JP2741910B2 - プロピレン系共重合体およびその製造方法 - Google Patents

プロピレン系共重合体およびその製造方法

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JP2741910B2 JP18904389A JP18904389A JP2741910B2 JP 2741910 B2 JP2741910 B2 JP 2741910B2 JP 18904389 A JP18904389 A JP 18904389A JP 18904389 A JP18904389 A JP 18904389A JP 2741910 B2 JP2741910 B2 JP 2741910B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、新規なプロピレン系重合体およびその製造
方法に関し、さらに詳しくは、従来公知のプロピレン系
重合体と比較してベタつき成分が少なく、かつ低融点を
有するとともに、分子量分布が広く、特にヒートシール
性、成形性に優れた新規なプロピレン系重合体およびそ
の製造方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 ポリプロピレンは優れた物理的性質を有しているた
め、広汎な用途に供されている。たとえばポリプロピレ
ンは包装用フィルムとして広く使用されているが、ポリ
プロピレンは融点が比較的高いためこの種の用途におい
ては低温度におけるヒートシール性を向上させるため、
一般にプロピレンにエチレンあるいは炭素数4〜20のα
−オレフィンを共重合させ、プロピレン・α−オレフィ
ン共重合体として用いられている。
このような従来公知のプロピレン・α−オレフィン共
重合体からなる包装用フィルムは、低密度ポリエチレン
からなるフィルムと比較して透明性および耐スクラッチ
性に優れているが、なお低温におけるヒートシール性が
充分ではなく、さらに低温におけるヒートシール性に優
れたプロピレン・α−オレフィン共重合体の出現が望ま
れている。
上記のようなプロピレン・α−オレフィンランダム共
重合体のヒートシール性を改良するには、プロピレンに
対するエチレンあるいは炭素数4〜20のα−オレフィン
の共重合量を増加させればよいことが知られているが、
もしエチレンあるいは炭素数4〜20のα−オレフィンの
共重合量を増加させると、得られるプロピレン・α−オ
レフィン共重合体は溶媒可溶分量が多くなって耐ブロッ
キング性に劣るようになるとともに剛性にも劣るように
なってしまう。
このように低温におけるヒートシール性、耐ブロッキ
ング性、剛性に優れたプロピレン系重合体を得るには、
α−オレフィンの共重合量が0あるいは少ないにもかか
わらず低融点を有しているプロピレン系重合体の出現が
必要である。
また分子量分布が広いプロピレン系重合体は成形性に
優れているため、用途によっては分子量分布が広いプロ
ピレン系重合体が望まれている。そしてこのような分子
量分布が広いプロピレン系重合体を簡単なプロセスによ
って得ることができるならば、その工業的価値は大き
い。
ところで従来プロピレン系重合体を製造するには、一
般にチタニウムまたはバナジウム化合物と、有機アルミ
ニウム化合物からなるオレフィン重合触媒が用いられて
きたが、近年、新しいチーグラー型オレフィン重合触媒
としてジルコニウム化合物およびアルミノオキサンから
なる触媒が最近提案されている。
特開昭58−19309号公報には、下記式(シクロペンタ
ジエニル)2MeRHal[ここで、Rはシクロペンタジエニ
ル、C1〜C6のアルキル、ハロゲンであり、Meは遷移金属
であり、Halはハロゲンである]で表わされる遷移金属
含有化合物と、下記式 Al2OR4(Al(R)−O) [ここで、Rはメチルまたはエチルであり、nは4〜20
の数である]で表わされる線状アルミノオキサンまたは
下記式 [ここで、Rおよびnの定義は上記と同じである]で表
わされる環状アルミノオキサンとからなる触媒の存在
下、エチレンおよびC3〜C12のα−オレフィンの1種ま
たは2種以上を−50℃〜200℃の温度で重合させる方法
が記載されている。同公開公報には、得られるポリエチ
レンの密度を調節するには、10重量%までの少量の幾分
長鎖のα−オレフィンまたは混合物の存在下でエチレン
の重合を行うべきことが記載されている。
特開昭59−95292号公報には、下記式、 [ここで、nは2〜40であり、RはC1〜C6]で表わされ
る線状アルミノオキサンおよび下記式 [ここで、nおよびRの定義は上記と同じである]で表
わされる環状アルミノオキサンの製造法に関する発明が
記載されている。同公報には、同製造法により製造され
た、たとえばメチルアルミノオキサンとチタンまたはジ
ルコニウムのビス(シクロペンタジエニル)化合物とを
混合して、オレフィンの重合を行なうと、1gの遷移金属
当りかつ1時間当り、25百万g以上のポリエチレンが得
られると記載されている。
特開昭60−35005号公報には、下記式 [ここで、R1はC1〜C10アルキルであり、R0はR1である
かまたは結合して−O−を表わす]で表わされるアルミ
ノオキサン化合物をまずマグネシウム化合物と反応さ
せ、次いで反応生成物を塩素化し、さらにTi、V、Zrま
たはCrの化合物で処理して、オレフィン用重合触媒を製
造する方法が開示されている。同公報には、上記触媒が
エチレンとC3〜C12のα−オレフィンの混合物の共重合
に特に好適であると記載されている。
特開昭60−35006号公報には、反応器ブレンドポリマ
ーの製造用触媒系として、異なる2種以上の遷移金属の
モノ−、ジ−もしくはトリ−シクロペンタジエニルまた
はその誘導体(a)とアルミノオキサン(b)の組合せ
が開示されている。同公報の実施例1には、ビス(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル
とアルミノオキサンを触媒として、エチレンとプロピレ
