JP2741894B2 - ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物の製造方法 - Google Patents

ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物の製造方法

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JP2741894B2 JP7561089A JP7561089A JP2741894B2 JP 2741894 B2 JP2741894 B2 JP 2741894B2 JP 7561089 A JP7561089 A JP 7561089A JP 7561089 A JP7561089 A JP 7561089A JP 2741894 B2 JP2741894 B2 JP 2741894B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ベンゼンなどの炭化水素溶媒に不溶性であ
る有機アルミニウムオキシ化合物の製造方法に関し、さ
らに詳しくは、オレフィン重合用触媒の触媒成分として
用いられるベンゼンなどの炭化水素溶媒に不溶性である
有機アルミニウムオキシ化合物の製造方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来からα−オレフィン重合体たとえばエチレン重合
体またはエチレン・α−オレフィン共重合体を製造する
ための触媒として、チタン化合物と有機アルミニウムと
からなるチタン系触媒あるいはバナジウム化合物と有機
アルミニウム化合物とからなるバナジウム系触媒が知ら
れている。
一般にチタン系触媒を用いて得られるエチレン・α−
オレフィン共重合体は、分子量分布および組成分布が広
く、かつ透明性、表面非粘着性および力学物性に劣ると
いう問題点があった。また、バナジウム系触媒を用いて
得られるエチレン・α−オレフィン共重合体は、チタン
系触媒を用いて得られるエチレン・α−オレフィン共重
合体にくらべて分子量分布および組成分布は狭く、しか
も透明性、表面非粘着性、力学物性はかなり改善される
が、重合活性が低く、脱灰操作が必要とされた。したが
ってさらにこれらの性能の改善された触媒系の出現が望
まれている。
一方、新しいチーグラー型オレフィン重合触媒とし
て、ジルコニウム化合物およびアルミノオキサンからな
る触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重合体の製
造方法が最近提案されている。
たとえば特開昭58−19309号公報には、下記式 (シクロペンタジエニル)2MeRHal [ここで、Rはシクロペンタジエニル、C1〜C6のアルキ
ルまたはハロゲンであり、Meは遷移金属であり、Halは
ハロゲンである]で表わされる遷移金属含有化合物と、
下記式 Al2OR4(Al(R)-O)n [ここで、Rはメチルまたはエチルであり、nは4〜20
の数である]で表わされる線状アルミノオキサンまたは
下記式 [ここで、Rおよびnの定義は上記と同じである] で表わされる環状アルミノオキサンとからなる触媒の存
在下、エチレンおよびC3〜C12のα−オレフィンの1種
または2種以上を−50℃〜200℃の温度で重合させるエ
チレン・α−オレフィン共重合体の製造方法が記載され
ている。そして同公開公報には、得られるポリエチレン
の密度を調節するには、10重量%までの少量の幾分長鎖
のα−オレフィンまたは混合物の存在下にエチレンの重
合を行うべきことが教示されている。
特開昭59−95292号公報には、下記式、 [ここで、nは2〜40であり、RはC1〜C6]で表わされ
る線状アルミノオキサンおよ下記式 [ここで、nおよびRの定義は上記と同じである] で表わされる環状アルミノオキサンの製造法に関する発
明が記載されている。同公報には、同製造法により製造
された、たとえばメチルアルミノオキサンとチタンまた
はジルコニウムのビス(シクロペンタジエニル)化合物
とを混合して、オレフィンの重合を行うと、1gの遷移金
属当りかつ1時間当り、25百万g以上のポリエチレンが
得られると記載されている。
特開昭60−35005号公報には、下記式 [ここで、R1はC1〜C10アルキルであり、R0はR1である
かまたは結合して−O−を表わす]で表わされるアルミ
ノオキサン化合物をまずマグネシウム化合物と反応さ
せ、次いで反応生成物を塩素化し、さらにTi、V、Zrま
たはCrの化合物で処理して、オレフィン用重合触媒を製
造する方法が開示されている。そして同公報には、上記
触媒がエチレンとC3〜C12のα−オレフィンとの混合物
の共重合に特に好適であると記載されている。
特開昭60−35006号公報には、反応器ブレンドポリマ
ー製造用触媒系として、異なる2種以上の遷移金属のモ
ノ−、ジ−もしくはトリ−シクロペンタジエニルまたは
その誘導体(a)とアルミノオキサン(b)との組合せ
が開示されている。同公報の実施例1には、ビス(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル
とアルミノオキサンとからなる触媒を用いて、エチレン
とプロピレンとを重合せしめて、数平均分子量15,300、
重量平均分子量36,400およびプロピレン成分を3.4%含
むポリエチレンが得られたことが開示されている。ま
た、同実施例2では、ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロライドと、ビス(メチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドとア
ルミノオキサンとからなる触媒を用いて、エチレンとプ
ロピレンとを重合し、数平均分子量2,200、重量平均分
子量11,900および30モル%のプロピレン成分を含むトル
エン可溶部分と数平均分子量3,000、重量平均分子量7,4
00および4.8モル%のプロピレン成分を含むトルエン不
溶部分からなる数平均分子量2,000、重量平均分子量8,3
00および7.1モル%のプロピレン成分を含むポリエチレ
ンとエチレン・プロピレン共重合体のブレンド物を得て
