JP3579537B2 - 蜜 蜂 用 巣 箱 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の目的】
この発明は、果樹等の受粉を促す有効な手段として放し飼いにされる蜜蜂のための巣箱に関するものであり、蜜蜂の習性に適った円滑な出入りと、乾燥した環境で蜜蜂の寄り付き易さとが実現されると共に、外敵の進入、攻撃を阻止でき、且つ、取扱い性や製造性に秀れた新規な構造からなる蜜蜂用巣箱を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
サクランボやキウイ等に代表される人工受粉を必要とする果樹は、受粉作業に多くの労力を必要とするため、蜜蜂を放し飼いにして利用する受粉が多く行われている。
従来、これら放し飼いにされる蜜蜂は、ドラム缶や木箱の前後を抜いて形成した筒状の容器の内部に、葦の茎を適当な長さに揃えて束ねた葦束の端部を前後の開口に向ける状態に隙間無く詰め込み、さらに、前後の開口部に金網や防鳥網、魚網等を張って外敵対策を施した巣箱を用い、その場に長く住み着くよう人工的工夫して飼育されてきたものであって、該巣箱は、所謂蜂蜜を採集する養蜂業において採用されるものと違い、専ら蜂の居住性を主体にした構造に形成されてきたものである。
【0003】
こうした構造の蜜蜂用巣箱は、葦の茎が蜜蜂の習性に適った環境の巣孔を有していて、周辺から簡単に入手できる素材であったために、多くの果樹園等では、必要に応じ、自らが上記したとおりの構造の巣箱を簡単に手作りして利用されていたのがこれまでの実情であった。
しかしながら、果樹等の受粉期に野外に放置されたままとなるこれら手作りで間に合わせ的な蜜蜂用巣箱で、蜜蜂の出入り口に外敵用に金網を組み合わせた構造のものでは、その金網部分が次第に錆びが発生して蜜蜂の居付きを悪くすると共に、腐食して破れた箇所から鳥や獣等の外敵に進入され、巣を荒らされてしまうという欠点があったし、防鳥網や魚網等を張設したものでは、その部分にゴミが絡まり易く、円滑な蜜蜂の出入りに支障を来すと共に、簡単に鳥や野良猫等といった外敵が押し込んでしまって、巣の中の蜂の子を食べ尽くしてしまうといった事故が発生し易い等の問題を抱えてきていた。
【0004】
また、ドラム缶や木箱のような廃物を外郭体として利用した巣箱では、内部へ進入した雨水等の排水が思うように実現されず、湿気が少なく乾燥した環境を好む蜜蜂にとって、内部に進入して溜った雨水で何時も濡れた状態で、しかも、湿度の高い葦藁空間は、住難い環境となってしまって蜜蜂を失ってしまうことにも繋がり兼ねず、こうした事態に遭遇し、一旦、蜂を逃がしてしまって受粉の時期に蜜蜂が確保できずじまいになると、収穫量で致命的な結果を招いてしまう虞れもあることから、受粉期を含むその前後の期間で、蜜蜂の活動が活発化する時期や、越冬に入る前の大事な時期等には、これら従前までの手作りの巣箱が、元々、蜜蜂の安全な生息環境を長期に渡って実現、維持し、毎年毎年、確実な受粉効果を上げていくことが難しいものと覚悟されていて、果樹栽培業者においては、毎年の巣箱作りが当然のことのようにして繰り返されてきていた。
【0005】
本願発明者は、こうした蜜蜂用巣箱の現状を鑑みて、蜜蜂の出入りを容易にすると共に、外部からの外敵の攻撃を阻止することができ、且つ、排水機能等を兼ね備えて蜜蜂に適した飼育を可能にすると共に、果樹園内での設置作業も容易で、しかも安価に提供できる構造の蜜蜂用巣箱の開発に着手し、度重なる実験の結果、蜜蜂は、風がある場合等に蜜蜂用巣箱の入口(網目)に直線的に侵入することが困難であり、一旦付近の同程度の高さの物に停まり、入口に侵入する傾向があること、および、風雨を嫌い、巣の入口(網目)付近に雨水が付着していると侵入しなくなること等、これまであまり注目されていなかった蜜蜂の習性を知るに至り、遂に、それら知見を生かした全く新規な構造からなる蜜蜂用巣箱の完成、実用化に成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する幾つかの実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【0006】
【発明の構成】
