JP2746694B2 - プロピレンの製造方法 - Google Patents

プロピレンの製造方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はプロピレンの製造方法に関し、特にイソプロ
パノールから高収率、かつ高収率で、高純度のプロピレ
ンを得ることができる方法に関する。
<従来の技術> 従来、クメン法によるフェノール製造において副生す
るアセトンは、その大部分がメチルメタクリレートの合
成原料として利用されていた。しかし、近年、メチルメ
タクリレートの製法が他の合成原料を用いる方法に転換
されてきつつあるため、この副生アセトンの余剰対策と
して、その有効利用の途が模索されている。
そこで、アセトンをイソプロパノールに変換した後、
これを脱水反応させてプロピレンを製造する方法が検討
されている。
ところで、オレフィン類の古典的な製造方法として、
アルコール類を硫酸、燐酸、過塩素酸、リンタングステ
ン酸、リンモリブデン酸等の強酸の存在下に脱水反応さ
せる方法が知られている。近年、オレフィン類の製造
は、主にナフサクラッキングによる方法によって行われ
ているが、オレフィン類の製造原料の多様化を図った
り、高純度のオレフィン類を得るために、このアルコー
ル類を脱水してオレフィン類を得る方法が各種提案され
ている。例えば、エタノールを脱水してエチレンを製造
する方法(特公昭59−40057号、特公昭59−19927号)、
ターシャリーブタノールを脱水して高純度イソブチレン
を製造する方法(特公昭61−23771号、特開昭61−26
号)などが提案されている。また、エタノールを脱水し
てエチレンを製造する触媒としてアルミナ、シリカ・ア
ルミナ、アルミナ、ゼオライト類、固体燐酸等の固体酸
触媒を使用する方法が提案されている。(特開昭64−34
929号) <発明が解決しようとする課題> しかし、一般に強酸を触媒に用いる方法は、耐食性の
高価な材質の製造装置を用いなければならず、また排出
される廃酸の処理が困難となる。さらに生成したオレフ
ィン類が強酸の存在下に反応し、例えば重合して高分子
量体に変換されたり、異性化して目的外の化合物に変換
されたりして、目的物であるオレフィン類の収率が低下
するという問題がある。また、エチレンやイソブチレン
に比べてプロピレンは活性に富み、極めて重合し易いも
のであるため、前記特公昭59−40057号、同59−19927
号、同61−23771号および特開昭61−26号に記載の方法
をプロピレンの製造に適用するのは不可能である。
一方、特開昭64−34929号に記載の固体酸触媒を用い
る方法では、製造設備が簡略化され、しかも触媒が腐食
性を有しないため、高価な材質の製造装置を使用しなく
ても済むという利点がある。しかし、シリカ・アルミ
ナ、ゼオライト類、固体燐酸などは強酸性であり、これ
らの触媒を充填した反応器にイソプロパノールを気体状
態で供給し、250〜300℃の低温下に反応させた場合、生
成するプロピレンのうち、約30%もが重質化し、高分子
量体が多量に副生し収率が低下してしまうという問題が
ある。また、イソプロパノールを脱水してプロピレンを
製造する反応は多大な吸熱反応であるため、250℃以上
の反応温度が必要であり、工業触媒として上記の強酸性
触媒を使用することは不可能である。
一方、アルミナ触媒はエタノールの脱水には公知であ
るものの、通常市販されているアルミナをイソプロパノ
ールの脱水反応に応用しても、高収率でプロピレンを得
ることは出来ない。反応温度を450℃以上に高めれば、
イソプロパノールの転化率を高めることは出来るが、脱
水反応と共に併発するクラッキング反応の為に、生成プ
ロピレンが不純物を含み、収率が低下するという問題が
ある。
そこで本発明の目的は、耐食性の高価な材質の製造装
置を用いることなく、簡略な装置で、イソプロパノール
から高収率、かつ高収率で高純度のプロピレンを得るこ
とができる方法を提供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は前記課題を解決するために、イソプロパノー
ルを固体触媒の存在下に脱水反応させ、得られるプロピ
レンを含有する反応生成物を加圧下に油水分離させた
後、分離された油分を蒸留精製する工程を含むプロピレ
ンの製造方法を提供するものである。
