JP2742980B2 - 二重床用床パネルおよびその製造法 - Google Patents
二重床用床パネルおよびその製造法Info
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- JP2742980B2 JP2742980B2 JP5340723A JP34072393A JP2742980B2 JP 2742980 B2 JP2742980 B2 JP 2742980B2 JP 5340723 A JP5340723 A JP 5340723A JP 34072393 A JP34072393 A JP 34072393A JP 2742980 B2 JP2742980 B2 JP 2742980B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、支柱により床スラブ
から所定の間隔をおいて敷設される二重床用床パネルお
よびその製造法に関し、特に詳しく言うと、平坦な表面
の上面部とこの上面部の裏面に少なくともその一部が間
隙をおいて位置するように上面部の周縁部にその周縁部
が固着された補強用の下面部とを有する二重床用床パネ
ルにおける振動を抑制するようにした二重床用床パネル
およびその製造法に関する。
から所定の間隔をおいて敷設される二重床用床パネルお
よびその製造法に関し、特に詳しく言うと、平坦な表面
の上面部とこの上面部の裏面に少なくともその一部が間
隙をおいて位置するように上面部の周縁部にその周縁部
が固着された補強用の下面部とを有する二重床用床パネ
ルにおける振動を抑制するようにした二重床用床パネル
およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、コンピュータ室ばかりでなく、一
般のオフィスにおいても複数のオフィスオートメーショ
ン機器が導入されているため、床上には多数の通信ケー
ブルや電力ケーブル類を配線する必要がある。また、製
造部門においても種々の加工機や測定機器が使用されて
おり、それらの接続コードを配線する必要がある。従
来、通信や電源用のコンセントは壁等に設けられてお
り、そこから機器設置場所までは接続コードを床上には
わせる必要があるが、床上にこれらコードが露呈してい
ると、誤って歩行中に足で接続コードを引き抜く可能性
があり、また他の機器の下敷きになったり台車等の通過
時に接続コードを切断したりする危険がある。
般のオフィスにおいても複数のオフィスオートメーショ
ン機器が導入されているため、床上には多数の通信ケー
ブルや電力ケーブル類を配線する必要がある。また、製
造部門においても種々の加工機や測定機器が使用されて
おり、それらの接続コードを配線する必要がある。従
来、通信や電源用のコンセントは壁等に設けられてお
り、そこから機器設置場所までは接続コードを床上には
わせる必要があるが、床上にこれらコードが露呈してい
ると、誤って歩行中に足で接続コードを引き抜く可能性
があり、また他の機器の下敷きになったり台車等の通過
時に接続コードを切断したりする危険がある。
【0003】そこで、このような部署においてはフリー
アクセスフロアと称される二重床構造が広く用いられて
いる。この二重床構造は、例えば一辺が150〜100
0mmで厚さが15〜50mm程度の四辺形の床パネル
を複数枚用意し、床スラブ上に床パネルの一辺の長さに
相当する間隔をおいて支柱を複数本立設し、支柱の先端
部で隣接する4枚の床パネルの角部を支持するようにし
て床スラブ上に床パネルを敷き詰めるものである。壁際
に位置する床パネルは部屋の大きさや形状により施工現
場毎に異なるので、現場で定形の床パネルを適宜な大き
さに切断して使用する。これにより、床スラブと床パネ
ルとの間には空間ができ、この床下空間に通信ケーブ
ル、電力ケーブル類を納め接続コードを配設するととも
に、設置機器の近くの床パネルにはコンセントを設ける
ことにより、床上にこれらコードやケーブルが露呈しな
いようにすることができる。
アクセスフロアと称される二重床構造が広く用いられて
いる。この二重床構造は、例えば一辺が150〜100
0mmで厚さが15〜50mm程度の四辺形の床パネル
を複数枚用意し、床スラブ上に床パネルの一辺の長さに
相当する間隔をおいて支柱を複数本立設し、支柱の先端