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の蜜蜂用巣箱は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、切り揃えられた多数の葦藁の切り口部分を、少なくとも前方側の開口部に向けて密に収容可能とする転倒溝型断面の外郭体と、該外郭体の開放された底部全面を閉鎖可能とし、要所要所に適数個の排水孔の穿設された底板体と、これら外郭体と底板体とが組み合わされることによって形成される前後の開口部に略垂設状に配される前後一対の仕切り壁体とからなり、該一対の仕切り壁体の中、少なくとも前方側の開口部に配される仕切り壁体だけは、外郭体の前端縁から所定距離だけ奥まった箇所に規制されて配置されると共に、蜂出入り用の多数の小孔が穿設されてなる侵入用仕切り壁体に形成されてなるものとしたことを特徴とする蜜蜂用巣箱である。
【0007】
外郭体は、後述する床板体と組み合わされて筒状を成し得る構造の転倒溝型断面(底部が上で、下方が開口した断面、標準的な平面形では、前後端側の開口幅および高さが略70cm前後、前後端間が略50cm前後)のプラスチックス製あるいはステンレス製のものとして形成され、床板体と組み合わされて形成される開口部の中の何れか一端側のみ、または、両端側の開口部を葦藁の挿入可能な開口部に形成すると共に、これら開口部の中の少なくとも前方側の開口部には、蜜蜂が通過出入り可能な侵入用仕切り壁体を装着できるように構成されていなければならない。
【0008】
なお、転倒溝型断面は、円弧状や三角状、四角筒状等の多角状のもの、あるいは家形断面となるような各種断面形状のものに形成することができる上、例えば、後述する実施例のように、頂部で左右に分割されたもの、あるいは天部と左右両壁面部とのように3部材に分解されたものとする等、複数個に分割され、適宜組み立てて一体化することによって転倒溝型断面に形成可能なものとしても、勿論差し支えはない。
また、転倒溝型断面の後端側を一体成形で予め閉鎖した構造のものとし、前端側だけが開口された構造のものとして形成することもでき、予め閉鎖した後端側は、完全に閉鎖したものとしてしまうか、一部に通気孔、および/または、蜜蜂侵入用の小孔を一体に形成したものとすることができる。
【0009】
葦藁は、茎孔の内径が約10mmから15mm程度のもので、中にマメコバチ等の受粉に適した種の蜜蜂が営巣し、住み着く上で好ましいものが採用され、それら葦藁は、適宜寸法に切り揃えられた上で紐で束ねられ、作業を効率的に進めることができるたものとして使用される外、多数の葦藁を束ねずにそのまま詰め込み、使用するようにすることも可能である。また、例えば天井側に隙間を設け、前後にそれぞれ短い葦藁を配置し、居住密度を高めるように構成することも可能である。
【0010】
侵入用仕切り壁体は、鳥や猫、他の昆虫等の天敵からの侵入、攻撃を防御可能とする剛性の高い素材、例えばプラスチックスやステンレス等の鋼板、あるいは木質板等から構成され、前記外郭体と後述の床板体とを組み合わせて形成される筒状体の少なくとも前方側の開口部、場合によっては、前後両方の開口部に、しかも、外郭体の端縁から所定距離、例えば5〜10cm程度奥まった位置に嵌め込まれるようにして組み合わされ、外郭体の端縁側が庇の機能を果たし得るようにしたもの(但し、庇の機能を果たす目的で、別体の庇体を該壁体適所に取着したり、あるいは該侵入用仕切り壁体自体の一部を延長して庇部に形成するようにした場合には、組み合わせ位置を奥まった部分とする必要がない場合もある)とすべきであり、また、出入りの面で蜜蜂の習性に適った寸法、および/または形状(六角形の外、三角や四角、円形等の孔形状のもの)とした小孔が多数穿設されてなるものに形成されていなければならない。
【0011】
なお、この侵入用仕切り壁体は、床板体に対して垂設されるだけではなく、場合によっては、下側を内側に傾斜させて立設したものとして風雨に更され難くしたものとしたり、立設状態に係わらず密蜂が侵入する小孔を下向き加減に形成したものや、壁体壁面全体が内側に緩やかに湾曲状にして形成されたもの等適宜変形させた形状のものを採用することも可能であり、更に、侵入用仕切り壁体の表面に複数の棒状の突起を立設する等して、止まり木的な踊り場に準じるものを設け、密蜂が上記突起に止まった後、這って入り易くした小孔に形成したもの、その他適宜蜜蜂の出入りに都合の良い構成が取り入れられたものとすることができる。