本発明の方法で用いられるイソプロパノールは、いず
れの方法で製造されたものでもよく、特に制限されな
い。特に、クメン法によるフェノール製造において副生
されるアセトンから適当な方法で得られるイソプロパノ
ールを用いれば、工業的に有利である。
本発明の方法を工業的に有利に実施するには、反応方
式を連続化するのが好ましく、反応器の形式としては粉
末状の触媒を用いた流動床方式、あるいは粒状の触媒を
用いた固定床方式が好ましい。
本発明で用いられる固体触媒は、イソプロパノールを
脱水反応させるものであればよく、特に制限されない。
例えば、γ−アルミナを主成分とする触媒(γ−アルミ
ナ触媒)、シリカ・アルミナ触媒、活性白土、酸性白
土、カオリン、モンモリロナイト等の天然鉱物および層
状化合物、モルデナイト、HY型ゼオライト、HUSYゼオラ
イト等のゼオライト触媒、イオン交換樹脂、ヘテロポリ
酸、ニオブ酸等が挙げられる。これらのうちで、γ−ア
ルミナ触媒が、イソプロパノールの脱水反応により生成
するプロピレンの重合を抑えると同時に、イソプロパノ
ールの炭化やプロピレン重合物に由来するコークスの生
成を抑え、長時間に亘って高い触媒活性を持続できる点
で好ましい。
また、このγ−アルミナ触媒として、細孔直径と細孔
容積との関係に基づき統計的に計算して求められる平均
細孔径が30〜150Åでその標準偏差(σ)が10〜40Å
の範囲にあるものを使用すると、高純度のプロピレンが
極めて高収率で得られる点で好ましい。
γ−アルミナ触媒の全細孔容積が0.4cc/g(乾燥基
準)以上、好ましくは0.5〜0.7cc/g(乾燥基準)である
と、γ−アルミナ触媒の細孔分布が上記範囲に保たれる
結果、極めて高い触媒活性が得られ、高純度のプロピレ
ンを高収率で得ることができる点で好ましい。
ここに言う細孔分布とは細孔直径(2×r)とのその
直径に対応する細孔容積(rの微少変化(dr)に対する
細孔容積の微少変化(dPV)の割合:dPV/dr)との関係を
表わす分布のことであり、液体窒素温度での窒素ガスの
等温吸脱着曲線から、Cranston−Inkey法にて求めるこ
とが出来る。また、本発明で用いる細孔分布と言う用語
には同時に細孔が平均的にいかなる直径(平均細孔直
径)を中心に分布しているか、同時にその分布の幅はど
れ位あるかと言う意味も含んでいる。即ち、細孔分布を
統計的分布と見なして計算した平均細孔直径と分布の広
がりを示す標準偏差(σ)も細孔分布と同等の意味と
して本発明では取り扱う。
γ−アルミナ触媒は、通常、γ−アルミナが乾燥状態
で90重量%以上、シリカ10重量%未満、アルカリ金属酸
化物0.5重量%以下である低アルカリγ−アルミナであ
るのが好ましい。
また、このγ−アルミナ触媒は、ハメット指示薬を用
いて測定されるpKaが実質的に+3.3〜6.8の範囲で、そ
の積算酸量が0.5meq/g(乾燥基準)以下である弱酸性の
ものが好ましい。
このような物性を有するγ−アルミナ触媒は触媒の寿
命が著しく長いという工業的に極めて大きな利点を有す
る。すなわち、通常の固体酸を触媒に用いた場合、例え
ば、触媒の酸強度が大きいようなときにはイソプロパノ
ールの脱水反応は容易に起こるけれども生成したプロピ
レンの重合反応が併発して触媒に吸着するため、触媒活
性がすぐに低下する。しかしながら、上述のように細孔
分布と酸強度分布を特定範囲に制御することによって活
性低下を防止することが出来る。
また、触媒の形態は、ヌードル状、タブレット状、球
状のいずれであっても良いが、触媒強度、充填の均一性
や触媒コストの面から球状品が好ましい。
このγ−アルミナは、必要に応じて酸処理および/ま
たは焼成処理を施したものでもよい。
酸処理は、γ−アルミナ触媒を酸に浸漬処理し、触媒
の酸強度を調整するために行うものである。用いられる
酸としては、例えば塩酸、硝酸、ホウ酸等の水溶液や酢
酸、蟻酸、シュウ酸等のカルボン酸類である。
焼成処理は、触媒を空気中で、あるいは還元雰囲気中
で焼成して行われ、焼成温度は400〜700℃の範囲が好ま
しい。
さらに、本発明の方法において使用された、γ−アル
ミナ触媒は、使用につれて触媒活性が低下するが、その
場合再生処理して繰り返し使用することができる。
触媒の再生処理は、空気存在下に触媒に付着した炭素
質を通常300〜600℃の温度で燃焼させて除去する方法に
