JP2742342B2 - 立体写真投映方法および立体写真焼付装置 - Google Patents

立体写真投映方法および立体写真焼付装置

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JP2742342B2
JP2742342B2 JP3243215A JP24321591A JP2742342B2 JP 2742342 B2 JP2742342 B2 JP 2742342B2 JP 3243215 A JP3243215 A JP 3243215A JP 24321591 A JP24321591 A JP 24321591A JP 2742342 B2 JP2742342 B2 JP 2742342B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンチキュラー方式の
立体写真投映方法および立体写真焼付装置に関し、詳細
には3以上の視点の異なる画像を同時にレンチキュラー
シートを介して各種の感光材料または電子的感光体もし
くはスクリーンなどの被投映体に線状画像要素として投
映する立体写真投映方法、および前記立体写真投映方法
を適用して感光材料に画像焼付けを行う立体写真焼付装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】レンチキュラーシートと感光層とからな
るレンチキュラー感光材料を用いて立体視を得るための
方式は、例えば図10に示す2眼方式のように、レンチ
キュラーシートCの裏面に感光層Dを設けたレンチキュ
ラー感光材料Fに投映レンズB1 ,B2 を通して左右異
なった視点からの画像情報即ち左右の画像A1 ,A2
投映し、線状画像要素に分解して記録する。この投映記
録されたレンチキュラー感光材料Fを図11の如く左右
の眼L,Rによりレンチキュラー感光材料Fのレンチキ
ュラーシートCを通して立体視するものである。しか
し、この方式では、立体視の得られる両眼の位置が極め
て限られ、それを外れると急激な光学濃度(以下単に
「濃度」という)低下が生じ、立体感が減退する。
【0003】かかる欠点は、レンチキュラーシートによ
る線状画像要素の線巾を適当量ずつ拡げれば改善される
ことが知られている。 (1)例えば特公昭49−607号公報に記載されてい
る装置のように、感光材料と投映レンズを同一方向に所
定の速度比で動かし線画像の巾を拡大する感材相対運動
方式や、(2)例えば特公昭53−33847号公報に
記載されている装置のように、レンチキュラー感光材料
をその中心部のレンズの母線を軸として所定の角度傾動
させる揺動方式や、(3)例えば特公昭49−2590
2号公報に記載されている方式のように、レンチキュラ
ー感光材料の表面に全体としてレンチキュラーレンズの
屈折力を変えるようなカバーを貼り重ねて画像要素の線
幅が拡がった状態で記録する附加レンチキュラーレンズ
方式などの各種の方式がある。
【0004】しかし、従来の場合、前述した特公昭53
−33847号公報に記載されているように、2原画を
レンズ系を通して投映してレンチキュラー感光材料に画
像を焼き付ける2眼(2原画)方式においては、2原画
の同時露光が可能であり、しかも装置が簡単であるとい
う利点はあるが、逆に、焼き付けられる原画数が2原画
に限られるため、引伸レンズ(投映レンズ)の2つの鏡
像の間隔を観察者の両眼の間隔とし、引伸レンズからレ
ンチキュラーシートまでの距離を観察時の観察距離にほ
ぼ等しいものにする必要があり、また、露光された立体
画像を観察する場合においても、立体的に観察可能な距
離が制限され、レンチキュラーシートのピッチ内に含ま
れる2個の線状画像要素の幅を拡げたとしても画像に隙
間が生じやすいため立体感が不十分であり、また視点の
移動のさせ方によっては、逆立体像を生じやすいという
欠点を有している。また、2画面では揺動方式により線
状画像の線幅を拡げようとすると揺動角度が大きくな
り、立体画像周辺部の画質を低下させることになる。
【0005】それを解決すべく多眼(複数原画)方式が
提案されたが、焼付方法が複雑かつ非能率または大型か
つ高価となる。多眼方式の装置例としては、例えば特公
昭58−7981号公報に提案されている装置が挙げら
れる。この公報中(同図4)に示される装置において
は、所定間隔で配置されるN個の2次元像を、所定の間
隔で離間した投映の角度を変えることができるN個の投
映用のレンズを介してピッチWのレンチキュラー感光材
料の感光層に投映し、レンチキュラー感光材料のピッチ
内にN個の均一な焦点の合った収光像を形成している。
【0006】上記公報に提案された多眼方式の装置にお
いても前述した焼付方法が複雑かつ非能率または大型か
つ高価となる欠点を有している。即ちかかる装置におい
ては、多数の原画と多数の投映レンズとで一度に焼付す
るため、高速で原画の焼付が完了するが、複数の原画は
所定の投映角度となる位置に配置するため、所定間隔離
間する必要があり、一枚一枚のフィルムが分離されてお
り、また一枚一枚の原画からの投映像を所望の投映角度
で結像させるため、個々のレンズを調整するレンズ移動
機構が必要となり、装置全体が複雑なものとなってしま
う。さらに線状画像要素の線幅を拡げるための操作が必
要であり、全体の機構が一層複雑となっている。また、
原画を連続したまま焼付けるためには、レンズ間隔可変
の特殊なカメラで原画を作成する必要がある。
【0007】また、例えば特公昭56−31577号公
報には、複数の原画をそれぞれ所定の複数の配列でフィ
ルム支持板に配置したものに、光源から投映光を当て
て、レンズ支持板に拡大レンズを所定の複数の配列で配
置したレンズ系を介して結像して、同一露光工程で複数
