JP2746143B2 - 電池収納ケース及びケース収納電池 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明は電池の収納ケースの構
造、及びその電池収納ケースに電池を収納して構成した
ケース収納電池に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】カメラ等に使用する電池においては、長
期にわたつて使用でき、かつモータのように大きな負荷
を駆動できるような高性能のものが要請される。 【０００３】そのような要請に基づき、小型で大容量で
あり自己放電性が低く寿命の長い高性能を持つ電池、例
えばフツ化黒鉛リチウム電池、が開発されているが、こ
の電池は最大１アンペア以上の強電流放電が可能となつ
ているため、故意もしくは偶然に電池の正負電極間を短
絡させると急激に大電流が流れることによつて電池が発
熱し、短絡状態を続けると火災や爆発事故を起こす危険
がある。 【０００４】一方、最近のカメラ等の機器にはＩＣを使
用したものが多い。このため、故意もしくは偶然に電池
の正負の電極を逆にして機器に装填すると、単に機器が
作動しないだけではなく、ＩＣが破壊される危険があ
る。 【０００５】また、電池を複数使用する機器において、
もし一部の電池の電極を逆にして装填すると、逆充電が
行われて爆発等の事故が生じる恐れもある。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】このため、上記のよう
な電池を使用する機器では従来一般の消費者が電池交換
を行わないようにし、機器を製造したメーカー等の手に
よつてのみ交換を行うようにしているため、一般消費者
にとつて大変不便なものとなつている。 【０００７】本発明は、上記のような不便を解消するた
めになされたもので、その目的とするところは、上記の
ような電池を一般消費者が取り扱うことによつて誤装填
されたとしても火災や爆発事故、機器の破壊などが起こ
ることのない新たな電池収納ケース、及びその電池収納
ケースに電池を収納して構成したケース収納電池を提供
することにある。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであって、請求項１の発明は、直列接続される
円筒型電池を２本並列に並べて保持する保持部と、上記
保持部の外壁面に配置された外部機器に接触する正負の
接触部と、保持部の内部に収納される電池の正負の電極
と前記正負の接触部とをそれぞれ接続する接続部材とを
備えた電池収納ケースにおいて、上記保持部の外壁面に
配置された正負の接触部は、電池収納ケースをケースに
並列に収納される２本の円筒型電池の円筒軸方向中心線
に平行で、且つ２本の円筒軸方向中心線の間の中央に位
置する中心線の回りに１８０度回転させたとき、前記接
触部が回転する回転面内において回転前の接触部の位置
と一致しない位置に来るように配置されていることを特
徴とする電池収納ケースである。 【０００９】また、請求項２の発明は、直列接続される
円筒型電池を２本並列に並べて保持する保持部と、上記
保持部の外壁面に配置され、ケースに並列に収納された
２本の円筒型電池の円筒軸方向中心線に平行で、且つ２
本の円筒軸方向中心線の間の中央に位置する中心線の回
りに１８０度回転させたとき、接触部が回転する回転面
内において回転前の接触部の位置と一致しない位置に来
るように配置された外部機器に接触する正負の接触部
と、保持部の内部に収納された電池の正負の電極と前記
正負の接触部とをそれぞれ接続する接続部材とを備えた
ケースに、２本の円筒型電池を収納したことを特徴とす
るケース収納電池である。 【００１０】 【作用】外部機器と電池とを接続する正負の接触部は、
電池収納ケースをケースに並列に収納される２本の円筒
型電池の円筒軸方向中心線に平行で、且つ２本の円筒軸
方向中心線の間の中央に位置する中心線の回りに１８０
度回転させたとき、接触部が回転する回転面内において
回転前の接触部の位置と一致しない位置に来るように配
置されているから、誤って電池収納ケースを外部機器に
逆方向、即ち電池収納ケースを前記した中心線の回りに
１８０度回転させた状態で装填したときは、接触部の位
置が電池収納ケースを正規に方向に装着した場合の位置
からずれて一致しないので、外部機器側の弾性接触片が
電池収納ケース側に突出しているような場合であって
も、外部機器側の弾性接触片と電池収納ケース側の接触
部と接触する恐れがなく、電池の正負の電極が外部機器
に対し逆極性に接続されることがない。 【００１１】 【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１乃至図４は本発明の実施例を示すもの
で、図１は本発明の実施例を示す分解斜視図、図２は図
１に示す実施例の縦断面図である。また、図３及び図４