よって行うことができる。
本発明の方法において、固体触媒層を形成し、この固
体触媒層に気体状態のイソプロパノールを供給して反応
させることによって、プロピレンおよび水を主成分とす
る反応生成物が得られる。
反応温度は、通常、150〜500℃、好ましくは200〜450
℃程度である 反応圧力は、反応系内が気相状態となる圧力であれば
よく、減圧、常圧、加圧のいずれでもよい。次工程にお
いて、プロピレンと水を主成分とする脱水反応生成物の
油水分離を経済的に実施できる点で、10〜25Kg/cm2G、
さらに15〜20kg/cm2Gの加圧状態で反応させることが好
ましい。
反応器へのイソプロパノールの供給量は、通常、LHSV
として0.1〜20hr-1,好ましくは0.5〜15hr-1程度であ
る。
本発明の方法においては、固体触媒層における反応で
生成したプロピレンを含む反応生成物を反応系内から速
やかに排出させるため、イソプロパノールの脱水反応に
不活性なガス状物質を、原料物質であるイソプロパノー
ルと混合し、この混合物を反応器に供給してもよい。こ
のようなガス状物質としては、例えば、水、窒素、二酸
化炭素、ヘリウム、アルゴン、メタン、エタン、プロパ
ン、ブタン等が挙げられる。また、このガス状物質には
反応器に供給される前は液状物であっても、反応器内の
反応条件下においてガス状になる物質が含まれる。
このような物質としては、例えば、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂
肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類などが挙げら
れる。
このガス状物質をイソプロパノールと混合して反応器
に供給する場合、その使用量は、通常、イソプロパノー
ル1モルに対して0.05〜10モルの範囲が好ましい。ガス
状物質の使用量が多すぎると、反応生成物であるプロピ
レンと水の混合物から多量の不活性ガスを分離させて反
応器に循環使用する必要が生じ、分離コストおよび循環
に要するコストが高くなるなどの経済的な不利益を生じ
る。
以上のイソプロパノールの脱水反応により得られる生
成物は、およそ、次のような組成を有するものである。
イソプロパノール:1wt%以下 アセトン:1wt%以下 ジイソプロピルエーテル:1wt%以下 エタノール:1wt%以下 メタノール:1wt%以下 メチルイソブチルケトン:1wt%以下 メチルイソブチルカルビノール:1wt%以下 クメン:1wt%以下 イソプロピルシクロヘキサン:1wt%以下 プロピレン:約70wt% 水:約30wt% アセトン、ジイソプロピルエーテルは、イソプロパノ
ールの脱水反応の副生物であるが、エタノール、メタノ
ール、メチルイソブチルケトン、メチルイソブチルカル
ビノール、クメン、イソプロピルシクロヘキサンは、原
料イソプロパノールにもともと含まれていた不純物であ
る。本発明の方法においては、以上のような組成を有す
る、プロピレンと水を主成分とする反応混合物を、加圧
状態で静置すれば、油水分離しプロピレン層を上層とな
し、水層を下層となす2相が形成される。
加圧の圧力は、通常、温度を0℃以下に保つ必要がな
いため、高価な冷凍機を必要とせず、分離精製コストの
上昇を抑えることができ、また、耐圧性の高価な材質の
装置が不要であるため設備コストを低く抑えることがで
きる点で5〜50Kg/cm2G程度が好ましく、また、反応生
成物(ガス状)をそのまま20〜50℃に冷却するだけで簡
単に液化させることが出来、しかも容易に油水分離でき
る点で10〜20Kg/cm2Gがさらに好ましい。
温度は、通常0〜100℃、好ましくは20〜50℃程度で
ある。
温度及び圧力を上記範囲内に保てば、容易にプロピレ
ンを主成分とする油層と水層が分離、形成され、しかも
得られる油水の界面は極めて明確である。
用いられる油水分離装置としては、特に限定されず、
例えば、下部にブーツを有する横型ドラム、内部に仕切
板を有する横形ドラム等が挙げられる。
以上の油水分離工程により、イソプロパノールの脱水
反応により生成した多量の水を脱水反応生成物から除去
することが出来る。油層に溶解している水は、1000ppm
以下と僅かであるめ、続く蒸留精製工程で容易にプロピ
レンと分離させることが出来る。その結果、水分を含ま
