JP2742335B2 - 4−ブロモトルエンの分離方法 - Google Patents

4−ブロモトルエンの分離方法

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JP2742335B2
JP2742335B2 JP10030291A JP10030291A JP2742335B2 JP 2742335 B2 JP2742335 B2 JP 2742335B2 JP 10030291 A JP10030291 A JP 10030291A JP 10030291 A JP10030291 A JP 10030291A JP 2742335 B2 JP2742335 B2 JP 2742335B2
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liquid
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浩一 永岡
晋一 門野
一之 松岡
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Kobe Steel Ltd
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Manac Inc
Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、4−ブロモトルエンの
分離方法に関し、詳しくは4−ブロモトルエンとその異
性体を含む混合物から圧力晶析装置を用いて高純度の4
−ブロモトルエンを分離する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医薬、農薬、電子材料等の原料として産
業上重要な物質である4−ブロモトルエンは、p−トル
イジンをジアゾ化した後、臭化銅(I)を作用させて製
造されている。しかしこの方法は、原材料が高価である
こと、銅を含んだ排水が多量に発生すること等から、工
業的に有利な方法とはいえない。このため、安価な原料
であるトルエンを直接臭素化する4−ブロモトルエンの
合成法が検討されたが、この方法の短所は、異性体であ
る2−ブロモトルエンおよび少量ではあるが3−ブロモ
トルエンが副生することである。
【0003】そこで、これらの異性体と4−ブロモトル
エンとの混合物から目的物である4−ブロモトルエンを
分離する方法についても研究が進められており、以下の
2つの方法がよく知られている。すなわち第1の方法
は、4−ブロモトルエンと異性体との混合物を発煙硫酸
でスルホン化した後、4−ブロモトルエンを単離する方
法[Liebigs Annalen der Chemie, 154,293 (1870)、
同、170,117 (1873)、同、242,465 (1887)]、第2の方
法は、4−ブロモトルエンと異性体との混合物を−28
℃に冷却し、析出した結晶をろ過して得られた固体を再
結晶により生成単離する方法(Bromine and its compou
nd, Ernest Benn Limited )である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1の方法は発煙硫酸の取り扱いが煩雑であり、かつ多量
に発生する硫酸排水の処理もやっかいである。さらに、
スルホン化の際に2−ブロモトルエンと同時に4−ブロ
モトルエンも一部スルホン化されるため、収量は著しく
低下する。これに対し第2の方法は、2−ブロモトルエ
ンの融点が−26℃、3−ブロモトルエンの融点が−3
9. 8℃、4−ブロモトルエンの融点が28. 5℃であ
ることから、晶析により4−ブロモトルエンを得ること
は理論上可能である。しかし、従来の冷却晶析法では4
−ブロモトルエンの結晶を採取する際に結晶粒子表面に
異性体溶液が残留するため、1回の操作で高純度の4−
ブロモトルエンを得ることは困難であり再結晶操作を繰
り返す必要があるが、その工程は煩雑であり、収量も大
きく低下してしまう。
【0005】このように、従来から知られている分離方
法は非効率的であり、工業的に有利に実施し得るもので
はない。本発明の目的は、異性体との混合物から高純度
の4−ブロモトルエンを効率よく分離することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は4−ブロモ
トルエンの分離方法に関し鋭意研究を重ねた結果、圧力
晶析法を採用すれば容易に99.5%以上の高純度の4−ブ
ロモトルエンが得られることを見い出し、本発明に到達
したものである。すなわち本発明は、少なくとも40重量
%の4−ブロモトルエン、および他のブロモトルエン異
性体を含有する混合物から、4−ブロモトルエンのみを
分離するに当たり、当該混合物を圧力晶析装置の高圧容
器内に注入し、加圧下に4−ブロモトルエンのみを結晶
化させた後、残留液体成分を容器外に排出させることに
より純度99.5重量%以上の4−ブロモトルエンを得ると
ころに要旨を有するものである。
【0007】
【作用】本発明に用いられる4−ブロモトルエン含有混
合物としては、4−ブロモトルエンを少なくとも40重量
%以上、好ましくは55重量%以上含むものが使用され
る。混合物中の4−ブロモトルエンが少なすぎると回収
率が低下するため経済的でない場合がある。このような
4−ブロモトルエン含量の混合物は、たとえばルイス酸
等の触媒の存在下でトルエンを臭素化する方法等によっ
て極めて簡単に得ることができる。トルエンの臭素化で
はトルエンのオルト・パラ配向性から一般に4−および
2−ブロモトルエンの混合物が生成し、この場合の生成
物中の4−ブロモトルエンは低く見積もっても40重量
%以上であるのが一般的である。なお4−ブロモトルエ
ンに共有し得るものは2−ブロモトルエン等の異性体の
他、未反応のトルエン等も含まれ、狭雑物の種類は限定
されない。
【0008】本発明において、圧力晶析装置の高圧容器
内に装入される4−ブロモトルエン混合物は、液状であ