部で隣接する4枚の床パネルの角部を支持するようにし
て床スラブ上に床パネルを敷き詰めるものである。壁際
に位置する床パネルは部屋の大きさや形状により施工現
場毎に異なるので、現場で定形の床パネルを適宜な大き
さに切断して使用する。これにより、床スラブと床パネ
ルとの間には空間ができ、この床下空間に通信ケーブ
ル、電力ケーブル類を納め接続コードを配設するととも
に、設置機器の近くの床パネルにはコンセントを設ける
ことにより、床上にこれらコードやケーブルが露呈しな
いようにすることができる。
【0004】このような床パネルとしては、繊維補強セ
メント、珪酸カルシュウムあるいはアルミダイキャスト
等で所定の大きさと厚みに成形したものが広く使用され
ているが、繊維補強セメントや珪酸カルシュウムで作ら
れた床パネルは単体でも重量があり、床スラブ上に多数
枚のこのような床パネルを敷き詰めると床全体ではかな
りの重量になり、それに耐えるように床スラブも補強す
る必要があり、施工コストの上昇のみならず、床パネル
の輸送コストが高くなったり、施工現場における取扱い
も容易ではない等の欠点がある。これに対して、アルミ
ダイキャスト製の床パネルは前者に比べると軽量であ
り、取扱いも容易であるので床スラブの補強も必要な
く、施工コストも前者に比べて安価になる利点がある反
面、原材料が高価であり、施工コストの低減を加味して
も全体的なコストは前者と変わらなくなってしまう。
メント、珪酸カルシュウムあるいはアルミダイキャスト
等で所定の大きさと厚みに成形したものが広く使用され
ているが、繊維補強セメントや珪酸カルシュウムで作ら
れた床パネルは単体でも重量があり、床スラブ上に多数
枚のこのような床パネルを敷き詰めると床全体ではかな
りの重量になり、それに耐えるように床スラブも補強す
る必要があり、施工コストの上昇のみならず、床パネル
の輸送コストが高くなったり、施工現場における取扱い
も容易ではない等の欠点がある。これに対して、アルミ
ダイキャスト製の床パネルは前者に比べると軽量であ
り、取扱いも容易であるので床スラブの補強も必要な
く、施工コストも前者に比べて安価になる利点がある反
面、原材料が高価であり、施工コストの低減を加味して
も全体的なコストは前者と変わらなくなってしまう。
【0005】そこで、近来は薄い鋼板のような金属板を
使用して二重構造にした床パネルが提供されている。す
なわち、平坦な床面となる上面板と、この上面板の下方
に所定の間隔をおいて位置する下面板とから構成され、
少なくとも上面板の裏面周縁部に下面板の周縁部を溶着
等により固定して上下面板間に空間を形成するようにし
たものである。このような金属板製の床パネルは、下面
板を略皿形にするとともに、平坦な面に複数のディンプ
ルを設けることにより床材としての強度を充分に奏する
ことができる。したがって、2枚の金属板のみで構成で
きるので軽量化することができ、アルミダイキャストよ
りは安価に製造することができる。したがって、取扱い
が容易で、高施工能率であり、軽量化も図ることができ
る利点がある。
使用して二重構造にした床パネルが提供されている。す
なわち、平坦な床面となる上面板と、この上面板の下方
に所定の間隔をおいて位置する下面板とから構成され、
少なくとも上面板の裏面周縁部に下面板の周縁部を溶着
等により固定して上下面板間に空間を形成するようにし
たものである。このような金属板製の床パネルは、下面
板を略皿形にするとともに、平坦な面に複数のディンプ
ルを設けることにより床材としての強度を充分に奏する
ことができる。したがって、2枚の金属板のみで構成で
きるので軽量化することができ、アルミダイキャストよ
りは安価に製造することができる。したがって、取扱い
が容易で、高施工能率であり、軽量化も図ることができ
る利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな床パネルは金属板であるため僅かな衝撃を与えただ
けでも振動して衝撃音を発生し、内部空間が共鳴室とし
て作用しその衝撃音は増幅されてしまう。そのため、単
にその上を歩行するだけでも衝撃音が発生する可能性が
ある。このような衝撃音の発生は歩行感を劣化させるば
かりでなく、雑音の発生源ともなる。そこで、従来より
床パネル内の空間に軽量コンクリートを充填して鋼板の