【0012】
床板体は、上記した外郭体の転倒溝型断面の開放された下方側を閉鎖し、双方で筒状体を構成するようにし、その内部に所定の葦藁束を安定的に収容可能とする空間を実現すると共に、巣箱全体の構造強度を主として支える機能を果たすものであり、比較的厚手の一枚板状のプラスチックス成形板や、補強用のリブが配置されたプラスチックス成形板、あるいは、ステンレス平板やリブ鋼板、波板鋼板等の金属板、天然の木質板等によって形成され、それらの要所要所には、外郭体や侵入用仕切り壁体との接合孔あるいは溝その他の接合部が形成されると共に、横殴りの風雨や接合不順等意図せず侵入してしまった雨水を効率的に排出可能とする複数の排水孔や排水溝等の排水部が形成されたものとする。
【0013】
その他、この床板体の全体形状を、中央部が高く、外周側が低くなるようにしたものとし、侵入してしまった雨水等を、外郭体側壁部や侵入用仕切り壁体との接合部から速やかに排水できるようにしたり、あるいは、該床板体の前後を延長して、侵入用仕切り壁体の前部に突出させ、侵入の前後に密蜂が着地する踊り場を形成したものとし、且つ、それらの端縁側を僅かに下側に傾斜させ、雨水等の排水に有利な構造のものとしたり、更に、該踊り場にも排水孔を複数穿設し、より排水効率を高め、密蜂が踊り場に着地しても水滴に触れる機会が極力少なくなるよう配慮したものとすること等も適宜採用可能であることはいうまでもないことである。
【0014】
更にまた、侵入用仕切り壁体や外郭体の側壁部等適所に、把手部となる凹部を予め一体、形成したり、あるいは、公知の取っ手部品を取り付けたものとし、蜜蜂用巣箱の搬入、接地、移動等といった取り扱いを容易にするようにした構成の組み込みも、適宜必要に応じて自由に採用することができる。
以下、図面に示す、幾つかの実施例について詳述することにより、この発明に包含される蜜蜂用巣箱の構成が、より具体的、且つ、明確に把握できるようにすることとする。
【0015】
【実施例1】
先ず、図1の蜜蜂用巣箱の分解斜視図、図2の屋根の接合状態を示す正断面図、図3の蜜蜂用巣箱の設置状態を示す側断面図に示される事例は、この発明の基本的な構成を兼ね備えた最も代表的な構成からなるものの実施例である。
蜜蜂用巣箱1は、その外壁部分の全てが、合成樹脂による成形品から構成されており、床板体2、前後の侵入用仕切り壁体3,3および左右の外郭体4,4の各主要部品から構成されており、一定の長さに切り束ねられた葦藁の束5,5,……を、内部に隙間無く収容するように構成されている。
【0016】
上記床板体2は、長さ約80cm、幅約70cmの長方形状に形成され、中央部には侵入用仕切り壁体3,3および外郭体4,4を上方から差し込むための四角形状の差込孔2a,2a,……が板厚方向に貫通されており、さらに、葦束5,5,……が収容される室内に対応する内側部には円形状の排水孔2b,2b,……が複数穿設されている。該床板体2の底部には、左右二条の補強凸条2c,2cが前後に渡って形成され、同補強凸条2c,2cの前後には載置固定用の凹欠部2d,2dが形成され、該凹欠部2d,2dは、水平に掛け渡しされた木の棒等の円柱体上に載置可能な円弧形状に凹欠されており、これに適する棒体により載置台6を形成して、設置できるように構成されている。
【0017】
床板体2の前後には、蜜蜂が着地するための踊り場2e,2eが、約15cmの長さLに設定され、踊り場2e,2eの内側に上記侵入用仕切り壁体3,3が立設され、該前後に配された侵入用仕切り壁体3,3は、壁面が同一形状に形成され、共に表面を外側に向けた状態に設置されるものである。
侵入用仕切り壁体3,3は、下縁に床板体2に接合するための嵌着片3a,3aが複数形成され、上側縁部が円弧状に湾曲する如く形成された縦板状の壁であり、その略全面に渡って、蜜蜂が出入りするための通口が形成され、上段、中段、下段のそれぞれは、異なる形状および異なる寸法の通口に形成されている。
【0018】
