JP2744669B2 - ハロゲノベンゼン誘導体 - Google Patents

ハロゲノベンゼン誘導体

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JP2744669B2 JP2062828A JP6282890A JP2744669B2 JP 2744669 B2 JP2744669 B2 JP 2744669B2 JP 2062828 A JP2062828 A JP 2062828A JP 6282890 A JP6282890 A JP 6282890A JP 2744669 B2 JP2744669 B2 JP 2744669B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、より詳細には以下の式(I)により特徴付
けられるハロゲノベンゼン誘導体およびその製造に関す
るものである。
フルオロベンゼン誘導体、特にトリフルオロメチル置
換フェニル酢酸が、ハロゲン化トリフルオロメチルベン
ジルをシアン化物と反応させ、ついで、この反応で生成
するシアン化ベンジルを加水分解することにより製造し
得ることは公知の事実である(オルガニクム(Organiku
m)第8版,ベルリン1968,412ページを参照)。この方
法の欠点は、ハロゲン化4−トリフルオロメチルベンジ
ルの製造が、特に芳香核もフッ素で置換されていること
が必要な場合には、困難であることである。トリフルオ
ロメチル置換フェニル酢酸はさらに、対応する塩化アリ
ールジアゾニウムを用いる塩化ビニリデンのメールワイ
ン(Meerwein)アリール化と、これに続く、このように
して得られるトリクロロエチルベンゾトリフルオリドの
加水分解とによっても得ることができる(米国特許明細
書第4,426,536号を参照)。この方法においては、必要
な4−トリフルオロメチルアニリンは比較的容易に製造
し得るが、その合成は相当する収率の損失を伴う余分の
段階を必要とする。最後に、トリフルオロメチル置換フ
ェニル酢酸はまた、ハロゲン化トリフルオロメチルベン
ジルから出発し、シアン化ベンゾイルおよびフェニルグ
リオキシル酸の各段階を経、その接触水素化を経て得る
こともできる。ここでは、これも製造が困難なハロゲン
化トリフルオロメチルベンゾイルが必要であり、低い収
率で得られるのみである。
式(I) 式中、 a)R1はHまたはCOOR4を表し、 R2はCNまたはCOOR4を表すが、R1がHである場
合にはCOOHまたはHをも表し、 (ここで、 基R4はいずれの場合にも相互に独立にC1−ない
しC4−アルキルを表す) R3はH、CN、CH3、CF3またはClを表し、 mは1、2、3または4を表し、 nは0、1または2を表し、 ここで、 m+nは少なくとも2であり、かつ、4を超え
ることはなく、 m=4、n=0かつR3=CF3の組合わせは排除
される か、または、 b)R1はHを表し、 R2はCNまたはCOOHを表し、 R3はCH(R1)(R2)基に対して、p−位にある
CF3を表し、 mは0を表し、 nは1、2または3を表す のハロゲノベンゼン誘導体がここに見いだされた。
式(I)において、a)の場合には好ましくは、 R1はHを表し、 R2はCOOH、HまたはCNを表すか、 または R1およびR2がそれぞれCOOR4を表し、 R3はHまたはCF3を表し、 mは2、3または4を表す。
式(I)の主要な個々の化合物は、 フェニル−α−シアノ酢酸エステル (R1=COOCH3またはCOOC2H5、 R2=CN)、 シアン化ベンジル(R1=H、R2=CN)、 フェニル酢酸エステル (R1=H、 R2=COOCH3またはCOOC2H5) フェニルマロン酸エステル (R1=R2=COOCH3またはCOOC2H5) フェニル酢酸(R1=H、R2=COOH)、 および トルエン(R1=R2=H) であって、いずれの場合にもR3は4−位のCF3を表し、
いずれの場合にも以下の上記以外の置換基: 2,3−ジフルオロ、2,5−ジフルオロ、2,6−ジフルオ
ロ、3,5−ジフルオロ、2−フルオロ−5−クロロ、2
−フルオロ−6−クロロ、2−クロロ−3−フルオロ、
2,6−ジクロロ−3,5−ジフルオロ、2,3,5−トリフルオ