ンを重合せしめて、数平均分子量15,300、重量平均分子
量36,400およびプロピレン成分を3.4%含むポリエチレ
ンが得られたことが開示されている。また、同実施例2
では、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライドと、ビス(メチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライドおよびアルミノオキ
サンを触媒としてエチレン、プロピレンを重合し、数平
均分子量2,200、重量平均分子量11,900および30モル%
のプロピレン成分を含むトルエン可溶部分と数平均分子
量3,000、重量平均分子量7,400および4.8モル%のプロ
ピレン成分を含むトルエン不溶部分からなる数平均分子
量2,000、重量平均分子量8,300および7.1モル%のプロ
ピレン成分を含むポリエチレンとエチレン・プロピレン
共重合体のブレンド物を得ている。同様にして実施例3
には分子量分布(w/n)4.57およびプロピレン成分
20.6%の可溶性部分と分子量分布3.04およびプロピレン
成分2.9モル%の不溶性部分からなるLLDPEとエチレン−
プロピレン共重合体のブレンド物が記載されている。
特開昭60−35007号公報には、エチレンを単独で、ま
たは炭素数3以上のα−オレフィンと共にメタロセンと
下記式 [ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、nは
1〜約20の整数である]で表わされる環状アルミノオキ
サンまたは下記式 [ここで、Rおよびnの定義は上記に同じである]で表
わされる環状アルミノオキサンとを含む触媒系の存在下
に重合させる方法が記載されている。同方法により得ら
れる重合体は、同公報の記載によれば、約500〜約140万
の重量平均分子量を有し、かつ1.5〜4.0の分子量分布を
有する。
また、特開昭60−35008号公報には、少なくとも2種
のメタロセンとアルミノオキサンを含む触媒系を用いる
ことにより、巾広い分子量分布を有するポリエチレンま
たはエチレンとC3〜C10のα−オレフィンの共重合体が
製造されることが記載されている。同公報には上記共重
合体が分子量分布(w/n)2〜50を有することが記
載されている。
また、特開昭61−130314号公報には、立体的に固定し
たジルコン−キレート化合物とアルミノオキサンからな
る触媒系の存在下にプロピレンを重合するとアイソタク
チック度の高いポリプロピレンが得られ、その分子量分
布(w/n)は1.6〜2.6と狭いことが記載されてい
る。
さらに、J.Am.Chem.Soc.,109,6544(1987)には、エ
チレンビス(イソデニル)ハフニウムジクロリドまたは
その水素化物とアルミノオキサンからなる触媒系の存在
下にプロピレンを重合すると、高分子量のアイソタクチ
ックポリプロピレンが生成し、その分子量分布(w/
n)は2.1〜2.4と狭いことが記載されている。
一方、Makromol.Chem.,Rapid Commun.8,305(1987)
には、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジルコ
ニウムジクロリドとアルミノオキサンからなる触媒系の
存在下にプロピレンを重合すると、w/nが5.8であ
るアイソタクチックポリプロピレンが得られ、そのヘプ
タン不溶部が融点160℃を示すことが記載されている。
また、特開昭63−142005号公報には、テトラメチルエ
チレンビス(シクロペンタジエニル)チタンクロライド
とアルミノオキサンとからなる触媒系により、w/n
が5.0〜14.9のステレオブロックポリプロピレンが得ら
れれることが記載されている。ここで得られるプロピレ
ンはアイソタクチック連鎖長が短くゴム状のポリマーで
ある。
本発明者らは、特定のハフニウム化合物とアルミノオ
キサンとからなるオレフィン重合触媒の存在下にプロピ
レンまたはプロピレンと炭素数2または4〜20のα−オ
レフィンとを特定の温度で重合させれば、α−オレフィ
ンの共重合量が0または少ないにもかかわらず、従来公
知のプロピレン系重合体と比較してベタつき成分が少な
く、かつ低融点を有し、しかも分子量分布が広いプロピ
レン系重合体が得られることを見出して、本発明を完成
するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術における問題点を解
決しようとするものであって、α−オレフィンの共重合
量が0あるいは少ないにもかかわらず低い融点を有する
とともに分子量分布が広く、ヒートシール性に優れると
ともに成形性にも優れているようなプロピレン系重合体
およびその製造方法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るプロピレン系重合体は、プロピレンから
導かれる構成単位(a)またはプロピレンから導かれる
構成単位(a)および炭素数2または4〜20のα−オレ
フィンから導かれる構成単位(b)からなるプロピレン
系重合体であって、 (A)前記構成単位(a)が90〜100モル%の量で、か
つ前記構成単位(b)が0〜10モル%の量で存在し、 (B)135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.5〜6dl/gの範囲にあり、 (C)示差走査熱量計によって測定した融点[Tm]が、 70<Tm<155−5.5(100−P) (式中Pは共重合体中のプロピレン成分含量(モル
%)である)の範囲にあり、 (D)ゲルパーミエーション・クロマトグラフィーで測
定した重量平均分子量(w)と数平均分子量(n)
との比(w/n)が4.5以上であり、 (E)沸騰トリクロロエチレン不溶分量が5重量%以下
である、 ことを特徴としている。
また本発明に係るプロピレン系重合体の製造方法は、 (イ)シクロアルカジエニル基またはその置換体から選