は接片の配設状態を示す説明図である。 【００１２】図１乃至図４において、１は短絡によつて
爆発の危険性をもつ大容量の電池であり、双方の電極が
互いに逆方向を向くように２個並列して並べられ、それ
等の一方の端部は互いの電極を連結するように導体金属
２が溶接され、両電池が直列に接続されている。 【００１３】３は電池収納ケースであり、上下に二分割
されて電池１を収納するよう構成されている。また、電
池収納ケース３は、並列に並べた２本の電池の外形の沿
つて形成される凹み部が一方にのみ形成されており、該
凹み部には該電池収納ケース３を図示しないカメラ等の
装置（以下、装置という）に装填する時に正しい方向に
のみ挿入可能とするための段部３ｄが形成されている。
電池１を収納するにあたつては電池１を電池収納ケース
３の上下に分割された一方にまず嵌入させ、他方を嵌入
させて固着する。 【００１４】本実施例においては、電池収納ケース３か
ら突出した電極用接点２１、２２を設けるとともに同ケ
ース３内に断続可能な接片を設け、同ケース３が正しく
装置に装填された場合にのみ電池１の電極に接続された
接片と電池収納ケース３から突出した接点２１、２２に
接続された接片が接続して電流が流れるよう構成されて
いる。 【００１５】電極用接点２１、２２は、電池収納ケース
３の頂部に突出するように設置されているが、図１に示
すように電池収納ケース３に並列に収納される２本の円
筒型電池の円筒軸方向中心線Ｚ１、Ｚ２に平行で、且つ
２本の円筒軸方向中心線の間の中央に位置する中心線Ｚ
ｍの回りに１８０度回転させたとき、接触部が回転する
回転面内において回転前の接触部の位置と一致しない位
置に来るように配置されているから、誤って電池収納ケ
ース３を外部機器に逆方向、即ち、電池収納ケースを前
記した中心線の回りに１８０度回転させた状態で装填し
ても、電極用接点の位置が電池収納ケースを正規に方向
に装着した場合の位置とは異なり一致しないので、外部
機器側の弾性接触片が電池収納ケース側に突出している
ような場合であっても、外部機器側の弾性接触片と電池
収納ケースの電極用接点２１、２２とが接触する恐れは
なく、電池の正負の電極が外部機器に対し逆極性に接続
されることがない。 【００１６】電池収納ケース３の内部には、図２、図３
及び図４に示すように、まず電池１の負電極１ｂと弾性
的に接続され電極用接点２２と接続されている接続部材
２７、及び弾性接片６ａで電池１の正電極１ａと弾性的
に接続されている接続部材６が設けられている。 【００１７】また、電極用接点２１にその一端が固着さ
れ他端部が折曲端部２８ａを成していて同折曲端部２８
ａからダイオード７を介して接片２９に接続されている
接続部材２８が電池収納ケース３の内壁に固設されてい
る。更に、接続部材６の折曲端部６ｂにその一端部の第
一接片部２５ａが接触し、接片２９にその他端部の第二
接片部２５ｂが接触して電池１の正電極１ａと電池収納
ケース３の電極用接点２１を接続状態とするための可動
状の導体接片２５が設置されている。 【００１８】導体接片２５は付勢バネ２３に支持されて
いる切換部材２４に固設されていて、電池収納ケース３
を装置に装填しない状態では付勢バネ２３により導体接
片２５の第一接片部２５ａと接続部材６の折曲端部６ｂ
の間、第二接片部２５ｂと接片２９との間が引き離され
ているために、接続部材６及び接片２９とは接続されて
なく、電極用接点２１、２２を短絡状態に接続しても電
流は流れず、短絡は生じない。切換部材２４は電池収納
ケース３の頂面を貫通するよう設けられた開口３ｆを介
して外部接触可能となるよう配設されている。 【００１９】電池収納ケース３を装置（図示せず）に装
填するにあたつては、まず電池収納ケース３を正しい方
向に挿入すると、装置に固設されている装着方向規制ピ
ン（図示せず）が電池収納ケース３の頂面に設けられた
開口３ｆを貫通し、切換部材２４を付勢バネ２３の付勢
力に抗して図３で下方へ押し動かす。なお、装着方向規
制ピンを有する装置に対して電池収納ケース３を誤つた
方向に装填しようとしても装着方向規制ピンがケース３
の上面部に当接するため、装填は不可能である。 【００２０】切換部材２４が、図３で下方に移動するこ
とによつて導体接片２５も下方に移動し、導体接片２５
の第一・第二接片部２５ａ、２５ｂがそれぞれ接続部材
６の折曲端部６ｂおよび接片２９と接触して、電池１の
正電極１ａと電極用接点２１とが接続される。この時、
切換部材２４の尾部２４ａが装着方向規制ピン（図示せ
ず）に押し動かされて電池収納ケース３の段部３ｄから
突出し、正電極部が接続状態になつたことを表示する。
尾部２４ａは着色しておくとよい。更に電池収納ケース
３を装置に押入すると、電極用接点２１、２２が装置側
に固設された接点と接触し、導通がなされて装填が完了
する。 【００２１】電池収納ケース３を装置から取り出すと、
装着方向規制ピンと切換部材２４との当接が解除される