ロおよび2,3,5−トリフルオロ−6−クロロ、 が存在するもの、ならびに、 2−、3−、2,3−、2,5−、2,6−、3,5−、2,3,5−お
よび2,3,6−位に塩素原子を有する4−トリフルオロメ
チルフェニル酢酸および 2−、3−、2,5−、2,6−、3,5−および2,3,5−位に塩
素原子を有するシアン化4−トリフルオロメチルベンジ
ルである。
本発明はまた、式(II) 式中、 R3、mおよびnは式(I)の場合に与えた意味を有
し、 m=4、n=0かつR3=CF3の組合わせは排除さ
れ、 Halは(上記以外の)フッ素原子または塩素原子を
表す のポリハロゲノベンゼンを式(III) R5−CH2−COOR4 (III) 式中、 R4は式(I)の場合に与えた意味を有し、 R5はCNまたはCOOR4を表す のエステルと、塩基および溶媒の存在下に反応させて式
(IV) 式中、 R3、R4、R5、mおよびnは上記の意味を有する の化合物を得、この化合物を適宜に酸加水分解にかけ、
かつ/または、適宜に脱カルボキシル化することを特徴
とする、式(I)のハロゲノベンゼン誘導体の製造方法
に関するものでもある。
式(II)のポリハロゲノベンゼンは公知物質であり、
たとえばDE−OS(西ドイツ公開明細書)第3,725,659号
に従って、またはこれと類似の手法で製造することがで
きる。式(III)のエステルも同様に公知物質である。
これはシアノ酢酸エステル(R5=CN)またはマロン酸エ
ステル(R5=COOR4)である。メチルエステルおよびエ
チルエステル、特にシアノ酢酸メチルおよびシアノ酢酸
エチルが好ましい。
式(II)のポリハロゲノベンゼンと式(III)のエス
テルとの反応は塩基および溶媒の存在下に実施する。適
当な塩基の例はアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸
化物、炭酸アンモニウム、アルカリ金属水素化物、アル
カリ土類金属水素化物、フッ化カリウム、フッ化セシウ
ム、有機窒素塩基、アルカリ金属アルコラートおよびア
ルカリ土類金属アルコラートである。
炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムが好ましい。た
とえば、式(II)のポリハロゲノベンゼン1モルあたり
0.5ないし2当量の塩基を使用することができる。この
量は好ましくは1ないし1.5当量である。
適当な溶媒の例はエーテル類およびポリエーテル類、
たとえばグライム類、ジオキサンおよびジエチレングリ
コールジメチルエーテル;アミド類、たとえばジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセタミド、N−メチルピロリ
ドンおよびN−メチルカプロラクタム;ならびにスルホ
ン類、たとえばテトラメチレンスルホンである。
ジメチルホルムアミド。N−メチルピロリドンおよび
ジオキサンが好ましい。この反応に適した温度は、たと
えば20ないし150℃である。この反応は好ましくは80な
いし130℃で実施する。この反応は好ましくは厳密に水
を排除して実施する。
この手法で得られる式(IV)の化合物は、たとえば、
まず溶媒を除去し、残留物に水を添加し、酸を添加して
pHを3ないし7.5の範囲に調節し、ついで、沈澱した固
体を吸引濾別し、これを乾燥するか、または式(IV)の
化合物を有機溶媒で抽出し、蒸留により単離する方法
で、反応混合物から単離することができる。
これにより、使用した式(II)のポリハロゲノベンゼ
ンからのフッ素原子または塩素原子が 基で置き換えられ、それ以外は一般には使用した式(I
I)のポリハロゲノベンゼンと同一の置換型を有する式
(IV)の化合物が得られる。式(I)のハロゲノベンゼ
ン誘導体のあるものは、式(IV)の化合物に相当する。
上記の式(II)のポリハロゲノベンゼンと式(III)の
エステルとの間の反応は、R1がCOOR4を表し、R2がCNま
たはCOOR4を表し、R3、mおよびnが使用した式(II)
のポリハロゲノベンゼンのものに相当する式(I)のハ
ロゲノベンゼン誘導体を与える。他の式(I)のハロゲ
ノベンゼン誘導体の製造においては、式(II)のポリハ
ロゲノベンゼンと式(III)のエステルとの反応の後
に、酸加水分解および/または脱カルボキシル化も実施
する。
R1がHを表し、R2がCOOHを表す式(I)の化合物は、