いる。同様にして実施例3には分子量分布(w/n)
4.57およびプロピレン成分20.6モル%の可溶性部分と分
子量分布3.04およびプロピレン成分2.9モル%の不溶性
部分からなるLLDPEとエチレン−プロピレン共重合体の
ブレンド物が記載されている。
特開昭60−35007号公報には、エチレンを単独で、ま
たはエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとを、メ
タロセンと下記式 [ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、nは
1〜約20の整数である]で表わされる環状アルミノオキ
サンまたは下記式 R(R-Al-O)nAlR2 [ここで、Rは炭素数1〜5のアルキル基であり、nの
定義は上記に同じである]で表わされる線状アルミノオ
キサンとを含む触媒系の存在下に重合させる方法が記載
されている。このようにして得られる重合体は、同公報
の記載によれば、約500〜約140万の重量平均分子量を有
し、かつ1.5〜4.0の分子量分布を有する。
特開昭60−35008号公報には、少なくとも2種のメタ
ロセンとアルミノオキサンとを含む触媒系を用いること
により、巾広い分子量分布を有するポリエチレンまたは
エチレンとC3〜C10のα−オレフィンとの共重合体が製
造されることが記載されている。そして同公報には上記
共重合体が分子量分布(w/n)2〜50を有すること
が記載されている。
遷移金属化合物とアルミノオキサンと有機アルミニウ
ム化合物とからなる混合有機アルミニウム化合物から形
成される触媒を用いて、オレフィンを重合する方法が特
開昭60−260602号公報および特開昭60−130604号公報に
提案されており、有機アルミニウム化合物を添加するこ
とにより単位遷移金属当りの重合活性が向上することが
記載されている。
さらに、特開昭62−36390号公報には、有機アルミニ
ウム化合物と結晶水含有鉄化合物とを反応させることに
よってアルミノオキサンを得ることができる旨教示され
ており、また特開昭62−148491号公報には、有機アルミ
ニウム化合物と、マグネシウム化合物、ニッケル化合物
およびランタニド化合物からなる群より選ばれた結晶水
含有化合物とを反応させることによってアルミノオキサ
ンを得ることができる旨教示されており、さらに特開昭
63−56507号公報および特開昭63−56508号公報には、高
速高遮断力誘導型インペラあるいは超音波を利用して、
不活性炭化水素溶媒中で直接水と有機アルミニウム化合
物とを反応させることによってアルミノオキサンを得る
ことができる旨教示されている。
このようにα−オレフィン(共)重合体を製造するに
際して、触媒の一成分としてアルミノオキサン化合物を
用いると、優れた重合活性で、分子量分布および組成分
布が狭いα−オレフィン(共)重合体を製造することが
できる。
しかしながら、さらに優れたα−オレフィンに対する
重合活性を有し、しかも分子量分布および組成分布が狭
いオレフィン(共)重合体を得ることができるようなア
ルミノオキサン系の有機アルミニウム化合物の出現が強
く望まれている。
ところで上記のような公知のオレフィン重合に用いら
れてきたアルミノオキサン化合物は、それ自身は液状で
あっても、また固体状であっても、すべてベンゼンある
いはトルエンなどの炭化水素溶媒に可溶な状態で回収さ
れており、さらに、その分子量はベンゼンに溶解させて
凝固点降下法によって測定されていた。また、該アルミ
ノオキサンの構造決定もベンゼンに溶解させて凝固点の
測定を行なうことにより行なわれていた。
本発明者らは、上記のような点に鑑みてさらに鋭意研
究したところ、有機アルミニウム化合物と水から得られ
る、ベンゼンおよびトルエンに不溶性あるいは難溶性の
従来全く知られていなかった新規な有機アルミニウムオ
キシ化合物が、オレフィンの重合に優れた触媒活性を有
することを見出して本発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に鑑みて完成された
ものであり、優れた触媒活性を有し、しかも分子量分布
および組成分布が狭いオレフィン(共)重合体を与える
ことができるような新規なオレフィン重合用触媒成分の
製造方法を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物の製造方法は、有機アルミニウム化合物と水と
を接触させ、その際、反応系内に溶解している有機アル
ミニウム原子が全有機アルミニウム原子に対して10%以
下となるような量で有機アルミニウム化合物と水とを接
触させることを特徴としており、得られるベンゼン不溶
性の有機アルミニウムオキシ化合物は60℃のベンゼンに
溶解するAl成分がAl原子換算で10%以下であり、かつ で示されるアルキルオキシアルミニウム単位を有してい
る。
本発明で得られるベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物は、オレフィン重合用触媒の一成分として
用いると、オレフィンの重合に優れた重合活性を示し、
しかも分子量分布および組成分布が狭いオレフィン
(共)重合体を得ることができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物の製造方法について具体的に説明する。
本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、有機アルミニウム化合物と水とを接触させ
ることにより得られる。
本発明に係るこのようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物を製造する際に用いられる有機アル
ミニウム化合物としては、具体的には、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアル
ミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリn−ブ
チルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ
sec−ブチルアルミニウム、トリtere−ブチルアルミニ
ウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミ
ニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロ
オクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウ
ム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソ
ブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニ
ウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ
イソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキル
アルミニウムハイドライド、ジメチルアルミニウムメト
キシド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアル
キルアルミニウムアルコキシド、ジエチルアルミニウム
フェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリ−ロキ
シドなどが挙げられる。
これらのうち、特にトリアルキルアルミニウムが好ま
しい。
また、有機アルミニウム化合物として、一般式 (i-C4H9)xAly(C5H10)z (x、y、zは正の数であり、z≧2xである) で表わされるイソプレニルアルミニウムを、用いること
もできる。
上記のような有機アルミニウム化合物は、単独である
いは組合せて用いられる。
本発明では、上記のような有機アルミニウム化合物と
水とを接触させることによって、ベンゼン不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物を製造するが、有機アルミニ
ウム化合物と水とを接触させるに際して、水は、反応系
内に溶解している有機アルミニウム原子が全有機アルミ
ニウム原子に対して20%以下となるような量で用いられ
る。
有機アルミニウム化合物と接触させる水は、ベンゼ
ン、トルエン、ヘキサンなどの炭化水素溶媒、テトラヒ
ドロフランなどのエーテル溶媒、トリエチルアミンなど
のアミン溶媒などに溶解または分散させて、あるいは水
蒸気または氷の状態で用いることができる。また水とし
て、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミ
ニウム、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸鉄、塩化第1セリ
ウムなどの塩の結晶水あるいはシリカ、アルミナ、水酸
化アルミニウムなどの無機化合物あるいはポリマーなど
に吸着した吸着水などを用いることもできる。
有機アルミニウム化合物と水との接触反応は、通常、
炭化水素溶媒中で行なわれる。この際用いられる炭化水
素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメ
ン、シメンなどの芳香族炭化水素、ブタン、イソブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカ
ン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪族炭化水
素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタ
ン、シクロデカン、シクロドデカンなどの脂環族炭化水
素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分あるいは上記
芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハ
ロゲン化物、とりわけ塩素化物、臭素化物などの炭化水
素溶媒が挙げられる。その他、エチルエーテルテトラヒ
ドロフランなどのエーテル類を用いることもできる。こ
れらの媒体のうち、芳香族炭化水素が特に好ましい。
反応系内の有機アルミニウム化合物の濃度は、アルミ
ニウム原子に換算して通常1×10-3〜5グラム原子/l好
ましくは1×10-2〜3グラム原子/lの範囲であることが
望ましく、また反応系内の水の濃度は、通常1×10-3
20モル/l好ましくは1×10-2〜10モル/lの濃度であるこ
とが望ましい。この際、反応系内で溶解している有機ア
ルミニウム原子が、全有機アルミウニム原子に対して20
%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは0〜5%
であることが望ましい。
有機アルミニウム化合物と水とを接触させるには、具
体的には下記のようにすればよい。
(1)有機アルミニウムの炭化水素溶液と水を含有した
炭化水素溶媒とを接触させる方法 (2)有機アルミニウムの炭化水素溶液に、水蒸気を吸
込むなどして、有機アルミニウムと水蒸気とを接触させ
る方法。
(3)有機アルミニウムの炭化水素溶液と、吸着水含有
化合物または結晶水含有化合物の炭化水素懸濁液とを混
合して、有機アルミニウムと吸着水または結晶水とを接
触させる方法。
(4)有機アルミニウムの炭化水素溶液と氷を接触させ
る方法。
なお、上記のような有機アルミニウムの炭化水素溶液
は、有機アルミニウムと水との反応に悪影響を及ぼさな
いかぎり、他の成分を含んでいてもよい。
上記のような有機アルミニウム化合物と水との接触反
応は、通常−100〜150℃好ましくは−50〜100℃さらに
好ましくは−30〜80℃の温度で行なわれる。また反応時
間は、反応温度によっても大きく変わるが、通常1〜20
0時間好ましくは2〜100時間程度である。
上記のようにして得られる有機アルミニウムオキシ化
合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算
で10%以下好ましくは5%以下特に好ましくは2%以下
であり、ベンゼンに対して不溶性あるいは難溶性であ
る。
このような有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン
に対する溶解性は、100ミリグラム原子のAlに相当する
該有機アルミニウムオキシ化合物を100mlのベンゼンに
懸濁した後、撹拌下60℃で6時間混合した後、ジャケッ
ト付−5ガラス製フィルターを用い、60℃で熱時濾過を
行ない、フィルター上に分離された固体部を60℃のベン
ゼン50mlを用いて4回洗浄した後の全濾液中に存在する
Al原子の存在量(xミリモル)を測定することにより求
められる(x%)。
また上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物を赤外分光法(IR)によって解析すると、
1220cm-1付近における吸光度(D1220)と、1260cm-1
近における吸光度(D1260)との比(D1260/D1220
は、0.09以下好ましくは0.08以下特に好ましくは0.04〜
0.07の範囲にあることが望ましい。
本明細書において、有機アルミニウムオキシ化合物の
赤外分光分析は、以下のようにして行なう。
まず窒素ボックス中で、有機アルミニウムオキシ化合
物とヌジョールとを、めのう乳鉢中で磨砕しペースト状
にする。
次にペースト状となった試料を、KBr板に挟み、窒素
雰囲気下で日本分光社製IR−810によってIRスペクトル
を測定する。
このようにして得られる有機アルミニウムオキシ化合
物のIRスペクトルを第1図に示す。
このIRスペクトルから、D1220/D1220を求めるが、D
1260/D1220値は以下のようにして求める。
(イ)1280cm-1付近と1240cm-1付近の極大点を結び、こ
れをベースラインL1とする。
(ロ)1260cm-1付近の吸収極小点の透過率(T%)と、
この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引き、こ
の垂線とベースラインL1との交点の透過率(T0%)を読
み取り、1260cm-1付近の吸光度(D1260=log To/T)を
計算する。
(ハ)同様に1280cm-1付近と1180cm-1付近の極大点を結
び、これをベースラインL2とする。
(ニ)1220cm-1付近の吸収極小点の透過率(T′%)
と、この極小点から波数軸(横軸)に対して垂線を引
き、この垂線とベースラインL2との交点の透過率(T′
0%)を読み取り、1220cm-1付近の吸光度(D1220=log
T′0/T′)を計算する。
(ホ)これらの値からD1260/D1220を計算する。
なお従来公知のベンゼン可溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物のIRスペクトルを第2図に示す。この第2図
からもわかるように、ベンゼン可溶性の有機アルミニウ
ムオキシ化合物は、D1260/D1220値が、ほぼ0.10〜0.13
の間にあり、本発明で得られるベンゼン不溶性の有機ア
ルミニウムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶性
の有機アルミニウムオキシ化合物とD1260/D1220値で明
らかに相違している。
上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、 [式中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基である]で示さ
れるアルキルオキシアルミニウム単位を有すると推定さ
れる。
上記のアルキルオキシアルミニウム単位において、R1
は、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロ
ヘキシル基、シクロオクチル基などが例示できる。これ
らの中でメチル基、エチル基が好ましく、とくにメチル
基が好ましい。
上記のベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合
物は、式 で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位の他に式 で表わされるオキシアルミニウム単位 [ここで、R1は上記に同じであり、R2は、炭素数1〜12
の炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6
〜20のアリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素で
あり、R1およびR2は互いに異なる基を表わす]を含有し
ていてもよい。その場合には、アルキルオキシアルミニ
ウム単位 を30モル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好まし
くは70モル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニ
ウム単位を有する有機アルミニウムオキシ化合物が好ま
しい。
本発明で得られるベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物は、オレフィン重合用触媒の触媒成分とし
て用いられる。
このような、ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物は、たとえば、シクロアルカジエニル骨格を有
する配位子を含む遷移金属化合物好ましくはさらに有機
アルミニウム化合物と組み合せてオレフィン重合用触媒
として用いることができる。
本発明で得られるベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物とともにオレフィン重合用触媒として用い
られるシクロアルカジエニル骨格を有する配位子を含む
遷移金属化合物は、式 MLx (式中、Mは遷移金属であり、Lは遷移金属に配位する
配位子であり、少なくとも1個のLはシクロアルカジエ
ニル骨格を有する配位子であり、シクロアルカジエニル
骨格を有する配位子を少なくとも2個以上含む場合に
は、少なくとも2個のシクロアルカジエニル骨格を有す
る配位子は低級アルキレン基を介して結合されていても
よく、シクロアルカジエニル骨格を有する配位子以外の