の原画に対する露光を行う立体画像装置が開示されてい
る。しかし、この装置においても、立体写真の原画を分
離して、フィルム支持板に個々に配列し、またこのよう
に複数列に配列した原画に対応してレンズ系を複数列に
配列する必要があり、原画を準備するのに手間がかか
り、装置全体が大型化する欠点もある。
【0008】さらにまた、例えば特公昭62−1878
35号公報には、多原画を露光する際に、レンチキュラ
ー感光材料の微小レンズの1ピッチ内の中央の画像を外
側の画像より幅広くする方法が記載されているが、具体
的な装置、手段が開示されていないという問題点があ
る。
【0009】例えば、特開平1−260434号公報に
は、3次元レンチキュラー感光材料をレンズが移動する
ことなく非走査で露光するために、多数の原画を連続し
て有するフィルムとレンチキュラー感光材料の間に、固
定された潜望鏡レンズと、光軸に直角な第1および第2
の軸を中心として回動自在な平行ミラーとを含む潜望鏡
光学系とを配置し、前記フィルム上の各原画を光軸に対
して角度露光領域を形成するようにフィルムの原画を移
動させ、各角度露光領域に対応するフィルムの各原画に
対して投映光を照射して、角度露光領域の中心に沿って
潜望鏡光学系に向けてフィルムの各原画の画像露光を行
う方法および装置が開示されている。この装置におい
て、投映レンズを固定させることができて、従来のよう
にフィルムの移動に合わせてレンズの角度を変える必要
をなくし、画像露光による結像画像のレンズ光軸からの
ずれを、平行ミラーの2軸を中心に回動させて解決して
いる。しかし、この装置は、4原画に対しては、フィル
ムをその都度移動し、ミラーを調節して露光することを
4回行い、ミラー系の回転は同一レンズ、ミラー位置で
各原画像に所定の焼込角を与えるために行っているた
め、工程が4回必要であるという欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決することにあり、簡易な操作お
よび構成で、以上の原画を同時(同一工程)に投映可
能とし、それを画像要素記憶媒体に記憶するか、表示媒
体に表示し、それを種々の方法で観察可能とする立体写
真投映方法を提供することを目的とする。本発明はさら
に、簡易な操作および構成で、以上の原画を同時(同
一工程)に焼付可能とし、しかも簡単に高品質な立体写
真を得ることができるレンチキュラー方式の立体投映焼
付装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様は、以上の異なる視点からの
原画像をレンチキュラーシートを介してそれぞれ複数の
線状画像要素として画像要素記憶媒体または表示媒体に
投映するに当たり、各原画像からの光束を一つの投映レ
ンズに入射させ、透過した光束を少なくとも一つのミラ
ーおよび少なくとも一つの光透過反射分離部材によって
各原画像毎に光束分離する光学系において原画像毎に各
光束の画像要素記憶媒体または表示媒体までの光路長を
調整し、かつこの光学系によって投映される複数の投映
画像における原画像の主被写体を一致させる調整が可能
であり、かつ各光束を前記レンチキュラーシートに所定
の角度で入射させ、前記画像要素記憶媒体または表示媒
体に線状画像要素として結像させ、同時に以上の異な
る視点からの原画像を前記画像要素記憶媒体または表示
媒体に投映することを特徴とする立体写真投映方法を提
供する。
【0012】また、前記立体写真投映方法においては、
前記画像要素記憶媒体が感光材料であるのが好ましい。
【0013】また、本発明の第2の態様は、3以上の異
なる視点からの原画像をレンチキュラーシートを介して
それぞれ複数の線状画像要素とし、レンチキュラーシー
トの裏面側に配される感光材料の感光層に焼き付ける立
体写真焼付装置であって、焼付光源と、3以上の原画像
を担持するフィルムを保持するフィルム保持手段と、前
記フィルムを透過し、3以上の原画像情報を有する投映
光を前記感光材料の感光層に結像する1個の投映レンズ
と、前記投映レンズを透過した3以上の原画像情報を有
する投映光を各原画像毎に光束分離する少なくとも一つ
の光透過反射分離部材、および各々原画像情報を有する
投映光を前記レンチキュラーシートに所定の角度で入射
させ、前記感光材料に対応する線状画像要素として結像
させるように全反射する各々の全反射ミラーの一群とか
らなり、各々の投映光の感光層への焼付角度および光路
長を調整する光学系と、前記各々の投映光を多数の線状
画像要素として結像させるレンチキュラーシートおよび
該レンチキュラーシートの裏面側に配され線状画像要素
に分解された投映画像を焼き付けるための感光層を有す
る感光材料を保持する保持手段とを有することを特徴と
する立体写真焼付装置を提供する。
【0014】また、前記立体写真焼付装置において、前
記原画像の感光層への焼付中に、前記保持手段に保持さ
れる感光材料を基準面に対して所定角度範囲内で、投映
レンズの光軸と交わるレンチキュラーシートの中心部の
レンチキュラーレンズの母線を軸として揺動させる揺動
手段を備えるのが好ましい。
【0015】また、前記立体写真焼付装置において、調
光用のフィルタを少なくとも一つの投映光に対して有す
るのが好ましい。
【0016】また、前記立体写真焼付装置において、前
記原画像の露光量を個別に調整し、かつ露光量調整を全
体で調整する露光量調整系を備えるのが好ましい。
【0017】
【作用】本発明の第1の態様である立体写真投映方法に
おいては、以上の原画像を含む光束は、1個の投映レ
ンズを経て所定の投映倍率で結像するように収束光とさ
れ、続いて配置されるハーフミラーやプリズム等の光透
過反射分離部材に入射する。各光束は、この光透過反射
分離部材によって反射されたものと透過したものとを適
