JP2745999B2 - 2層めっき鋼板のめっき皮膜の定量方法 - Google Patents

2層めっき鋼板のめっき皮膜の定量方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上層がFe−Zn合金めっ
き、下層が溶融亜鉛めっきの2層めっき皮膜を持つ2層
めっき鋼板、特にGA−Feフラッシュめっき鋼板の上層め
っき皮膜の付着量とめっき組成をグロー放電発光分析法
により定量する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、自動車用鋼板にあっては自動車メ
ーカの品質向上のニーズに応えるべく、高耐食性を有
し、かつ塗装適合性、プレス加工性等にも優れるZn−Fe
合金2層めっき鋼板が新たに開発されており、現在その
ような2層めっき鋼板への需要が伸び、各工場で生産が
拡大されてきている。
【0003】一方、めっき鋼板の耐食性その他の諸性能
は、めっき付着量、つまり目付量やめっき組成に依存す
るのは云うまでもないことであり、従ってその製造段階
においてもこれらめっき付着量、組成を管理することが
必要となっている。
【0004】現在、例えばGA−Feフラッシュめっき鋼板
のような2層めっき鋼板の上層めっき層の分析には、グ
ロー放電発光分析 (以下、単にGDSと称する) 法が利
用され、オフライン分析手法として活用されている。G
DS法それ自体については、「鉄と鋼」第72年第11号85
〜92を参照。
【0005】このような2層めっき層の分析で一番問題
になる点は、上層と下層の分離であり、GDS分析法で
は、それぞれの強度プロフィルから、強度のレベルカッ
ト法、変曲点法を用いて上下層の分離を行っている。従
来方法で、例えば、Znの強度プロフィルの1/2 レベルカ
ット法を用いて上層と下層との分離を行う場合、Znの選
択スパッタの影響をこの方法は強く受ける。GDS法で
は、スパッタリング速度および発光強度が、合金組成に
依存していることから、上層めっき層においては、最表
面から数mmのめっき層を分析するが、ArスパッタではZn
の選択スパッタの影響とマトリックス組成、例えば下層
GA(合金化溶融亜鉛めっき)の目付量、それに伴う合
金化度の変化の影響が大となり、上層下層の分離および
Fe(%) の組成を正確に定量することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来技術の問題点を解決し、GA−Feフラッシュめっ
き鋼板のような2層めっき鋼板の上層めっき層の目付
量、Fe(%) を精度よく定量できる方法を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明は、鋼板
素地上に下層として、溶融亜鉛めっき皮膜を有し、上層
としてFe−Zn合金めっき皮膜をもつ2層めっき鋼板
の上層めっき皮膜量と組成とをグロー放電発光分析法に
よって分析する際に、グロー放電発光分析法(GDS
法)によるZn、Feの各強度の深さ方向プロファイル
から、上層めっき目付量およびめっき組成を測定する方
法であって、その際の上下めっき層分離法として、Fe
強度の最高点をもって分離する最高点レベルカット法を
利用し、そのZn、Fe積分強度から各元素の量を計算
し、その和をもって、上層目付量(W)を求め、さら
に、前述の最高点レベルカット法を利用し、計算された
Zn、Fe量をもって求められるFe含有率[P Fe
ΣI Fe /(ΣI Fe +ΣI Zn )]を、前述の計算に
より求められたZn、Fe量の和である目付量(W)に
て補正することにより、上層Fe含有率も同時測定する
ことを特徴とする2層めっき鋼板の上層めっき皮膜の定
量方法である。
【0008】
【作用】ここで、以上のような従来の問題点を解決する
技術的手段としての本発明における測定原理を、鋼板上
に溶融亜鉛合金めっき(GA)を、更にその上層にFe−Zn
(Fe組成比>Zn組成比) 合金をめっきした2層めっき鋼
板のめっき皮膜を分析する場合を例にとり説明する。
【0009】まずGDS法の原理は、Arスパッタによる