Lは炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリー
ロキシ基、ハロゲンまたは水素であり、xは遷移金属の
原子価である。)で示される。
上記式において、Mは遷移金属であるが、具体的に
は、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムあるいはク
ロム、バナジウムであることが好ましく、このうち特に
ジルコニウムおよびハフニウムが好ましい。
シクロアルカジエニル骨格を有する配位子としては、
たとえばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタ
ジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、t−ブチ
ルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエ
ニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基などのア
ルキル置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、フ
ルオレニル基などを例示することができる。
上記のようなシクロアルカジエニル骨格を有する配位
子は、2個以上遷移金属に配位されていてもよく、この
場合には少なくとも2個のシクロアルカジエニル骨格を
有する配位子は、低級アルキレン基を介して結合されて
いてもよい。
シクロアルカジエニル骨格を有する配位子以外の配位
子は、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリ
ーロキシ基、ハロゲンまたは水素である。
炭素数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基などを例示
することができ、具体的には、アルキル基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基などが例示され、 シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基などが例示され、 アリール基としては、フェニル基、トリル基などが例
示され、 アラルキル基としては、ベンジル基、ネオフィル基な
どが例示される。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブ
トキシ基などが例示され、 アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが例示さ
れる。
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など
が例示される。
以下、Mがジルコニウムであるシクロアルカジエニル
骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物について、具
体的な化合物を例示する。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロ
リドモノハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノブロ
ミドモノハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムハ
イドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムハ
イドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウム
ハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウム
ハイドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ネオペンチルジルコニ
ウムハイドライド、 ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムモ
ノクロリドハイドライド、 ビス(インデニル)ジルコニウムモノクロリドモノハ
イドライド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジプロミ
ド、 ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモ
ノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムモ
ノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコ
ニウムモノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウム
モノクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウム
モノクロリド、 ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムク
ロリド、 ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、 ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニ
ル、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジベンジ
ル、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシ
クロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシ
クロリド、 ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエ
トキシクロリド、 ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェノキ
シクロリド、 ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)ジエチルジルコニウム、 エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウ
ム、 エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノ
クロリド、 エチレンビス(インデニル)エチルジルコニウムモノ
クロリド、 エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノ
ブロミド、 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド、 エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミ
ド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ジメチルジルコニウム、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)メチルジルコニウムモノクロリド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、 エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデ
ニル)ジルコニウムジブロミド、 エチレンビス(4−メチル−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 エチレンビス(5−メチル−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 エチレンビス(6−メチル−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 エチレンビス(7−メチル−1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、 エチレンビス(5−メトキシ−1−インデニル)ジル
コニウムジクロリド、 エチレンビス(2,3−ジメチル−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、 エチレンビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、 エチレンビス(4,7−ジメトキシ−1−インデニル)
ジルコニウムジクロリド。
また上記のようなジルコニウム化合物において、ジル
コニウム金属を、チタン金属、ハフニウム金属、クロム
金属またはバナジウム金属に置換えた遷移金属化合物を
用いることもできる。
また、本発明で得られるベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物は他の有機アルミニウム化合物とと
もにオレフィン重合用触媒成分として用いることもでき
る。この際用いられる有機アルミニウム化合物は、たと
えばR6 nAlX3-n(式中、R6は炭素数1〜12の炭化水素基
であり、Xはハロゲンまた水素であり、nは1〜3であ
る)で示される。
上記式において、R6は炭素数1〜12の炭化水素基たと
えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基で
あるが、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的
には以下のような化合物が用いられる。
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2−エチルヘ
キシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム。
イソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニ
ウム。
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウ
ムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジ
イソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウ
ムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド。
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアウミニ
ウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキル
アルミニウムセスキハライド。
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウム
ジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エ
チルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウ
ムジハライド。
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルア
ルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハ
イドライド。
またその他の有機アルミニウム化合物として、 R6 nAlY3-n (式中R6は上記と同様であり、Yは−OR7基、−OSiR8 3
基、−OAlR9 2基、−NR10 2基、−SiR11 3基または であり、nは1〜2であり、R7、R8、R9およびR13はメ
チル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シ
クロヘキシル基、フェニル基などであり、R10は水素、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、ト
リメチルシリル基などであり、R11およびR12はメチル
基、エチル基などである。)で示される化合物を用いる
