JP2747580B2 - 磁性薄膜用スパッタリング・ターゲット - Google Patents
磁性薄膜用スパッタリング・ターゲットInfo
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- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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- H01F10/08—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
- H01F10/10—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition
- H01F10/12—Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys
- H01F10/13—Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
- H01F10/133—Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals containing rare earth metals
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C14/00—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
- C23C14/22—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
- C23C14/34—Sputtering
- C23C14/3407—Cathode assembly for sputtering apparatus, e.g. Target
- C23C14/3414—Metallurgical or chemical aspects of target preparation, e.g. casting, powder metallurgy
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- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/84—Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
- G11B5/851—Coating a support with a magnetic layer by sputtering
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F41/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
- H01F41/14—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates
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- H01F41/183—Sputtering targets therefor
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は重希土類金属−鉄系合金磁性薄膜作成に用い
るスパツタリング・ターゲツトに関するものである。 〔従来の技術〕 従来、重希土類金属−鉄系合金薄膜の一般的成膜法と
しては主に真空蒸着法、スパツタリング法が知られてい
る。中でもスパツタリング法は真空蒸着法に比べて、ス
パツタ粒子の運動エネルギーが高いために基板との密着
性や磁気的性質の優れた膜が得られる点や、マグネトロ
ンスパツタリング法の進歩により量産性が著しく向上し
たことなどの理由で、今日では最も広く利用されてい
る。 スパツタリングにより2種以上の元素からなる合金薄
膜を作成する方法としては、スパツタリング・ターゲツ