振動を抑えるようにした床パネルが広く使用されてい
る。しかしながら、軽量コンクリートを充填することに
より床パネルの重量は例えば500×500mmの床パ
ネルの場合で3〜4Kg程度重量アップになってしま
い、輸送コストの上昇や施工能率の低下をまねいてしま
う。
うな床パネルは金属板であるため僅かな衝撃を与えただ
けでも振動して衝撃音を発生し、内部空間が共鳴室とし
て作用しその衝撃音は増幅されてしまう。そのため、単
にその上を歩行するだけでも衝撃音が発生する可能性が
ある。このような衝撃音の発生は歩行感を劣化させるば
かりでなく、雑音の発生源ともなる。そこで、従来より
床パネル内の空間に軽量コンクリートを充填して鋼板の
振動を抑えるようにした床パネルが広く使用されてい
る。しかしながら、軽量コンクリートを充填することに
より床パネルの重量は例えば500×500mmの床パ
ネルの場合で3〜4Kg程度重量アップになってしま
い、輸送コストの上昇や施工能率の低下をまねいてしま
う。
【0007】そこでこの発明の目的は、平坦な表面の上
面部とこの上面部の裏面に少なくともその一部が間隙を
おいて位置するように上面部の周縁部にその周縁部が固
着された補強用の下面部とを有する二重床用床パネルに
おいて、床パネルの重量をそれ程重くすることなく、確
実に振動を抑えることができる二重床用床パネルを提供
することである。
面部とこの上面部の裏面に少なくともその一部が間隙を
おいて位置するように上面部の周縁部にその周縁部が固
着された補強用の下面部とを有する二重床用床パネルに
おいて、床パネルの重量をそれ程重くすることなく、確
実に振動を抑えることができる二重床用床パネルを提供
することである。
【0008】この発明の目的はまた、このようなに二重
床用床パネルを簡単な工程で製造することができる二重
床用床パネルの製造法を提供することである。
床用床パネルを簡単な工程で製造することができる二重
床用床パネルの製造法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、この発明は、平坦な表面の上面部と、この上面部
の裏面側に所定の空隙をもって配置され、その周縁部が
前記上面部の周縁部に固着された下面部とを有するとと
もに、この下面部の一部分に前記上面部の裏面に当接す
る補強用の凹みが形成されている二重床用床パネルにお
いて、前記下面部には前記空隙に連通する開口が穿設さ
れており、前記上面部の裏面には、アスファルトを主材
とし、これにスチレン・ブタジエン・スチレンのブロッ
ク共重合体やポリ酢酸ビニールあるいはポリエチレンな
どの改質材を配合してなり、前記開口から注入され、常
温で固化する熱可塑性溶融体で構成された制振材が前記
空隙の幅より短い厚みに固着されていることを特徴とし
ている。
ため、この発明は、平坦な表面の上面部と、この上面部
の裏面側に所定の空隙をもって配置され、その周縁部が
前記上面部の周縁部に固着された下面部とを有するとと
もに、この下面部の一部分に前記上面部の裏面に当接す
る補強用の凹みが形成されている二重床用床パネルにお
いて、前記下面部には前記空隙に連通する開口が穿設さ
れており、前記上面部の裏面には、アスファルトを主材
とし、これにスチレン・ブタジエン・スチレンのブロッ
ク共重合体やポリ酢酸ビニールあるいはポリエチレンな
どの改質材を配合してなり、前記開口から注入され、常
温で固化する熱可塑性溶融体で構成された制振材が前記
空隙の幅より短い厚みに固着されていることを特徴とし
ている。
【0010】また、この発明は、平坦な表面の上面部
と、この上面部の裏面側に所定の空隙をもって配置さ
れ、その周縁部が前記上面部の周縁部に固着された下面
部とを有するとともに、この下面部の一部分に前記上面
部の裏面に当接する補強用の凹みが形成されている二重
床用床パネルの製造法において、前記下面部に前記空隙
に連通する少なくとも1つの開口を形成し、前記下面部
が上方を向くように反転し、アスファルトを主材とし、
これにスチレン・ブタジエン・スチレンのブロック共重
合体やポリ酢酸ビニールあるいはポリエチレンなどの改
質材を配合してなる常温で固化する熱可塑性の溶融体
を、前記開口から前記空隙の幅より短い厚みに注入して
固化させることにより、前記上面部の裏面に制振材を固
着させることを特徴としている。
