好適であり、さらに好適には20〜30mmである。
前記ハニカムコアと紙製仕切りからなる巣礎全体には蜜蝋が含浸処理されている。また前記紙製仕切りには、略正六角形の型押しがされていてもよい。
巣礎2はミツバチが巣造りを開始する土台となる基材である。巣礎として用いられる紙製ハニカムコア4は、ミツバチの作る巣と同じ正六角形をなし、径もほぼ同じ程度のものを使用する。
ミツバチは体から分泌した蜜蝋を前記巣礎2の両面に予め設けられた巣穴の壁面に更に塗りつけて巣穴を作り上げ、その巣穴の一つ一つに女王バチの生んだ蜂卵や蜂児、働きバチが採集した蜂蜜や花粉が貯えられた巣脾が完成する。
本発明の巣礎は、ミツバチが巣穴を形成する前に、土台となるセルが既に存在するため、ミツバチの巣作り期間が短縮されるものである。
【0016】
巣枠3は巣礎2を保持する略四辺形の枠であり、接着剤で合紙して作製した角紙管製の上部部材6と、同じように作製する紙製アングル等の形材とからなる側部材及び下部材7とからなる。巣礎2の周りを上下左右の枠材で挟み込み、接着剤で接合して巣礎2と巣枠3とを一体化して、巣盤1を作成する。なお、本発明においては、巣礎と巣枠を一体化したものを巣盤と称する。
なおアングル(L型材)に代えてチャンネル(溝型材)を使用しても良い。また、巣枠全てを角紙管で作成しても良い。さらに耐水性が必要な場合には、耐水性段ボールや板紙など耐水原紙を使用して巣枠3を形成するのが良い。
【0017】
図3は本発明の巣箱の一例を示した斜視図であり、図4は箱の内部構成を示した斜視図である。この巣箱8は天面が開放される箱体(所謂ラングストロス式箱と称するもの)9と上蓋10で構成されている。箱体9は、一例として前記巣盤1を定間隔で2〜5枚収納できる大きさである。上蓋10を外すと、上から箱内部の巣盤1を観察したり、巣盤1を出し入れできる。
箱体9および上蓋10は、保温性に優れ、また輸送・保管及び使用時の耐候性を考慮して、軽量で強度も高い耐水性段ボールを使用して作製するのが良い。
【0018】
また、巣箱8の左右何れかの側面下部にはミツバチが出入りするための出入り口である巣門11と換気扉12が設けるのがよい。換気扉12は観音開きまたは折戸式に開閉できるように構成するのがよい。換気扉は箱の両側面に設けても良い。また換気扉の内側には外気を通し、ミツバチの通過を許さない網窓を設けるのがよい。この網窓は合成樹脂製のメッシュ素材、不織布あるいは小さい穴を開設した合成紙などの可燃性素材13で形成することが好ましい。また巣門11にも開閉可能な扉を設けることで、巣箱8を移動する時に、ミツバチが巣箱8から飛び出ないようにする。
【0019】
図4に示すように、箱体9の対向する一対の側壁内面には、巣盤1を固定するための巣盤固定部材14を設ける。この固定部材14は上端に定間隔で巣枠1の上部部材6を嵌合保持する凹部15を設ける。使用に際しては図4に示すように、巣盤1の上部部材6を固定部材14の凹部15にそれぞれ嵌合させて巣箱8内に固定して使用する。
【0020】
図5は巣盤の別の実施形態を示すものである。この巣盤16は蜜蝋を含浸処理した紙製のロールコア18を巣礎17として使用している。この巣礎17は、図1の実施例と同様にセル開口面を外側横向きに配置してなり、セル深さの中央部に紙製の仕切を有する。巣盤16は、前実施形態と同様で角紙管からなる上部部材20と、側部材21と下部材とにより構成されている。
この紙製ロールコアよりなる巣礎17を巣枠19により囲んで接着剤で固定し一体化して巣盤16が形成されている。