トの構成により次のように分類できる。 複合ターゲツトを用いる複合ターゲツト法 複合のターゲツトを用いる多元同時スパツタ法 合金ターゲツトを用いる合金ターゲツト法 複合ターゲツトにはある金属ターゲツト上に異種金属
チツプを配置した、いわゆるチツプオンターゲツトと、
母金属に異種金属を埋め込んだ埋め込みターゲツトがあ
る。複合ターゲツト法は、ターゲツト表面での異種元素
間の面積比をコントロールすることにより、合金薄膜の
組成をコントロールするものであるため、チツプオンタ
ーゲツト法ではターゲツト消耗に伴う面積比の変化によ
り膜の組成が変化してしまうので、長時間に亘る成膜に
は適していない。 この欠点を改良したものが埋め込みターゲツトであ
る。このターゲツトはターゲツトが消耗しても、ターゲ
ツト上での各元素領域の面積比がほとんど変化しないの
で長時間成膜を行つても一定の組成の膜を得ることがで
きる。 ところが、これらの複合ターゲツトに共通に言える欠
点は、ターゲツト表面での各元素の配置が膜面内での組
成の揺らぎに帰することである。 の多元同時スパツタ法は、異る材料からなる複数の
ターゲツトに各々独立に高周波電力又は直流電力を投入
し、基板上で合金化した膜を得る方法で、長所は合金組
成を投入電力のバランスで容易に変えられる点にある。 反面、スパツタリング用電源を複数用意する必要があ
り、又ターゲツト間の高周波電力の干渉に対する対策を
要するなど装置の複雑化という欠点がある。 さらに各ターゲツトのスパツタ速度や膜厚分布が膜の
組成に直接影響を与えるため、ターゲツトの消耗に伴う
スパツタ速度、膜厚分布の変化により、一定の組成の膜
を長時間に亘つて得ることは困難である。 の合金ターゲツトは巨視的には、厚さ方向、面方向
のいずれにおいても均一な組成のものが得られるので、
スパツタリングを多数回繰り返しても、これによつて得
られた膜の組成は一定で均一である。 合金ターゲツトは、その製造法から焼結ターゲツトと
鋳造ターゲツトに分けることができる。 焼結ターゲツトは、比較的大面積のものを材料によら
ず作ることができるが、不純物成分としての酸素、窒素
含有量を各々2000ppm以下に抑えることが技術的に困難
なため、純度の高い合金薄膜を作るには不都合である。 一方、所望の組成の溶融金属を不活性ガス中、或いは
真空中で鋳造して得られる鋳造ターゲツトは不純物ガス
の濃度を500ppm以下にすることが可能であり、高純度の
合金薄膜を得ることができる。 以上に述べたように、合金薄膜の工業的生産には、鋳
造ターゲツトを用いたスパツタリング法が最も適してい
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、重希土類金属と鉄は多種の金属間化合物を形
成するため、インゴツトは脆く、ターゲツト形状に加工
することはおろか、大面積のインゴツトを得ることすら
困難である。そこで本発明はこのような問題点を解決す
るもので、その目的とするところは大面積で加工性の良
い重希土類金属−鉄系合金のスパツタリング・ターゲツ
トを提供するところにある。 〔問題を解決するための手段〕 本発明の磁性薄膜用スパッタリング・ターゲットは、
重希土類金属(以下、HRという)としてGd,Tb,Dyのうち
少なくとも1種以上の元素と、軽希土類金属(以下、LR
という)としてCe,Pr,Nd,Smのうち少なくとも1種以上
の元素と、Fe,Coの少なくとも1種以上の元素(以下、
Aという)と、Ti,Al,Cr,Cuの少なくとも1種以上の元
素(以下、Mという)と、を含有する磁性薄膜用スパッ
タリング・ターゲットであって、該スパッタリング・タ
ーゲットの組成を原子比で{(LR)x(HR)1-x}yA
100-y-zMzと表したとき、x,y,zが各々0.05≦x≦0.60,1
0≦y≦50,0<z≦15の範囲の鋳造合金であることを特
徴とする。 〔実施例〕 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。 本実施例で用いられるスパツタリング・ターゲツトは
特別に断らない限り、原料に純度99.9%以上の高純度金
属を用い、誘導加熱装置にて、加熱・溶解しアルゴン雰
囲気で鋳造後、直径15cm、厚さ5mmの円盤状に加工し、
さらに銅製パツキングプレートにインジウム系ハンダで
接合したものを用いた。また以下に示す組成は、原子比