宜適用されることにより各原画像毎の光束に分けられ、
ミラーによって全ての光束のレンチキュラーシートまで
の光路長が一定となるように調節され、各原画像からの
投映画像における主被写体がレンチキュラシートで一致
するように主被写体調整を行った後、それぞれ所定の角
度でレンチキュラーシートに入射し、レンチキュラーシ
ートの裏面側上に線状画像要素としてそれぞれ結像され
る。このため、連続した複数の原画を所定位置に保持し
たまま、1個の投映レンズを介して、レンチキュラーシ
ートの裏側の所定位置に配置される画像要素記憶媒体ま
たは表示媒体に記憶保持された後、画像要素記憶媒体ま
たは表示媒体を介して、あるいは所定位置に配置される
表示媒体に直接投映表示して種々の立体観察がなされ
る。
【0018】画像要素記憶媒体としては、写真感光材料
や電子的感光体、その他磁気記録媒体や光記憶媒体をも
含むものであり、レンチキュラーシートを介して投映画
像が画像要素に分解されて、これが一時記憶され、この
記憶画像を間接的に種々の立体視可能な媒体に利用する
ものである。例えば、CCDなどの電子的感光体を用い
る場合には、感光体に線画像として受け、これをビデオ
信号として送りCRT等に投映し、CRTでは画像サイ
ズに対応したレンチキュラーシートがCRT画面上に取
り付けられており、投映された蛍光素子で発光した画面
をレンチキュラーシートを通して見ることにより立体視
することができる。また表示媒体としては、拡散板、ス
クリーン、フレネルレンズを用いるもの、反射ミラー、
あるいはレンチキュラーシートと組み合わせた2重レン
チキュラースクリーン等が代表的に挙げられる。
【0019】また、本発明の第2の態様である立体写真
焼付装置においては、3以上の原画像を含む光束は、1
個の投映レンズを経て所定の投映倍率で結像するように
収束光とされ、続く光透過反射分離部材によって反射さ
れたものと透過したものとを適宜適用されることにより
各原画像毎の光束に分けられ、ミラーによって各原画像
の光束のレンチキュラーシートまでの光路長がほぼ一定
となるように調節され、かつ各原画像からの投映画像に
おける主被写体がレンチキュラシートで一致するように
調整され、それぞれ所定の焼付角度でレンチキュラーシ
ートに入射し、レンチキュラーシートの裏面側に配され
る感光材料上に線状画像要素としてそれぞれ結像され
る。このため、連続した3以上の原画を所定位置に保持
したまま、1個の投映レンズを介して、レンチキュラー
感光材料に、同時に焼き付けることができ、またハーフ
ミラーやプリズム等の光透過反射分離部材によって各原
画像毎の光束に分離するため、絞り(射出瞳)を大きく
とることができ、鮮明な立体画像が得られる。またハー
フミラー等の光透過反射分離部材を用い、各原画像毎に
反射されたものと透過したものとを適宜選択することに
より、少なくとも原画像からの光束を分離することが
できるので、光束分離用のミラーを各原画像毎に用意す
る必要がなく簡便なものとなる。
【0020】レンチキュラーシートは、かまぼこ型のレ
ンズ(レンチキュラーレンズ)を複数個一体に形成し
た、上面が複数の円筒状のレンズからなり、底面が平坦
な面を有するシートであり、レンチュラーの幅方向にの
み屈折力を有する。また裏面に配設される感光材料は、
写真感光材料や電子的感光体等の従来知られている感光
材料を用いることができる。
【0021】レンチキュラーシートと裏面側に配置され
る感光材料とは、種々のレンズ径、厚み、寸法等のレン
チキュラーシートと、種々の寸法の様々な感光材料とを
組み合わすことができる利点があるため、別体である
が、所定の条件のもとでは、所定の組合せで一体型とし
てもよい。なお、本発明においては、レンチキュラーシ
ートと感光材料とを一体とする場合には一体型のものを
レンチキュラー感光材料と称する。好ましくは、従来知
られている感光材料の最上層の上にレンチキュラーシー
トを配設したものが好ましい。
【0022】主被写体調整は、各原画の主被写体がレン
チキュラシートで合致するようにレンチキュラー感光材
料の感光層に投映する調整である。すなわち、各原画の
主被写体の投映像がレンチキュラシートで一致するよう
にミラー光学系のミラー群の角度、もしくは位置を画質
に問題ない微少範囲で調整することにより、原画像の特
定の主被写体を立体画像の基準平面内に存在させ、立体
感のある鮮明な立体像を得ることができる。
【0023】また、露光中に保持手段に保持される前記
レンチキュラー感光材料(レンチキュラーシートおよび
感光材料)を基準面に対して所定角度範囲内で、レンチ
キュラー感光材料の中心部のレンチキュラーシートの母
線を軸として揺動させる揺動手段を備えることにより、
投映レンズにより集光され、レンチキュラーシートを経
て分解して結像された線状画像要素の画像幅を所定角度
範囲にわたって拡巾することができる。
【0024】各原画の主被写体がレンチキュラシートで
合致しているか否かを確認する手段として、レンチキュ
ラー感光材料上に開閉自在の遮光板を設け、これに3以
上の原画を同時または個別に投映してミラーによる主被
写体の合致調整が行われたかどうかを確認する。さらに
各画像の主被写体画像の一致を確保する装置として例え
ば、画像コントラストを測定する装置をこの遮光板の主
被写体の投映位置に置き、投映画像のコントラストが最
高になるようにミラー群を角度調整手段でそれぞれ自動
調整するようにしてもよい。
【0025】主被写体には、一般にカメラのピントの合
った物体を選択するのがよいが、その他の物体を主被写
体とすることもできる。なお、主被写体とは、原画像が
露光されたレンチキュラー感光材料を見た場合に、立体
映像のちょうど基準平面内にあるように見える物体をい
う。
【0026】本発明の立体写真焼付装置において、カラ