ため、付勢バネ２３の付勢力によつて切換部材２４及び
導体接片２５が図３で上方に移動し、第一・第二接片部
２５ａ、２５ｂと接続部材６のの折曲端部６ｂおよび接
片２９の当接が解かれて電池１の正電極１ａと電極用接
点２１とが接続されなくなる。 【００２２】本実施例によれば、前述のとおり電池の正
負の電極１ａ、１ｂの短絡が防止され、誤装填による事
故が防止されるとともに、ダイオード７を設けたため
に、複数の電池収納ケース３を並列接続して使用した場
合に、電池間に電位差があつても低電圧の電池に電流が
流入することを防止でき、電池の発熱や爆発事故を防止
することができる。なお、ダイオード７に代えて電圧検
出回路を設け、電池１の電圧が所定レベル以下に低下し
た時スイツチング回路によつて電極用接点２１と電池１
の電極１ａの接続を絶つ構成としてもよい。本発明は、
電池収納ケースとして単体で販売してもよく、また、販
売前に電池をこの電池収納ケースに収納し、ケース収納
電池として販売し、消費者が電池のケースへの収納を直
接行なわないようにしてもよい。 【００２３】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
の電池収納ケースは、電池を保持する保持部の外壁面に
配置された外部機器と電池とを接続する正負の接触部
が、電池収納ケースをケースに並列に収納される２本の
円筒型電池の円筒軸方向中心線に平行で、且つ２本の円
筒軸方向中心線の間の中央に位置する中心線の回りに１
８０度回転させたとき、接触部が回転する回転面内にお
いて回転前の接触部の位置と一致しない位置に来るよう
に配置されているから、外部機器側の弾性接触片が電池
収納ケース側に突出しているような構成であっても、電
池収納ケースの装填方向を間違えたとしても外部機器側
の弾性接触片と電池収納ケース側の接触部とが接触する
恐れがない。この構成の電池収納ケースに電池を収納し
て取り扱うことにより、電池をカメラその他の外部機器
に装填するとき、装填方向を間違えるなどの誤装填によ
っても、電極の逆接続が起きるおそれがなく、取り扱い
に格別の注意を払わなくとも爆発や外部機器の破壊等の
事故発生の危険性はなく、一般消費者が安心して取り扱
うことができるなど顕著な作用効果を奏する電池収納ケ
ースを提供することができる。 【００２４】また、本発明の請求項２のケース収納電池
は、請求項１の電池収納ケースに電池を収納したケース
収納電池であるから、請求項１の電池収納ケースと同様
に、電池をカメラその他の装置に装填して使用すると
き、装填方向を間違えるなどの誤装填によつても電極の
逆接続が起きるおそれがなく、電池の取り扱いに格別の
注意を払わなくとも爆発や装置の破壊等の事故発生の危
険性はなく、一般消費者が安心して取り扱うことができ
るなど顕著な作用効果を奏するケース収納電池を提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の実施例を示す分解斜視図。 【図２】図１に示す実施例の縦断面図。 【図３】接片の配設状態を示す説明図。 【図４】接片の配設状態を示す説明図。 【符号の説明】 １ 電池 １ａ、１ｂ 電極 ３ 電池収納ケース ３ｄ 段部 ３ｆ 開口 ７ ダイオード ２１、２２ 電極用接点

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．直列接続される円筒型電池を２本並列に並べて保持
   する保持部と、 上記保持部の外壁面に配置された外部機器に接触する正
   負の接触部と、 保持部の内部に収納される電池の正負の電極と前記正負
   の接触部とをそれぞれ接続する接続部材とを備えた電池
   収納ケースにおいて、 上記保持部の外壁面に配置された正負の接触部は、電池
   収納ケースをケースに並列に収納される２本の円筒型電
   池の円筒軸方向中心線に平行で、且つ２本の円筒軸方向
   中心線の間の中央に位置する中心線の回りに１８０度回
   転させたとき、前記接触部が回転する回転面内において
   回転前の接触部の位置と一致しない位置に来るように配
   置されていることを特徴とする電池収納ケース。 ２．直列接続される円筒型電池を２本並列に並べて保持
   する保持部と、 上記保持部の外壁面に配置され、ケースに並列に収納さ
   れた２本の円筒型電池の円筒軸方向中心線に平行で、且
   つ２本の円筒軸方向中心線の間の中央に位置する中心線
   の回りに１８０度回転させたとき、接触部が回転する回
   転面内において回転前の接触部の位置と一致しない位置
   に来るように配置された外部機器に接触する正負の接触
   部と、 保持部の内部に収納された電池の正負の電極と前記正負
   の接触部とをそれぞれ接続する接続部材とを備えたケー
   スに、 ２本の円筒型電池を収納したことを特徴とするケース収
   納電池。