蒸発金属が異常グロー放電により励起され、次いで基底
状態に戻るときの発光スペクトルの強度の時間積分値で
定量を行うのである。従って、定量精度を上げるには、
上下層分離最適解析条件設定が重要となる。
【0010】図1(a) および図1(b) は、GDS法の操
作およびそれによる定量法の概略を説明するもので、図
1(a) に示すように、まず、めっき皮膜表面に対するAr
スパッタによる蒸発金属の異常グロー放電により、発光
スペクトルが発生する。Arスパッタ領域はめっき皮膜表
面から順次下層めっき皮膜へと移行する。これに伴って
発光スペクトルの変化が見られる。図1(b) はこのとき
FeおよびZnのスペクトルを観察したときのスパッタ時間
経過に対して見られたFeおよびZnスペクトルの強度変化
をプロットして示すグラフである。図示例では、Fe強度
最高点である「×」印で示した点を上下層の分離点とし
ている。Fe強度最高点レベルカット法による上下層分離
法である。
【0011】図2には、GDS積算強度、すなわちGD
S積分強度値と上層目付量との関係を示すグラフであ
り、X軸はGDS積分強度(IFe+IZn)、Y軸は
上層目付量(電解電位法値)であって、GDS積分強度
(IFe+IZn)は、Fe強度最高点までの強度、積
分値を使用している。図2より、GDS積分強度と上層
目付量は、1対1に対応しており精度の高い相関性が得
られるのが分かる。したがって、上下層分離をFe強度
最高点レベルカット法により行うことで、上層目付量が
測定可能と考えられる。
【0012】このように、図2の結果より、上下層分離
条件として、Fe強度最高点を用いることで、こんどは上
層目付量が測定可能と考えられる。上層目付量は、電解
電位法による値を用いた。つまり、上下層分離条件とし
て、Fe強度最高点を選ぶことにより検量線から付着量と
上層Fe(%) を求めることができる。
【0013】次に、図3に、上層目付量とGDS値の上
層Fe(%) の関係をグラフで示す。図3において、真の上
層Fe(%)(電解電位法値) と、GDS値の上層Fe(%) は、
上層目付量が小さくなるほど真の値より外れてくるのが
わかる。図3より目付量3、5、7g/m2 に対する真の
上層Fe(%) とGDS値のFe(%)を比べた表を表1に示
す。
【0014】
【表1】
【0015】それぞれの付着量に対するFe(%)を変
化させた図を図4〜6に示す。Fe(%)が付着量に対
して直線的な変化をしており、これらの直線の式を求め
ると、 3g:Fe(%)=32.59+0.644M (図4) 5g:Fe(%)=20.53+0.775M (図5) 7g:Fe(%)= 8.94+0.900M (図6) [M:GDSから測定されたFe%(=P Fe )] 付着量に対する、傾きと切片をそれぞれ整理した表を表
2に示す。表2に示された、傾き、切片のそれぞれの付
着量に対する値をプロットすると図7、図8の直線とな
る。
【0016】
【表2】
【0017】従って、真のFe(%)は、GDS値のF
e(%)と付着量とで補正を行うと測定可能となる。 CFe=PFe(0.06+0.448)+(50.25−5.91) ・・・・式(I) CFe:真のFe(%) PFe:GDS Fe(%) w:上層付着量。
【0018】このように、図3より、GDS値のFe(%)
と真のFe(%) との相関関係は、上層目付量に大きく依存
することが判明する。原因としては、GDSのスパッタ
時にZnが選択的にスパッタされる現象が見られる点と、
もともと数μm オーダーのめっき膜厚の分析なので、下
層GAめっき層のZnの影響も上層目付量が小さくなるとと
もに増加することになるという点を挙げることができ
る。それぞれの上層目付量に対する、真のFe(%) とGD
SFe(%) は図4〜6のグラフからも明らかなように、直
線的に変化することから、上層目付量によってFe(%) を
補正することが可能となる。一方、上下層分離点をFeの
強度最高点で規定することから、再現性のあるデータが
得られる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の有効性確認のため行った実験