ーバランスや光量等を調整するためのフィルタを少なく
とも一つの投映光に対応して備えることにより、ハーフ
ミラー等を透過あるいはこれに反射された光束のカラー
バランス等を調整し、高画質な立体画像を得ることがで
きる。
【0027】さらに、原画像の焼付(露光)量を個別に
または全体的に調整し得、かつ露光量調整を全体で調整
しえる露光調整系を備えることにより、適切な明度の立
体画像を得ることができる。
【0028】従って、本発明の立体写真焼付装置は、従
来の焼付方式と比べて、焼付後の立体画像の画素の飛び
が少なく、また装置における光路を投映レンズ光軸を中
心に周辺も利用して投映光をミラー反射して露光するこ
とにより、原画数3以上に好適に対応する。また、焼付
中に揺動走査を行いレンチキュラーシート下の線状画像
要素の画像幅を拡げ、チラツキの少ない立体画像を得
る。
【0029】また、従来の多原画焼付方式に対して、レ
ンズ1個で済み、相対運動方式と比べてフィルムまたは
レンチキュラー感光材料を露光中に移動する手段を必要
とせず、投映レンズ系の角度を調整する必要もないので
構造が簡単となる。複数の原画を同時に露光するので原
画数n枚の場合、能率は約n倍となる。露光中に揺動走
査し、線状画像要素の拡大が単純なメカニズムで高能率
に行える。露光中にネガや感光材料を移動する必要がな
いため小型化が可能となる。
【0030】
【実施例】本発明に係る立体写真投映方法および立体写
真焼付装置について、添付の図面に示す好適実施例を参
照して詳細に説明する。
【0031】以下に本発明の実施例として、3次元物体
を異なる撮影点から多数の2次元画像として撮影し、次
に構成用レンズ状スクリーンとしてのレンチキュラー感
光材料を通じてこの2次元画像を投映することによって
3次元画像を構成する間接立体写真法に本発明を適用す
る場合について説明する。
【0032】図1に示すように、撮影時には、被写体5
1を異なる視点から3個のレンズ531 ,532 ,53
3 を通して原画フィルム(感光材料)55に撮影するこ
とができる3眼のカメラ57で立体写真用の複数、この
場合には3個の原画131 ,132 ,133 を得る。
【0033】3個の異なる視点から撮影された原画像を
有するフィルムから、感光層を裏面に有する立体写真用
のレンチキュラー感光材料に露光を行う場合の光学系に
ついて以下に説明する。ただし、前記3個の原画像が焼
き付けられたフィルムは、3個の原画像131,1
2 ,133 をそれぞれ分離して露光を行ってもよい
が、この場合には、3個の原画像は分離せずに、連続し
てフィルム上に配列しているものとする。このようにし
ていると一般のユーザが撮影したフィルムに何ら加工を
施すことなく焼付けを行えるので実用的である。
【0034】図2および図3についてその一実施例を説
明すると、本発明に係る立体写真焼付装置は、光源11
と、コンデンサレンズ12と、前述したカメラによって
異なる視点から撮影した複数、例えば3個の原画13;
131 ,132 ,133 を所定位置に保持するフィルム
ホルダ30と、3個の原画に共通の1個の投映レンズ1
4と、光束を各原画毎に異なる光路に分離し、各光束を
レンチキュラーシート19に所定の光路長および焼付角
度入射させるように配される光透過反射分離部材として
のハーフミラー25、および(全反射)ミラー161
162 ,171,172 ,173 とを有するミラー光学
系15と、レンチキュラーシート19の裏面に感光層2
0を有するレンチキュラー感光材料18を所定位置に保
持する感材保持台31とから主に構成される。
【0035】図示例においては各原画像の中心と、投映
レンズ14の光軸O、ハーフミラー25の反射点、ミラ
ー161 ,162 の反射点は同一平面上にあり、また、
ミラー171 ,172 ,173 の反射点とレンチキュラ
ー感光材料18に形成される主被写体像の中心は同一平
面上にある。ここで、両平面が平行に形成されることに
より各原画像からレンチキュラー感光材料18までの光
路長を一定としている。
【0036】また、ハーフミラー25とミラー172
ミラー161 と171 、およびミラー163 と17
3 は、それぞれの反射面が互いに平行に配置されてお
り、レンチキュラー感光材料18に形成される各原画像
の投映像が倒れたり、回転することなく、基本的に合致
するように構成される。
【0037】光源11は、白色光源であり、例えばハロ
ゲンランプなどが挙げられる。コンデンサレンズ12
は、光源11からの発散光を集光し、ほぼ平行光にして
原画を照射するものであり、コントラストが高くなると
いう利点がある。図示例の他にコンデンサレンズの代わ
りにミラーボックスを用いて拡散光として原画を照射す
ることも可能である。この場合には、各原画のピンホー
ル等を感光材料に投映露光されないようにするという利
点がある。
【0038】フィルムホルダ30は、原画が例えば連続
して形成されている例えばネガまたはポジ型のフィルム
を担持し、光学系およびレンチキュラー感光材料18に
対し一定の距離に保つ。このフィルムホルダ30は、ま
たモータとカム、ソレノイドとロッド、またはフィルム
送り工程でチャージされるスプリングとフックなどの既
知の送り機構を用いて搬送可能とすることもできる。
【0039】投映レンズ14は、レンチキュラー感光材
料内でほぼ焦点を結ぶように、所定の焦点距離を有する
凸レンズまたは所定の収差を取り除く組合せレンズを選
択する。またこの投映レンズはその光軸方向に移動可能
とし、原画全体のピント調整を行えるようにするのが好
ましい。また、投映レンズ14の後または前、または投
映レンズ14が組合せレンズである場合にはそのレンズ
の間には、図示しないが、絞りを設けると、投映したい
画像のフレアを防止し、鮮鋭な画像を感光材料に投映す