ない高純度のプロピレンを製造することが出来る。ま
た、必要に応じて蒸留塔から流出するプロピレン留分
を、モレキュラーシーブなどの一般的に使用される乾燥
剤を充填した充填層に液体状態または気体状態で通過さ
せて、実質的に水分を含まないプロピレンを得ることが
できる。
また、プロピレンとの分離が困難であり、例えばベン
ゼンとプロピレンからクメンをルイス酸触媒を用いて製
造する場合の反応阻害物質となるエタノールやメタノー
ルなどの低級アルコールは、その多くが水層として除去
されるため、続く蒸留精製工程でのプロピレン精製の負
担が大幅に減少する利点がある。
油層中にエタノールやメタノールが多量に存在する場
合には、油水分離後続いて油層を水洗することが好まし
い。すなわち、油水分離後の油層に新しい水を加え、圧
力を5〜50Kg/cm2G、好ましくは10〜20Kg/cm2G、温度を
0〜100℃、好ましくは20〜50℃に維持しながら撹拌混
合した後、静置すれば簡単に油水分離し、エタノールや
メタノールは水層に移行する。その結果、油層中のエタ
ノールやメタノールをより一層低減させることが出来る
ので、次段の蒸留精製の負担を下げることが出来、得ら
れるプロピレンの純度を向上させることが出来る。
この油水分離において、油水分離槽の気相部も液相部
と同条件に保たねばならない。例えば、気相部温度が液
相部に比べて低い場合には、分離槽内部でプロピレンの
内部還流が起きるために、完全な油水分離が阻害され、
その結果、プロピンレン相中の水分と水相中の溶解プロ
ピレン量が著しく増加し、好ましくない。
次に、本発明の方法においては、油水分離後の油層に
は、プロピレンの他に、少量のメタノール、エタノー
ル、エチレン、アセトン、イソプロパノール、ジイソピ
ロピルエーテル、クメン、イソプロピルシクロヘキサ
ン、水などが含まれているため、これらの不純物を蒸留
精製により除去して高純度のプロピレンを得るものであ
る。
蒸留精製に用いる装置は、多孔板を装填した棚段式で
あっても、充填物を充填した形式であっても良いが、前
者の方が微量の水を含んだプロピレンを加圧条件で精製
する場合には、不純物との分離効率が高く、しかも経済
的である理由から、好ましい。
理論数段は、高ければ高いほど良いが、99.5%以上の
高純度プロピレンを得るには、10〜30、好ましくは15〜
25の段数が必要であり、蒸留塔塔頂部の圧力を10〜20Kg
/cm2Gになるように操作することが好ましい。
蒸留の温度は、塔底部が90〜130℃、好ましくは100〜
120℃、塔頂部が30〜70℃、好ましくは40〜60℃程度で
ある。また、蒸留塔の還流比(蒸留塔へ戻すプロピレン
の量/蒸留塔から抜き出すピロピレンの量の比)は、通
常、0.5〜3、好ましくは1〜2である。
<実施例> 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1) 内径25.4mm,長さ50cmのSUS316製の縦型管状断熱反応
管3基を直列に連結して反応器を構成した。次に、下記
物性: 平均細孔径:58Å 標準偏差(σ)13Å 全細孔容積:0.52cc/g、 酸強度分布:pka≦6.8:0.32meq/g pka≦4.8:0.10meq/g pka≦3.3:0meq/g pka≦1.5:0meq/g pka≦−3.0:0meq/g 組成(乾燥基準):Na2O:0.2重量% Fe2O3:0.02重量% SiO2:0.06重量% 残部 Al2O3 を有するγ−アルミナ触媒を、第1段目の反応器に50m
l、第2段目の反応器には50ml、および第3段目の反応
器には188mlを充填した。
反応器頂部に設けた加熱部の温度を400℃にし、圧力2
0Kg/cm2Gの保った反応器に、クメン、イソプロピルシク
ロヘキサン、エタノール、メチルイソブチルケトン、メ
チルイソブチカルビノールおよびメタノールを、不純物
としてそれぞれ約0.1重量%含有するイソプロパノール
を、750ml/hrの流速で反応器頂部から供給して反応させ
た。このとき、各段の反応管における温度および圧力
は、次の通りであった。
[第1段] 反応圧力 20Kg/cm2G 触媒層入口の温度 387℃ 触媒層出口の温度 283℃ [第2段] 反応圧力 19Kg/cm2G 触媒層入口の温度 379℃ 触媒層出口の温度 296℃ [第3段] 反応圧力 18Kg/cm2G 触媒層入口の温度 371℃ 触媒層出口の温度 284℃ 反応器から流出した反応生成物をガスクロマトグラフ