ばれた2個の基が低級アルキレン基を介して結合した多
座配位化合物を配位子とするハフニウム化合物、 および (ロ−1)ベンゼン可溶性のアルミノオキサンまたは (ロ−2)60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換
算で10%以下であり、 で示されるアルキルオキシアルミニウム単位を有する、
ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物 から形成される触媒の存在下に、プロピレンまたはプロ
ピレンと炭素数2または4〜20のα−オレフィンとを、
−20〜40℃の温度で共重合させて、上記したような物性
(A)〜(E)を有するプロピレン系重合体を製造する
ことを特徴としている。
発明の具体的説明 以下本発明に係るプロピレン系重合体およびその製造
方法について具体的に説明する。
本発明に係るプロピレン系重合体を製造する際のフロ
ーチャートを第4図に示す。
本発明に係るプロピレン系重合体は、プロピレンまた
はプロピレンと炭素数2または4〜20のα−オレフィン
との重合体である。このプロピレン系重合体において、
プロピレンから導かれる構成単位(a)は、90〜100モ
ル%好ましくは95〜100モル%の量で存在し、またα−
オレフィンから導かれる構成単位(b)は、0〜10モル
%好ましくは0〜5モル%の量で存在することが望まし
い。該重合体中のプロピレンから導かれる構成単位
(a)が90モル%未満であると、重合体の耐ブロッキン
グ性および剛性が劣る傾向が生じる。
本発明で用いられる炭素数2または4〜20のα−オレ
フィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−
ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−
オクタデセン、1−エイコセンなどが用いられる。この
うち特にエチレン、1−ブテンが好ましい。
また本発明に係るプロピレン系重合体は、135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜6dl/g好まし
くは1〜5dl/gの範囲であることが望ましい。この極限
粘度が0.5dl/g未満であると、共重合体の耐ブロッキン
グ性および剛性が劣る傾向が生じるため好ましくなく、
一方6dl/gを超えると、成形性に劣るようになるため好
ましくない。
さらに本発明に係るプロピレン系重合体は、示差走査
熱量計によって測定した融点[Tm]が、 70<Tm<155−5.5(100−P) 好ましくは 90<Tm<150−5.5(100−P) (式中Pは重合体中のプロピレン成分含量(モル%)で
ある)の範囲にある。
このようなプロピレン系重合体の融点Tmと、該共重合
体中のプロピレン成分含量Pモル%との概略的な関係を
第1図に直線Aとして示す。なお第1図には、従来公知
のプロピレン系重合体の融点Tmとプロピレン成分含量P
モル%との関係も直線Bとして併せて示す。
この第1図から明らかなように、本発明に係るプロピ
レン系重合体の融点は、α−オレフィンの重合量が同一
である場合には、従来公知のプロピレン系重合体の融点
よりも10〜20℃低い。したがって本発明に係るプロピレ
ン系重合体から得られるフィルムは、特に低温でのヒー
トシール性に優れている。しかもα−オレフィンの共重
合量が少なくとも優れたヒートシール性を示すため、耐
ブロッキング性にも優れており、その上優れた剛性を有
する。
なお本発明では、示差走査熱量計(DSC)を用いて、
プロピレン系重合体を200℃で5分間放置した後、20℃
/分の速度で20℃まで冷却し、次いで20℃で5分間放置
した後、10℃/分の速度で20℃から200℃まで昇温して
得られる最大吸熱ピークの温度(Tm)を、プロピレン系
重合体の融点とした。
また本発明に係るプロピレン系重合体のゲルパーミエ
イションクロマトグラフィ(GPC)で求めた分子量分布
(w/n)は、4.5以上好ましくは4.8以上特に好まし
くは5.0以上の範囲にある。このように本発明に係るプ
ロピレン系重合体は、分子量分布が広く、成形性に優れ
ている。
なおw/n値は、武内著、丸善発行の「ゲルパーミ
エイションクロマトグラフィー」に準拠して下記のよう
にして行なった。
(1)分子量既知の標準ポリスチレン(東洋ソーダ
(株)製、単分散ポリスチレン)を使用して、分子量M
とそのGPC(Gel Permeation Chromatograph)カウント
を測定し、分子量MとEV(Elution Volume)の相関図較
正曲線を作製する。この時の濃度は0.02重量%とする。
(2)GPC測定により試料のGPCクロマトグラフをとり、
前記(1)によりポリスチレン換算の数平均分子量
n、重量平均分子量wを算出し、w/n値を求め
る。その際のサンプル調製条件およびGPC測定条件は以
下の通りである。
[サンプル調製] (イ)試料を0.1重量%となるようにo−ジクロルベン
ゼン溶媒とともに三角フラスコに分散する。
(ロ)三角フラスコを140℃に加温し、約30分間撹拌
し、溶解させる。
(ハ)その溶液をGPCにかける。
[GPC測定条件] 次の条件で実施した。
(イ)装置 Waters社製(150C−ALC/GPC) (ロ)カラム 東洋ソーダ製(GMHタイプ) (ハ)サンプル量 400μ (ニ)温度 140℃ (ホ)流速 1ml/分 融点の測定はPerkin Elmer−7型のDSC装置を用い、
サンプル量約2.5mgおよび昇温速度10℃/分で測定し
た。
本発明に係るプロピレン系重合体は、沸騰n−ペンタ
ンへの可溶部量が3重量%以下好ましくは2重量%以下
さらに好ましくは1重量%以下であることが望ましい。
さらに本発明に係るプロピレン系重合体は、沸騰トリ
クロロエチレンに対する不溶部量が5重量%以下好まし
くは3重量%以下さらに好ましくは1重量%以下である
ことが望ましい。
沸騰トリクロロエチレン不溶分量および沸騰n−ペン