ってもまた一部固体が析出(冷却による析出)もしくは
種結晶として添加された状態であってもよい。装入され
た混合物を、断熱的または等温的にたとえば 1000 〜30
00 kgf/cm2程度に加圧すると、4−ブロモトルエンが
結晶化し、液状のままの他の異性体との固液共存状態が
得られる。または加圧下に若干冷却する場合も同様の効
果が得られる。
【0009】次いで加圧下で高圧容器内から液相部分を
排出し、液状の異性体の除去すなわち結晶の圧搾を行な
う。液相部分の排出によって容器内の圧力が低下するた
め結晶化した固相の表面が溶解し発汗状況を呈するの
で、この発汗分をさらに圧搾して排出すると、固相内部
に比較して純度の低い表面層が表面に付着した他の異性
体と共に除去されるため、固相部はさらに高純度化され
る。なお、この発汗は液相の排出に先立って容器内の圧
力を下げることによっても行なうことができる。
【0010】
【発明の効果】圧力晶析装置を用いて、4−ブロモトル
エンをその異性体との混合物から分離することにより、
冷却晶析等の従来の分離方法に比べ短時間で効率よく高
純度な4−ブロモトルエンを分離することができる。
【0011】
【実施例】以下に、実施例および比較例をあげて本発明
を説明するが、本発明の要旨はこれら実施例の記載によ
って何ら限定されるものではない。なお、実施例、比較
例に記載する%および部は特に断りのない限りすべて重
量基準に寄るものである。
【0012】(実施例1)4−ブロモトルエン 56.3
%、2−ブロモトルエン 43.3 %を含有する異性体混合
物を、液状で高圧容器に20℃で供給し、等温的に加圧
して3000 kgf/cm2に保持した。続いて、この圧力を保
持したまま高圧容器内の液相部分を排出し、液相圧力が
100kgf/cm2に低下するまで段階的に結晶を圧搾するこ
とにより液相部分の排出を行なった。分離終了後、容器
内より結晶を取り出し、純度99.9%の4−ブロモトルエ
ンを得た。回収率は30.6%であった。高圧状態で分離し
た液相部の4−ブロモトルエンの純度は35.5%、2−ブ
ロモトルエンの含有量は62.7%であった。
【0013】(実施例2)4−ブロモトルエン 70.1
%、2−ブロモトルエン 29.9 %を含有する異性体混合
物を、液状で高圧容器に30℃で供給し、実施例1と同
一条件で圧力晶析を行ない、純度99.9%の4−ブロモト
ルエンを得た。回収率は40.1%であった。高圧状態で分
離した液相部の4−ブロモトルエンの純度は49.6%、2
−ブロモトルエンの含有量は50.2%であった。
【0014】(実施例3)4−ブロモトルエン 63.9
%、2−ブロモトルエン 30.3 %、およびトルエン5.8
%を含有する異性体混合物を液状で高圧容器に30℃で
供給し、実施例1と同一条件で圧力晶析を行ない、純度
99.9%の4−ブロモトルエンを得た。回収率は12.5%で
あった。高圧状態で分離した液相部の4−ブロモトルエ
ンの純度は51.9%、2−ブロモトルエンの含有量は40.2
%であった。
【0015】(実施例4)実施例2と同一の原料混合物
を、固液共存状態で高圧容器に10℃で供給し、断熱的
に加圧して3000 kgf/cm2に保持した。続いて、この圧
力を保持したまま高圧容器内の液相部分を排出し、液相
圧力が100kgf/cm2に低下するまで段階的に結晶を圧搾
することにより液相部分の排出を行なった。分離終了
後、容器内より結晶を取り出し、純度99.9%の4−ブロ
モトルエンを得た。回収率は41.4%であった。高圧状態
で分離した液相部の4−ブロモトルエンの純度は48.8
%、2−ブロモトルエンの含有量は51.2%であった。
【0016】(比較例1)従来の冷却晶析法を採用し、
4−ブロモトルエンの精製を行なった。すなわち実施例
2と同一の原料混合物を−10℃に冷却し、この温度を
保持しつつ常圧で結晶化を完結させた後、液体を分別す
ることにより純度88.3%の4−ブロモトルエンが得られ
た。回収率は50.4%であった。不純物11.7%のうち大部
分(11.3%)は2−ブロモトルエンであった。分別した
液体中の4−ブロモトルエンの純度は48.0%、2−ブロ
モトルエンの含有率は 51.2 %であった。
【0017】得られた4−ブロモトルエンの結晶を同量
のエタノールと混合して均一溶液とし、−20℃に冷却
し、この温度を保持しながら再び結晶化を完結させた。
液体を分別すると結晶性の4−ブロモトルエン60.9部が
得られた。この4−ブロモトルエンの純度は低く97.6%
のものしか得られなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 一之 広島県福山市箕沖町92番地 マナック株 式会社 技術研究センター内 (72)発明者 佐野 吉男 広島県福山市箕沖町92番地 マナック株 式会社 技術研究センター内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも40重量%の4−ブロモトルエ
    ン、および他のブロモトルエン異性体を含有する混合物
    から、4−ブロモトルエンのみを分離するに当たり、当
    該混合物を圧力晶析装置の高圧容器内に注入し、加圧下
    に4−ブロモトルエンのみを結晶化させた後、残留液体
    成分を容器外に排出させることにより純度99.5重量%以
    上の4−ブロモトルエンを得ることを特徴とする4−ブ
    ロモトルエンの分離方法。
JP10030291A 1991-04-04 1991-04-04 4−ブロモトルエンの分離方法 Expired - Lifetime JP2742335B2 (ja)

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CN105669361A (zh) * 2016-02-19 2016-06-15 国药集团化学试剂有限公司 一种高纯对溴甲苯的提纯方法

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