の値である。 〔実施例1〕 組成を(NdxDy1−x)y(Fe0.60Co0.40)100-y-zTiz
と表わしたとき第1表に表す組成で合金ターゲツトの製
造を試みた。その結果、本発明の実施例である試料1〜
7は、良好にスパツタリング・ターゲツトとすることが
できたが、比較例1および2は鋳造時に、比較例3は加
工時に割れたためスパツタリング・ターゲツトとするこ
とはできなかつた。なおTiのかわりにAl,Cr,Cuを用いても全く同様な結
果を得た。 〔実施例2〕 スパツタリング・ターゲツトの組成を(NdxTb1-x)22
(Fe0.85Co0.15)73Ti5と表したときxの値が0.05,0.2
0,0.40,0.60,0.80の組成で鋳造ターゲツトの作成を試み
たところ、いずれの組成についてもターゲツトとして加
工することができた。 次にこれらのターゲツトを用いて、初期真空度1.0×1
0-6Torr以下、アルゴン圧2×10-3Torr,投入電力350Wの
スパツタ条件でガラス基板上に50nmの膜厚で成膜した。
なお保護層としてアルミニウム膜を磁性体の成膜と連続
して100nm形成した。第1図は、これらの膜のカールー
プから得た保磁力をNd置換量xでプロツトしたものであ
るが、xが0.6を越えると急激に保磁力が低下し、充分
な磁気特性が得られなくなることがわかる。Tiの代りに
Al,Cr,Cuを用いた場合でも全く同様な結果が得られた。 〔実施例3〕 スパツタリング・ターゲツトの組成を(Nd0.25Gd0.25
Dy0.50)25(Fe0.70Co0.30)75−zMz(但しMはTi,Al,C
r,Cuの各元素の1つ)と表したとき、各MについてZ=
1,5,10,15,20の組成の鋳造ターゲツトの製作を試みたと
ころ、すべての組成について、ターゲツトとして使用す
ることができた。次に実施例2と同じ方法でガラス基板
上に成膜した。第2図はカー回転角を、第3図は垂直磁
気異方性定数を、M添加量Zに対してプロツトしたもの
である。Zが15を越えるとカー回転角、垂直磁気異方性
定数供に急激に減少するので磁性膜としては好ましくな
いが、Z15での変化は許容できる範囲であり、むしろ
Ti,Cuのように磁気特性を改善する効果を得られる場合
もある。 〔実施例4〕 鋳造法で得た本発明のスパツタリング・ターゲツトと
焼結法で得た従来のスパツタリング,ターゲツトの比較
を行つた。組成はいずれも(Nd0.22Dy0.78)25(Fe0.60
Co0.40)71Ti4である。これらのターゲツトを用いて実
施例2と同じスパツタ条件で成膜を行つた。ここでは磁
性膜の膜厚を40nmとして保護層には窒化シリコン(Si3N
4)100nmを用いた。 第2表はこれらの膜のフアラデー回転角θF,保磁力H
c,垂直磁気異方性定数Ku,さらに熱分解法で得た角ター
ゲツトの含有酸素量C(O)を比較して示した。磁気特
性,磁気光学特性のいずれも、本発明の実施例の方が優
れているが、これはターゲツト中に含まれる酸素量の差
に起因するものである。 〔発明の効果〕 上述したように、本発明によれば、割れにくく、かつ
加工の容易な磁性薄膜用スパッタリング・ターゲットを
得ることが可能となる。このため、磁性薄膜の工業的生
産に使用し得る大きさの磁性薄膜用スパッタリング・タ
ーゲットを提供することができる。更に、鋳造合金であ
るため、スパッタリングを多数回繰り返してもターゲッ
トの局所的な組成の均一な磁性薄膜の作製が可能とな
る。また、組成、組成比を規定することにより、スパッ
タリング・ターゲットとして割れにくくかつ加工の容易
性を有しながら、このターゲットを使用して作製された
磁性薄膜は、カー回転角、保磁力、垂直磁気異方性等に
おいて優れた磁気特性を有するという効果を奏する。 さらに鋳造法で得たスパツタリング・ターゲツト中の
含有酸素量が少いため、スパツタ法で得た膜の磁気特性
も向上するという効果も有する。また、高価で希少な重
希土類元素を安価で豊富な資源量を誇る軽希土類元素で
置換することができるため、原料コストを低くするとい
う効果を有する。 なお、実施例で示した組合せだけでなく、Ndの代り
に、Ce,Pr,Smを単独で、或いは複数組合わせて用いても
上に述べた効果が同様に得られることは、Nd,Ce,Pr,Sm