上段の小孔3b,3b,……は直径が10mm程の六角形状に形成され、蜂の巣状の模様を成して配列されている。また、中段の小孔3c,3c,……は、一辺が12mm程の四角形状を成して複数配列され、左右に渡り帯状を成す範囲に形成されている。さらに、下段の小孔3d,3d,……は、直径が15mm程の六角形状に形成され、前記上段の小孔3b,3b,……と同様に蜂の巣状の模様を成して配列されている。
【0019】
侵入用仕切り壁体3,3の円弧状に形成された頂部には、アリ溝状に切りかかれた、鉤溝3eが設けられ、外郭体4,4の尾根部分を接合する「エ」字状の断面を成す連結梁4aの下側部に嵌着するように構成されている。
前後に侵入用仕切り壁体3,3が立設された床板体2に対して、上方より、左右の外郭体4,4が挿着される。該外郭体4,4は、下縁に上記差込孔2a,2a,……に嵌着される嵌着片4b,4b,……が形成され、侵入用仕切り壁体3,3の左右縁部に対応する内壁面には上下に渡って延長され、前後より該侵入用仕切り壁体3の左右縁部を挟み込み保持する挟着リブ4c,4c,……が形成されている。
【0020】
外郭体4,4は、上側部が該侵入用仕切り壁体3,3の円弧形状に沿って湾曲して形成されて、頂部で左右の外郭体4,4同士の縁部が互いに平行に対峙される如く形成され、該縁部および侵入用仕切り壁体3,3の鉤溝3eの夫々に嵌合する如く、上記連結梁4aを前後方向から挿入することにより、完成されている。そして、この外郭体4,4は、前後部分が侵入用仕切り壁体3,3よりも踊り場2e,2e側に突出されて軒4d,4dが形成されており、侵入用仕切り壁体3の小孔3b,3c,3d,……に風雨雪等が吹き付けることを防止するように構成されている。
【0021】
一方、葦束5,5,……は、その切断端縁を揃えて所定量毎に一束にまとめられているものを採用し、それら揃えられた切断端縁を、侵入用仕切り壁体3,3側に向け、小孔3b,3c,3d,……の内側に10cm程後退させた位置となるようにして、外郭体4,4と床板体とによって形成された筒状の空間内部に密に積み重ねられるようにしなければならない。
【0022】
【実施例2】
図4の蜜蜂用巣箱1の変形例の要部を示す分解斜視図、および図5の外郭体頂部の接合部の断面図に示される事例は、この発明の他の実施例であり、各壁体の基本的部品構成は、上記実施例1に示した蜜蜂用巣箱1と同様である。したがって、以下では実施例1とは異なる構成部分について新たな符号を付し、順次説明することとする。
【0023】
床板体2は、上面に左右に向かう排水溝2f,2f,……が前後に渡って複数設けられ、上下に波形の段差形状を成して形成されており、排水溝2f,2f,……の中央底部には、左右方向に向かって複数の排水孔2b,2b,……が配列されている。さらに、床板体2の排水溝2f,2f,……に挟まれ、左右に延びる複数の凸条部2g,2g,……は、床板体2の剛性を高める如く形成されており、その左右縁部には、外郭体4の下側に内向きに突設された嵌着ピン4b,4b,……嵌合用の嵌着孔2a,2a,……が穿設されている。
【0024】
さらに、侵入用仕切り壁体3は、左右の縁部の裏面側が左右の外郭体4,4の内壁に形成された保持リブ4e,4eに当接され、且つ、表面側が外郭体4,4の左右方向から貫通され、左右の外郭体4,4間に掛け渡して設けられた金属棒7によって保持固定されており、同侵入用仕切り壁体3の下側縁部は、予め左右の屋根4,4の内壁部に突設された係合凸部4f,4fによって固定されている。そして、前後の侵入用仕切り壁体3,3の頂部近傍には、蜜蜂用巣箱を搬送する際に利用可能な把手3f,3fが夫々設けられている。
【0025】
外郭体4,4の左右の接合部は、前後方向の全長に渡って、何れか一方が上下に分岐された被嵌着構造を備え、他方が、該被嵌着部に挿入嵌合する板状に形成されており、上記被嵌着部分は、上側のリブaが長く延長され、雨水等の侵入を効果的に阻止するように構成されている。
【0026】
【作 用】
以上のように構成された、特に各実施例に示した蜜蜂用巣箱1は、外郭体4,4、床板体2、および侵入用仕切り壁体3,3が夫々分解されて梱包、搬入され、果樹栽培農家や花卉栽培農家の下で組み立てられるようにするか、あるいは、農業資材販売業者の手によって組み立てた上で農家に納入する。