式(IV)の化合物より、たとえば濃鉱酸と水性酢酸との
混合物を用いて80ないし120℃でこれを加水分解するこ
とにより得られる。これには、70重量%以上の濃度の濃
硫酸と水性酢酸とが、100ないし120℃で好適に使用され
る。使用する式(IV)の化合物が基R3としてCN基を含有
するならば、この基は一般には同様に加水分解されてCO
OH基になる。
R1がHを表し、R2がCNを表す式(I)の化合物は、R5
=CNである式(IV)の化合物より、たとえば水性酸を用
いて20ないし100℃でこれを加水分解することにより得
られる。これには、いずれの場合にも50重量%以下の濃
度の水性塩酸、硝酸もしくはシュウ酸が60ないし100℃
で、または希硫酸と水性酢酸との混合物が50ないし80℃
で好適に使用される。
R1がHを表し、R2がCOOR4を表す式(I)の化合物
は、式(IV)の化合物を鉱酸を用いて60ないし120℃で
加水分解することにより得られる。これには、70ないし
90重量%強度の硫酸が、酢酸なしで、80ないし120℃で
好適に使用される。
R1とR2とがHを表す式(I)の化合物は、まず上記の
ようにしてR1=H、R2=COOHである式(I)の化合物を
製造し、ついでこれを脱カルボキシル化する方法により
得られる。脱カルボキシル化は、たとえば弱塩基と適当
な溶媒との存在下に加熱することにより実施することが
できる。可能な温度はたとえば80ないし200℃の範囲で
あり、可能な弱塩基はたとえばフッ化カリウムおよび/
またはキノリンである。脱カルボキシル化に使用する化
合物がR3としてCOOH基を含有するならば、この基も一般
には脱カルボキシル化される。
ある場合には、上記の各方法の一つの変形で、たとえ
ば、対応する式(II)のポリハロゲノベンゼンと対応す
る式(III)のエステルとを用いるのではなく、式(I
I)のポリハロゲノベンゼンと式(III)のエステルとの
反応ののちに付加的な誘導基交換(transderivation)
を実行して所望の置換型を実現することにより、所望の
式(I)の化合物を製造するのが有利であろう。
この方法の一つの例は、塩素を含有しない、または塩
素含有量の低い式(I)の化合物の製造にも式(II)の
塩素含有ポリハロゲノベンゼン(たとえばn=1または
2)を使用することである。式(II)の塩素含有ポリハ
ロゲノベンゼンはしばしば、塩素非含有ポリハロゲノベ
ンゼンより容易に式(III)のエステルと反応させるこ
とができる。この反応ののちに、望ましくない塩素は任
意に部分的に脱塩素化して除去することができる。これ
は、たとえば溶媒と水素化触媒とを添加し、室温または
高温で水素を反応させ(force in)て達成することがで
きる。触媒と溶媒とを除去したのち、蒸留または抽出に
より脱塩素化生成物を単離することができる。この種の
脱塩素化は、上記の脱カルボキシル化の前にでも後にで
も実行することができる。
ここでの他の一つの例は、R1=R2=COOR4である式
(I)のハロゲノベンゼン誘導体、すなわちマロン酸エ
ステル誘導体の製造にもシアノ酢酸エステル(式(II
I)、R3=CN)を使用することである。ここでは、まず
式(II)のポリハロゲノベンゼンと式(III)のシアノ
酢酸エステル(R5=CN)とからR1=COOR4、R2=CNであ
る式(I)のハロゲノベンゼン誘導体を製造し、つい
で、アルコール(たとえばメタノール)、塩酸および水
の混合物との反応により、CN基をCOOR4基に転化させる
方法に従うことができる。R1=COOR4、R2=CNである式
(I)のハロゲノベンゼン誘導体がR1=R2=COOR4であ
る式(I)のハロゲノベンゼン誘導体よりもエステル縮
合の反応混合物から除去し易いならば、この方法が有利
であろう。
さらにこの他の例は、CF3基の除去である。R3=CF3
ある式(II)のポリハロゲノベンゼンと式(III)のエ
ステルとからR3=CF3である式(IV)の化合物を製造し
たならば、まず、特に劇的な加水分解条件、たとえば10
0ないし150℃における濃硫酸または発煙硫酸を用いてこ
のCF3基をCOOH基に転化させ、この種の条件下で自発的
にCOOH基を脱カルボニル化することができる。CF3基は
この方法で除去し、水素原子で置き換えることができ
る。
