JP2746594B2 - 配線方向表示処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 自動配線処理における未結線の配線（ワイヤ）につい
ての配線方向表示処理装置に関し， 未結線ワイヤの行先表示を配線方向を示すことによっ
て簡略化することを目的とし， 自動配線処理を行う配線処理部と、 前記自動配線処理の結果、残された未結線の配線の始
点、終点のランドを基点として結線の行き先方向を解析
する方向解析部と、 前記方向解析部の解析結果を表示する方向表示部とを
備え、 前記自動配線処理の結果結線された配線を表示すると
共に、前記ランドに対応して前記未結線の配線について
の前記解析結果の表示を行うように構成する。

〔産業上の利用分野〕

本発明は，配線方向表示処理装置に関し，更に詳しく
は，自動配線処理における未結線の配線（ワイヤ）につ
いての配線方向表示処理装置に関する。

半導体装置等の電子部品を搭載するプリント配線基板
（以下，プリント板）においては，高密度実装が進むに
従ってその構成もより複雑化してきたため,CADによる設
計が行なわれている。

〔従来の技術〕

プリント板のCADによる一般的な設計処理は次のよう
に行なわれる。

CADシステムは，入力されたプリント板の論理図に基
づいて，論理設計，論理検証，電子部品の割付けを行っ
てプリント板の原型を完成し，さらに電子部品の自動配
置処理，電子部品間の自動配線処理を行ってプリント板
を完成し，その製造のための処理を行う。この間，設計
者の介入は，自動配置処理の前に固定部品の配置を行う
場合，自動配置処理の後に配置の最適化のいための配置
編集を行う場合，および，自動配線処理後に配線の最適
化や未結線の配線（以下，ワイヤ）の結線のための配線
編集を行う場合に行なわれる。

設計者が介入する場合，それまでのCADシステムによ
る処理の結果を知る必要があるので,CADシステムの表示
装置の画面に設計者の作業に必要な情報が表示される。

特に，配線編集は，自動配線処理において本来結線さ
れるべきであったのに結線されることなく残ってしまっ
た未結線の配線（未結線ワイヤ）についての配線処理を
行うために設計者が介入するものである。そこで，未結
線ワイヤについての情報を含む自動配線処理の結果が，
設計者のために画面に表示される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

第８図は表示画面の一例を示す図であり，配線編集の
ために設計者に対して自動配線処理の結果を示すための
画面を示している。

第８図において,11は各電子部品の端子が接続される
プリント板の端子または導体部（ランド）,13および14
は自動配線処理において結線されたワイヤ,15は未結線
ワイヤの行先表示線,80は表示装置の画面である。

画面80において，各電子部品の表示は省略されランド
11のみが表示されると共に，各ランド11間を結線するた
めのワイヤ13および14が実際の配線の通りに表示され
る。一方，未結線ワイヤの行先表示線15は，例えば接続
する２つのランド11間を直線で結んで未結線ワイヤの行
先を示すように表示される。図中，実線で示すワイヤ13
は縦方向ワイヤであり，画面80上では例えば赤で表示さ
れる。点線で示すワイヤ14は横方向ワイヤであり，画面
80上では例えば黄の実線で表示される。一点鎖線で示す
行先表示線15は画面80上では例えば白の実線で表示され
る。

１枚のプリント板上に約1000本のワイヤが配置される
とすると，未結線ワイヤは約100本程度残ってしまう。
これらについて，第８図の如く一斉に表示すると，行先
表示線15の本数が多すぎてわかりにくい上，集中する部
分では，行先表示線15がハッキリとは見えなくなったり
画面の当該部分周辺が真白になったりする。このため，
配線編集の作業の効率が極めて悪くなってしまう。一
方，行先表示線15を１本ずつ表示して未結線ワイヤの配
線処理をその都度行っていたのでは，他の未結線ワイヤ
との間の調整が不十分になってしまう。このため，一
旦，結線を完了した未結線ワイヤを，再び，別の位置を
通るように配線しなおす場合が多く生じてしまう。

本発明は，未結線ワイヤの行先表示を配線方向を示す
ことによって簡略化した配線方向表示処理装置を提供す
ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

第１図は本発明の原理構成図であり，本発明によるCA
Dシステムを示している。

第１図において,1はコンピュータの如き処理装置,2は
配線処理部,4は配線方向表示処理部,41は方向解析部,42
は方向表示部,8は例えばカラー表示用の画面80を含む表
示装置,9は図面90を印刷する例えば静電プロッタの如き
出力装置である。

