JP2795474B2 - オレフィン重合用触媒成分およびオレフィン重合用触媒ならびにオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒成分およびオレフィン重合用触媒ならびにオレフィンの重合方法

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JP2795474B2 JP1194559A JP19455989A JP2795474B2 JP 2795474 B2 JP2795474 B2 JP 2795474B2 JP 1194559 A JP1194559 A JP 1194559A JP 19455989 A JP19455989 A JP 19455989A JP 2795474 B2 JP2795474 B2 JP 2795474B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、オレフィン重合用触媒およびこの触媒を用
いたオレフィンの重合方法に関する。さらに詳細には、
本発明は、優れた重合活性でオレフィンを重合すること
ができ、特に、エチレンとα−オレフィンの共重合にお
いては密度の低い共重合体を得ることができるようなオ
レフィン重合用触媒およびこの触媒を用いたオレフィン
の重合方法に関する。
発明の技術的背景 従来、α−オレフィン重合体の製造方法としては、チ
タン化合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン
系触媒あるいはバナジウム化合物と有機アルミニウム化
合物とからなるバナジウム系触媒の存在下にα−オレフ
ィンを重合する方法が知られている。
一方、新しいチーグラー型オレフィン重合触媒として
ジルコニウム化合物およびアルミノオキサンからなる触
媒が最近提案されている。
たとえば特開昭58−19309号公報には、下記式 (シクロペンタジエニル)2MeRHal [ここで、Rはシクロペンタジエニル、炭素数1〜6の
アルキル、ハロゲンであり、Meは遷移金属であり、Hal
はハロゲンである]で表わされる遷移金属含有化合物
と、下記式 Al2OR4(Al(R)−O) [ここで、Rはメチルまたはエチルであり、nは4〜20
の数である]表わされる線状アルミノオキサンまたは下
記式 [ここで、Rおよびnの定義は上記に同じである] で表わされる環状アルミノオキサンとからなる触媒の存
在下、エチレンおよび炭素数3〜12のα−オレフィンの
1種または二種以上を−50℃〜200℃の温度で重合させ
る方法が記載されている。同公開公報には、得られるポ
リエチレンの密度を調節するには、10重量%までの少量
の幾分長鎖のα−オレフィンまたは混合物の存在下でエ
チレンの重合を行なうべきことが記載されている。
特開昭59−95292号公報には、下記式 [ここで、nは2〜40であり、Rは炭素数1〜8のアル
キルである]で表わされる線状アルミノオキサンおよび
下記式 [ここで、nおよびRの定義は上記に同じである] で表わされる環状アルミノオキサンの製造法に関する発
明が記載されている。同公報には、同製造法により製造
された、たとえばメチルアルミノオキサンとチタンまた
はジルコニウムのビス(シクロペンタジエニル)化合物
とを混合して、オレフィンの重合を行なうと、1gの遷移
金属当りかつ1時間当り、25百万g以上のポリエチレン
が得られると記載されている。
特開昭60−35005号公報には、下記式 [ここで、R1は炭素数1〜10のアルキルであり、R0はR1
であるかまたは結合して−O−を表わす]で表わされる
アルミノオキサン化合物を先ずマグネシウム化合物と反
応させ、次いで反応生成物を塩素化し、さらにTi、v、
ZrまたはCrの化合物で処理して、オレフィン用重合触媒
を製造する方法が開示されている。同公報には、上記触
媒がエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンの混合物
の共重合に特に好適であると記載されている。
特開昭60−35006号公報には、反応器ブレンドポリマ
ー製造用触媒として、異なる二種以上の遷移金属のモノ
−、ジ−もしくはトリ−シクロペンタジエニルまたはそ
の誘導体(a)とアルモキサン(アルミノオキサン)
(b)との組合せが開示されている。同公報の実施例1
には、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチルとアルモキサとを触媒として、エチレ
ンとプロピレンを重合せしめて、数平均分子量15,300、
重量平均分子量36,400およびプロピレン成分を3,4%含
むポリエチレンが得られたことが開示されている。ま
た、同実施例2では、ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドおよび
アルモキサンを触媒としてエチレンとプロピレンとを重
合し、数平均分子量2,200、重量平均分子量11,900およ
び30モル%のプロピレン成分を含むトルエン可溶成分と
数平均分子量3,000、重量平均分子量7,400および4.8モ
ル%のプロピレン成分を含むトルエン不溶部分から成る
数平均分子量2,000、重量平均分子量8,300および7.1モ
ル%のプロピレン成分を含むポリエチレンとエチレン・
プロピレン共重合体とのブレンド物を得ている。同様に
して実施例3には分子量分布(w/n)4.57およびプ
ロピレン成分20.6モル%の可溶性部分と分子量分布3.04
およびプロピレン成分2.9モル%の不溶性部分からなるL
LDPEとエチレン−プロピレン共重合体とのブレンド物が
記載されている。
特開昭60−35007号公報には、エチレンを単独でまた
は炭素数3以上のα−オレフィンと共にメタロセンと下
記式 [ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、nは
1〜約20の整数である]で表わされる環状アルモキサン
または下記式 [ここで、Rおよびnの定義は上記に同じである] で表わされる線状アルモキサンとを含む触媒の存在下に
重合させる方法が記載されている。同方法により得られ
る重合体は、同公報の記載によれば、約500〜約140万の
重量平均分子量を有し、かつ1.5〜4.0の分子量分布を有
する。
また、特開昭60−35008号公報には、少なくとも二種
のメタロセンとアルモキサンとを含む触媒を用いること
により、巾広い分子量分布を有するポリエチレンまたは
エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体
が製造されることが記載されている。同公報には上記共