と、この上面部の裏面側に所定の空隙をもって配置さ
れ、その周縁部が前記上面部の周縁部に固着された下面
部とを有するとともに、この下面部の一部分に前記上面
部の裏面に当接する補強用の凹みが形成されている二重
床用床パネルの製造法において、前記下面部に前記空隙
に連通する少なくとも1つの開口を形成し、前記下面部
が上方を向くように反転し、アスファルトを主材とし、
これにスチレン・ブタジエン・スチレンのブロック共重
合体やポリ酢酸ビニールあるいはポリエチレンなどの改
質材を配合してなる常温で固化する熱可塑性の溶融体
を、前記開口から前記空隙の幅より短い厚みに注入して
固化させることにより、前記上面部の裏面に制振材を固
着させることを特徴としている。
【0011】
【作用】上述のように構成された床パネルでは、制振材
が振動を直接受ける上面部の裏面に固着されているの
で、歩行時の振動はもとより、物品の落下等による振動
も確実に抑えることができる。さらに制振材の厚さは、
上面部と下面部との間隙より短い厚みに形成されている
ので、床パネルの自重は僅かに重くなるだけであり、軽
量で取扱いが容易という二重構造の床パネルの特徴と損
なうことはない。
が振動を直接受ける上面部の裏面に固着されているの
で、歩行時の振動はもとより、物品の落下等による振動
も確実に抑えることができる。さらに制振材の厚さは、
上面部と下面部との間隙より短い厚みに形成されている
ので、床パネルの自重は僅かに重くなるだけであり、軽
量で取扱いが容易という二重構造の床パネルの特徴と損
なうことはない。
【0012】また、上述の二重床用床パネルの製造法で
は、少なくとも1つの開口を形成し、下面部が上方を向
くように反転し、制振材を開口から間隙の幅より短い厚
みに注入し、溶融体を上面部の裏面に固着させるという
極めて簡単な工程で製造することができ、開口は床パネ
ルを支持する支柱の係止部材の係合孔と兼用させること
もできる。
は、少なくとも1つの開口を形成し、下面部が上方を向
くように反転し、制振材を開口から間隙の幅より短い厚
みに注入し、溶融体を上面部の裏面に固着させるという
極めて簡単な工程で製造することができ、開口は床パネ
ルを支持する支柱の係止部材の係合孔と兼用させること
もできる。
【0013】
【実施例】以下、この発明を図面に示す一実施例につい
て説明する。図面において床パネル1は裏面が上方に位
置するように反転した状態で示されている。床パネル1
は、方形で平坦な上面板2と、この上面板2の裏面周縁
部にその周縁部3が溶着等により固着された略皿形をし
た下面板4とから構成されている。これら上面板2およ
び下面板4は鉄、ステンレススチール、アルミニューム
のような鋼板で作られている。上面板2の上面には所望
によりビニールタイルやカーペットタイル(図示しな
い)が貼着される。下面板4の上面板2と相対する平坦
面5には、補強用のデインプル6および矩形の凹部7が
プレス加工により適当な間隔をおいて複数個形成されて
いる。これらデインプル6の頂点および凹部7の底部は
上面板2の裏面に溶着等により固着されている。下面板
4の四隅には平坦面5より低い位置に平坦な段部8が形
成され、この段部8には内部に連通するように開口9が
それぞれ形成されている。段部8は、付合わされた4枚
の床パネルの角部を床スラブ上に所定の高さに支持する
支柱(図示しない)の先端部が当接し、開口9が支柱先
端部に設けられた係止部材(図示しない)に嵌合され
る。このような係止部材を有する支柱は周知であるの
で、図示および詳細な説明は省略する。
て説明する。図面において床パネル1は裏面が上方に位
置するように反転した状態で示されている。床パネル1
は、方形で平坦な上面板2と、この上面板2の裏面周縁
部にその周縁部3が溶着等により固着された略皿形をし
た下面板4とから構成されている。これら上面板2およ
び下面板4は鉄、ステンレススチール、アルミニューム
のような鋼板で作られている。上面板2の上面には所望
によりビニールタイルやカーペットタイル(図示しな
い)が貼着される。下面板4の上面板2と相対する平坦
面5には、補強用のデインプル6および矩形の凹部7が
プレス加工により適当な間隔をおいて複数個形成されて
いる。これらデインプル6の頂点および凹部7の底部は
上面板2の裏面に溶着等により固着されている。下面板