式(II)のポリハロゲノベンゼンとの式(III)のエ
ステルとの反応が基本的な規準である、式(I)のハロ
ゲノベンゼン誘導体を製造するための本発明記載の方法
は、容易に製造し得る出発物質から出発し、簡単な手法
で実施して、所望の式(I)のハロゲノベンゼン誘導体
を良好な収率で得ることができる。ここで、エステル縮
合と適宜にこれに続く加水分解とが極めて選択的に進行
することは、特に驚くべきことである。式(I)のハロ
ゲノベンゼン誘導体に対する広い適用可能性は、たとえ
ば出発物質としての式(II)のポリハロゲノベンゼンお
よびエステル縮合後に実施し得る転化反応に関する特定
の幅広い変更の可能性により生まれる。
式(I)のハロゲノベンゼン誘導体は、植物保護剤の
製造用の有用な中間体生成物である。たとえば式(V) 式中、 xは1ないし4の整数を表し、 R3′はH、CH3、CF3またはClを表し、 HalはFまたはClを表し、 yは0または1ないし3の整数を表し、 R6はアルキルを表す の3−アリールピロリジン−2,4−ジオン誘導体は、式
(I)の化合物をまずそれ自体は公知の手法で、たとえ
ば塩化チオニルとの反応により式(VI) 式中、 R3′、Halおよびyは式(V)に与えた意味を有
する の化合物の一つに転化させ、ついで、この化合物を用い
て式(VII) 式中、 xおよびR6は式(V)に与えた意味を有する のアミノ酸エステルをアシル化し、このようにして得ら
れる、式中に使用する記号が上に与えた意味を有する式
(VIII) の化合物を、希釈剤と塩基との存在下における分子内縮
合にかける方法により製造することができる。式(V)
の3−アリールピロリジン−2,4−ジオン誘導体は除草
剤(herbicide)、殺菌・殺カビ剤(fungicide)、殺虫
剤(insecticide)および殺ダニ剤(acaricide)として
使用することができる。式(V)の化合物、その製造お
よびその植物保護剤における使用は、出願人会社の出願
に係る先願の特許出願の主題である。
実施例 実施例1ないし8は、R1=COOR4、R2=CNまたはCOOR4
である式(I)の化合物の製造に関するものである。
実施例 1 まず、テトラフルオロ−1,3−ジクロロベンゼン150g
を600mlの乾燥ジメチルホルムアミドに導入し、110gの
粉末炭酸カリウムと80gのシアノ酢酸メチルとを添加
し、この混合物を、水分を排除しながら120℃で10時間
撹拌した。ついで、減圧下で溶媒を実質的に蒸留除去
し、残留物を500mlの水とともに撹拌し、塩酸を用いてp
Hを6.5にした。沈澱した固体生成物を吸引濾別し、乾燥
した。2−(2,4−ジクロロトリフルオロフェニル)−
シアノ酢酸メチルの収量は204gであり、生成物の融点は
94ないし96℃であった。
実施例2ないし5 まず、粉末炭酸カリウム55gを300mlの乾燥ジメチルホ
ルムアミドに導入し、フッ素化した、またはフッ素化お
よび塩素化したベンゾトリフルオリド0.314モルを、0.4
モルのシアノ酢酸メチルとともに添加した。ついで、水
分を排除しながら、この混合物を120℃に10時間加熱し
た。15ミリバールでジメチルホルムアミドを蒸留除去し
たのち、残留物を250mlの水とともに撹拌した。つい
で、塩酸を滴々添加して弱酸性反応にし、ついで固体生
成物を吸引濾別し、乾燥した。詳細は表1より見ること
ができる。
実施例 6 ジメチルホルムアミド1,245ml、3,5−ジクロロ−2,4,
6−トリフルオロベンゾトリフルオリド332g、シアノ酢
酸メチル166gおよび粉末炭酸カリウム228gを120℃に10
時間加熱した。ついで、ジメチルホルムアミドを真空中
で蒸留除去し、500mlの水を残留物に添加した。冷時に
塩酸を滴々添加してpHを6にした。塩化メチレンで生成
物を撹拌しながら抽出し、分離した。塩化メチレンを蒸
留除去したのちに、融点90ないし91℃の2−(2,6−ジ
クロロ−3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフ
ェニル)−シアノ酢酸メチル270gが残留した。
実施例 7 ジメチルホルムアミド150ml、粉末炭酸カリウム28g、
2,3,5,6−テトラフルオロベンゾトリフルオリド34gおよ
びシアノ酢酸メチル20gの混合物を120℃に10時間加熱し
