JP2747031B2 - 低燐クロム合金の製造方法 - Google Patents

低燐クロム合金の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は転炉を用いてクロム含有鋼を溶製する方法
に関するものである。
[従来の技術] ステンレス鋼を初めとするクロム含有合金鋼は、高炭
素フェロクロムを副原料として転炉で酸素吹精により精
錬されている。最近では高炭素フェロクロムに変えてク
ロム生鉱石や半還元クロム鉱石を使用する方法も提案さ
れている。(特開昭59−153863参照)。
クロム含有合金鋼において燐(P)は粒界腐食割れや
熱間割れなどの原因となるためできるだけ低いことが望
ましい。特に油井管や厚板などに使用されるクロム合金
鋼やステンレス鋼についてはその要求が強まり、溶鋼の
脱燐については炉外精錬等の技術が発達し各種の方法が
提案されている。クロムを含む鋼においてはクロム源と
なる合金鉄からの燐の流入を最小限に抑えなければなら
ない。フェロクロム中の燐は主として製錬過程で使用す
る還元材であるコークスまたはフラックスとして使用す
る副原料から入るものである。このため低燐のフェロク
ロムを得るには先ず燐の低い原料を使用しなければなら
ない。しかし低燐原料は入手が困難である。そこでフェ
ロクロムの脱燐が考えられる。クロム合金鉄の脱燐はク
ロム元素と燐との新和力が強いため技術的にも困難であ
る。
フェロクロムの脱燐方法は強塩基性のスラグで洗う方
法が最も効果的な方法であるが、コストもかさむため満
足のいく方法が確立されていないのが実情である。した
がって製鋼工程での脱燐精錬に負わざるをえないのが現
状である。
[発明が解決すべき課題] 製鋼工程での脱燐精錬においては、転炉を使用して酸
化精錬により燐を酸化し、スラグ中に除去する方法がお
こなわれている。この場合燐含有量が多いと精錬時間が
長くなり、以後の連続鋳造工程との組合わせにおいて生
産性向上のネックとなる。また塩基性のフラックス成分
も多くなることから熱源としての炭素や珪素を多く必要
とするほか、クロムが酸化される割合も高くなり好まし
いことではない。またクロム生鉱石を使用する場合は同
時に熱源となる炭素を追装せねばないうえ、クロムの還
元に長時間を要し、クロムの酸化損失も多くなるという
欠点を有する。
本発明は燐含有量が少なく、発熱源となる適量の炭素
を含有する高還元クロム鉱石粉末を使用して、低燐のク
ロム含有合金鋼を短時間で生産性良く製造する方法を提
供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明ではクロム合金を上下吹き転炉で溶製するにあ
たり、クロム含有率22〜48%,鉄含有率11〜24%、炭素
含有率3〜10%、燐含有率0.008%以下であってクロム
還元率80%以上の高還元クロム鉱石粉を不活性ガスと共
に転炉底部より吹込むとともに、溶鋼上部より酸素を吹
込むことを特徴とする。
本発明者らは先に間接加熱式回転炉を使用して高還元
クロム鉱石粉末を得る方法を提案した(特願昭63−5988
0(特開平1−234529)。この方法によれば、最少限の
還元用炭材を使用して含有クロムのうち80%以上がクロ
ムカーバイドに還元され、燐含有量の低いクロム鉱石の
粉末を得ることができる。この高還元クロム鉱石粉末を
使用すればクロムの還元に要するエネルギーと精錬時間
は大幅に短縮できるばかりでなく、低燐クロム含有合金
の製造が極めて容易となる。
先ず、本発明で使用する高還元クロム鉱石粉末につい
て説明する。
本発明で使用する高還元クロム鉱石粉末は、燐含有量
の低いクロム鉱石を、燐含有量の低いほぼ理論量の炭素
質還元材とともに間接加熱式回転炉中で高温に加熱して
得られるものであって、その性状はクロム含有率22〜48
%,鉄含有率11〜24%、炭素含有率3〜10%、燐含有率
0.008%以下であって、クロム還元率80%以上の粒径3mm
以下の粉末状のクロム鉱石である。原料として使用する
クロム鉱石や炭素質還元剤はなるべく燐含有量の低いも
のが好ましいことは言うまでもない。従来の固相還元法
ではクロム鉱石と炭素質還元剤を一旦ペレット化して還
元ばい焼するので、その際、粉化、割れの原因となるVM
の高い炭素質還元剤は使用不可能であった。本発明で使
用する間接加熱方法では低燐炭素質還元剤であるオイル
コークス、ピッチコークス、石炭等の使用が可能になっ
た。この高還元クロム鉱石粉末は過剰の炭素質還元材を
使用しないので、炭素質還元材から入る燐分が極めて少
なく、燐含有量はせいぜい0.008%程度であり、最も低
いものは0.002%も可能である。また、クロムは全クロ
ム分のうち80%以上が還元されてクロムカーバイド(Cr
7C3)の形になっている。鉄はほぼ100%鉄カーバイド
(Fe7C3)に還元されている。クロム・鉄カーバイドの
他は20〜30%の脈石成分から成っている。この高還元ク
ロム鉱石粉末を転炉で使用すればクロムの還元は殆ど必
要なく、単に脈石成分を溶融分離すれば良いので、精錬
時間は短くてよい。また、適量の炭素を含んでいるので