ることができるので望ましい。
【0040】ハーフミラー25は、例えば透過率がほぼ
50%のものを使用し、各原画からの光束のうち、光束
の半分は反射し、残り半分は透過することを利用して、
全反射ミラーと組み合わせることにより各原画の投映光
の光束を分離する。つまり、本発明においては、ハーフ
ミラーやプリズム等の光透過反射分離部材を用い、装置
構成等に応じて、適宜選択されたある原画の投映光の光
束はこの光透過反射分離部材によって反射されたものを
露光に適用し、他の原画の投映光の光束は透過したもの
を露光に適用することにより、各原画の投映光の光束を
分離する。
【0041】例えば、図示例の3原画の場合には、左右
の原画131 および133 (原画Lおよび原画R)につ
いてはハーフミラー25を透過した光束を適用し、他
方、中央原画132 (C)についてはハーフミラー25
によって反射された光束を適用することにより、各原画
の光束を分離し、さらに、それぞれが個別にミラー16
および17によって反射されることにより、レンチキュ
ラーシート19にそれぞれ所定の角度で入射するように
構成される。
【0042】従って、各原画131 ,132 ,133
らの光束は、いずれも一回はハーフミラー25で反射さ
れるか、透過されるため、光量は一回分に相当する量だ
け減ずるが、3光束とも等しい光量となる。また、ハー
フミラー25を使用する場合には、ハーフミラーを使わ
ずに光束分離する場合と比べて投映レンズの射出瞳を大
きくすることができるので、ハーフミラー25の光量の
減少分を十分に補うことができる。
【0043】図示例においては、光透過反射分離部材と
してハーフミラーを適用しているが、本発明に適用され
る光透過反射分離部材はハーフミラーに限定はされず、
プリズム等、入射した光(光束)の一部を反射、残りを
透過する光学素子がいずれも適用可能である。
【0044】また、本発明の焼付装置においてはハーフ
ミラー25(光透過反射分離部材)を透過する光束のう
ち不要な光束(図示例では原画132 の光束)は、フレ
アとなって投映像に悪影響を及ぼすおそれがあるので、
この光束が透過するハーフミラーの裏面には遮光部材を
設けても良い。
【0045】各原画毎に異なる光路を通り、レンチキュ
ラー感光材料18までの光路長を同一となるように調整
し、各原画の主被写体がレンチキュラシート19で合致
するようにレンチキュラー感光材料18の感光層20に
投映し、レンチキュラー感光材料18に所定の入射角度
となるように調整可能であるミラー光学系15は、前述
のハーフミラー25と、原画132 に対応するミラー1
2 と、原画131 に対応するミラー161 および17
1 と、原画133 に対応するミラー163 および173
とを有する。
【0046】図示例の焼付装置においては、光束を最初
に反射するミラー(ハーフミラー)、すなわち原画13
1 はミラー161 で、原画132 はハーフミラー25
で、さらに原画133 はミラー163 で、それぞれ主被
写体合わせの調整を行う。つまり、各原画の投映光は異
なる光路を通り、異なる角度でレンチキュラー感光材料
18の感光層20に投映されるが、各原画に撮影された
主被写体はレンチキュラーシート19において合致する
ように前記ミラーで調整され、投映される。そのため、
得られた立体画像をレンチキュラーシート19を介して
鑑賞する際には、鮮明な主被写体像を中心に前景および
後景が適切な立体感をもって再現される。
【0047】図2および図3に示される立体写真焼付装
置を理解するため、図4〜6に示す展開図を用いて投映
レンズ(引伸レンズ)の焦点距離と倍率との関係につい
て説明する。
【0048】図4はフィルム(原画像)面から見た左右
方向の光路展開図である。フィルム面における原画13
1 ,133 の投映光はレンチキュラーシート面(L、S
面)でそれぞれ所定の倍率で結像される。3原画から投
映された光束がレンチキュラーシート面の所定範囲内に
収まることが分かる。
【0049】図5は、レンチキュラーシート19面側か
ら見た原画の左右方向の光路展開図である。さらに図6
は原画132 (C)に対する上下(天地)方向の光路図
および展開図である。この図において、ハーフミラー2
5で部分反射された132 からの光束がミラー172
反射されて所定光路長の位置に配置されるレンチキュラ
ーシート面に到達する。この場合に、原画131 ,13
3 の光束は、ミラー161 ,163 およびミラー1
1 ,173 により光路が変更されて、中央原画132
と同じレンチキュラーシート19(感光層20)面に結
像されるようにすることができる。
【0050】例えば、ネガフィルムに原画を撮影した場
合について、例えば、35mm判に3原画を焼き付ける
場合と、ハーフサイズの3コマに3原画をそれぞれ焼き
付ける場合とを例にとり、プリントサイズをEサイズま
たはLサイズと想定して説明する。まず、引伸倍率は
4.8〜8.1倍程度となる。レンズの焦点距離は、以
下の式から求められる。 f=(m/( m+1) )・(a/tan θ) 上記式において、mは倍率、aはフィルムコマのピッ
チ、θは両眼の見込み角である。視距離300mm,眼
幅62.5mmとして、tan θ=0.2083であり、
θは約11.8度である。下記表1に、35mm判に3
原画を撮影する場合と、ハーフサイズの3コマに3原画
を撮影する際の、プリントサイズ(EサイズおよびLサ
イズ)による投映レンズの倍率mおよび焦点距離fを示
す。
【0051】
【表1】
【0052】図3〜6に示す光学系である場合に、好適
例として、フィルムネガサイズハーフ判の3コマを用い
て3原画が焼き付けている場合に、プリントサイズをL
サイズ、倍率5.25倍、焦点距離75mm、F値5.