の物理的化学的性質の類似から容易に類推できる。さら
にGd,Tb,Dyの組合わせについても同様である。また、T
i,Al,Cr,Cuを2種以上組合わせたものについても上述の
効果は確認された。
るスパツタリング・ターゲツトに関するものである。 〔従来の技術〕 従来、重希土類金属−鉄系合金薄膜の一般的成膜法と
しては主に真空蒸着法、スパツタリング法が知られてい
る。中でもスパツタリング法は真空蒸着法に比べて、ス
パツタ粒子の運動エネルギーが高いために基板との密着
性や磁気的性質の優れた膜が得られる点や、マグネトロ
ンスパツタリング法の進歩により量産性が著しく向上し
たことなどの理由で、今日では最も広く利用されてい
る。 スパツタリングにより2種以上の元素からなる合金薄
膜を作成する方法としては、スパツタリング・ターゲツ
トの構成により次のように分類できる。 複合ターゲツトを用いる複合ターゲツト法 複合のターゲツトを用いる多元同時スパツタ法 合金ターゲツトを用いる合金ターゲツト法 複合ターゲツトにはある金属ターゲツト上に異種金属
チツプを配置した、いわゆるチツプオンターゲツトと、
母金属に異種金属を埋め込んだ埋め込みターゲツトがあ
る。複合ターゲツト法は、ターゲツト表面での異種元素
間の面積比をコントロールすることにより、合金薄膜の
組成をコントロールするものであるため、チツプオンタ
ーゲツト法ではターゲツト消耗に伴う面積比の変化によ
り膜の組成が変化してしまうので、長時間に亘る成膜に
は適していない。 この欠点を改良したものが埋め込みターゲツトであ
る。このターゲツトはターゲツトが消耗しても、ターゲ
ツト上での各元素領域の面積比がほとんど変化しないの
で長時間成膜を行つても一定の組成の膜を得ることがで
きる。 ところが、これらの複合ターゲツトに共通に言える欠
点は、ターゲツト表面での各元素の配置が膜面内での組
成の揺らぎに帰することである。 の多元同時スパツタ法は、異る材料からなる複数の
ターゲツトに各々独立に高周波電力又は直流電力を投入
し、基板上で合金化した膜を得る方法で、長所は合金組
成を投入電力のバランスで容易に変えられる点にある。 反面、スパツタリング用電源を複数用意する必要があ
り、又ターゲツト間の高周波電力の干渉に対する対策を
要するなど装置の複雑化という欠点がある。 さらに各ターゲツトのスパツタ速度や膜厚分布が膜の
組成に直接影響を与えるため、ターゲツトの消耗に伴う
スパツタ速度、膜厚分布の変化により、一定の組成の膜
を長時間に亘つて得ることは困難である。 の合金ターゲツトは巨視的には、厚さ方向、面方向
のいずれにおいても均一な組成のものが得られるので、
スパツタリングを多数回繰り返しても、これによつて得
られた膜の組成は一定で均一である。 合金ターゲツトは、その製造法から焼結ターゲツトと
鋳造ターゲツトに分けることができる。 焼結ターゲツトは、比較的大面積のものを材料によら
ず作ることができるが、不純物成分としての酸素、窒素
含有量を各々2000ppm以下に抑えることが技術的に困難
なため、純度の高い合金薄膜を作るには不都合である。 一方、所望の組成の溶融金属を不活性ガス中、或いは
真空中で鋳造して得られる鋳造ターゲツトは不純物ガス
の濃度を500ppm以下にすることが可能であり、高純度の
合金薄膜を得ることができる。 以上に述べたように、合金薄膜の工業的生産には、鋳
造ターゲツトを用いたスパツタリング法が最も適してい
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、重希土類金属と鉄は多種の金属間化合物を形
成するため、インゴツトは脆く、ターゲツト形状に加工
することはおろか、大面積のインゴツトを得ることすら
困難である。そこで本発明はこのような問題点を解決す
るもので、その目的とするところは大面積で加工性の良
い重希土類金属−鉄系合金のスパツタリング・ターゲツ
トを提供するところにある。 〔問題を解決するための手段〕 本発明の磁性薄膜用スパッタリング・ターゲットは、
重希土類金属(以下、HRという)としてGd,Tb,Dyのうち
少なくとも1種以上の元素と、軽希土類金属(以下、LR
という)としてCe,Pr,Nd,Smのうち少なくとも1種以上
の元素と、Fe,Coの少なくとも1種以上の元素(以下、