た。ジメチルホルムアミドを蒸留除去したのち、150ml
の水を残留物に添加し、冷却しながら15%強度の水性塩
酸を用いてpHを6にした。ついで、この混合物をメチル
第3ブチルエーテルで抽出し、有機相を蒸留した。24ミ
リバールにおける沸点152ないし155℃の2−(2−トリ
フルオロメチル−3,4,6−トリフルオロフェニル)−シ
アノ酢酸メチル27gが得られた。
実施例 8 まず、マロン酸ジエチル150gを450mlの絶対テトラヒ
ドロフランに導入し、水素化ナトリウムのパラフィン中
けん濁液(40%強度)40gを少量ずつ添加した。水素の
発生が止んだところで、210gの2,4,6−トリフルオロト
リクロロベンゼンを300mlのテトラヒドロフランに溶解
させたものを滴々添加した。発熱反応の結果として、温
度が還流温度にまで上昇した。添加の終了後も加熱して
さらに3時間、この温度を維持した。ついで僅かな真空
下で溶媒を蒸留除去し、残留物に500mlの氷水を添加し
た。50%強度の硫酸を滴々添加してpHを6にした。生成
物(2,4,6−トリクロロ−3,5−ジフルオロフェニルマロ
ン酸ジエチル)をメチル第3ブチルエーテルにとり、こ
の混合物を乾燥し、溶媒を除去した。収量は235gであっ
た。
実施例9ないし15は、R1=H、R2=COOHである式
(I)の化合物の製造に関するものである。
実施例 9 実施例1に従って得た生成物204gを480mlの酢酸に溶
解させ、ついで水480mlと濃硫酸700mlとを添加した。こ
の混合物を還流下で8時間加熱し、冷却後、800mlの水
に撹拌混入した。沈澱した固体生成物を吸引濾別し、乾
燥した。融点167ないし169℃の(2,4−ジクロロトリフ
ルオロフェニル)−酢酸168gが得られた。
実施例 10 実施例6の生成物270gを、実施例9と同様にして酢酸
500ml、水660mlおよび硫酸(98%強度)1と、120℃
で8時間反応させた。室温に冷却したのち固体生成物を
吸引濾別し、水で洗浄し、母液をメチル第3ブチルエー
テルで抽出した。エーテルを除去し、生成物を乾燥した
のちに、融点146ないし150℃の(2,6−ジクロロ−3,5−
ジフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−酢酸
190gが残留した。
実施例 11 実施例8の生成物140gを200mlの50%強度硫酸に導入
し、この混合物を80℃で5時間撹拌した。ついで、これ
を300gの氷に注ぎ、生成物を吸引濾別した。2,4,6−ト
リクロロ−3,5−ジフルオロフェニル酢酸の収量は87gで
あり、融点は202ないし203℃であった。
実施例12ないし14a フッ素化した、またはフッ素化および塩素化したアリ
ールシアノ酢酸エステル0.15モルを、水85ml、酢酸85ml
および硫酸(96%強度)125mlの混合物に添加し、この
混合物を120℃に8時間加熱した。冷却後、この反応混
合物を200mlの水に撹拌混入し、沈澱したフェニル酢酸
を吸引濾別した。詳細は表2に見られる。
実施例 15 まず、実施例9の生成物140g、酢酸ナトリウム175gお
よび酢酸1,300mlを水素化オートクレーブに導入した。1
0gの触媒(5重量%強度の活性炭担持パラジウム)を添
加したのち、このオートクレーブを水素でフラッシュ
し、ついで、30ないし50バールの水素圧下、80ないし12
0℃で一定圧になるまで水素化を実行した。圧力を降下
させたのち、オートクレーブの内容物を吸引濾過器を通
して圧縮し、触媒を除去した。残留する溶液を、酢酸を
回収するために真空蒸留にかけた。残留物を400mlの水
に溶解させ、ついでメチル第3ブチルエーテルで抽出し
た。溶媒を除去したのちに、融点102℃の2,3,5−トリフ
ルオロフェニル酢酸84gが残留した。
実施例16ないし19は、R1=R2=Hである式(I)の化
合物の製造に関するものである。
実施例 16 まず、実施例15に従って得たトリフルオロフェニル酢
酸84gを180mlのN−メチルピロリドンに導入し、3gのフ
ッ化カリウムと3mlのキノリンとを添加し、気体の発生
が止むまでこの混合物を加熱して、2,3,5−トリフルオ
ロトルエン48gを蒸留分離した。生成物の沸点は、1013
ミリバールにおいて120℃であり、屈折率▲n20 D▼は1.