タン可溶分量は、細かく粉砕した試料約3gを円筒濾紙に
入れ、180mlの溶媒を用い、ソックスレー抽出器で5時
間抽出し、抽出残分を真空乾燥器で恒量になるまで乾燥
してその重量を求め、原試料との重量差によって算出し
た。
さらにまた本発明に係るプロピレン系重合体は、13C
−NMRで測定したプロピレン連鎖におけるアイソタクチ
ック分率(mmトリアド分率)が80%以上好ましくは85〜
99%の範囲にあることが望ましい。
13C−NMRは、試料約150mgをヘキサクロブタジエンと
重水素化ベンゼンの混合液(それぞれ0.5ml、0.1ml)に
溶解し、通常JEOL GX−500装置を用い、測定周波数125.
65MHz、スペクトル幅8800Hz、パルス繰返し時間4.0g、
パルス角45゜、測定温度95〜110℃で測定した。
上記のような本発明に係るプロピレン系重合体は、 (A)シクロアルカジエニル基またはその置換体から選
ばれた少なくとも2個の基が低級アルキレン基を介して
結合した多座配位化合物を配位子とするハフニウム化合
物、および (B)有機アルミニウムオキシ化合物 から形成される触媒の存在下に、プロピレンまたはプロ
ピレンと炭素数2または4〜20のα−オレフィンとを、
−20〜40℃の温度で、得られた共重合体中にプロピレン
から導かれる構成単位(a)が90〜100モル%の量でま
たα−オレフィンから導かれる構成単位(b)が0〜10
モルの量で存在するように重合させることによって製造
することができる。
本発明において使用される触媒成分[A]は、シクロ
アルカジエニル基またはその置換体、具体的には、イン
デニル基、置換インデニル基およびその部分水素化物か
らなる群から選ばれた少なくとも2個の基が低級アルキ
レン基を介して結合した多座配位化合物を配位子とする
ハフニウム化合物である。該ハフニウム化合物としては
次の化合物を例示することができる。
エチレンビス(インデニル)ジメチルハフニウム、 エチレンビス(インデニル)ジメチルハフニウム、 エチレンビス(インデニル)ジフェニルハフニウム、 エチレンビス(インデニル)メチルハフニウムモノク
ロリド、 エチレンビス(インデニル)エチルハフニウムモノク
ロリド、 エチレンビス(インデニル)メチルハフニウムモノブ
ロミド、 エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリド、 エチレンビス(インデニル)ハフニウムジブロミド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ジメチルハフニウム、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)メチルハフニウムモノクロリド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ハフニウムジクロリド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ハフニウムジブロミド、 エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ハフニ
ウムジクロリド、 エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ハフニ
ウムジクロリド、 エチレンビス(6−メチル−1−インデニル)ハフニ
ウムジクロリド、 エチレンビス(7−メチル−1−インデニル)ハフニ
ウムジクロリド、 エチレンビス(5−メトキシ−1−インデニル)ハフ
ニウムジクロリド、 エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ハ
フニウムジクロリド、 エチレンビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ハ
フニウムジクロリド、 エチレンビス(4,7−ジメトキシ−1−インデニル)
ハフニウムジクロリド。
該ハフニウム化合物には、少量のジルコニウムまたは
チタンなどが含まれていてもよい。該含有量は1重量%
以下、好ましくは0.7重量%以下、より好ましくは0.5重
量%以下である。
本発明の方法において使用される触媒成分[B]は有
機アルミニウムオキシ化合物である。触媒成分として使
用される有機アルミニウムオキシ化合物として一般式
(I)および一般式(II) で表わされるベンゼン可溶なアルミノオキサンを例示す
ることができる。該アルミノオキサンにおいて、Rは同
一でも異なっていてもよく、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくは
メチル基、エチル基、とくに好ましくはメチル基であ
り、mは2以上、好ましくは5以上の整数である。該ア
ルミノオキサンの製造法として、たとえば次の方法を例
示することができる。
(1)吸着水を含有する化合物、結晶水を含有する塩
類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、
硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第
1セリウム水和物などの他炭化水素媒体懸濁液にトリア
ルキルアルミニウムを添加して反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムに
直接水、水蒸気または氷を作用させる方法。
なお、該アルミノオキサンには少量の有機金属成分を
含有していても差しつかえない。
さらに、本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ
化合物としては、ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物を例示することができる。以下にベンゼン不
溶性の有機アルミニウムオキシ化合物について説明す
る。