重合体が分子量分布(w/n)2〜50を有することが
記載されている。
これらの先行技術に提案された遷移金属化合物および
アルミノオキサンから形成される触媒は、従来から知ら
れている遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物とか
ら形成される触媒に比べてオレフィンの重合活性は優れ
ているが、エチレンとα−オレフィンの共重合におい
て、密度の低い共重合体を製造する際には、多量のα−
オレフィンの供給が必要であった。したがって重合活性
に優れ、かつエチレンとα−オレフィンの共重合におい
ては密度の低い共重合体を得ることができるような遷移
金属含有化合物からなるオレフィン重合用触媒成分およ
びこのオレフィン重合用触媒成分を含むオレフィンの重
合方法の出現が強く望まれている。
発明の目的 本発明は、上記のように従来技術に鑑みて完成された
ものであって、優れたオレフィン重合活性を有し、かつ
エチレンとα−オレフィンの共重合においては密度の低
い共重合体を得ることができるようなオレフィン重合用
触媒およびこの触媒を用いたオレフィンの重合方法を提
供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るオレフィン重合用触媒は、 (A)下記式(I) [(R1R2R3Si)nC5H5-nmMeR4 4-m …(I) [式中、(R1R2R3Si)nC5H5-nは珪素含有置換基を有す
る置換シクロペンタジエニル基であり、R1、R2、R3はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭化水素
基、ハロゲン化炭化水素基、水素、アルコキシ基、アリ
ーロキシ基であり、nは1〜5であり、mは1〜4であ
る。
Meはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる
群から選ばれる遷移金属であり、mが2以上である場合
には上記置換シクロペンタジエニル基は同一であっても
異なっていてもよい。
R4は炭化水素基、ハロゲン、水素、ORa、SRb、NRc 2
たは(CH2lAlRd 2であり、Ra、Rb、Rc、Rdは炭化水素
基またはシリル基であり、lは1〜10である。] で示される遷移金属化合物、 (B)(i)ベンゼンに可溶なアルミノオキサンまたは (ii)60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で
10%以下であり、 で示されるアルキルオキシアルミニウム単位を有する、 ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物、 および (C)式R9 nAlX3-n(式中、R9は炭素数1〜12の炭化水
素基であり、Xはハロゲンであり、nは1〜3である)
で示されるか、 式R10 nAlY3-n(式中、R10は炭素数1〜12の炭化水素
基であり、Yは水素、−OR11基、−OSiR12 3基、−OAlR
13 2基、 −NR16 2基または−SiR17 3基であり、nは1〜2であ
り、R11〜R17は水素、ハロゲンまたは炭化水素基であ
る)で示される有機アルミニウム化合物から形成されて
いる。
また本発明に係るオレフィンの重合方法は、上記のよ
うなオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを重
合または共重合させることを特徴としている。
本発明に係る遷移金属化合物を含むオレフィン重合用
触媒は、オレフィン重合に対して優れた重合活性を示
し、特にエチレンとα−オレフィンの共重合においては
密度の低い共重合体を得ることができる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るオレフィン重合用触媒およびこの
触媒を用いたオレフィンの重合方法について、具体的に
説明する。
本発明において「重合」という語は、単独重合のみな
らず共重合を包含した意で用いられることがあり、また
「重合体」という語は単独重合体のみならず共重合体を
包含した意で用いられることがある。
本発明で用いられるオレフィン重合用触媒成分(A)
は、式(I) [(R1R2R3Si)nC5H5-nmMeR4 4-m で示される遷移金属化合物からなっている。
式中、(R1R2R3Si)nC5H5-nは珪素含有置換基を有す
る置換シクロペンタジエニル基であり、R1、R2、R3はそ
れぞれ同一であっても異なっていてもよく、アルキル
基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アリル基などの炭化水素基およびこれら炭
化水素基のハロゲン置換体、水素、メトキシ基、エトキ
シ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ着な
どのアリーロキシ基であり、nは1〜5であり、mは1
〜4である。
Meはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる
群から選ばれる遷移金属であり、mが2以上である場合
には上記置換シクロペンタジエニル基は同一であっても
異なっていてもよい。
R4はアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ア
ラルキル基、アルケニル基などの炭化水素基、ハロゲ
ン、水素、ORa、SRb、NRc 2または(CH2lAlRd 2であ
り、Ra、Rb、Rc、Rdはアルキル基、アリール基、シクロ
アルキル基、アラルキル基、アルケニル基などの炭化水
素基またはシリル基であり、lは1〜10である。
ここでアルキル基としては、具体的には、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル
基などを例示することができ、アリール基としては、具
体的には、フェニル基、トリル基などを例示することが
でき、シクロアルキル基としては、具体的には、シクロ
ペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノ
ルボニル基、ビシクロノニル基およびこれらの基のアル
キル置換基を例示することができる。
またアルラキル基としては、具体的には、ベンジル
基、ネオフィル基などを例示することができ、アルケニ
ル基としては、具体的には、ビニル基、プロペニル基、
ブテニル基などを例示することができる。
またハロゲ原子としては、フッ素、塩素、臭素などを
例示することができる。さらにシリル基としては、トリ