4の四隅には平坦面5より低い位置に平坦な段部8が形
成され、この段部8には内部に連通するように開口9が
それぞれ形成されている。段部8は、付合わされた4枚
の床パネルの角部を床スラブ上に所定の高さに支持する
支柱(図示しない)の先端部が当接し、開口9が支柱先
端部に設けられた係止部材(図示しない)に嵌合され
る。このような係止部材を有する支柱は周知であるの
で、図示および詳細な説明は省略する。
【0014】上面板2の裏面には制振材10が厚さ1〜
6mm程度に固着されている。制振材10は、主材であ
る針侵入度が40〜100のアスファルトの中に改質剤
としてスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)のブ
ロック共重合体あるいはポリ酢酸ビニール、ポリエチレ
ン、ポリエチレン酢酸ビニール等の共重合体を溶解した
ものに炭酸カルシュウムのような増量剤、あるいはフェ
ライトあるいは雲母等の充填剤を混入することにより構
成されている。これら主材、改質剤および増量剤あるい
は充填剤の配合比は100:25〜30:0〜50であ
り、例えばリボンミキサー等によりこれらを混合しなが
ら電熱ヒーター等により150℃以上に加熱して流動体
にしたものを、床パネル1の開口9から上面板2の裏面
全体に行き渡るように注入し、常温で冷却して固着させ
ている。注入時には振動盤上に下面板4を上にして床パ
ネル1を載置し、振動を与えながら注入すれば上面板2
の裏面全体に行き渡らせることができる。主材のアスフ
ァルトには固体化する際に接着作用を奏するので、制振
材10は上面板2の裏面全体に強固に固着し、上面板2
を上にして振動を与えても制振材10が落下することは
ない。アスファルトは高温時には粘性が緩くなり、たれ
の発生が考えられるため改質剤を混合することによりこ
れを防止している。また、増量剤として炭酸カルシュウ
ムを混合することにより、増量効果とともに軽量化を図
ることができ、さらに充填剤としてフェライトあるいは
雲母を混合すれば増量効果とともに制振効果を向上させ
ることができる。
6mm程度に固着されている。制振材10は、主材であ
る針侵入度が40〜100のアスファルトの中に改質剤
としてスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)のブ
ロック共重合体あるいはポリ酢酸ビニール、ポリエチレ
ン、ポリエチレン酢酸ビニール等の共重合体を溶解した
ものに炭酸カルシュウムのような増量剤、あるいはフェ
ライトあるいは雲母等の充填剤を混入することにより構
成されている。これら主材、改質剤および増量剤あるい
は充填剤の配合比は100:25〜30:0〜50であ
り、例えばリボンミキサー等によりこれらを混合しなが
ら電熱ヒーター等により150℃以上に加熱して流動体
にしたものを、床パネル1の開口9から上面板2の裏面
全体に行き渡るように注入し、常温で冷却して固着させ
ている。注入時には振動盤上に下面板4を上にして床パ
ネル1を載置し、振動を与えながら注入すれば上面板2
の裏面全体に行き渡らせることができる。主材のアスフ
ァルトには固体化する際に接着作用を奏するので、制振
材10は上面板2の裏面全体に強固に固着し、上面板2
を上にして振動を与えても制振材10が落下することは
ない。アスファルトは高温時には粘性が緩くなり、たれ
の発生が考えられるため改質剤を混合することによりこ
れを防止している。また、増量剤として炭酸カルシュウ
ムを混合することにより、増量効果とともに軽量化を図
ることができ、さらに充填剤としてフェライトあるいは
雲母を混合すれば増量効果とともに制振効果を向上させ
ることができる。
【0015】ここで、この発明の具体例として、上面板
2および下面板4を厚さ1.2mmのスチール鋼板で構
成し、縦横が500×500mm、厚さが25mmの床
パネル1を作り、改質剤にはSBSを26部、そして増
量剤には炭酸カルシュウムを25部使用して制振剤10
を作り、これを上面板2の裏面全体に2.5mmの厚さ
に固着した。この床パネルの四隅を支柱で支持した状態
で、直径30mmのスチールボールを高さ200mmか
ら落下させ、上面板2の振動の大きさと振動時間を測定
した。その測定波形を図3に示す。この具体例と対比す
るため、制振材10を固着しない以外は具体例と全く同
