JPH04131860U - 電池装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 容量を残した電池が廃棄された場合、電池同
士の接続による過放電現象や、端子間の短絡時の熱によ
る危険な状態等を回避し、安全性に優れた電池装置を提
供する。 【構成】 電池の端子間、若しくは電池を収納するケー
ス４に設けられた外部端子３間を、抵抗性部材１により
接続して、小さな電流で放電させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えばリチウム一次電池等を一個或るいは複数個収納した電池装置 に関するものであり、特に、これら電池廃棄時の問題点を解決するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近年、カメラ、無線機等の携帯用電気機器、或るいはコンピュタ−等のメモリ バックアップ用途において、アルカリ−マンガン電池、リチウム電池などの一次 電池を、単品の状態或るいは複数個をパック電池としたものが用いられている。

【０００３】 一次電池の場合、電池容量を使い果たした際には、電池の交換が必要である。 使用機器の電流が小さい場合には、効率よく電池の容量が使われ、ほとんど完全 放電に近い使用済みの電池と、新しい電池とが交換される。

【０００４】 ところが、電池の能力に対して、機器の使用電流が大きい場合、或るいは機器 の設定電圧（放電禁止電圧）が高い場合には、ある程度電池の容量を残した状態 で、電池交換される場合がある。

【０００５】 更に、カメラのように比較的に短期間に集中して使用される場合には、即ち、 旅行などの場合使用に先立ち、電池の交換を早く行うことがある。このような場 合、通常使用可能な電池がそのまま捨てられてしまうことになる。

【０００６】 ところで、最近の技術革新によって一次電池の自己放電は小さくなっており、 特に、リチウム電池は自己放電率が極めて小さく、放置されても電池は生きたま まの状態が長期間継続することになる。

【０００７】 このような容量を残した電池が廃棄され、他の廃棄物中の導電性を有するもの によって両端子間が接続された状態となると、この電池は短絡状態となり、発熱 、漏液を引き起こす。

【０００８】 また、電池が大量に捨てられ、容量を残した電池と、完全放電の電池とが接続 され、短絡或るいは放電されるような状態に陥ると、完全放電の電池が強制的に 放電され、いわゆる過放電状態となる。過放電状態になると、電池内では通常の 放電反応は起こらず電解液が分解され、可燃性のガスが発生し、電池が短絡、或 るいは過放電された際の熱によって、危険な状態となる。

【０００９】 更に、電池が水中に捨てられた場合には、電池の電気エネルギーで水が分解さ れ、水素を発生し、安全上、好ましくない。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記問題点に鑑みてなされたものであって、電池が廃棄された場合、 他の導電物で電池の端子間が通電状態となることにより、電池が発熱、漏液した り、過放電されることによって電池内部で可燃性のガスが発生するというような 、安全上好ましくない事態を解決するものである。この結果、廃棄後安全性にお いて問題を生じない電池装置を提案するものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案の電池装置は、少なくとも一つの電池と、前記電池の端子間を接続する 抵抗性部材とから構成される。

【００１２】 また、本考案の電池装置は、少なくとも一つの電池を収納するケースと、前記 電池と電気的に接続された外部端子とを有する電池構造と、前記外部端子間を接 続する抵抗性部材とから構成してもよい。

【００１３】

【作用】

本考案の如く、少なくとも一つの電池の端子間、若しくは少なくとも一つの電 池を収納するケースに設けられた外部端子間を、抵抗性部材により接続して、小 さな電流で放電させることにより、電池容量を消費してしまう。この結果、電池 を廃棄した場合であっても、前述するような問題点を生じない。

【００１４】

【実施例】

以下に、本考案の実施例を図面に基づき、詳述する。 ［第１実施例］ 図１は本考案による電池装置の斜視図である。ここで、Ａは機器に電池装置を 装填する場合の全体斜視図である。また、Ｂは抵抗性部材１と電池ケース４の分 解斜視図である。そして、Ｃは電池装置を廃棄する状態を示す全体斜視図である 。