4321であった。
実施例 17 実施例10の生成物190gを、5gのフッ化カリウムおよび
3mlのキノリンを200gのN−メチルピロリドンに入れた
ものとともに、気体の発生が止むまで(約4時間)100
ないし130℃に加熱した。ついで、生成物を水蒸気とと
もに蒸留分離した。2,6−ジクロロ−3,5−ジフルオロ−
4−トリフルオロメチルトルエン126gが、ガスクロマト
グラフィーで測定して97.5%の純度で得られた。生成物
の屈折率▲n20 D▼は1.4680であった。
実施例 18 85gの2,4,6−トリクロロ−3,5−ジフルオロフェニル
酢酸を実施例16と同様にして脱カルボキシル化した。2,
4,6−トリクロロ−3,5−ジフルオロトルエンの収量は63
gであった。生成物の沸点は12ミリバールにおいて96な
いし98℃であった。
実施例 19 実施例18の生成物60gを実施例15と同様にして水素化
した。常圧における沸点122℃の3,5−ジフルオロトルエ
ン38gが得られた。
実施例20−22は、R1=R2=COOCH3である式(I)の化
合物の製造に関するものである。
実施例 20 まず、実施例2の生成物47gを100mlのメタノールに導
入し、この溶液を気体塩化水素で飽和させた。この混合
物を20時間撹拌したのち、150mlの水を撹拌混入し、こ
の混合物を60℃に5時間加熱した。ついで溶媒を除去
し、残留物を塩化メチレンにとり、この混合物を水で洗
浄した。塩化メチレンを蒸留除去したのち、残留物を真
空蒸留した。2ミリバールにおける沸点110℃の2−フ
ルオロ−4−トリフルオロメチル−6−クロロフェニル
マロン酸ジメチル43gが得られた。生成物の融点は67℃
であった。
実施例 21 マロン酸ジメチル200g、3,5−ジクロロトリフルオロ
ベンゾトリフルオリド330gおよび炭酸カリウム230gを1,
200mlのジメチルホルムアミドに順次に導入し、つい
で、水分を排除しながらこの混合物を125℃に10時間加
熱した。ついで、溶媒の大部分を真空中で蒸留除去し、
残留物を500mlの水に撹拌混入した。冷時に希硫酸を添
加してこの混合物を中和し、ついで有機相をトルエンに
とった。水で洗浄したのち、有機相を乾燥し、蒸留し
た。0.8ミリバールにおける沸点125ないし130℃の2,6−
ジクロロ−4−トリフルオロメチル−3,5−ジフルオロ
フェニルマロン酸ジメチル424gが得られた。
実施例 22 実施例21と同様にして、ペンタフルオロベンゾニトリ
ル77g、マロン酸ジメチル60gおよび炭酸カリウム60gか
ら、200mlのジメチルホルムアミド中、100℃で、5時間
かけて反応させ、後処理と蒸留との後に融点56−59℃の
4−シアノテトラフルオロフェニルマロン酸ジメチル84
gが得られた。
実施例 23 実施例9と同様にして、実施例7の化合物32gから融
点101−102℃の2−トリフルオロメチル−3,4,6−トリ
フルオロフェニル酢酸24gが得られた。
実施例 24 2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−3,5−ジフ
ルオロトルエン120gを、450mlの酢酸中で、酢酸ナトリ
ウム80gおよび5%強度の活性炭担持パラジウム10gの存
在下に、水素化装置中、80ないし120℃で、30ないし50
バールの圧力の水素を用いて水素化した。水素圧を降下
させたのち、触媒を吸引濾別し、生成物を水蒸気ととも
に蒸留した。生成物を水から分離したのち、これを再蒸
留した。1,013ミリバールにおける沸点152−153℃の3,5
−ジフルオロ−4−ジフルオロメチルトルエン70gが得
られた。生成物の屈折率▲n20 D▼は1.4110であった。
実施例 25 従った方法は実施例2−5と同様であったが、4−フ