じ床パネルも用意し、同様な実験を行い振動振幅を電圧
値で表す測定機を用いて振動振幅と振動時間を測定し
た。その測定波形を図4に示す。これら測定波形図から
判るように、具体例における振動振幅は制振材10のな
い床パネルに比較して約半分であり、また、振動時間は
約38ミリ秒であるのに対し、制振材10のない床パネ
ルは140ミリ秒経過しても依然として振動している。
また、具体例の重量は6.0Kgであるのに対し、制振
材10のない床パネル重量は5.2Kgであり、僅か
0.8Kg重くなるだけで、格段の制振効果を発揮する
ことが判った。
2および下面板4を厚さ1.2mmのスチール鋼板で構
成し、縦横が500×500mm、厚さが25mmの床
パネル1を作り、改質剤にはSBSを26部、そして増
量剤には炭酸カルシュウムを25部使用して制振剤10
を作り、これを上面板2の裏面全体に2.5mmの厚さ
に固着した。この床パネルの四隅を支柱で支持した状態
で、直径30mmのスチールボールを高さ200mmか
ら落下させ、上面板2の振動の大きさと振動時間を測定
した。その測定波形を図3に示す。この具体例と対比す
るため、制振材10を固着しない以外は具体例と全く同
じ床パネルも用意し、同様な実験を行い振動振幅を電圧
値で表す測定機を用いて振動振幅と振動時間を測定し
た。その測定波形を図4に示す。これら測定波形図から
判るように、具体例における振動振幅は制振材10のな
い床パネルに比較して約半分であり、また、振動時間は
約38ミリ秒であるのに対し、制振材10のない床パネ
ルは140ミリ秒経過しても依然として振動している。
また、具体例の重量は6.0Kgであるのに対し、制振
材10のない床パネル重量は5.2Kgであり、僅か
0.8Kg重くなるだけで、格段の制振効果を発揮する
ことが判った。
【0016】上述実施例では開口9は、支柱の先端部に
設けられた係止部材に嵌合される開口を利用している
が、専用に設けてもよいことは勿論である。また、上面
板2と下面板4を強化プラスチックのような合成樹脂板
で構成してもよい。
設けられた係止部材に嵌合される開口を利用している
が、専用に設けてもよいことは勿論である。また、上面
板2と下面板4を強化プラスチックのような合成樹脂板
で構成してもよい。
【0017】
【発明の効果】以上のように、この発明の二重床用床パ
ネルは、下面部には空隙に連通する開口を有し、上面部
の裏面には開口から注入され、常温で固化する熱可塑性
溶融体で構成された制振材を間隙の幅より短い厚みに固
着させたものであり、制振材は振動を直接受ける上面部
の裏面に固着されているので、確実に振動を抑えること
ができる。また制振材の厚さは、上面部と下面部との間
隙より短い厚みに形成されているので、床パネルの自重
は僅かに重くなるだけであり、軽量で取扱いが容易とい
う二重構造の床パネルの特徴と損なうことはない。
ネルは、下面部には空隙に連通する開口を有し、上面部
の裏面には開口から注入され、常温で固化する熱可塑性
溶融体で構成された制振材を間隙の幅より短い厚みに固
着させたものであり、制振材は振動を直接受ける上面部
の裏面に固着されているので、確実に振動を抑えること
ができる。また制振材の厚さは、上面部と下面部との間
隙より短い厚みに形成されているので、床パネルの自重
は僅かに重くなるだけであり、軽量で取扱いが容易とい
う二重構造の床パネルの特徴と損なうことはない。
【0018】この場合において、制振材を、主材である
アスファルトと、スチレン・ブタジエン・スチレンの共
重合体やポリ酢酸ビニールあるいはポリエチレンなどの
改質材とで構成したことにより、そのアスファルトの粘
着性を利用して接着剤を使用することなく、制振材を上
面部の裏面に確実に固着させることができる。
アスファルトと、スチレン・ブタジエン・スチレンの共
重合体やポリ酢酸ビニールあるいはポリエチレンなどの
改質材とで構成したことにより、そのアスファルトの粘
着性を利用して接着剤を使用することなく、制振材を上
面部の裏面に確実に固着させることができる。
【0019】なお、制振材に、軽量の人工骨材をさらに
混合することにより、軽量化を図ることができるばかり
でなく、低コストな床パネルを提供することができる。
混合することにより、軽量化を図ることができるばかり