6とするのが好ましい。
【0053】なお、感光層において露光量が大きい場合
には、光束の照度を個別にまたは全体的に調整しえるよ
うに、NDフィルタなどを前記ミラー光学系15に配設
してもよい。この他に、各原画毎の光束の光量調節のた
めに、光源系と各原画との間に偏光フィルタと液晶シャ
ッタとを組み合わせた光量調節器などをそれぞれ配設し
てもよい。
【0054】上述のように、本発明は複数の原画像の各
投映光の光束を光透過反射分離部材によって分離するも
のであり、図示例では、ハーフミラーによって分離する
構成を有する。ここで、ハーフミラーは透過と反射、さ
らには光束の入射角度の違い等によって分光特性が異る
場合がある。そのため同条件で撮影された原画像の投映
光であっもハーフミラーによって透過あるいは反射され
ることにより、カラーバランスや光量が異なってしまう
場合がある。これを調整するため、本発明においては、
少なくとも一つの投映光の光路にカラーバランス等を調
整するためのフィルタを配備するのが好ましい。なお、
適用可能なフィルタには特に限定はなく、公知の各種の
調光用のフィルタがいずれも適用可能である。
【0055】また、一般に光源や投映レンズなどに起因
して、レンチキュラー感光材料の感光層の中央部と周辺
部との照射光量にむらが生じるが、これを補正するた
め、即ち周辺光量の低下をcos4乗法則によって補正
するため、投映レンズの前側または後側に(またはレン
ズが組合せレンズである場合には投映レンズ中に)co
s4乗法則による補正用のマスクを配置するか、光源を
cos4乗法則に従って周辺光量を多くしたものを使用
してもよい。
【0056】レンチキュラーシート19は、図7に示す
ように、光束が入射する側は、所定の曲率(例えば円筒
面、放物面など)を有する複数の連続する円筒状レンズ
部を有し、感光層20が設けられた側は、平坦な面とな
る外形を有し、レンチキュラーの円筒状レンズ部の幅方
向にのみ屈折力を有している。この円筒状レンズ部は屈
折率が1.4〜1.6程度の材質の透明物質より形成さ
れている。レンチキュラーシート19は、理想的には各
原画が結ばれる感光層上の線状画像要素を軸として揺動
させるのがよいが、それは困難なので、実用的にはレン
チキュラー感光材料18の中心部上の円筒状レンズの曲
率中心を軸として揺動自在とするか(図7参照)、また
は投映レンズの光軸と交わるレンチキュラーシート19
の母線(円筒状曲面上の線)を軸として揺動自在に支持
してもよい(図示せず)。
【0057】また図示しない駆動装置を用いて露光時に
レンチキュラーシート19を前記支持軸を中心として基
準面に対し、±θの範囲で揺動させてもよい。このよう
にすることにより、各線状画像要素は各レンチキュラー
シート19下の感光層面に2θの角度範囲に渡って巾が
拡がる効果があり、レンズピッチ内で各原画に対応する
線状画像要素が万遍なく拡がる。例えば、この実施例の
ように3個の原画を用いて一つのレンズピッチ内に3個
の広がった線状画像要素を形成しようとする場合、図8
に示すように、レンチキュラー感光材料18に記録され
る各線状画像要素は、レンズピッチを3分割した領域内
で、その線幅に拡がりを持たせることができる。
【0058】レンチキュラー感光材料を揺動する場合
に、例えばバキュームを用いてレンチキュラー感光材料
の裏面を固定し、バキュームしたまま指示軸に沿って揺
動させる。また例えばレンチキュラー感光材料を固定
し、フィルム保持部、投映レンズ系およびミラー光学系
を一体として揺動させてもよい。
【0059】この揺動角θは、図8を参照して説明する
と、レンチキュラーシート19のレンズのピッチをP、
厚みをtとし、屈折率n=1.5のレンズを使用する場
合にレンズの曲率中心が厚みtの下から2/3tの箇所
にあって、そこに各光束が交差すると仮定して、 tan3θ=(1/2P)/(2/3t)即ち、 3θ=tan -1(1/2P)/(2/3t)即ち、 θ=(1/3)tan -1 (3P)/(4t) (1) で与えられる。
【0060】また、ミラー171 ,173 のミラー角度
とレンチキュラー感光材料の揺動角とを適切に調節する
ことにより、レンチキュラーシート下の線状画像要素の
拡幅を中央と左右とで変えることができる。例えば、レ
ンチキュラー感光材料の感光層に形成される帯画像の線
幅を均等にして焼き付けるのに必要な揺動角以上に大き
な揺動角で揺動設定しておき、各光束毎にシャッタをそ
の揺動操作露光中に個別に異なるタイミングでオン/オ
フすることにより、レンチキュラーシート下の帯画像の
線幅を個別に重なることなく拡げたり、狭めたりする。
従って、特公昭56−31577号公報に記載された技
術を達成することができる。
【0061】本発明の装置によれば、一般にn個の原画
を一つの投映レンズを通して、少なくともミラー光学系
のn個の第1のミラーおよびn個の第2のミラーを経て
レンチキュラーシートの感光層面に一つのレンズピッチ
内に均等にn個の線状画像要素が形成される場合におい
ても、線状画像要素の線幅をピッチの1/nの巾に拡げ
ることができるものである。
【0062】上記の如き本発明に係る立体写真焼付装置
によると、視点を異にして撮影されたn個の原画をレン
チキュラーシートに焼き付ける場合、レンチキュラーシ
ートにおける各立体画素像を簡単にレンチキュラーレン
ズのピッチのほぼn分の一の線幅に拡張して記録するこ
とができ、観察の際には両眼の位置が相当広い範囲に移
動しても正しく立体視することができて、観察を便利に
し得る効果がある。また、本発明の装置では、原画を形
成したフィルムを分離する必要がなく、一つの投映レン
ズを用いて露光が行え、また調整自在のミラー光学系を
備えればよいので、通常の写真用のプリンターを改造す
ることにより、容易に実施することができる。
【0063】以上本発明の実施例について被写体を3個
の原画とし、それをレンチキュラー感光材料に投映して
3次元画像を構成する場合の例について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、4個以上の異な
る視点からの原画を焼き付ける場合についても、投映レ
ンズは一つで済み、またハーフミラーおよびミラー光学
系を空間的に互いに妨害しないように3次元空間内に所
定数配置することにより、4原画以上を同時露光するこ
とが可能である。
【0064】さらに、図に本発明を4原画の焼付を行
う立体写真焼付装置に適用した際の概略図を示す。な