ルオロ−3,5−ジクロロベンゾトリフルオリドから融点9
8−99℃のα−シアノ−α−(4−トリフルオロメチル
−2,6−ジクロロフェニル)−酢酸メチルが79%の収率
で得られた。
実施例 26 従った方法は実施例12−14aと同様であったが、実施
例25の生成物を出発物質として使用して、融点164℃の
4−トリフルオロメチル−2,6−ジクロロフェニル酢酸
が79%の収率で得られた。
本発明の主なる特徴および態様は以下のとおりであ
る。
1.式(I) 式中、 a)R1はHまたはCOOR4を表し、 R2はCNまたはCOOR4を表すが、R1がHである場
合にはCOOHまたはHをも表し、 (ここで、 基R4はいずれの場合にも相互に独立にC1−ない
しC4−アルキルを表す) R3はH、CN、CH3、CF3またはC1を表し、 mは1、2、3または4を表し、 nは0、1または2を表し、 ここで、 m+nは少なくとも2であり、かつ、4を超え
ることはなく、 m=4、n=0かつR3=CF3の組合わせは排除
される か、または、 b)R1はHを表し、 R2はCNまたはCOOHを表し、 R3はCH(R1)(R2)基に対して、p−位にある
CF3を表し、 mは0を表し、 nは1、2または3を表す のハロゲノベンゼン誘導体。
2.R1=COOCH3またはCOOC2H5、R2=CNのフェニル−α−
シアノ酢酸エステルである上記の第1項記載のハロゲノ
ベンゼン誘導体。
3.R1=H、R2=CNのシアン化ベンジルである上記の第1
項記載のハロゲノベンゼン誘導体。
4.R1=H、R2=COOCH3またはCOOC2H5のフェニル酢酸エ
ステルである上記の第1項記載のハロゲノベンゼン誘導
体。
5.R1=R2=COOCH3またはCOOC2H5のフェニルマロン酸エ
ステルである上記の第1項記載のハロゲノベンゼン誘導
体。
6.R1=H、R2=COOHのフェニル酢酸である上記の第1項
記載のハロゲノベンゼン誘導体。
7.式中のR3が4−位のCF3を表し、以下のその他の置換
基: 2,3−ジフルオロ、2,5−ジフルオロ、2,6−ジフルオ
ロ、3,5−ジフルオロ、2−フルオロ−5−クロロ、2
−フルオロ−6−クロロ、2−クロロ−3−フルオロ、
2,6−ジクロロ−3,5−ジフルオロ、2,3,5−トリフルオ
ロおよび2,3,5−トリフルオロ−6−クロロ も存在することを特徴とする、R1=R2=Hのトルエンで
ある上記の第1項記載のハロゲノベンゼン誘導体。
8.2−、3−、2,3−、2,5−、2,6−、3,5−、2,3,5−お
よび2,3,6−位に塩素原子を有する4−トリフルオロメ
チルフェニル酢酸である上記の第1項記載のハロゲノベ
ンゼン誘導体。
9.2−、3−、2,5−、2,6−、3,5−および2,3,5−位に
塩素原子を有するシアン化4−トリフルオロメチルベン
ジルである上記の第1項記載のハロゲノベンゼン誘導
体。
10.ポリハロゲノベンゼン 式中、 R3、mおよびnは上記の第1項に与えた意味を有す
るが、 m=4、n=0、かつR3=CF3である組合わせは排
除され、 Halは(上記以外の)フッ素または塩素原子を表す を式(III) R5−CH2−COOR4 (III) 式中、 R4は上記の第1項に与えた意味を有し、 R5はCNまたはCOOR4を表す のエステルと、塩基および溶媒の存在下に反応させて式
(IV) 式中、 R3、R4、R5、mおよびnは上記の意味を有する の化合物を得、この化合物を適宜に酸加水分解にかけ、
かつ/または、適宜に脱カルボキシル化することを特徴
とする、上記の第1項記載のハロゲノベンゼン誘導体の
製造方法。
11.上記の塩基としてアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金