処理装置１は，プリント板の自動配線処理を含む設計
処理を入力された論理図に従って行い，その過程および
結果を表示装置８の画面80に表示し，最終的な結果を出
力装置９から図面90として出力する。処理装置１は，こ
のために必要な，論理図エディタ，論理シミュレータ，
部品ライブラリ，その他の機能を備える。

配線処理部２は，処理装置１が行う設計処理のうち各
電子部品間等を接続するワイヤの設計処理を行う。即
ち，電源ワイヤ等の固定ワイヤをも含んだ全ワイヤにつ
いて，プリント板上での位置を決定し，必要な電気的接
続が行なわれるように接続すべき箇所を結線する処理
（自動結線処理）を行う。

配線方向表示処理部４は、自動配線処理で残った未結
線ワイヤについての方向表示のための処理を行う。

即ち，方向解析部41は，未結線ワイヤを認識し，当該
未結線ワイヤの延びる方向を解析する。つまり，当該未
結線ワイヤが接続すべき２つのランド11間を直線で結び
（行先表示線15を想定し），この直線の延びる方向を求
める。

方向表示部42は，方向解析部41での解析結果に従っ
て、未結線ワイヤについてランドに対応して解析結果を
表示するための処理を行う。

画面80上には，配線処理部２における自動配線処理の
結果，および，配線方向表示処理部４における未結線ワ
イヤの配線方向についての表示処理の結果が表示され
る。

〔作 用〕

第２図は本発明の作用説明図であり，配線編集のため
に設計者に対して処理装置１が自動配線処理の結果を示
すための一画面を示している。

第２図において,11は各電子部品の端子が接続される
導体部（ランド）,12は配線方向を表示する方向表示マ
ーク,13および14は自動配線処理において結線されたワ
イヤ,15は未結線ワイヤの行先表示線である。

画面80において，配線処理部２によって，各電子部品
の表示は省略されランド11のみが表示されると共に，各
ランド11間を結線するためのワイヤ13および14がプリン
ト板上の実際の配線の通りに表示される。図中，実線で
示すワイヤ13は縦方向ワイヤであり，画面80上では例え
ば赤で表示される。点線で示すワイヤ14は横方向ワイヤ
であり，画面80上では例えば黄の実線で表示される。

一方，方向表示部42は，この画面80において，行先表
示線15に代えて方向表示マーク12を表示させる。方向表
示マーク12は，未結線ワイヤが接続される全てのランド
11について表示され，当該未結線ワイヤの行先表示線15
が当該ランドに接続されるであろう位置を示す。方向表
示マーク12は例えば白で表示される。

第２図（Ｂ）に，行先表示線15と方向表示マーク12
（121）との関係を示す。

方向解析部41は,1つのランド11について，行先表示線
15の当該ランドに接続されるであろう位置を，例えば,2
本の分割線124によって,4方向に等分して示す。即ち，
方向解析部41は，図示の如き行先表示線15が想定される
（表示はされない）場合，これが前記分割された４方向
のうちのいずれに属するのかを解析し，図示の如き方向
に方向表示マーク121の表示をするための表示処理が必
要であることを方向表示部42に通知する。なお，複数の
行先表示線が想定される時は，対応する方向表示マーク
121が複数表示される。

なお，実際の表示においては，画面80をより見易くす
るために，方向表示マーク121（12）に代えて，第２図
（Ｂ）に斜線を施して示すように，ランド11内の方向分
割線124によって規定される１つの領域121′（12′）全
体を例えば白で塗りつぶして表示するものであり，その
ための表示処理を方向表示部42が行うものである。

行先表示線15を表示せず，これに代えてランド11近傍
またはランド11内に方向表示をすることにより，未結線
ワイヤが多く残っても，その全てについてハッキリと表
示でき，画面が混雑して実質的に表示（判別）不能とな
ることがない。

以上のような表示処理を行うことによって，未結線ワ
イヤの行先表示を簡明にし，その表示のための画面を，
未結線ワイヤの全体概略が判る状態を保ちつつ，各未結
線ワイヤについての明確な表示を可能とし，特に，行先
の方向を示してワイヤの混み合う領域の予測を可能とす
ることができる。