メチルシリル基、トリエチルシリル基、フェニルジメチ
ルシリル基、トリフェニルシリル基などを例示すること
ができる。
このような式(I)で示される遷移金属化合物として
は、遷移金属がジルコニウムである場合には、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムモノメトキシクロリド ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジメチル ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムモノメチルクロリド ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ZrCH
2Al(CH3 ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムモノチオフェニルクロリド ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジベンジル ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムモノハイドライドクロリド ビス(ジメチルメトキシシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド ビス(ジメチルメトキシシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル ビス(ジメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド ビス(ジメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル ビス(クロロメチルジメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド ビス(ジメトキシメチルシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド ビス(ジメチルフェニルシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド ビス(トリフェニルシリルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド ビス(ジメチルシクロヘキシルシリルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド ビス(ジメチルビニルシリルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド ビス(アリルジメチルシリルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド これらの化合物のうち、特に以下のような化合物が好
ましい。
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド ビス(ジメチルメトキシシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド ビス(ジメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド ビス(ジメトキシメチルシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド ビス(クロロメチルジメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド ビス(ジメチルフェニルシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド ビス(トリフェニルシリルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリド ビス(ジメチルシクロヘキシルシリルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド ビス(ジメチルビニルシリルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド ビス(アリルジメチルシリルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド また遷移金属がハフニウムである場合には、上記のよ
うなジルコニウム化合物の中心金属をジルコニウムから
ハフニウムに換えた化合物を例示することができる。
さらに遷移金属がチタンである場合には、上記のよう
なジルコニウム化合物の中心金属をジルコニウムからチ
タンに換えた化合物を例示することができる。これらの
化合物は、シリカ、アルミナなどの担体に担持すること
により固体触媒として用いることもできる。
次に本発明に用いられる有機アルミニウムオキシ化合
物(B)について説明する。
このような(B)有機アルミニウムオキシ化合物とし
ては、(i)一般式(II)および一般式(III) で表わされるベンゼンに可溶なアルミノオキサンを例示
することができる。このようなアルミノオキサンにおい
て、R5は同一でも異なっていてもよく、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基などの炭化水素基であり、好ましくは
メチル基、エチル基、イソブチル基、とくに好ましくは
メチル基であり、mは2以上、好ましくは5以上の整数
である。
上記のようなアルミノオキサンの製造方法として、た
とえば次の方法を例示することができる。
(1)吸着水を含有する化合物、結晶水を含有する塩
類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、
硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第
1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液にトリアル
キルアルミニウムを添加して反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムに
直接水を作用させる方法。
これらの方法のうちでは(1)の方法を採用するのが
好ましい。なお、該アルミノオキサンには少量の有機金
属成分を含有していても差しつかえない。
さらに、本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ
化合物としては、(ii)ベンゼン不溶性の有機アルミニ