お、図においても、図2に示される立体写真焼付装置
と同じ部材には同じ番号を付しその詳細な説明は省略す
る。
【0065】図に示される立体写真焼付装置は、4個
の原画131 ,132 ,133 ,および134 を同時焼
付(露光)する装置であり、前述のものと同様、例えば
透過率がほぼ50%のハーフミラー251 およびハーフ
ミラー252 を使用し、各原画からの光束のうち、光束
の半分は反射し、残り半分は透過することを利用して、
全反射ミラーと組み合わせることにより各原画の投映光
の光束を分離する。
【0066】図示例の装置においても、各原画の光束は
ミラー(ハーフミラー)に2回反射されてレンチキュラ
ー感光材料18に入射するものであり、対応するミラー
は互いに平行に配置される。また、先と同様に各光束の
光量低下量を同一とするために、光束がハーフミラーに
反射、あるいはこれを透過する回数は全光束共に同数と
なるように構成される。
【0067】つまり、図示例の装置において、原画13
1 の光束は投映レンズ14を通過した後、ハーフミラー
251 および252 を透過したものがミラー161 およ
び171 に反射されレンチキュラー感光材料18に入射
する。原画132 の光束は投映レンズ14を通過した
後、ハーフミラー251 で反射されたものがミラー17
2 によって反射され、さらにハーフミラー252 を透過
したものがレンチキュラー感光材料18に所定の角度で
入射する。また、原画133 の光束は投映レンズ14を
通過した後、ハーフミラー251を透過したものが、次
いでハーフミラー252 に入射し、これに反射されたも
のがミラー173 に反射されてレンチキュラー感光材料
18に所定の角度で入射する。さらに、原画134 の光
束は投映レンズ14を通過した後、ハーフミラー251
および252 を透過したものが、ミラー164 および1
4 に反射されレンチキュラー感光材料18に入射す
る。本発明にかかる図10に示される立体写真焼付装置
においては、このようにして4原画の焼付を同時に行う
ことができる。
【0068】本発明に適用されるレンチキュラー感光材
料の感光材料は、従来知られている何れのものでもよ
い。従来知られている感光材料としては、例えば、銀塩
写真式感光材料、電子写真式感光材料(感光体)、熱現
像感光材料、感熱性感光材料、感光性色素記録材料、感
光性樹脂記録材料、感光性ガラス材料等が挙げられる。
【0069】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本発
明の要旨の範囲内において、種々様々に変形、変更する
ことができるものである。
【0070】例えば、実施例においては2次元画像を一
旦フィルム上の感光材料に撮影し、このフィルム状の原
画像をレンチキュラー感光材料に投映して、3次元画像
を構成する間接立体写真焼付法について説明したが、感
光材料の代わりにCCD素子を採用し、レンチキュラー
シート下に構成された線状画像要素を画像信号として伝
送し、例えば対応するレンチキュラースクリーンを付加
したCRTに表示して立体画像を観察することも可能で
ある。
【0071】この他、レンチキュラーシートを通じて3
次元画像構成する直接投映立体画像表示法に本発明の方
法を適用することもできる。すなわち、レンチキュラー
シートの裏面に拡散面を配設し、そこに投映画像を投映
して形成された立体画像を投映光学系側に位置する観察
者が立体視するというものがある。例えば、2個のレン
チキュラーシートその平坦面で透過拡散板をサンドイ
ッチするようにして合わせて構成し、その構造物にいず
れかの一方の側に配される投映レンズから光学系を介し
て投映された画像を、他方の側から観察者が立体視する
ものもある。
【0072】本発明の立体写真焼付装置の用途として
は、レンチキュラーシートの大きさによって、一般写
真、大型写真の他、立体絵はがき、ディスプレイ、商品
公告、ショーウィンドーディスプレイなどが挙げられ
る。例えば、1回の露光で感光材料に現像する例につい
て説明したが、複数回の露光後に感光材料を現像する場
合についても同様に適用可能である。
【0073】
【発明の効果】以上発明を詳細に説明したところから理
解できるように、本発明の立体写真投映方法によれば、
3以上の原画を含む光束を1個の投映レンズを経て所定
の投映倍率で結像するように収束光とされ、続く少なく
とも一つのハーフミラーやプリズム等の光透過反射分離
部材、および少なくとも1枚のミラーよって各原画毎の
光束に分離する光学系によって、全ての光束のレンチキ
ュラーシートまでの光路長が一定となるように調節さ
れ、各原画からの投映画像における主被写体がレンチキ
ュラシートで一致するように主被写体調整を行った後、
それぞれ所定の角度でレンチキュラーシートに入射し、
レンチキュラーシートの裏面上に線状画像要素としてそ
れぞれ結像される。このため、連続した複数の原画を所
定位置に保持したまま、投映レンズを介して、レンチキ
ュラーシートの裏側の所定位置に配置される画像要素記
憶媒体に記憶保持された後、画像要素記憶媒体を介し
て、あるいは所定位置に配置される画像要素表示媒体に
直接投映表示して種々の立体観察がなされる。
【0074】本発明の第2の態様である立体写真焼付装
置においては、レンチキュラーシートの裏面に感光材料
を配し、同様に、3以上の原画を含む光束を1個の投映
レンズを経て所定の投映倍率で結像するように収束光と
され、少なくとも1枚のミラーおよび光透過反射分離部
材によって各原画毎の光束に分離する光学系によって、
全ての光束のレンチキュラーシートまでの光路長が一定
となるように調節され、それぞれ所定の焼付角度でレン
チキュラーシートに入射し、レンチキュラーシート裏面
に配される感光材料上に線状画像要素としてそれぞれ結
像される。このため、連続した複数の原画を所定位置に
保持したまま、投映レンズを介して、レンチキュラーシ
ートの裏面に配される感光材料に、同時に焼き付けるこ
とができる。
【0075】上記の如き本発明に係る立体写真焼付装置
によると、視点を異にして撮影されたn個の原画をレン
チキュラーシートを介して感光材料に焼き付ける場合、
レンチキュラーシートにおける各立体画素像を簡単にレ
ンチキュラーシートのピッチのほぼn分の一の線幅に拡
張して記録することができ、観察の際には両眼の位置が
相当広い範囲に移動しても正しく立体視することができ
て、観察を便利にし得る効果がある。また、本発明の装