本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、(i)有機アルミニウム化合物と水
との反応、あるいはアルミノオキサンの溶液、たとえば
炭化水素溶液と水または(ii)活性水素含有化合物との
反応によって得られる。
このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、 [式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基である]で示さ
れるアルキルオキシアルミニウム単位を有すると推定さ
れ、しかも60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換
算で10%以下、好ましくは5%以下、とくに好ましくは
2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性あるいは難溶
性である。
なお本発明に係る有機アルミニウムオキシ化合物の溶
解性は、100ミリグラム原子のAlに相当する該有機アル
ミニウムオキシ化合物を100mlのベンゼンに懸濁した
後、撹拌下60℃で6時間混合した後、ジャケット付G−
5ガラス製フィルターを用い、60℃で熱時濾過を行な
い、フィルター上に分離された固体部を60℃のベンゼン
50mlを用いて、4回洗浄した後、全濾液中に存在するAl
原子の存在量(xミリモル)を測定することにより求め
られる(x%)。
上記のアルキルオキシアルミニウム単位において、R1
は、具体的人は、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロ
ヘキシル基、シクロオクチル基などが例示できる。これ
らの中でメチル基、エチル基が好ましく、とくにメチル
基が好ましい。
本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、式 で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位の他に式 で表わされるオキシアルミニウム単位[ここで、R1は上
記と同じであり、R2は、炭素数1〜12の炭化水素基、炭
素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキ
シ基、水酸基、ハロゲンまたは水素であり、R1およびR2
は互いに異なる基を表わす]を含有していてもよい。そ
の場合には、アルキルオキシアルミニウム単位 を30モル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好まし
くは70モル%以上の割合で含む有機アルミニウムオキシ
化合物が好ましい。
このようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物を製造するに際して用いられる(i)有機アルミ
ニウム化合物は、R1 nAlX3-n(式中、R1は炭素数1〜12
の炭化水素基であり、Xはハロゲン、炭素数1〜12のア
ルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、または水
素であり、nは2〜3である)で示される。
このような(i)有機アルミニウム化合物としては、
具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピ
ルアルミニム、トリn−ブチルアルミニウム、トリsec
−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウ
ム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニ
ウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニ
ウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオ
クチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウム
クロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチ
ルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウム
ハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソ
ブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアル
ミニウムハイドライド、ジメチルアルミニウムメトキシ
ド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキル
アルミニウムアルコキシド、ジエチルアルミニウムフェ
ノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシド
などが用いられる。これらの有機アルミニウム化合物の
うちでは、前記一般式において、Rがアルキル基であ
り、Xが塩素原子である有機アルミニウム化合物が好ま
しく、とくにトリアルキルアルミニウムが好ましい。
また、(i)有機アルミニウム化合物として、一般式 (i−C4H9xAly(C5H10)z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わさ
れるイソプレニルアルミニウムを、用いることもでき
る。
上記のような(i)有機アルミニウム化合物は、単独
であるいは組合せて用いられる。
また本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物を製造するに際して用いられる(ii)活性
水素含有化合物としては、メチルアルコール、エチルア
ルコールなどのアルコール類、エチレングリコール、ヒ
ドロキノンなどのジオール類などが用いられる。