ウムオキシ化合物を例示することができる。以下にベン
ゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物について説
明する。
上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、有機アルミニウム化合物と水との反応、あ
るいはアルミノオキサンの溶液たとえば炭化水素溶液と
水または活性水素含有化合物との反応によって得られ
る。
このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
は、 [式中、R6は炭素数1〜12の炭化水素基である]で示さ
れるアルキルオキシアルミニウム単位を有すると推定さ
れ、しかも60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換
算で10%以下、好ましくは5%以下、とくに好ましくは
2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性あるいは難溶
性である。
なおこの有機アルミニウムオキシ化合物の溶解性は、
100ミリグラム原子のAlに相当する該有機アルミニウム
オキシ化合物を100mlのベンゼンに懸濁した後、撹拌下6
0℃で6時間混合した後、ジャケット付G−5ガラス製
フィルターを用い、60℃で熱時濾過を行ない、フィルタ
ー上に分離された固体部を60℃のベンゼン50mlを用い
て、4回洗浄した後、全濾液中に存在するAl原子の存在
量(xミリモル)を測定することにより求められる(x
%)。
上記のアルキルオキシアルミニウム単位において、R6
は、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロ
ヘキシル基、シクロオクチル基などが例示できる。これ
らの中でメチル基、エチル基が好ましく、とくにエチル
基が好ましい。
本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、式 で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位の他に式 で表わされるオキシアルミニウム単位[ここで、R7はR6
に同じであり、R8は、炭素数1〜12の炭化水素基、炭素
数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ
基、水酸基、ハロゲンまたは水素であり、R7およびR8
互いに異なる基を表わす]で含有していてもよい。その
場合には、アルキルオキシアルミニウム単位 を30モル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好まし
くは70モル%以上の割合で含む有機アルミニウムオキシ
化合物が好ましい。
このようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物を製造するに際して用いられる(i)有機アルミ
ニウム化合物は、R7 nAlX3-n(式中、R7は炭素数1〜12
の炭化水素基であり、Xはハロゲン、炭素数1〜12のア
ルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、または水
素であり、nは2〜3である)で示される。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的
には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアル
ミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリsec−ブ
チルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、ト
リペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチル
アルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニイムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアル
ミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチル
アルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウ
ムハイドライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジ
エチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミ
ニウムアルコキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシ
ドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが
用いられる。これらの有機アルミニウム化合物のうちで
は、前記一般式において、R7がアルキル基であり、Xが
塩素原子である有機アルミニウム化合物が好ましく、と
くにトリアルキルアルミニウムが好ましい。
また、有機アルミニウム化合物として 一般式 (i−C4H9xAly(C5H10 (x、y、zは正の数であり、z≧2xである)で表わさ
れるイソプレニルアルミニウムを、用いることもでき
る。
上記のような有機アルミニウム化合物は、単独である
いは組合せて用いられる。
またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
を製造するに際して用いられる活性水素含有化合物とし
ては、メチルアルコール、エチルアルコールなどのアル
コール類、エチレングリコール、ヒドロキノンなどのジ
オール類などが用いられる。
ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物を調
製するに際して、水を用いる場合には、水をベンゼン、
トルエン、ヘキサンなどの炭化水素溶媒、テトラヒドロ
フランなどのエーテル溶媒、トリエチルアミンなどのア
ミン溶媒などに溶解あるいは分散させて、あるいは水蒸
気または氷の状態で用いることができる。また水とし
て、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミ
ニウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸鉄、塩化第1セリ