でなく、低コストな床パネルを提供することができる。
【0020】また、この発明の二重床用床パネルの製造
法によれば、下面部に空隙に連通する少なくとも1つの
開口を形成し、次に下面部が上方を向くように反転さ
せ、アスファルトを主材とし、これにスチレン・ブタジ
エン・スチレンのブロック共重合体やポリ酢酸ビニール
あるいはポリエチレンなどの改質材を配合してなる常温
で固化する熱可塑性の溶融体を、開口から間隙の幅より
短い厚みに注入して固化させて、上面部の裏面に制振材
を固着させるという極めて簡単な工程で製造することが
できる。なお、開口は床パネルを支持する支柱の係止部
材の係合孔と兼用させることもできる。この場合、溶融
体の注入を床パネルを振動手段により振動させながら行
なうことにより、上面部の裏面全体にまんべんなく制振
材を流し込むことができる。
法によれば、下面部に空隙に連通する少なくとも1つの
開口を形成し、次に下面部が上方を向くように反転さ
せ、アスファルトを主材とし、これにスチレン・ブタジ
エン・スチレンのブロック共重合体やポリ酢酸ビニール
あるいはポリエチレンなどの改質材を配合してなる常温
で固化する熱可塑性の溶融体を、開口から間隙の幅より
短い厚みに注入して固化させて、上面部の裏面に制振材
を固着させるという極めて簡単な工程で製造することが
できる。なお、開口は床パネルを支持する支柱の係止部
材の係合孔と兼用させることもできる。この場合、溶融
体の注入を床パネルを振動手段により振動させながら行
なうことにより、上面部の裏面全体にまんべんなく制振
材を流し込むことができる。
【図1】この発明の二重床用床パネルの一実施例を示す
縦断面図底面図である。
縦断面図底面図である。
【図2】図1の底面図で、図1はA−A線に沿って切断
されている。
されている。
【図3】この発明の二重床用床パネルの具体例における
振動特性を示す波形図である。
振動特性を示す波形図である。
【図4】その具体例から制振材を取り除いた床パネルの
振動特性を示す波形図である。
振動特性を示す波形図である。
1 床パネル 2 上面板 3 周縁部 4 下面板 5 平坦面 8 段部 9 開口 10 制振材
Claims (5)
- 【請求項1】 平坦な表面の上面部と、この上面部の裏
面側に所定の空隙をもって配置され、その周縁部が前記
上面部の周縁部に固着された下面部とを有するととも
に、この下面部の一部分に前記上面部の裏面に当接する
補強用の凹みが形成されている二重床用床パネルにおい
て、前記下面部には前記空隙に連通する開口が穿設され
ており、前記上面部の裏面には、アスファルトを主材と
し、これにスチレン・ブタジエン・スチレンのブロック
共重合体やポリ酢酸ビニールあるいはポリエチレンなど
の改質材を配合してなり、前記開口から注入され、常温
で固化する熱可塑性溶融体で構成された制振材が前記空
隙の幅より短い厚みに固着されていることを特徴とする
二重床用床パネル。 - 【請求項2】 前記制振材には、軽量の人工骨材が含ま
れているこを特徴とする請求項1に記載の二重床用床パ
ネル。 - 【請求項3】 前記制振材には、さらに、炭酸カルシュ
ウムなどの増量材もしくはフェライトや雲母などの充填
材がさらに含まれていることを特徴とする請求項1また
は2に記載の二重床用床パネル。 - 【請求項4】 平坦な表面の上面部と、この上面部の裏
面側に所定の空隙をもって配置され、その周縁部が前記
上面部の周縁部に固着された下面部とを有するととも
に、この下面部の一部分に前記上面部の裏面に当接する
補強用の凹みが形成されている二重床用床パネルの製造
法において、前記下面部に前記空隙に連通する少なくと
も1つの開口を形成し、前記下面部が上方を向くように
反転し、アスファルトを主材とし、これにスチレン・ブ
タジエン・スチレンのブロック共重合体やポリ酢酸ビニ
ールあるいはポリエチレンなどの改質材を配合してなる
常温で固化する熱可塑性の溶融体を、前記開口から前記
空隙の幅より短い厚みに注入して固化させることによ
り、前記上面部の裏面に制振材を固着させることを特徴
とする二重床用床パネルの製造法。 - 【請求項5】 前記床パネルを振動手段により振動させ
ながら、前記溶融体を前記開口から前記空隙内に注入す
ることを特徴とする請求項4に記載の二重床用床パネル