Aという)と、Ti,Al,Cr,Cuの少なくとも1種以上の元
素(以下、Mという)と、を含有する磁性薄膜用スパッ
タリング・ターゲットであって、該スパッタリング・タ
ーゲットの組成を原子比で{(LR)x(HR)1-x}yA
100-y-zMzと表したとき、x,y,zが各々0.05≦x≦0.60,1
0≦y≦50,0<z≦15の範囲の鋳造合金であることを特
徴とする。 〔実施例〕 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。 本実施例で用いられるスパツタリング・ターゲツトは
特別に断らない限り、原料に純度99.9%以上の高純度金
属を用い、誘導加熱装置にて、加熱・溶解しアルゴン雰
囲気で鋳造後、直径15cm、厚さ5mmの円盤状に加工し、
さらに銅製パツキングプレートにインジウム系ハンダで
接合したものを用いた。また以下に示す組成は、原子比
の値である。 〔実施例1〕 組成を(NdxDy1−x)y(Fe0.60Co0.40)100-y-zTiz
と表わしたとき第1表に表す組成で合金ターゲツトの製
造を試みた。その結果、本発明の実施例である試料1〜
7は、良好にスパツタリング・ターゲツトとすることが
できたが、比較例1および2は鋳造時に、比較例3は加
工時に割れたためスパツタリング・ターゲツトとするこ
とはできなかつた。なおTiのかわりにAl,Cr,Cuを用いても全く同様な結
果を得た。 〔実施例2〕 スパツタリング・ターゲツトの組成を(NdxTb1-x)22
(Fe0.85Co0.15)73Ti5と表したときxの値が0.05,0.2
0,0.40,0.60,0.80の組成で鋳造ターゲツトの作成を試み
たところ、いずれの組成についてもターゲツトとして加
工することができた。 次にこれらのターゲツトを用いて、初期真空度1.0×1
0-6Torr以下、アルゴン圧2×10-3Torr,投入電力350Wの
スパツタ条件でガラス基板上に50nmの膜厚で成膜した。
なお保護層としてアルミニウム膜を磁性体の成膜と連続
して100nm形成した。第1図は、これらの膜のカールー
プから得た保磁力をNd置換量xでプロツトしたものであ
るが、xが0.6を越えると急激に保磁力が低下し、充分
な磁気特性が得られなくなることがわかる。Tiの代りに
Al,Cr,Cuを用いた場合でも全く同様な結果が得られた。 〔実施例3〕 スパツタリング・ターゲツトの組成を(Nd0.25Gd0.25
Dy0.50)25(Fe0.70Co0.30)75−zMz(但しMはTi,Al,C
r,Cuの各元素の1つ)と表したとき、各MについてZ=
1,5,10,15,20の組成の鋳造ターゲツトの製作を試みたと
ころ、すべての組成について、ターゲツトとして使用す
ることができた。次に実施例2と同じ方法でガラス基板
上に成膜した。第2図はカー回転角を、第3図は垂直磁
気異方性定数を、M添加量Zに対してプロツトしたもの
である。Zが15を越えるとカー回転角、垂直磁気異方性
定数供に急激に減少するので磁性膜としては好ましくな
いが、Z15での変化は許容できる範囲であり、むしろ
Ti,Cuのように磁気特性を改善する効果を得られる場合
もある。 〔実施例4〕 鋳造法で得た本発明のスパツタリング・ターゲツトと
焼結法で得た従来のスパツタリング,ターゲツトの比較
を行つた。組成はいずれも(Nd0.22Dy0.78)25(Fe0.60
Co0.40)71Ti4である。これらのターゲツトを用いて実
施例2と同じスパツタ条件で成膜を行つた。ここでは磁
性膜の膜厚を40nmとして保護層には窒化シリコン(Si3N
4)100nmを用いた。 第2表はこれらの膜のフアラデー回転角θF,保磁力H
c,垂直磁気異方性定数Ku,さらに熱分解法で得た角ター
ゲツトの含有酸素量C(O)を比較して示した。磁気特
性,磁気光学特性のいずれも、本発明の実施例の方が優
れているが、これはターゲツト中に含まれる酸素量の差
に起因するものである。 〔発明の効果〕 上述したように、本発明によれば、割れにくく、かつ
加工の容易な磁性薄膜用スパッタリング・ターゲットを
得ることが可能となる。このため、磁性薄膜の工業的生
産に使用し得る大きさの磁性薄膜用スパッタリング・タ
ーゲットを提供することができる。更に、鋳造合金であ