本発明において、ベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物を調製するに際して、水を用いる場合に
は、水をベンゼン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素
溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル溶媒、トリエ
チルアミンなどのアミン溶媒などに溶解あるいは分散さ
せて、あるいは水蒸気または氷の状態で用いることがで
きる。また水として、塩化マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸
鉄、塩化第1セリウムなどの塩の結晶水あるいはシリ
カ、アルミナ、水酸化アルミニウムなどの無機化合物ま
たはポリマーなどに吸着した吸着水などを用いることも
できる。
本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、上述のように、(i)有機アルミニウム化
合物と水との反応、あるいはアルミノオキサンの溶液、
たとえば炭化水素溶液と水または(ii)活性水素含有化
合物との反応によって得られる。(i)有機アルミニウ
ム化合物と水とからベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物を製造するには、たとえば溶媒、たとえば
炭化水素溶媒中で(i)有機アルミニウム化合物と水と
を接触させ、その際、反応系内で溶解している有機アル
ミニウム原子が全有機アルミニウム原子に対して20%以
下となるように水を反応系に添加すればよい。このよう
にしてベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
を得るには、(i)有機アルミニウム化合物1モルに対
して、水を1〜5モル好ましくは1.5〜3モルの範囲で
接触させることが望ましい。
上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物を生成させる反応は溶媒、たとえば炭化水素溶
媒中で行なわれるが、溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、
ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、
デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロオクタン、シ
クロデカン、シクロドデカンなどの脂環族炭化水素、ガ
ソリン、灯油、軽油などの石油留分などの炭化水素溶
媒、あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂
環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ塩素化物、臭素化
物などのハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。
これらの炭化水素媒体のうちでは、芳香族炭化水素が特
に好ましい。
反応系内の有機アルミニウム化合物の濃度は、アルミ
ニウム原子に換算して1×10-3〜5グラム原子/好ま
しくは1×10-2〜3グラム原子/の範囲であることが
望ましく、また反応系内の結晶水などの水濃度は、通常
1×10-3〜20モル/好ましくは1×10-2〜10モル/
の範囲であることが望ましい。この際、反応系内で溶解
している有機アルミニウム原子が、全有機アルミニウム
原子に対して20%以下、好ましくは10%以下、より好ま
しくは0〜5%の範囲であることが望ましい。
(i)有機アルミニウム化合物と水とを接触させるに
は、具体的には下記のようにすればよい。
(1)(i)有機アルミニウムの炭化水素溶液と、水を
含有した炭化水素溶媒を接触させる方法。
(2)(i)有機アルミニウムの炭化水素溶液に、水蒸
気を吹込むなどして、(i)有機アルミニウムと水蒸気
とを接触させる方法。
(3)(i)有機アルミニウムの炭化水素溶液と、吸着
水含有化合物または結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液
とを混合して、(i)有機アルミニウムと吸着水または
結晶水とを接触させる方法。
(4)(i)有機アルミニウムの炭化水素溶液と氷を接
触させる方法。
上記のような(i)有機アルミニウム化合物と水との
接触反応は、通常−100〜150℃好ましくは−50〜100℃
さらに好ましくは−30〜80℃の温度で行なわれる。また
反応時間は、反応温度によっても大きく変わるが、通常
1〜200時間好ましくは2〜100時間程度である。
本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物を、アルミノオキサンの溶液と、水または(i
i)活性水素含有化合物とから製造するには、アルミノ
オキサンの溶液中のアルミノオキサンと、水または(i
i)活性水素含有化合物とを接触させればよい。
なお、アルミノオキサンの溶液は、アルミノオキサン
が、上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物を生成する際に用いられたような溶媒好まし
くはベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素中に溶解
された溶液であるが、アルミノオキサンと水または活性
水素含有化合物との反応に悪影響を及ぼさない限り、他
の成分を含んでいてもよい。
該接触反応に用いられる水または(ii)活性水素含有
化合物は、アルミノオキサンの溶液中のアルミニウム1
グラム原子に対して0.1〜5モル好ましくは0.2〜3モル
の量で用いられる。反応系内の濃度は、アルミニウム原
子に換算して、通常1×10-3〜5グラム原子/好まし
くは1×10-2〜3グラム原子/の範囲であることが望