農家では、蜜蜂用巣箱1の構成により、例えば、組み立てを終えた後でも装填可能な構成のものでは、侵入用仕切り壁体3か外郭体4を外して葦束5,5,……装填し、また、後からでは装填できない構成のものでは、蜜蜂用巣箱1の組み立て過程で床板体2上に葦束5,5,……を装填、積み上げていきながら蜜蜂用巣箱1を組み立てていくようにする。
【0027】
なお、葦束5,5,……は、既に所定長さに切り揃え、200本程度を一束にした市販品を購入してそのまま採用したり、あるいは野生ないしは栽培した1本葦を乾燥処理し、所定の長さに切り揃えてそのままか、あるいは適宜本数毎にまとめて束ねたものを用いるようにする。
【0028】
こうして所定の形状で、内部に葦を密に装填してなる蜜蜂用巣箱に作り上げた上、果樹園や栽培ハウスの中の地上から1〜1.5m程度の高さになるよう、例えば丸太を2本、所定高さに平行配置にした台か、あるいは適宜廃物利用できるような箱を組み合わせたもの上に、なるべく平行になるにして配置、固定し、マメコバチ等人口受粉に適した蜜蜂を生息、繁殖させ、越冬させるようにするものである。
【0029】
この蜜蜂用巣箱1では、従前までのドラム缶や木箱を使用し、前後をくり抜いて金網や防虫網等を張設して出入り口にしたものに比較し、特に出入り口となる部分を硬質の侵入用仕切り壁体3に形成し、鳥や猫、害虫等の天敵の侵入を阻止し得るものとしていることから、巣の内部が荒らされたり、蜂の子が食べられてしまうことを防止できるようになる外、長期に渡って繰り返し使用が可能な耐久性あるものとなる上、侵入用仕切り壁体3が面状で、ゴミ等が絡み難い構成となっていて、蜜蜂の出入り口が長期に渡って確実にでき、しかも、侵入用仕切り壁体3には、サイズや形状の異なる小孔2b,2c,2dを有したものとすることもでき、蜜蜂は、個々が好む大きさの小孔2b,2c,2dから出入り可能となって、棲み付き易い巣箱を実現できることになる。
【0030】
また、この蜜蜂用巣箱1は、特に、外郭体4,4には軒4d,4dが延長され、且つ、外郭体4,4の接合部分に連結梁4aを設け、尾根部の強度を向上するばかりでなく、雨の侵入を効果的に阻止することができ、さらに、床板体2には排水孔2b,2b,……や、実施例2のもののように、床板体2に排水溝2f,2f,……を形成すると共に、同排水溝2f,2f,……の底部に排水孔2b,2b,……を設けたものとしていて、雨雪が侵入した場合でも速やかに排水されるようにしてあり、雨水等が巣内に侵入することを嫌い、且つ湿潤な環境を好まない蜜蜂の習性に適った構造の巣箱となる。
【0031】
その他、床板体2の前後を延長して踊り場2e,2eとしたものでは、小孔2b,2c,2dに侵入する前に、蜜蜂は一度、踊り場2eに着地し、好みの小孔2b,2c,2dをたやすく選択して内部に入ることができるような構造の巣箱となり、また、床板体2底部の補強凸条2c,2cに平行な凹欠部2d,2dを形成したものでは、同所を利用して載置台6の上に蜜蜂用巣箱1が前後にずれ動くことなく、安定した固定が可能となる巣箱とすることができる。
【0032】
【効 果】
以上のとおり、この発明の蜜蜂用巣箱は、従前までのようなドラム缶や空き箱等といった廃物利用によるその場凌ぎ的な蜜蜂用巣箱に代わり、工場生産性で規格化されて品質が保証されると共に、蜜蜂の営巣性の点においても、漏水対策や湿潤化対策が施され、しかも天敵等の侵入を確実に阻止できる構造のものとすることができることから、人工受粉の有効な手段として蜜蜂を放つ果樹栽培農家や花卉栽培農家にとっては、蜜蜂を継続且つ安定して飼育、利用した効率的な人工受粉が可能となり、農家収入を安定させる点で大いに役立つ蜜蜂用巣箱になるものと予想される。
【0033】
また、蜜蜂用巣箱を、床板体、侵入用仕切り壁体、および外郭体の3種類、5分割した組立て、解体自在な構造のものに形成したものでは、工場生産性が良くなると共に、保管や輸送、販売上からも有利になって、品質の保証されたこの発明の蜜蜂用巣箱が安価に提供可能となることから、農家では、上記のとおりの特徴を有する秀れた蜜蜂用巣箱を手軽に利用して、より一層効率的な蜜蜂の人工受粉作業が実施できることになる。
【0034】