置では、原画を形成したフィルムを分離する必要がな
く、一つの投映レンズを用いて露光が行え、また調整自
在の光学系を備えればよいので、通常の写真用のプリン
ターを改造することにより、容易に実施することができ
る。
【0076】従来の多原画焼付方式に対して、レンズ1
個で済み、相対運動方式と比べてフィルムまたはレンチ
キュラー感光材料を露光中に同期して搬送する手段を必
要とせず、投映レンズ系の角度を調整する必要もないの
で構造が簡単となる。複数の原画を同時に露光すること
により原画数n枚の場合、能率は約n倍となる。露光中
に全原画同時に揺動走査し、線状画像要素の拡大が単純
なメカニズムで高能率に行える。露光中にネガや感光材
料を移動する必要がないため小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 被写体を3眼のカメラにて、3個の異なる原
画をフィルムに作製する様子を示す説明図である。
【図2】 本発明の立体写真焼付装置の3原画をレンチ
キュラー感光材料に焼き付ける例のレンチキュラー感光
材料の像面に対し左右方向における光学的配置の様子を
示す線図である。
【図3】 本発明の立体写真焼付装置の3原画をレンチ
キュラー感光材料に焼き付ける例における光学的配置の
様子を示す概略斜視図である。
【図4】 図3における光学的配置をフィルム面側から
見た左右方向の光路展開図である。
【図5】 図3における光学的配置をレンチキュラーシ
ート面側から見た左右方向の光路展開図である。
【図6】 図3における上下(天地)方向の光路展開図
である。
【図7】 レンチキュラーシートの感光層を揺動する場
合の揺動角度を説明する説明図である。
【図8】 レンチキュラーシートの感光層を揺動した場
合のレンチキュラーの1ピッチ内の線状画像要素の様子
を説明する説明図である。
【図9】 本発明の立体写真焼付装置の4原画をレンチ
キュラー感光材料に焼き付ける例のレンチキュラー感光
材料の像面に対し左右方向における光学的配置の様子を
示す線図である。
【図10】 レンチキュラーシートによる一般の立体写
真方式における原画焼付を行う場合を説明する説明図で
ある。
【図11】 図10の原画焼付を行われたレンチキュラ
ーシートを観察する場合を説明する説明図である。
【符号の説明】
11 光源 12 コンデンサレンズ 13;131 ,132 ,133 ,134 原画 14 投映レンズ 15 ミラー光学系 161 ,163 ,164 ,171 ,172 ,173 ,1
4 ミラー 18 レンチキュラー感光材料 19 レンチキュラーシート 20 感光層 25,251 ,252 ハーフミラー 30 フィルムホルダ 31 感材保持台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡 部 文 男 埼玉県大宮市植竹町1丁目324番地 富 士写真光機株式会社内 (72)発明者 鈴 木 隆 埼玉県大宮市植竹町1丁目324番地 富 士写真光機株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−71246(JP,A) 特開 平3−116039(JP,A) 特開 平1−284090(JP,A) 実開 昭62−164330(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以上の異なる視点からの原画像をレンチ
    キュラーシートを介してそれぞれ複数の線状画像要素と
    して画像要素記憶媒体または表示媒体に投映するに当た
    り、各原画像からの光束を一つの投映レンズに入射さ
    せ、透過した光束を少なくとも一つのミラーおよび少な
    くとも一つの光透過反射分離部材によって各原画像毎に
    光束分離する光学系において原画像毎に各光束の画像要
    素記憶媒体または表示媒体までの光路長を調整し、かつ
    この光学系によって投映される複数の投映画像における
    原画像の主被写体を一致させる調整が可能であり、かつ
    各光束を前記レンチキュラーシートに所定の角度で入射
    させ、前記画像要素記憶媒体または表示媒体に線状画像
    要素として結像させ、同時に以上の異なる視点からの
    原画像を前記画像要素記憶媒体または表示媒体に投映す
    ることを特徴とする立体写真投映方法。
  2. 【請求項2】前記画像要素記憶媒体が感光材料である請
    求項1に記載の立体写真投映方法。
  3. 【請求項3】3以上の異なる視点からの原画像をレンチ
    キュラーシートを介してそれぞれ複数の線状画像要素と
    し、レンチキュラーシートの裏面側に配される感光材料
    の感光層に焼き付ける立体写真焼付装置であって、焼付
    光源と、3以上の原画像を担持するフィルムを保持する
    フィルム保持手段と、前記フィルムを透過し、3以上
    原画像情報を有する投映光を前記感光材料感光層に結像
    する1個の投映レンズと、前記投映レンズを透過した
    以上の原画像情報を有する投映光を各原画像毎に光束分
    離する少なくとも一つの光透過反射分離部材、および各
    々原画像情報を有する投映光を前記レンチキュラーシー
    トに所定の角度で入射させ、前記感光材料に対応する線
    状画像要素として結像させるように全反射する各々の全
    反射ミラーの一群からなり、各々の投映光の感光層への
    焼付角度および光路長を調整する光学系と、前記各々の
    投映光を多数の線状画像要素として結像させるレンチキ
    ュラーシートおよび該レンチキュラーシートの裏面側に
    配され線状画像要素に分解された投映画像を焼き付ける
    ための感光層を有する感光材料を保持する保持手段とを
    有することを特徴とする立体写真焼付装置。
  4. 【請求項4】前記原画像の感光層への焼付中に、前記保
    持手段に保持される感光材料を基準面に対して所定角度
    範囲内で、投映レンズの光軸と交わるレンチキュラーシ
    ートの中心部のレンチキュラーレンズの母線を軸として
    揺動させる揺動手段を備える請求項3に記載の立体写真
    焼付装置。
  5. 【請求項5】調光用のフィルタを少なくとも一つの投映
    光に対して有する請求項3または4に記載の立体写真焼
    付装置。
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