〔実施例〕

（ａ） 一実施例の説明 第３図は本発明の一実施例構成図であり，本発明によ
るCADシステムを示している。

第３図において,3は未結線ワイヤ処理部,5は全体表示
処理部,6は選択表示処理部,7は表示制御部,10は記憶装
置である。

未結線ワイヤ処理部３は，自動配線処理において配線
処理部２が結線することができずに残した未結線ワイヤ
について，設計者と対話しながらその配線処理を行う。
このために，本実施例においては，第２図（Ａ）図示の
画面80の表示処理を行う配線方向表示処理部４が設けら
れると共に，以下の手段が設けられる。

即ち，全体表示処理部５は，第８図に示す如き画面80
を表示するための表示処理を行う。選択表示処理部６
は，第６図に示す画面80から方向表示マーク12,ワイヤ1
61および162を除いた画面を表示するための表示処理を
行う。表示制御部７は，各処理部４ないし６のうちのい
ずれかの表示処理結果を選択して，対応する表示とその
切換えを表示装置８に行なわせる。

第４図は設計処理フロー図であり，第３図図示のCAD
システムを利用したプリント板の設計処理の流れを示し
ている。

プリント板の論理図が入力されると，コンピュータ
の如き処理装置１は，その内部の論理図エディタにより
論理設計を行う。

処理装置１は，その内部の論理シミュレータにより
設計した論理について論理検証を行う。

論理設計の結果に従って，処理装置１は，記憶装置
10に格納された部品ライブラリのデータを用いて，電子
部品の各論への割付け（対応）処理および空端子処理を
行う。これにより，プリント板の原型が作られる。

画面に表示された原型を見ながら，設計者は，コネ
クタやバイパスコンデンサ等の固定部品のプリント板上
への配置を行う。これに加えて，処理装置１は各電子部
品のプリント板上への自動配置処理を行う。設計者は，
自動配置処理の結果が画面に表示されたものを見なが
ら，解析を行い，最適位置（配置編集）を行う。

配線処理部２は，最適配置されたプリント板につい
ての自動配線処理を行う。即ち，各電子部品に対する電
源配線等の固定ワイヤの結線を行う。次に，論理設計に
基づいた結線情報（記憶装置10内に保持される）に従っ
て各電子部品，固定部品間を結線するワイヤの自動配線
処理を行う。この処理結果は画面に表示される。

自動配線処理の結果未結線ワイヤが存在すると，未結
線ワイヤ処理部３は所定の順で設定者との対話を行っ
て，未結線ワイヤの配線処理を行う。このために必要な
表示処理が各処理部４ないし６において行なわれ，表示
制御部７によって表示されるようにされ，または，表示
が切換えられる。

配線編集，即ち，未結線ワイヤの配線処理およびワ
イヤの最適化処理が終ると，プリント板の設計が完了す
る。

処理装置は，以下の設計処理の結果に基づいて，ワイ
ヤを形成する導体を加工するためのレジストの設計処
理，および，電子部品等の情報をプリント板上の所定の
位置にマークするためのマーキングの設計処理を行う。
即ち，ワイヤはプリント板では，レジストを用いたエッ
チングにより形成した例えば銅の配線層とされる。

処理装置は，また，プリント板作成のためのNCデー
タ，作画，ドリルパターン図，実装図の作成を行う。

第５図は未結線ワイヤのん配線処理フロー図であり，
第４図図示の処理において，設計者が介入して処理装
置１と対話して未結線ワイヤの配線処理を行う流れを示
している。

自動配線処理の結果，未結線ワイヤが残ると，全体
表示処理部５は，第８図図示の如き画面80を表示するた
めの表示処理を行い，表示制御部７がこれを表示させ
る。これにより，設計者は配線処理およびプリント板全
体の概略を知ることができる。

設計者は，マウス等を用い，第８図の画面80上の１
つのランド11を選択する。これにより，ランド111から
延びる行先表示線151が選択される。即ち，設計者は配
線処理の対象となる１本（または複数）の未結線ワイヤ
を選択したこととなる。

設計者の選択を受けて，選択表示処理部７は，第６
図に示す画面80から方向表示マーク12とワイヤ161およ
び162とを除いた画面を表示するための処理を行い，表
示制御部７はこを表示させる（画面を切換える）。これ
により，設計者は，第８図の画面80では判りにくかった
未使用の配線チャネル（空きトレース），および，行先
表示線151の行先を明確に知ることができる。