ロールコア18のセル形状は、図示のようにミツバチの作る巣の正六角形に近い円筒状で、ミツバチはセルを土台としてその内側に沿って巣穴を形成するが、巣穴形成時に土台となるセルが存在するので、ミツバチは巣穴の造成期間を短縮することができる。
【0021】
なお、本発明で使用可能な紙製ハニカムコアまたはロールコアの原紙としては、蜜蝋の塗工または含浸に適したものを使用することが望ましく、クラフト紙や中芯原紙等が好適に使用できる。また原紙の厚さとしては、ハニカムコアまたはロールコアの加工適性や、及びミツバチの造巣適性より70〜200g/mのものが好適に使用される。
また、紙製仕切りとしては、蜜蝋の塗工または含浸に適したものを使用することが望ましく、クラフト紙や中芯原紙等が好適に使用できる。
また、本発明におけるセル径は、ハニカムコアの場合は対辺の間の距離を、ロールコアの場合は直径を指すものとする。
なお、紙製ハニカムコア、紙製ロールコアを巣枠に固定して巣盤とする際、巣穴となるセルの開口が、巣盤を巣箱に垂直に固定した際に水平となるように配置してもよいが、セルの開口部をやや上向きにすることが更に望ましい。具体的には、巣盤を巣箱に固定したとき、セルの開口部が水平方向から9°〜14°上向いていることが望ましい。このようにセルの開口部をやや上向きにすることで、ミツバチ巣穴に貯蔵する蜂蜜や花粉等が流れ出にくくなり、それによって、ミツバチの営巣及び繁殖速度が上昇するため、より好適である。
【0022】
造巣済みの複数枚の巣盤とともに受粉用ミツバチの群を入れた巣箱8は、養蜂会社から野菜や果物の栽培農家に販売される。農家はこの巣箱を購入してハウス内に設置し、前記蜂群を飼育しながら花粉交配に役立てるものである。従って、巣箱8は巣門11を閉じた状態で保管、運搬される。農家では、巣箱8をハウス内に置き、巣箱8から自由に出入りできるように巣門11を開いて使用する。ミツバチがハウス内を飛び回って、花を訪れ、受粉活動を行なう。巣箱8内の温度が高いときなど、必要に応じて換気扉12を開き、巣箱8の換気を行なう。
【0023】
次に、実施例について本発明をさらに説明する。なお比較のために従来の木製巣枠を用いた木製巣箱を使って、ミツバチが巣礎をベースに巣穴を作成する期間を調べ、また、交配終了後の廃棄性試験のため、巣礎・巣枠一体品(巣盤)を2枚入れた巣箱を燃焼させることで残渣調査を行なった。その結果を表に示す。
【0024】
(実施例1)
80g/mのクラフト紙を原紙とする紙製ハニカムコア(セル径6mm、厚さ12mm)を、80g/mのクラフト紙からなる紙製仕切りの両面に貼合し、蜜蝋をその全体の40重量%含浸させた巣礎を作製した。巣礎の平面寸法は20×40cmの長方形、深さ約25mmとした。径28mmの角紙管によって巣枠を作製して前記巣礎の四辺を挟み、合成樹脂接着剤を使用して接着し、図1の巣盤を作製した。
次に、図4の耐水性段ボール製の巣箱8に、上記巣盤を2枚入れ、1匹の女王バチと数十匹の働きバチからなるミツバチ群を入れ、巣礎をベースに巣脾を作製させ、ミツバチ群が数千匹に繁殖し、かつ巣脾が完成して、出荷可能な状態に至るまでの期間を測定した。
完成後、廃棄性試験のため、完成した巣脾ごと前記巣箱を焼却してその残渣を調べた。
【0025】
(実施例2)
120g/mの中芯原紙を原紙とする紙製ロールコア(セル径8mm、厚さ12mm)を120g/mの中芯原紙からなる紙製仕切りの両面に貼合し、蜜蝋を全体の40重量%含浸させて巣礎を作製した。巣礎の平面寸法は20×40cmの長方形、深さ約25mmとした。続いて径28mmの角紙管によって巣枠を作製して前記巣礎の四辺を挟み、合成樹脂接着剤を使用して接着し、図5の巣盤を作製した。