ウムなどの塩の結晶水あるいはシリカ、アルミナ、水酸
化アルミニウムなどの無機化合物またはポリマーなどに
吸着した吸着水などを用いることもできる。
ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、
上述のように、有機アルミニウム化合物と水との反応、
あるいはアルミノオキサンの溶液、たとえば炭化水素溶
液と水または活性水素含有化合物との反応によって得ら
れる。有機アルミニウム化合物と水とからベンゼン不溶
性の有機アルミニウムオキシ化合物を製造するには、た
とえば溶媒、たとえば炭化水素溶媒中で有機アルミニウ
ム化合物と水とを接触させ、その際、反応系内で溶解し
ている有機アルミニウム原子が全有機アルミニウム原子
に対して20%以下となるように水を反応系に添加すれば
よい。このようにしてベンゼン不溶性の有機アルミニウ
ムオキシ化合物を得るには、有機アルミニウム化合物1
モルに対して、水を1〜5モル好ましくは1.5〜3モル
の範囲で接触させることが望ましい。
上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物を生成させる反応は、溶媒たとえば炭化水素溶
媒中で行なわれるが、溶媒としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水素、
ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、
デカン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの
脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロオクタン、シ
クロデカン、シクロドデカンなどの脂環族炭化水素、ガ
ソリン、灯油、経由などの石油留分などの炭化水素溶
媒、あるいは上記芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂
環族炭化水素のハロゲン化物とりわけ塩素化物、臭素化
物などのハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、テトラ
ヒドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。
これらの炭化水素媒体のうちでは、芳香族炭化水素が特
に好ましい。
反応系内の有機アルミニウム化合物の濃度は、アルミ
ニウム原子に換算して1×10-3〜5グラム原子/好ま
しくは1×10-2〜3グラム原子/の範囲であることが
望ましく、また反応系内の結晶水などの水濃度は、通常
1×10-3〜20モル/好ましくは1×10-2〜10モル/
の範囲であることが望ましい。この際、反応系内で溶解
している有機アルミニウム原子が、全有機アルミニウム
原子に対して20%以下、好ましくは10%以下、より好ま
しくは0〜5%の範囲であることが望ましい。
有機アルミニウム化合物と水とを接触させるには、具
体的には下記のようにすればよい。
(イ)有機アルミニウムの炭化水素溶液と、水を含有し
た炭化水素溶媒を接触させる方法。
(ロ)有機アルミニウムの炭化水素溶液に、水蒸気を吹
込むなどして、有機アルミニウムと水蒸気とを接触させ
る方法。
(ハ)有機アルミニウムの炭化水素溶液と、吸着水含有
化合物または結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液とを混
合して、有機アルミニウムと吸着水または結晶水とを接
触させる方法。
(ニ)有機アルミニウムの炭化水素溶液と氷を接触させ
る方法。
上記のような有機アルミニウム化合物と水との接触反
応は、通常−100〜150℃好ましくは−50〜100℃さらに
好ましくは−30〜80℃の温度で行なわれる。反応時間
は、反応温度によっても大きく変わるが、通常1〜200
時間好ましくは2〜100時間程度である。
本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物を、アルミノオキサンの溶液と、水または活性
水素含有化合物とから製造するには、アルミノオキサン
の溶液中のアルミノオキサンと、水または活性水素含有
化合物とを接触させればよい。
なお、アルミノオキサンの溶液は、アルミノオキサン
が、上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物を生成する際に用いられたような溶媒好まし
くはベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素中に溶解
された溶液であるが、アルミノオキサンと水または活性
水素含有化合物との反応に悪影響を及ぼさない限り、他
の成分を含んでいてもよい。
該接触反応に用いられる水または活性水素含有化合物
は、アルミノオキサンの溶液中のアルミニウム1グラム
原子に対して0.1〜5モル好ましくは0.2〜3モルの量で
用いられる。反応系内の濃度は、アルミニウム原子に換
算して、通常1×10-3〜5グラム原子/好ましくは1
×10-2〜3グラム原子/の範囲であることが望まし
く、また反応系内の水の濃度は、通常2×10-4〜5モル
/好ましくは2×10-3〜3モル/の濃度であること
が望ましい。
上記のようなアルミノオキサンの溶液と、水または活
性水素含有化合物とを接触させるには、アルミノオキサ
ンの溶液と水との接触反応を例にとって説明すると、具
体的には下記のようにすればよい。
(1)アルミノオキサンの溶液と、水を含有した炭化水
素溶媒とを接触させる方法。
(2)アルミノオキサンの溶液に、水蒸気を吹込むなど
して、アルミノオキサンの溶液中のアルミノオキサンと
水蒸気とを接触させる方法。
(3)アルミノオキサンの溶液と、吸着水含有化合物ま
たは結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液とを混合して、
アルミノオキサンの溶液中のアルミノオキサンと吸着水
または結晶水とを接触させる方法。
(4)アルミノオキサンの溶液と水または氷を直接接触
させる方法。
活性水素含有化合物を用いる場合にも、上記と同様に
することができる。
上記のようなアルミノオキサンの溶液と、水または活
性水素含有化合物との接触反応は、通常−50〜150℃好
ましくは0〜120℃さらに好ましくは20〜100℃の温度で
行なわれる。また反応時間は、反応温度によっても大き
か変わるが、通常0.5〜300時間好ましくは1〜150時間
程度である。
このようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物を赤外分光法(IR)によって解析すると、1220cm
-1付近における吸光度(D1220)と、1260cm-1付近にお
ける吸光度(D1260)との比(D1260/D1220)は、0.09以
下好ましくは0.08以下特に好ましくは0.04〜0.07の範囲
にあることが望ましい。
ここで有機アルミニウムオキシ化合物の赤外分光分析
は、以下のようにして行なう。
まず窒素ボックス中で、有機アルミニウムオキシ化合
物とヌジョールとを、めのう乳針中で磨砕しペースト状
にする。
次にペースト状となった試料を、KBr板に挾み、窒素
雰囲気下で日本分光社製IR−810によってIRスペクトル
を測定する。
このようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物のIRスペクトルを第1図に示す。
このようにして得られたIRスペクトルから、D1260/D
1220を求めるが、このD1260/D1220値は以下のようにし
て求める。
(イ)1280cm-1付近と1240cm-1付近の極大点を結び、こ
れをベースラインL1とする。
(ロ)1260cm-1付近の吸収極小点の透過率(T%)と、
この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引き、こ
の垂線とベースラインL1との交点の透過率(T0%)を読
み取り、1260cm-1付近の吸光度(D1260=log To/T)を
計算する。
(ハ)同様に1280cm-1付近と1180cm-1付近の極大点を結
び、これをベースラインL2とする。
(ニ)1220cm-1付近の吸収極小点の透過率(T′%)
と、この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引
き、この垂線とベースラインL2との交点の透過率(T′
%)を読み取り、1220cm-1付近の吸光度(D1220=log
T′0/T′)を計算する。
(ホ)これらの値からD1260/D1220を計算する。
なお従来公知のベンゼン可溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物のIRスペクトルを第2図に示す。この第2図
からもわかるように、ベンゼン可溶性の有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、D1260/D1220値が、ほぼ0.10〜0.13
の間にあり、本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶
性の有機アルミニウムオキシ化合物とD1260/D1220値で
明らかに相違している。
次に本発明で用いられる有機アルミニウム化合物
(C)について説明する。
このような(C)有機アルミニウム化合物としては、 式 Rn 9Al3-n (式中、R9は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xはハ
ロゲンであり、nは1〜3である)で示される。
上記式において、R9は炭素数1〜12の炭化水素基たと
えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基で
あるが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的
には以下のような化合物が用いられる。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トルオクチルアルミニウム、トリ2−エチルヘ
キシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム。
イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニ
ウム。
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウ
ムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジ
イソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウ
ムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド。
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアウミニ
ウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキ
クロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリド、エ
チルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミ
ニウムセスキハライド。
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウム
ジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、イ
ソブチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウム
ジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド。
上記有機アルミニウム化合物として、トリアルキルア
ルミニウムが好ましく、さらに分岐鎖状アルキル基を含
むトリアルキルアルミニウムが好ましく、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウム
などのトリイソアルキルアルミニウムが特に好ましい。
これら有機アルミニウム化合物は、2種以上用いること
もできる。
また(C)有機アルミニウム化合物として、 式 R10 nAlY3-n (式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基であり、Yは水
素、−OR11基、−OSiR12 3基、−OAlR132基、 −NR16 2基または−SiR17 3基であり、nは1〜2であ
り、R11〜R17は水素、ハロゲンまたは炭化水素基であ
る)で示される化合物を用いることもできる。
上記式において、R10は炭素数1〜12の炭化水素基た
とえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基
であるが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ト