一方，設計者の選択を受けて，配線方向表示処理部
４は，選択された行先表示部151以外の各行先表示線15
について，第６図図示の方向表示マーク12を表示するた
めの処理を行う。即ち，方向解析部41は，全体表示処理
部５において作成された各行先表示線15についてのデー
タを使用して，その延びる方向を解析し，どのランド11
のどの方向について方向表示マーク12を表示するかを方
向表示部42に通知する。方向表示部42は，これらの方向
表示マーク12を表示するための処理を行う。

表示制御部７は，処理とにおける処理結果を合せ
て，第６図の画面80からワイヤ161と162を除いた画面を
表示させる。これにより，設計者は配線処理の対象であ
る未結線ワイヤの行先表示線151についてその行先を明
確に知ることができ，未使用（利用できる）配線チャネ
ルが設計者に判り易くなる。また，設計者は，方向表示
マーク12により，配線チャネルの混雑部分（使用率の高
いであろう部分）について概略予測することができ，使
用したい配線チャネルについてその近傍のランド11から
延びるワイヤを通す必要があるかを知ることができる。

以上の情報を知った上で，設計者は，行先表示線15
1に対応する未結線ワイヤの結線処理を行う。即ち，設
計者は，前記画面を見ながら，未使用配線チャネルを見
つけ，あるいは既に結線済のワイヤ13または14のパター
ンを変更したりして，配線チャネルを確保する。そし
て，第６図図示の如く，ワイヤ161または162を行先表示
線151に対するワイヤとして結線する。ワイヤ161は途中
での配線チャネルの混雑を予測して迂回した例，ワイヤ
162は最短の配線距離とした例である。

なお，この処理において，既に結線済のワイヤ13およ
び14の変更を併せて行うことにより，最適化処理も同時
になされるものである。

他の未結線ワイヤについて，同様の処理ないし
がくり返される。

（ｂ） 他の実施例の説明 第７図は他の実施例説明図であり，図中,122および12
3は方向表示マーク,122′および123′は方向表示マーク
122および123に代わる塗りつぶし領域である。

第７図図示の如く，行先表示線15の当該ランドに接続
されるであろう位置は，方向分割線124によって種々に
分割規定した方向を用いて表示することができる。

（ｃ） 更に他の実施例の説明 前述の実施例では，方向表示マーク12および塗りつぶ
し領域12′をランド11等とは異なる色で表示している
が，更に，色重みを付けうようにしてもよい。つまり，
対応する行先表示線15の長さ（ベクトル長さ）が長くな
るのに応じて重みを増すように階調を変化させる。即
ち，行先表示線15が長い程，濃い色で表示される（また
は輝度が増す）。このようにすれば，第２図（Ａ）に示
す画面，第５図の処理において示される画面等におい
て，配線チャネルの混雑部分についての予測をより一層
確実にすることができる。なお，ランド11等と階調を大
きく異ならせれば，同色で表示してもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したように，本発明によれば，自動配線処理
における未結線ワイヤの延びる当該ランドに接続される
であろう位置するための表示処理において，未結線ワイ
ヤの行先表示をその延びる方向を示すことによって行う
ようにして，未結線ワイヤの全体概略が判る状態を保ち
ながら各未結線ワイヤについて明確な配線方向表示を可
能とすることができ，配線処理の効率を向上することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の原理構成図， 第２図は本発明の作用説明図， 第３図は本発明の一実施例構成図， 第４図は設計処理フロー図， 第５図は未結線ワイヤの配線処理フロー図， 第６図は表示画面を説明するための図， 第７図は他の実施例説明図， 第８図は表示画面の一例を示す図。 １は処理装置,2は配線処理部,4は配線方向表示処理部,8
は表示装置,9は出力装置,11はランド,12は方向表示マー
ク,13および14はワイヤ,41は方向解析部,42は方向表示
部,80は画面,90は図面である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動配線処理を行う配線処理部と、 前記自動配線処理の結果、残された未結線の配線の始
   点、終点のランドを基点として結線の行き先方向を解析
   する方向解析部と、 前記方向解析部の解析結果を表示する方向表示部とを備
   え、 前記自動配線処理の結果結線された配線を表示すると共
   に、前記ランドに対応して前記未結線の配線についての
   前記解析結果の表示を行うようにした ことを特徴とする配線方向表示処理装置。