更に、この発明の蜜蜂用巣箱では、外郭体に対する侵入用仕切り壁体の組み合わせを特定して軒相当部を形成したものとしたり、踊り場を設けたものとする外、侵入用仕切り壁体の小孔のサイズや形状を数種類組み合わせたものとする等して、営巣性を高め、好んで密蜂が棲息できるような構成のものとすることも可能であり、それらによれば、より多くの密蜂を高密度に棲み付かせることが可能となって、従前までのもののように、より大型の蜜蜂用巣箱を多数準備する必要もなく、極めて効率的な配置で済ますことができることから、その外観上の特徴も手伝って、果樹園あるいはハウス内を整然としたものとして、その他の作業をし易くするという特徴も発揮できるものとなる。
【0035】
叙上の如く、この発明の蜜蜂用巣箱は、従前には全くない着想の下に開発され、極めて画期的な技術的思想に基づいて完成されたものであり、安価にして取扱い性に秀れるだけではなく、密蜂の棲息条件にうまく適合した効率的で実用価値の高い巣箱となっていて、人工受粉作業の効率化に大いに役立ち、果樹栽培農家をはじめとする園芸農家からは、高い評価が得られ、従前には無かった新たな市場を開拓し、今後、大いにその需要を伸ばすものとなることが予想されるものである。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の蜜蜂用巣箱の技術的思想を具現化した各実施例を示すものである。
【図 1】この発明の蜜蜂用巣箱の分解斜視図である。
【図 2】図1の蜜蜂用巣箱の外郭体頂部の断面図である。
【図 3】図1の蜜蜂用巣箱を設置した状態を示す側断面図である。
【図 4】この発明の他の蜜蜂用巣箱の要部を示す分解斜視図である。
【図 5】図4の蜜蜂用巣箱の外郭体頂部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 蜜蜂用巣箱
2 床 板 体
2a 同 差込孔
2b 同 排水孔
2d 同 凹欠部
2e 同 踊り場
3 侵入用仕切り壁体
3b 同 上段の小孔
3c 同 中段の小孔
3d 同 下段の小孔
4 外 郭 体
4a 同 連結梁
4d 同 軒相当部
5 葦 束
6 載 置 台

Claims (5)

  1. 切り揃えられた多数の葦藁の切り口部分を、少なくとも前方側の開口部に向けて密に収容可能とする転倒溝型断面の外郭体と、該外郭体の開放された底部全面を閉鎖可能とし、要所要所に適数個の排水孔の穿設された底板体と、これら外郭体と底板体とが組み合わされることによって形成される前後の開口部に略垂設状に配される前後一対の仕切り壁体とからなり、該一対の仕切り壁体の中、少なくとも前方側の開口部に配される仕切り壁体だけは、外郭体の前端縁から所定距離だけ奥まった箇所に規制されて配置されると共に、蜂出入り用の多数の小孔が穿設されてなる侵入用仕切り壁体に形成されてなるものとしたことを特徴とする蜜蜂用巣箱。
  2. 外郭体、底板体、および前後一対の仕切り壁体が、互いに着脱自在な構造で組み合わされるようにし、全体として前後方向に筒状であって、内部には、切り揃えられた多数の葦藁の切り口部分を、少なくとも前方側の開口部に向けて密に収容可能にすると共に、前後の開口部が、夫々仕切り壁体で覆われ、少なくともその前方側に配される仕切り壁体が、外郭体の前端縁から所定距離だけ奥まった箇所に規制されて配置されると共に、蜂出入り用の多数の小孔が穿設されてなる侵入用仕切り壁体に形成されてなるものとした請求項1記載の蜜蜂用巣箱。
  3. 侵入用仕切り壁体が、その全面に渡って穿設した小孔の形状および/または孔径を数種類のものに違えて形成されてなるものとした請求項1または2何れか記載の蜜蜂用巣箱。
  4. 外郭体が、頂部にて左右に分割された略同一形状の一対の外郭部材からなるものとされ、これら一対の外郭部材の頂部相互間を、その全長に渡って漏水防止構造としたジョイナーで接合することにより転倒溝型断面の外郭体に組み立て可能としてなる請求項1ないし3何れか記載の蜜蜂用巣箱。
  5. 床板体が、その下面側に、平行な2本の支持棒上に載置、固定するための凹欠部が形成されてなるものとした請求項1ないし4何れか記載の蜜蜂用巣箱。
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