属水素化物、アルカリ土類金属水素化物、フッ化カリウ
ム、フッ化セシウム、有機窒素塩基、アルカリ金属アル
コラートまたはアルカリ土類金属アルコラートを、式
(II)のポリハロゲノベンゼン1モルあたり0.5−2当
量の例で使用することを特徴とする、上記の第10項記載
の方法。
12.上記の溶媒としてエーテル、ポリエーテル、アミド
またはスルホンを使用することを特徴とする上記の第10
項記載の方法。
13.濃鉱酸と水性酢酸との混合物を用い、80−120℃で式
(IV)の化合物を加水分解することにより、R1=H、R2
=COOHである式(I)の化合物を製造することを特徴と
する上記の第10項記載の方法。
14.水性酸を用い、20−100℃でR5=CNである式(IV)の
化合物を加水分解することにより、R1=H、R2=CNであ
る式(I)の化合物を製造することを特徴とする上記の
第10項記載の方法。
15.鉱酸を用い、60−120℃で(IV)の化合物を加水分解
することにより、R1=H、R2=COOR4である式(I)の
化合物を製造することを特徴とする上記の第10項記載の
方法。
16.まずR1=H、R2=COOHである式(I)の化合物を加
水分解し、ついでこれを塩基および溶媒の存在下に80−
200℃で脱カルボキシル化することにより、R1=R2=H
である式(I)の化合物を製造することを特徴とする上
記の第10項記載の方法。
17.式(II)のポリハロゲノベンゼンと式(III)のエス
テルとの反応後に誘導基交換を行うことを特徴とする上
記の第10項記載の方法。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 255/32 C07C 255/32 255/41 255/41 255/50 255/50 255/57 255/57

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 式中、 a)R1はHまたはCOOR4を表し、 R2はCNまたはCOOR4を表すが、R1がHである場合にはCOO
    HまたはHをも表し、 (ここで、 基R4はいずれの場合にも相互に独立にC1−ないしC4−ア
    ルキルを表す) R3はH、CN、CH3、CF3またはClを表し、 mは1、2、3または4を表し、 nは0、1または2を表し、 ここで、 m+nは少なくとも2であり、かつ、4を超えることは
    なく、 m=4、n=0かつR3=CF3の組合わせは排除される か、または、 b)R1はHを表し、 R2はCNまたはCOOHを表し、 R3はCH(R1)(R2)基に対してp−位にあるCF3を表
    し、 mは0を表し、 nは1、2または3を表す のハロゲノベンゼン誘導体。
  2. 【請求項2】ポリハロゲノベンゼン 式中、 R3、mおよびnは特許請求の範囲第1項に与えた意味を
    有するが、 m=4、n=0、かつR3=CF3である組合わせは排除さ
    れ、 Halは(更なる)フッ素または塩素原子を表す を式(III) R5−CH2−COOR4 (III) 式中、 R4は特許請求の範囲第1項に与えた意味を有し、 R5はCNまたはCOOR4を表す のエステルと、塩基および溶媒の存在下に反応させて式
    (IV) 式中、 R3、R4、R5、mおよびnは上記の意味を有する の化合物を得、この化合物を適宜に酸加水分解にかけ、
    かつ/または、適宜に脱カルボキシル化することを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項記載のハロゲノベンゼン
    誘導体の製造方法。
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