について述べる。種々の製造条件で得たGA−Feフラッシ
ュめっき鋼板を準備し、これらのめっき鋼板について、
まず比較例として上層目付量を定電流電解電位法により
測定した。
【0020】次に、この各めっき鋼板について本発明に
基づいた方法により、GDS法により得た発光スペクト
ルに基づいてFe強度最高点レベルカット法を用いて上下
層の分離を行い、次いで上層付着量、Fe(%) を求め、補
正を行い、上層目付量およびFe(%) を定量した結果とか
ら、1:1の応対図をそれぞれ求め図9と図10に示す。
【0021】本発明によれば、GDS上層付着量および
GDS値Fe(%) を実験的に求め、これを式(I) の補正を
行うことでそれぞれ真の値を求めることが分かる。以上
の説明から、本発明の方法はGA−Feフラッシュめっき鋼
板について、そのめっき組成の定量を高精度で行うこと
ができる。
【0022】
【発明の効果】従来、Znの強度プロフィルの/2レベルカ
ット法を使用してきたが、GDSのアルゴンスパッタ
は、Znの選択スパッタ性を持つので、マトリックス組成
の影響が大となり、再現性のある値が得られなかった。
しかし、本発明によれば、Feの強度最高点プロフィルで
のレベルカット法、またFe(%) 組成をFeとZnの発光強度
比と、上層目付量を行って補正し、測定する方法を用い
ることによって、図9、図10のように従来の定電流電解
電位法と比較して高精度で上層めっき付着量およびめっ
き組成の定量を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) は、グロー放電発光分析の操作の説明
図、図1(b) は得られたデータに基づいて求められた上
下層分離点の説明図である。
【図2】発光スペクトルの積算強度と上層目付量との関
係を示すグラフである。
【図3】上層目付量とGDS値の上層Fe(%) との関係を
示すグラフである。
【図4】付着量が3g/m2のときのGDS値Fe(%) と真の
Fe(%) との関係を示すグラフである。
【図5】同じく付着量が5g/m2のときのGDS値Fe(%)
と真のFe(%) との関係を示すグラフである。
【図6】同じく付着量が7g/m2のときのGDS値Fe(%)
と真のFe(%) との関係を示すグラフである。
【図7】表2における上層めっき付着量と切片との関係
を示すグラフである。
【図8】同じく表2における上層めっき付着量と傾きと
の関係を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例の結果を示すグラフである。
【図10】同じく本発明の実施例の結果を示すグラフで
ある。同じく表2における上層めっき付着量と傾きとの
関係を示すグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板素地上に下層として、溶融亜鉛めっ
    き皮膜を有し、上層としてFe−Zn合金めっき皮膜を
    もつ2層めっき鋼板の上層めっき皮膜量と組成とをグロ
    ー放電発光分析法によって分析する際に、グロー放電発
    光分析法(GDS法)によるZn、Feの各強度の深さ
    方向プロファイルから、上層めっき目付量およびめっき
    組成を測定する方法であって、その際の上下めっき層分
    離法として、Fe強度の最高点をもって分離する最高点
    レベルカット法を利用し、そのZn、Fe積分強度から
    各元素の量を計算し、その和をもって、上層目付量
    (W)を求め、さらに、前述の最高点レベルカット法を
    利用し、計算されたZn、Fe量をもって求められるF
    e含有率[P Fe =ΣI Fe /(ΣI Fe +Σ
    Zn )]を、前述の計算により求められたZn、Fe
    量の和である目付量(W)にて補正することにより、上
    層Fe含有率も同時測定することを特徴とする2層めっ
    き鋼板の上層めっき皮膜の定量方法。
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