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5340723A JP2742980B2 (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | 二重床用床パネルおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5340723A JP2742980B2 (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | 二重床用床パネルおよびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07158239A JPH07158239A (ja) | 1995-06-20 |
JP2742980B2 true JP2742980B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=18339702
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5340723A Expired - Lifetime JP2742980B2 (ja) | 1993-12-09 | 1993-12-09 | 二重床用床パネルおよびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2742980B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003066996A1 (fr) * | 2002-02-05 | 2003-08-14 | Obayashi Corporation | Structure de double plancher |
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JP2010084346A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-04-15 | Hitachi Metals Techno Ltd | フリーアクセスフロア用パネル |
JP2020153136A (ja) * | 2019-03-20 | 2020-09-24 | 紀陽産業株式会社 | 接着パネル |
JP2021127050A (ja) * | 2020-02-15 | 2021-09-02 | マツダ株式会社 | 車両の前部車体構造 |
JP2021127051A (ja) * | 2020-02-15 | 2021-09-02 | マツダ株式会社 | 車両の前部車体構造 |
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JPH06330607A (ja) * | 1993-05-25 | 1994-11-29 | Om Kiki Kk | 床 板 |
-
1993
- 1993-12-09 JP JP5340723A patent/JP2742980B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2003066996A1 (fr) * | 2002-02-05 | 2003-08-14 | Obayashi Corporation | Structure de double plancher |
CN100335731C (zh) * | 2002-02-05 | 2007-09-05 | 株式会社大林组 | 双层地板结构 |
US7490439B2 (en) | 2002-02-05 | 2009-02-17 | Obayashi Corporation | Double floor structure |
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Publication number | Publication date |
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JPH07158239A (ja) | 1995-06-20 |
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