ましく、また反応系内の水の濃度は、通常2×10-4〜5
モル/好ましくは2×10-3〜3モル/の濃度である
ことが望ましい。
上記のようなアルミノオキサンの溶液と、水または
(ii)活性水素含有化合物とを接触させるには、アルミ
ノオキサンの溶液と水との接触反応を例にとって説明す
ると、具体的には下記のようにすればよい。
(1)アルミノオキサンの溶液と、水を含有した炭化水
素溶媒とを接触させる方法。
(2)アルミノオキサンの溶液に、水蒸気を吹込むなど
して、アルミノオキサンの溶液中のアルミノオキサンと
水蒸気とを接触させる方法。
(3)アルミノオキサンの溶液と、吸着水含有化合物ま
たは結晶含有化合物の炭化水素懸濁液とを混合して、ア
ルミノオキサンの溶液中のアルミノオキサンと吸着水ま
たは結晶水と接触させる方法。
(4)アルミノオキサンの溶液と水または氷を直接接触
させる方法。
(ii)活性水素含有化合物を用いる場合にも、上記と同
様にすることができる。
上記のようなアルミノオキサンの溶液と、水または
(ii)活性水素含有化合物との接触反応は、通常−50〜
150℃好ましくは0〜120℃さらに好ましくは20〜100℃
の温度で行なわれる。また反応時間は、反応温度によっ
ても大きく変わるが、通常0.5〜300時間好ましくは1〜
150時間程度である。
上記のようなハフニウム化合物は、重合反応系内の該
ハフニウム原子の濃度として通常は10-8〜10-2グラム原
子/、好ましくは10-7〜10-3グラム原子/の量で用
いられることが望ましい。
また上記のような有機アルミニウムオキシ化合物は、
反応系内のアルミニウム原子に換算して10-4〜10-1グラ
ム原子/、好ましくは5×10-4〜5×10-2グラム原子
/の量で用いられることが望ましい。
重合温度は前述のように−20〜40℃であるが、好まし
くは−15〜35℃、より好ましくは−10〜30℃の範囲であ
ることが望ましい。
重合温度が−20℃よりも低くても、また40℃より高く
ても、得られる重合体のGPC曲線は単一ピークを示し、
分子量分布(w/n)は4.5以下となってしまう。こ
れに対して−20〜40℃の範囲の温度で重合反応を行なえ
ば、得られる重合体のGPC曲線は2つのピークを示し、
分子量分布は4.5以上と広くなる。
上記のようなオレフィンの重合は、通常、気相である
いは液相で行なわれる。液相重合においては、不活性炭
化水素を溶媒としてもよいし、オレフィン自身を溶媒と
することもできる。
炭化水素媒体として、具体的には、ブタン、イソブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族系炭化水
素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、シクロオクタンなどの脂環族系炭化水素、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、ガ
ソリン、灯油、軽油などの石油留分などが用いられる。
重合圧力は、通常常圧ないし100kg/cm2、好ましくは
2ないし50kg/cm2の条件下であり、重合は、回分式、半
連続式、連続式のいずれの方法においても行なうことが
できる。重合体の分子量は水素および/または重合温度
によって調節することができる。
発明の効果 本発明によれば、従来公知のプロピレン系重合体と比
較して、ベトつき成分が少なく、かつ低い融点を有する
とともに分子量分布の広い新規なプロピレン系重合体お
よびその製造方法が提供され、この共重合体は優れたヒ
ートシール性を有するとともに、成形性にも優れてい
る。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 (メチルアルミノオキサンの調製) Polymer Commun.,29,180(1988)に従って調製した。
(エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロリドの
合成) 窒素置換した200mlのガラス製フラスコにビス(イン
デニル)エタン(Bull.Soc.Chim.,2954(1967)に基づ
いて合成)5.4gとTHF50mlを装入し、撹拌しながら−30
〜−40℃まで冷却した。これにn−BuLi(1.6M溶液)3
1.5mlを滴下し、引き続き−30℃で1時間撹拌の後、室
温まで自然昇温することによりビス(インデニル)エタ
ンをアニオン化した。窒素置換した別の200mlのガラス
製フラスコにTHF60mlを装入し−60℃以下に冷却後、HfC
l4(混入物としてジルコニウム原子0.78重量%が含まれ
ていた)6.7gを徐々に添加した。その後、60℃まで昇温
して1時間撹拌した。これにアニオン化した配位子を滴
下し、60℃で2時間撹拌した後、グラスフィルターで濾
過した。濾液を室温で最初の1/5程度の容量まで濃縮し
た。この操作により固体が析出する。この析出固体をグ
ラスフィルターで濾過後、ヘキサン/エチルエーテルで
洗浄し、減圧乾燥することにより目的の化合物を得た。
該化合物にはジルコニウム原子が0.40重量%を混入し
ていた。
(重合) 充分に窒素置換した2のステンレス製オートクレー
ブに室温下トルエン500mlとプロピレン3モル、さらに
メチルアルミノオキサンをAl原子換算で10ミリグラム原
子装入した。その後10℃に重合系内を冷却し、エチレン
ビス(インデニル)ハフニウムジクロリドを5×10-3
リモル添加し、10℃で4時間重合を行なった。重合の停
止は、メタノールを重合系に添加することによって行な
った。得られたポリマースラリーを大量のメタノール中
に投入した後、濾過により回収し、さらに、イソブチル
アルコール/塩酸溶液で触媒成分の除去を行ない、80
℃、200〜300mmHgで1晩減圧乾燥することにより、GPC
によるw/nが6.3であり、DSCによる融点が139.4℃
であり、135℃のデカリン中で測定した[η]が3.70dl/
gであり、沸騰トリクロロエチレン不溶分量が0重量%