るため、スパッタリングを多数回繰り返してもターゲッ
トの局所的な組成の均一な磁性薄膜の作製が可能とな
る。また、組成、組成比を規定することにより、スパッ
タリング・ターゲットとして割れにくくかつ加工の容易
性を有しながら、このターゲットを使用して作製された
磁性薄膜は、カー回転角、保磁力、垂直磁気異方性等に
おいて優れた磁気特性を有するという効果を奏する。 さらに鋳造法で得たスパツタリング・ターゲツト中の
含有酸素量が少いため、スパツタ法で得た膜の磁気特性
も向上するという効果も有する。また、高価で希少な重
希土類元素を安価で豊富な資源量を誇る軽希土類元素で
置換することができるため、原料コストを低くするとい
う効果を有する。 なお、実施例で示した組合せだけでなく、Ndの代り
に、Ce,Pr,Smを単独で、或いは複数組合わせて用いても
上に述べた効果が同様に得られることは、Nd,Ce,Pr,Sm
の物理的化学的性質の類似から容易に類推できる。さら
にGd,Tb,Dyの組合わせについても同様である。また、T
i,Al,Cr,Cuを2種以上組合わせたものについても上述の
効果は確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を説明するために(NdxTb1−x)22(Fe
0.85Co0.15)73Ti5なる組成式で表わされた組成のスパ
ツタリング・ターゲツトから作製した膜の保磁力とxの
関係を示した図。 第2図および第3図は各々本発明を説明するために(Nd
0.25Gd0.25Dy0.50)25(Fe0.70Co0.30)75-zMz(但しM
はTi,Al,Cr,Cu)なる組成式で表わされた組成のスパツ
タリング・ターゲツトから作製した膜のカー回転角およ
び垂直磁気異方性定数とZの関係を示した図。(但し、
実線はTi、破線はAl、一点鎖線はCr、二点鎖線はCu)
0.85Co0.15)73Ti5なる組成式で表わされた組成のスパ
ツタリング・ターゲツトから作製した膜の保磁力とxの
関係を示した図。 第2図および第3図は各々本発明を説明するために(Nd
0.25Gd0.25Dy0.50)25(Fe0.70Co0.30)75-zMz(但しM
はTi,Al,Cr,Cu)なる組成式で表わされた組成のスパツ
タリング・ターゲツトから作製した膜のカー回転角およ
び垂直磁気異方性定数とZの関係を示した図。(但し、
実線はTi、破線はAl、一点鎖線はCr、二点鎖線はCu)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.重希土類金属(以下、HRという)としてGd,Tb,Dyの
うち少なくとも1種以上の元素と、 軽希土類金属(以下、LRという)としてCe,Pr,Nd,Smの
うち少なくとも1種以上の元素と、 Fe,Coの少なくとも1種以上の元素(以下、Aという)
と、 Ti,Al,Cr,Cuの少なくとも1種以上の元素(以下、Mと
いう)と、 を含有する磁性薄膜用スパッタリング・ターゲットであ
って、 該スパッタリング・ターゲットの組成を原子比で {(LR)x(HR)1-x}yA100-y-zMz と表したとき、x,y,zが各々 0.05≦x≦0.60 10≦y≦50 0<z≦15 の範囲の鋳造合金であることを特徴とする磁性薄膜用ス
パッタリング・ターゲット。 2.前記スパッタリング・ターゲットの組成を原子比で {(LR)x(HR)1-x}yA100-y-zTiz と表したとき、x,y,zが各々 0.05≦x≦0.60 10≦y≦50 5<z≦10 の範囲の鋳造合金であることを特徴とする特許請求の範
囲第1項に記載の磁性薄膜用スパッタリング・ターゲッ
ト。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
FR8703807A FR2601175B1 (fr) | 1986-04-04 | 1987-03-19 | Cible de pulverisation cathodique et support d'enregistrement utilisant une telle cible. |
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