次に、図4の耐水性段ボール製の巣箱8に、上記巣盤を2枚入れ、1匹の女王バチと数十匹の働きバチからなるミツバチ群を入れ、巣礎をベースに巣脾を作製させ、ミツバチ群が数千匹に繁殖し、かつ巣脾が完成して、出荷可能な状態に至るまでの期間を測定した。
完成後、廃棄性試験のため、完成した巣脾ごと前記巣箱を焼却してその残渣を調べた。
【0026】
(比較例)
蜜蝋とワックスの混合物からなる薄板をプレス機を用いて径約5mmの正六角形にエンボス加工した従来より使用されている巣礎を、木製巣枠に固定したものを、従来型の木製巣箱に2枚入れ、その巣箱に1匹の女王バチと数十匹の働きバチからなるミツバチ群を入れ、巣礎をベースに巣脾を作製させ、ミツバチ群が数千匹に繁殖し、かつ巣脾が完成して、出荷可能な状態に至るまでの期間を測定した。
完成後、廃棄性試験のため、完成した巣脾ごと前記巣箱を焼却してその残渣を調べた。
【0027】
【表1】
Figure 0004260569
表1の結果から、比較例のものは、ミツバチ群が巣礎の両面に約5mm径、各々深さ約25mmの六角形の巣穴を形成した巣脾を完成させ、出荷可能な状態となるまでに3ヶ月以上を要していたが、本発明によれば、その期間を3ヶ月未満に短縮可能であることが判明した。
また、本発明のミツバチ巣箱では花粉交配終了後に焼却処理しても、残渣が載らないことが判明した。
【0028】
【発明の効果】
本発明の紙製巣礎は、蜜蝋を塗布又は含浸した紙製のハニカムコアまたはロールコアを使用し、予め受粉用ミツバチが巣造りを開始する際のベースとなる巣穴を形成したものであるから、ミツバチが巣作りに要する時間を相対的に短縮でき、受粉用ミツバチ巣箱を農家に出荷できる時期を早めることができる。
【0029】
また、巣礎の製造素材として紙製ハニカムコアまたロールコアを使用し、巣枠の製造素材として接着剤で合紙して形成した紙製形材及び/または角紙管を使用しているため、木枠に張った針金に蜜蝋で造った型板を固定する従来品に比べて巣盤自体は製造コストが大幅に節減でき、経済的に有利であると共に巣盤は軽量で取扱いも容易である。
【0030】
さらに、本発明巣箱はミツバチ巣箱として保管、輸送に有利であり、木材および金属を素材に使用しないので使用後に焼却しても金属残渣が発生しないので、廃棄処分が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による巣盤の一例を示す正面図である。
【図2】 図1のII―II線の縦断面図である。
【図3】 本発明による受粉用ミツバチの巣箱の一例を示す斜視図である。
【図4】 同上巣箱の内部構造を示す分解斜視図である。
【図5】 本発明による巣盤の別実施態様を示す正面図である。
【符号の説明】
1、16 巣盤
2、17 巣礎
3、19 巣枠
4 紙製ハニカムコア
5 仕切
6、20 上部部材
7、21 側部材、下部材
8 巣箱
9 箱体
10 上蓋
11 巣門
12 換気扉
13 網シート
14 巣板固定部材
15 凹部
18 紙製ロールコア

Claims (1)

  1. セル径が5〜10mmであり、厚さが5〜20mmである紙製ハニカムコア又はロールコアを使用し、これを紙製仕切りの両面に積層し、かつ全体に蜜蝋を塗布又は含浸させて成る紙製巣礎をほぼ四辺形の紙製枠体ではさみ一体に固定した紙製巣盤を、段ボール製の箱体に複数枚収容してなり、使用材料に金属部材を用いないことを特徴とする受粉用ミツバチの紙製巣箱。
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