であり、沸騰n−ペンタン可溶分量が0.2重量%であ
り、mm分率が93.7%であるアイソタクチックポリプロピ
レン13.8gを得た。なお、GPCには2つのピークが観測さ
れた(第2図−(A))。
実施例2 (重合) 実施例1の重合において重合温度を0℃とした以外
は、同様に行ないw/nが4.84であり、融点が141.7
℃であり、[η]が2.74dl/gであり、沸騰トリクロロエ
チレン不溶分量が0重量%であり、沸騰n−ペンタン可
溶分量が0.1重量%であり、mm分率が93.9%であるポリ
マー4.4gを得た。なお、GPCには2つのピークが観測さ
れた(第2図−(B))。
比較例1 実施例1の重合において、エチレンビス(インデニ
ル)ハフニウムジクロリドの使用量を0.012ミリモル、
重合温度を−30℃とした以外は、実施例1と同様に行な
い、w/nが2.99であり、mm分率が94.2%であるポリ
マー0.1gを得た。なお、GPC曲線には1つのピークしか
観測されなかった(第3図−(A))。
比較例2 実施例1の重合において、エチレンビス(インデニ
ル)ハフニウムジクロリドの使用量を1.25×10-3ミリモ
ル、メチルアルミノオキサンの使用量を5ミリグラム原
子−Al、重合温度を50℃、重合時間を0.5時間とした以
外は、実施例1と同様に行ない、w/nが2.37であ
り、融点が132.6℃であり、[η]が2.96dl/gであり、
沸騰トリクロロエチレン不溶分量が0重量%であり、沸
騰n−ペンタン可溶分量が0.1重量%であり、mm分率が9
2.3%であるポリマー29.0gを得た。なお、GPC曲線には
1つのピークしか観測されなかった(第3図−
(B))。
実施例3 実施例1の重合において重合温度を20℃とした以外
は、同様に行ないw/nが5.86であり、融点が137.2
℃であり、[η]が3.65dl/gであり、沸騰トリクロロエ
チレン不溶分量が0重量%であり、沸騰n−ペンタン可
溶分量が0.2重量%であり、mm分率が93.8%であるポリ
マー36.4gを得た。なお、GPCには2つのピークが観測さ
れた(第2図−(c))。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るプロピレン系重合体のプロピレ
ン含量と融点との関係を示す概略図である。 なお、第1図において直線Aは本発明に係るプロピレン
系重合体のプロピレン含量と融点との関係を示してお
り、直線Bは従来公知のプロピレン系重合体のプロピレ
ン含量と融点との関係を示している。 また第2図(A)〜(C)は、本発明に係るプロピレン
重合体の分子量分布を示す曲線であり、第3図(A)〜
(B)は比較例により得られたプロピレン重合体の分子
量分布を示す曲線である。 第4図は、本発明に係るプロピレン系重合体を製造する
際のフローチャート図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロピレンから導かれる構成単位(a)、
    またはプロピレンから導かれる構成単位(a)および炭
    素数2または4〜20のα−オレフィンから導かれる構成
    単位(b)からなるプロピレン系重合体であって、 (A)前記構成単位(a)が90〜100モル%の量で、か
    つ前記構成単位(b)が0〜10モル%の量で存在し、 (B)135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が
    0.5〜6dl/gの範囲にあり、 (C)示差走査熱量計によって測定した融点[Tm]が、 70<Tm<155−5.5(100−P) (式中Pは共重合体中のプロピレン成分含量(モル%)
    である)の範囲にあり、 (D)ゲルパーミエーション・クロマトグラフィーで測
    定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
    比(Mw/Mn)が4.5以上であり、 (E)沸騰トリクロロエチレン不溶分量が5重量%以下
    である、 ことを特徴とするプロピレン系ランダム共重合体。
  2. 【請求項2】(イ)シクロアルカジエニル基またはその
    置換体から選ばれた2個の基が低級アルキレン基を介し
    て結合した多座配位化合物を配位子とするハフニウム化
    合物、 および (ロ−1)ベンゼン可溶性のアルミノオキサンまたは (ロ−2)60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換
    算で10%以下であり、 で示されるアルキルオキシアルミニウム単位を有する、
    ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物 から形成される触媒の存在下に、プロピレンまたはプロ
    ピレンと炭素数2または4〜20のα−オレフィンとを、
    −20〜40℃の温度で共重合させて、 (A)プロピレンから導かれる構成単位(a)が90〜10
    0モル%の量でかつα−オレフィンから導かれる構成単
    位(b)が0〜10モル%の量で存在し、 (B)135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が
    0.5〜6dl/gの範囲にあり、 (C)示差走査熱量計によって測定した融点[Tm]が、 70<Tm<155−5.5(100−P) (式中Pは共重合体中のプロピレン成分含量(モル%)
    である)の範囲にあり、 (D)ゲルパーミエーション・クロマトグラフィーで測
    定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
    比(Mw/Mn)が4.5以上であり、 (E)沸騰トリクロロエチレン不溶分量が5重量%以下
    である、 プロピレン系重合体の製造方法。
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