【００１５】 まづ、合成樹脂で構成され内部に抵抗２が収納された抵抗性部材１で、外部端 子３とは反対側の電池ケース４の底部５に前記抵抗性部材１を装着（Ａ）して、 電池使用機器にこの電池装置を装填する。尚、前記外部端子３は、電池ケース４ 内に収納された電池の一方極端子に電気的に接続されており、前記電池ケース内 には、リチウム一次電池が複数個（この実施例では２個）収納され直列に接続さ れている。そしてこの状態で、電池装置から外部端子３を通して、電池の電気的 エネルギーが取り出せる。

【００１６】 次にＢに示すように、抵抗性部材１と、電池（図示せず）をその内部に収納し た電池ケース４とは離間できるように構成されているので、Ａに示す電池装置を 使用機器から取り出し、抵抗性部材１を、電池ケース４の底部５から取り外す。 尚、この電池ケース４は合成樹脂から構成された、二つ割りのケースから構成さ れている。

【００１７】 そして、電池を使い果たした後にＣに示すように、電池ケース４の上部６に外 部端子３間を接続するように前記抵抗性部材１を装着して、微小電流で放電させ ながら電池装置を廃棄することができる。

【００１８】 この時の抵抗性部材１の抵抗値としては、電池放電時、電池が過度の発熱をし ないもので、完全放電までに長時間を要しない値とする必要があり、この具体的 には１０〜１００時間率で放電されるものが望ましい。 ［第２実施例］ 図２は本考案による他の実施例を示す電池装置の斜視図である。ここで、Ａは 機器に電池装置を装填する場合の全体斜視図、Ｂは抵抗性部材１１と電池ケース １４の分解斜視図、Ｃは電池装置を廃棄する状態を示す全体斜視図である。

【００１９】 この第２実施例が、前記第１実施例と異なる点は、抵抗性部材１１が電池ケー ス１４の側面に装着されており、外部端子１３が電池ケース１４の上端面に設け られている点である。ここで、使用する抵抗性部材１１は合成樹脂で構成された 板状の部材に、抵抗１２が配置され、その両端には接点が構成されている。

【００２０】 尚、前記外部端子１３は、電池ケース１４内に収納された電池の一方極端子を 兼用しており、この状態で、電池装置から電池の電気的エネルギーが取り出せる ようになっている。 ［第３実施例］ 図３は本考案による更に他の実施例を示す電池装置の斜視図である。ここで、 Ａは機器に電池装置を装填する場合の全体斜視図、Ｂは抵抗性部材２１と電池２ ３の分解斜視図、Ｃは電池装置を廃棄する状態を示す全体斜視図である。

【００２１】 この第３実施例が、前記第１実施例及び第２実施例と異なる点は、電池装置に おいて、使用される電池が一個の点である。また、ここで、使用する抵抗性部材 ２１はその一面にカ−ボン系の導電性接着剤が塗布されたテープ状の部材である 。これは電池の側面に配置された絶縁性チューブ２５の一部を取り除き、電池の 他方極端子を兼ねる電池外装缶を露出させて露出部２６を構成し、この露出部２ ６と電池の一方極端子２７とを、前記抵抗性部材２１によって、抵抗接続して電 池を放電消費させるようになっている。

【００２２】

【考案の効果】

上述した如く、本考案の電池装置によれば、電池の端子間、若しくは電池を収 納するケースに設けられた外部端子間を、抵抗性部材により接続して、小さな電 流で放電させることにより、電池容量を消費してしまうので、容量を残した電池 が廃棄された場合であっても、電池間の接続による過放電状態の発生、端子間の 短絡時の熱による危険な状態等を回避し、安全性に優れた電池装置が提供できる ので、その工業的価値は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案電池装置（第１実施例）の斜視図を示
す。

【図２】本考案電池装置（第２実施例）の斜視図を示
す。

【図３】本考案電池装置（第３実施例）の斜視図を示
す。

【符号の説明】

１、１１、２１ 抵抗性部材 ２、１２ 抵抗 ３、１３ 外部端子 ４、１４ 電池ケース ５ 底部 ６ 上部 ２３ 電池 ２５ 絶縁性チューブ ２６ 露出部 ２７ 一方極端子

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一つの電池と、前記電池の端
   子間を接続する抵抗性部材とからなる電池装置。
2. 【請求項２】 少なくとも一つの電池を収納するケース
   と、前記電池と電気的に接続された外部端子とを有する
   電池構造と、前記外部端子間を接続する抵抗性部材とか
   らなる電池装置。