ィー分析に供して、その成分を測定した。結果は下記の
とおりであった。
未反応イソプロパノール 0.65重量% アセトン 0.26重量% ジイソプロピルエーテル 0.05重量% 水 28.2重量% プロピレン 70.2重量% メタノール 微量 エタノール 微量 メチルイソブチルカルビノール 微量 クメン 微量 イソプロピルシクロヘキサン 微量 この反応生成物の一部504.1gを、油水分離槽に導入
し、圧力17Kg/cm2G、温度45℃の条件下に静置したとこ
ろ、反応生成物は速やかに油層と水層に分離した。得ら
れた油層および水層の組成をガスクロマトグラフィーに
よって分析したところ、下記のとおりであった。
(分離油層)分離油層 358.4g イソプロパノール:0.47wt% アセトン:0.28wt% ジイソプロピルエーテル:0.04wt% エタノール:0.06wt% メタノール:0.02wt% メチルイソブチルケトン:0.17wt% メチルイソブチルカルビノール:0.18wt% クメン:0.16wt% イソプロピルシクロヘキサン:0.16wt% プロピレン:98.4wt% 水:0.08wt% (分離水層)分離水層 145.1g イソプロパノール:1.12wt% アセトン:0.24wt% ジイソプロピルエーテル:0.06wt% エタノール:0.26wt% メタノール:0.26wt% メチルイソブチルケトン:0.01wt% メチルイソブチルカルビノール:0.02wt% クメン:0.00wt% イソプロピルシクロヘキサン:0.00wt% プロピレン:0.29wt% 水:97.8wt% 次に、プロピレンを含む分離油分を、40℃に保温しな
がら、理論段数17段のオルダーショ型蒸留塔(ステンレ
ス製)に連続的に供給し蒸留精製した。このとき、分離
油分の供給量は114.2g/hr、塔頂抜き出し液量は111.8g/
hr、塔底抜き出し液量は2.4g/hrであった。定常状態で
の塔頂部の温度は49℃、圧力は20Kg/cm2G、塔底部の温
度は110℃、圧力は20.5Kg/cm2Gであった。
蒸留精製により塔頂部から流出した精製物の組成をガ
スクロマトグラフィーにより測定したところ、下記のと
おりであった。
(塔頂部) イソプロパノール:5ppm アセトン:11ppm ジイソプロピルエーテル:2ppm エタノール:584ppm メタノール:241ppm メチルイソブチルケトン:未検出 メチルイソブチルカルビノール:未検出 クメン:未検出 イソプロピルシクロヘキサン:未検出 プロピレン:99.8wt% 水:826ppm (塔底部) イソプロパノール:22wt% アセトン:14wt% ジイソプロピルエーテル:0.17wt% エタノール:0.28wt% メタノール:0.13wt% メチルイソブチルケトン:7.9wt% メチルイソブチルカルビノール:8.4wt% クメン:7.6wt% イソプロピルシクロヘキサン:7.5wt% プロピレン:33wt% 水:0.01wt% 塔頂留出液をモレキュラーシーブ(ユニオン昭和
(株)製 3A)に通して脱水することにより、水分10pp
m以下の高純度プロピレンを得た。
<発明の効果> 本発明の方法によれば、イソプロノールから、高収
率、かつ高収率で高純度のプロピレンを得ることができ
る。得られる高純度のプロピレンは、各種の有機合成原
料、ポリマー原料、有機溶媒として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 7/10 C07C 7/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソプロパノールを固体触媒の存在下に脱
    水反応させ、得られるプロピレンを含有する反応生成物
    を加圧下に油水分離させた後、分離された油分を蒸留精
    製する工程を含むプロピレンの製造方法。
  2. 【請求項2】前記固体触媒がγ−アルミナである請求項
    1に記載のプロピレンの製造方法。
  3. 【請求項3】前記油水分離に続いて、油層を水洗する請
    求項1記載のプロピレンの製造方法。
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