リル着などである。
上記のような有機アルミニウム化合物としては、具体
的には、以下のような化合物が用いられる。
(i)R10 nAl(OR113-n ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニ
ウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムブトキシ
ド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど、 (ii)R10 nAl(OSi R12 33-n (C2H52AlOSi(CH3 (iso−C4H92AlOSi(CH3 (iso−C4H92AlOSi(C2H5など、 (iii)R10 nAl(OAlR13 23-n (C2H52AlOAl(C2H5 (iso−C4H92AlOAl(iso−C4H9など、 (v)R6 nAl(NR16 23-n (CH32AlN(C2H5 (C2H52AlNHCH3 (CH32AlNH(C2H5) (C2H52AlN(Si(CH3 (iso−C4H92AlN(Si(CH3 など、 (vi)R10 nAl(Si R17 33-n (iso−C4H92Al Si(CH3など。
上記のような有機アルミニウム化合物として、R10 nAl
(OR113-n、R10 nAl(OAlR12 23-nが好ましく、特にR
10がイソアルキル基であり、n=2のものが好ましく、
これらの有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して
用いることもできる。
オレフィンの重合方法 本発明に係るオレフィンの重合方法を説明するフロー
チャートを、第3図に示す。
本発明では、上記のような[A]遷移金属化合物と、
[B]有機アルミニウムオキシ化合物と、必要に応じて
含まれる[C]有機アルミニウム化合物とからなるオレ
フィン重合用触媒を用いて、オレフィンを重合すること
によりオレフィン重合体を製造する。
本発明に係るオレフィン重合用触媒により重合するこ
とができるオレフィンとしては、エチレン、および炭素
数が3〜20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1
−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラ
デセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エ
イコセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボル
ネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロド
デセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどを挙げることがで
きる。
さらに本発明では、スチリン、ビニルシクロヘキサ
ン、ジエンなどを用いることもできる。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重
合法あるいは気相重合法いずれにおいても実施できる。
このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィン
の重合温度は、通常、−50〜200℃、好ましくは0〜150
℃の範囲である。重合圧力は、通常、常圧〜100/cm2
好ましくは常圧〜50kg/cm2の条件下であり、重合反応
は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法において
も行なうことができる。さらに重合を反応条件の異なる
2段以上に分けて行なうことも可能である。得られるオ
レフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させる
か、あるいは重合温度を変化させることによって調節す
ることができる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフ
ィンの重合を行なうに際して、[A]上記のような遷移
金属化合物は、通常10-8〜10-3モル/好ましくは10-7
〜10-4モル/の量で、[B]有機アルミニウムオキシ
化合物は、通常10-6〜0.1グラム原子−Al/好ましくは
10-5〜10-2グラム原子−Al/の量で、[C]有機アル
ミニウム化合物は、通常10-5〜0.1モル/好ましくは1
0-4〜10-2モル/の量で用いられることが望ましい。
また、有機アルミニウム化合物に対する有機アルミニウ
ムオキシ化合物(Al原子換算)の比は0.01〜5好ましく
は0.02〜2の範囲で用いられることが望ましい。
上記のような[A]遷移金属化合物と、[B]有機ア
ルミニウムオキシ化合物と、[C]有機アルミニウム化
合物とから形成される本発明に係るオレフィン重合用触
媒は、優れた重合活性を有している。
また本発明に係るオレフィン重合用触媒を用いてエチ
レンとα−オレフィンを共重合させると、密度の低い共
重合体を容易に得ることができる。
なお、本発明では、オレフィン重合用触媒は、上記の
ような各成分以外にも、オレフィン重合に有用な他の成
分を含むとができる。
発明の効果 本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記のような
[A]遷移金属化合物と、[B]有機アルミニウムオキ
シ化合物と、[C]有機アルミニウム化合物とからなっ
ているため、オレフィンの重合に優れた重合活性を有
し、しかもエチレンとα−オレフィンを共重合した際に
は密度の低い共重合体を容易に得ることができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
参考例1 触媒成分[B](ベンゼン可溶性有アルミニウムオキシ
化合物)の調製 充分に窒素置換した400mlのフラスコにAl2(SO4
・14H2O 37gとトルエン125mlを装入し、0℃に冷却
後、トルエン125mlで希釈したトリメチルアルミニウム5
0ミリモルを滴下した。次に40℃まで昇温し、その温度
で72時間反応を続けた。反応後、濾過により固液分離を
行ない、さらに濾液よりトルエンを除去することによっ
て白色固体の触媒成分[B]を得た。重合にはトルエン
に再溶解して用いた。
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジグロリドの調製 トリメチルシリルシクロペンタジエン25ミリモルをTH