精錬に必要な熱源を同時に供給する結果となる。しかも
燐持込量の極めて低い合金が得られる。
次にこの高還元クロム鉱石粉末を使用した転炉精錬に
ついて説明する。
先ず、転炉にあらかじめ脱硫、脱燐した銑鉄とフラッ
クスとして生石灰及び珪石を溶鋼1トン当たり30〜45kg
投入し、炉底の羽口から溶鋼中に窒素ガスとともに熱源
となる石炭粉又はコークス粉を吹込む。石炭粉の量は10
0〜150kg/ton・steel程度である。石炭はP:0.006%以下
の低燐石炭を使用すべきである。同時に上吹きランスか
ら酸素を吹付けて溶鋼の温度を1,300℃から1,600℃に上
げる。この時送酸速度は4〜6Nm3/min・tonが適する。
生石灰及び珪石は酸化精錬で生じたSiO2、MnOなどと
結合してスラグを形成すると同時に、後の工程で入るク
ロム鉱石の脈石成分とも結合して低融点のスラグを形成
させるためのものである。最終的に溶鋼温度を1,600℃
に調整しておく。また燐の高い銑鉄においてはあらかじ
め脱燐処理を施し、燐を0.02%以下まで下げておくのが
有利である。次いで必要量のクロムを含む高還元クロム
鉱石粉末を不活性のキャリアガスを使用して転炉底から
溶鋼中に吹込む。クロム鉱石粉の吹込速度は15〜30kg/m
in・ton程度がよい。不活性ガスは窒素またはアルゴン
ガスを使用する。特に低窒素鋼とする場合はアルゴンガ
スを使用する。
同時に上吹きランスから酸素と炭剤を吹付けて、溶鋼
温度を約1,600℃に保持しながら酸化クロムの還元と脱
炭を行なう。この時の送酸速度も4〜7Nm3/min・ton程
度が適当である。還元後期には酸素をアルゴンガスで希
釈して吹込むとクロムの酸化防止に有効である。高還元
クロム鉱石粉中のクロムは殆ど還元されているので未還
元の酸化物クロムを還元するのに要する時間は僅かであ
る。また、高還元クロム鉱石粉から入る燐は僅かであ
る。これと同時に脱炭精錬して炭素レベルを0.10%以下
迄下げる仕上げ精錬をする。
以上詳述した方法により燐含有量の低いクロム合金鋼
を短時間の転炉精錬により効率良く得ることができる。
「作用」 本発明は間接式加熱炉で必要最少限の炭素質還元材を
使用して還元した、燐含有量が低く高度に還元されたク
ロム鉱石粉を使用するので、クロム含有鋼の燐分を低く
抑えることができる。また、クロムの精錬は間接式加熱
炉で殆どを行なうのでクロム含有鋼の精錬時間を大幅に
短縮する。
「実施例」 表1に示すような組成を有するサイズ3mm以下のクロ
ム鉱石100部に対して表2に示すコークス粉末を23部の
割合で配合した。この配合割合は炭素量が次式に従って
クロム鉱石を100%還元するために必要とする量であ
る。
7Cr2O3+27C→2Cr7C3+21CO↑ ……(3) 7FeO+10C→Fe7C3+7CO↑ ……(4) このように混合した原料を間接加熱式回転炉で最高1,
480℃まで加熱し、表3に示すような高還元クロム鉱石
粉末を得た。
ここで RCr=(Sol.Cr)/(全Cr) RFe=(Sol.Fe)/(全Fe) 次に、表4に示す銑鉄2トンを十分予熱した試験用転
炉に装入し生石灰70kgと珪石70kgとを投入した後、炉底
羽口から表2と同じコークス粉490kgと酸素を送り込
み、溶鋼温度を1.300℃から1,600℃まで上昇させた。酸
素は12Nm3/minの割合で約10分間吹込んだ。
石炭は酸素1Nm3にたいして30kgの割合で混合して合計
275kg吹込んだ。
次いで、底吹きランスから前記高還元クロム鉱石粉末
をアルゴンガスを用いて吹込み、同時に上吹きランスか
ら酸素を吹込んだ。高還元クロム鉱石粉末の吹込み速度
は100kg/min、吹込み量は1,430kg、酸素ガスス吹込み速
度は12Nm3/min前後とし、溶鋼温度を1,650±50℃の範囲
に保持した高還元クロム鉱石粉末吹込み終了後上吹きラ
ンスから吹込むガスをアルゴン:酸素=1:1とし、混合
ガスを5Nm3/minの割合で3分間吹込み、この間炉底羽口
からアルゴンガスを2Nm3/minの割合で吹込み、炭素量を
0.05%に調整した。これにより表4に示す低燐ステンレ
ス鋼が得られた。
[効果] 本発明によれば予め還元されたクロム鉱石を使用する
ので、精錬時間が大幅に短縮でき、また、クロム源とし
てリンの少ない高還元クロム鉱石を使用するのでリン含
有量の少ないクロム含有鋼を容易に得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム合金を上下吹き転炉で溶製するにあ
    たり、クロム含有率22〜48%,鉄含有率11〜24%、炭素
    含有率3〜10%、燐含有率0.008%以下であって、クロ
    ム還元率80%以上の高還元クロム鉱石粉を不活性ガスと
    共に転炉底部より吹込むとともに、溶鋼上部より酸素を
    クロム鉱石粉1トン当たり4〜7Nm3吹込むことを特徴と
    する低燐クロム合金の製造方法。
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