F50mlで希釈し、この溶液にn−ブチルリチウム25ミリ
モルを0℃で30分かけて滴下した。滴下終了後、0℃で
1時間、さらに室温まで昇温し、2時間反応を行なっ
た。その反応溶液へ塩化メチレン25mlでスラリー化した
四塩化ジルコニウムを10分かけて滴下し、引き続き、24
時間室温で反応を行なった。溶媒を除去することにより
得られた固体成分をトルエンおよびヘキサンを用い再結
晶することにより白色結晶のビス(トリメチルシリルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを得た。
いずれの操作も窒素雰囲気下に実施した。
重合 充分に窒素置換したガラス製の500mlフラスコにトル
エン250mlを装入し、室温下にエチレンとプロピレンと
の混合ガス(それぞれ40/時間、60/時間)を流通
させた。その後、触媒成分[B]をアルミニウム原子換
算で1.25ミリグラム原子、ビス(トリメチルシリルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを5×10-4
ミリモル装入し、重合を開始した。上記混合ガスを連続
的に供給しながら25℃で30分間常圧下に重合を行なった
ところ、MFR(2.16kg荷重、190℃)が0.60g/10分であ
り、密度が0.862g/cm3であるエチレン−プロピレン共重
合体12.5gを得た。
比較例1 参考例1の重合において、ビス(トリメチルシリルシ
クロペタジエニル)ジルコニウムジクロリドの代わりに
ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリドを用いた以外は同様に重合を行なったとこ
ろ、0.3gの共重合体しか得られなかった。
比較例2 参考例1の重合において、ビス(トリメチルシリルペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの代わりにビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドを用
いた以外は同様に重合を行なったところ、MFRが1.20g/1
0分であり、密度が0.882g/cm3である共重合体10.6gを得
た。
実施例1 参考例1の重合において、触媒成分[B]の使用量を
アルミニウム原子換算で0.25ミリグラム原子に変更し、
さらにトリイソブチルアルミニウムを0.25ミリモルを用
いた以外は実施例1と同様に重合を行なったところ、MF
Rが0.34g/10分であり、密度が0.866g/cm3である共重合
体8.0gを得た。
参考例2 ビス(クロロメチルジメチルシリルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドの調製 ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリドの調製に従じて行なった。
重合 参考例1の重合において、ビス(トリメチルシリルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドの代わり
にビス(クロロメチルジメチルシリルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリドを用い重合温度を30℃に
変更した以外は実施例1と同様に行なったところ、MFR
が1.05g/分であり、密度が0.870g/cm3である共重合体1
1.2gを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図はベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合
物の赤外線吸収スペクトルであり、第2図はベンゼン可
溶性の有機アルミニウムオキシ化合物の赤外線吸収スペ
クトルであり、第3図はオレフィンの重合方法を説明す
るフローチャート図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/642 C08F 10/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記式(I) [(R1R2R3Si)nC5H5-nmMeR4 4-m …(I) [式中、(R1R2R3Si)nC5H5-nは珪素含有置換基を有す
    る置換シクロペンタジエニル基であり、R1、R2、R3はそ
    れぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭化水素
    基、ハロゲン化炭化水素基、水素、アルコキシ基、アリ
    ーロキシ基であり、nは1〜5であり、mは1〜4であ
    る。 Meはチタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群
    から選ばれる遷移金属であり、mが2以上である場合に
    は上記置換シクロペンタジエニル基は同一であっても異
    なっていてもよい。 R4は炭化水素基、ハロゲン、水素、ORa、SRb、NRc 2また
    は(CH2lAlRd 2であり、Ra、Rb、Rc、Rdは炭化水素基
    またはシリル基であり、lは1〜10である。] で示される遷移金属化合物、 (B)(i)ベンゼンに可溶なアルミノオキサンまたは (ii)60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で
    10%以下であり、 で示されるアルキルオキシアルミニウム単位を有する、 ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物、 および (C)式R9 nAlX3-n(式中、R9は炭素数1〜12の炭化水
    素基であり、Xはハロゲンであり、nは1〜3である)
    で示されるか、 式R10 nAlY3-n(式中、R10は炭素数1〜12の炭化水素基
    であり、Yは水素、−OR11基、−OSiR12 3基、−OAlR13 2
    基、 −NR16 2基または−SiR17 3基であり、nは1〜2であ
    り、R11〜R17は水素、ハロゲンまたは炭化水素基であ
    る)で示される有機アルミニウム化合物 からなるオレフィン重合用触媒。
  2. 【請求項2】請求項第1項に記載のオレフィン重合用触
    媒の存在下に、オレフィンを重合または共重合させるこ
    とを特徴とするオレフィンの重合方法。
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