こともできる。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的
には、以下のような化合物が用いられる。
(i)R6 nAl(OR7)3-n ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニ
ウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド
など、 (ii)R6 nAl(OSiR8 3)3-n Et2AlOSiMe3 (iso-Bu)2AlOSiMe3 (iso-Bu)2AlOSiEt3など、 (iii)R6 nAl(OAlR9 2)3-n Et2AlOAlEt2 (iso-Bu)2AlOAl(iso-Bu)2など、 (iv)R6 nAl(NR10 2)3-n Me2AlNEt2 Et2AlNHMe Me2AlNHEt Et2AlN(Me2Si)2 (iso-Bu)2AlN(Me3Si)2など、 (v)R6 nAl(SiR11 3)3-n (iso-Bu)2AlSiMe3など、 上記のような有機アルミニウム化合物のうち、R6 3A
l、R6 nAl(OR7)3-n、R6 nAl(OAlR9 2)3-nが好ましく、特に
R6がイソアルキル基であり、n=2のものが好ましく、
これらの有機アルミニウム化合物は、2種以上混合して
用いることもできる。
本発明で得られるベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物は、好ましくは上記のようなシクロアルカ
ジエニル骨格を有する配位子を含む遷移金属化合物より
好ましくはさらに有機アルミニウム化合物とともにオレ
フィン重合用触媒として用いる。有機アルミニウム化合
物を組み合せた際、オレフィンの重合に優れた重合活性
を示すので好適である。
このようなオレフィン重合用触媒により重合すること
ができるオレフィンとしては、エチレン、および炭素数
が3〜20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1
−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデ
セン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイ
コセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネ
ン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデ
セン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレンなどを挙げることができ
る。
さらにスチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエンなど
を用いることもできる。
本発明では、重合は溶解重合、懸濁重合などの液相重
合法あるいは気相重合法いずれにおいても実施できる。
このようなオレフィン重合用触媒を用いたオレフィン
の重合温度は、通常、−50〜200℃、好ましくは0〜150
℃の範囲である。重合圧力は、通常、常圧〜100kg/c
m2、好ましくは常圧〜50kg/cm2の条件下であり、重合反
応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法におい
ても行なうことができる。さらに重合を反応条件の異な
る2段以上に分けて行なうことも可能である。得られる
オレフィン重合体の分子量は、重合系に水素を存在させ
るか、あるいは重合温度を変化させることによって調節
することができる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフ
ィンの重合を行なうに際して、ベンゼンに不溶性の有機
アルミニウムオキシ化合物は、通常10-6〜0.1グラム原
子−Al/l好ましくは10-5〜10-2グラム原子−Al/lの量
で、またシクロアルカジエニル骨格を有する遷移金属化
合物は、通常10-8〜10-3モル/l好ましくは10-7〜10-4
ル/lの量で、さらに有機アルミニウム化合物は、通常0
〜0.1モル/l好ましくは10-4〜10-2モル/lの量で用いら
れることが望ましい。また、有機アルミニウム化合物に
対するベンゼン不溶性の有機アルミニウム化合物(Al原
子に換算)の比は、0.01〜5好ましくは0.02〜2の範囲
で用いられることが望ましい。
なお、上記のような[A]有機アルミニウムオキシ化
合物は、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、塩化マ
グネシウムなどの固体状無機化合物、あるいはポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの固体状有機
化合物に担持させて用いることもできる。
上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物と、シクロアルカジエニル骨格を有する遷移金
属化合物と、有機アルミニウム化合物とから形成される
オレフィン重合用触媒は、優れた重合活性を有してい
る。すなわち本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物を含むオレフィン重合用触媒は、従
来公知のベンゼン可溶性の有機アルミニウムオキシ化合
物(アルミノオキサン)とメタロセン系化合物とから形
成されるオレフィン重合用触媒と比較して、単位有機ア
ルミニウムオキシ化合物重量当り、約1.2〜10倍のオレ
フィン重合体を得ることができる。
また本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物を含むオレフィン重合用触媒を用いてオレ
フィンを共重合させると、分子量分布が狭く、かつ組成
分布が狭いオレフィン共重合体を得ることができる。
なお、本発明では、オレフィン重合用触媒は、上記の
ような各成分以外にも、オレフィン重合に有用な他の成
分を含むことができる。
発明の効果 本発明に係るベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキ
シ化合物はオレフィン重合用触媒の一成分として用いる
と、オレフィンの重合に優れた重合活性を示し、しかも
分子量分布および組成分布が狭いオレフィン共重合体を
得ることができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 充分に窒素置換した400mlのガラス製フラスコに、ト
ルエン100mlおよび32メッシュのフルイで分球し、フル
イ上に残ったMgCl2・6H2O 18.6gを装入し懸濁状にし
た。系内を−5℃に冷却後、トリメチルアルミニウムの
トルエン溶液(2.5モル−Al/l)100mlを徐々に滴下し
た。引き続き0〜−5℃で1時間撹拌し、次いで30分か
けて室温まで昇温し、室温で1時間撹拌を続けた。さら
に1時間かけて70℃まで昇温し、その温度で96時間撹拌
した。その後、窒素雰囲気下で80メッシュのフルイで塩
化マグネシウム化合物を除き、さらに濾過により固液分
離を行ない、ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ
化合物を得た。なお、濾液中に溶存するアルミニウム濃
度を測定したところ、検出限界の5mg−Al/l以下であっ
た。
上記のようにして得られたベンゼン不溶性の有機アル
ミニウムオキシ化合物を撹拌機付200mlの反応器にAl原
子換算で100ミリグラム原子加え、さらに100mlのベンゼ
ンを加えて、60℃で6時間撹拌混合した。この懸濁液を
ジャケット付G5ガラス製フィルターを用い、ジャケット
に注いだシリコンオイルを60℃に保ちつつ、熱時濾過を
行ない、さらに60℃のベンゼン50mlを使い、4回洗浄し
た。濾液を回収し、濾液中のAl量を測定したところ0.3
ミリモル相当のAlが検出された。すなわち、上記有機ア
ルミニウムオキシ化合物の60℃のベンゼンに溶解するAl
成分の量は、Al原子換算で0.3%と考えられた。その
他、上記固体状有機アルミニウムオキシ化合物のIR測定
を行なったところ、IRスペクトルにおいて600〜800cm-1
にAl−O−Al原子団における吸収が見られ、また1220cm
-1での吸光度(D1220)と、1260cm-1での吸光度
(D1260)との比(D1260/D1220)は、0.060であった。
また水による分解によってメタンの発生が見られた。
上記で調製したベンゼン不溶性有機アルミニウムオキ
シ化合物の重合活性試験を次の通り行なった。
充分に窒素置換した2lのステンレス製オートクレープ
に4−メチル−1−ペンテン900mlを装入後、50℃まで
昇温し、実施例1で得られた固体成分すなわちベンゼン
不溶性有機アルミニウムオキシ化合物のトルエン懸濁液
(有機アルミニウムオキシ化合物のAl原子として0.44モ
ル−Al/l)0.22mlと、(i-Bu)2−Al−O−Al(i-Bu)2のト
ルエン溶液(1モル−Al/l)1mlとを添加した。さらに7
5℃まで昇温した後、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(0.001モ
ル−Zr−l)1mlをエチレンとともに圧入し、重合を開
始した。エチレンを連続的に供給しながら全圧8kg/cm2
−G、80℃で40分間重合を行なったところ、MFRが0.38g
/10分であり、密度が0.889g/cm2であり、w/nが2.3
であるエチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体4
3.1gが得られた。
実施例2 充分に窒素置換した400mlのガラス製フラスコに、ト
リメチルアルミニウムのトルエン溶液(2.5モル−Al/
l)100mlを装入し、系内を0℃とした。その後、Al2(SO
4)3・14H2Oのトルエン懸濁液(5モル−H2O/l)50mlを
徐々に滴下した。引き続き0〜−5℃で30分間撹拌し、
次いで30分かけて室温まで昇温し、室温で1時間撹拌を
続けた。さらに30分かけて40℃まで昇温し、40℃で24時
間撹拌を続けた。再び0℃に冷却し、Al2(SO4)3・14H2O
のトルエン懸濁液(同上)25mlを徐々に滴下した。0〜
−5℃で30分間撹拌、1時間かけて40℃まで昇温し、そ
の温度で24時間撹拌を続けた。さらにもう一度0℃に冷
却した後、Al2(SO4)3・14H2Oのトルエン懸濁液(同上)
25mlを徐々に滴下後1時間かけて40℃に昇温し、その温
度で72時間撹拌した。その後、濾過により固液分離を行
ない、ベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物
を得た。なお、濾液中に溶存するアルミニウム濃度を測
定したところ、検出限界の5mg−Al/l以下であった。
このようにして得られた固体成分すなわちベンゼン不
溶性の有機アルミニウムオキシ化合物の60℃のベンゼン
に対する溶解性を実施例1と同様にして測定したところ
0.3%であった。
また、重合活性試験を実施例1と同様に行なったとこ
ろ、MFRが0.32g/10分であり、密度が0.887g/cm3であ
り、w/nが2.3であるエチレン・4−メチル−1−
ペンテン共重合体45.6gが得られた。
実施例3 実施例2と同一反応器にAl2(SO4)3・14H2Oのトルエン
懸濁液(5モル−H2O/l)100mlを装入し、系内を0℃に
冷却した。その後、トリメチルアルミニウムのトルエン
溶液(2.5モル−Al/l)100mlを徐々に滴下した。引き続
き0〜−5℃で1時間撹拌し、次いで30分かけて室温ま
で昇温し、室温で1.5時間撹拌を続けた。さらに1時間
かけて40℃まで昇温し、その温度で72時間撹拌した。そ
の後、濾過により固液分離を行ないベンゼン不溶性の有
機アルミニウムオキシ化合物を得た。なお濾液中に溶存
するアルミニウム濃度を測定したところ、検出限界の5m
g−Al/l以下であった。
このようにして得られた固体成分すなわちベンゼン不
溶性の有機アルミニウムオキシ化合物の60℃のベンゼン
に対する溶解性を実施例1と同様にして測定したところ
0.4%であった。
また、重合活性試験を実施例1と同様に行なったとこ
ろ、MFRが0.24g/10分であり、密度が0.890g/cm3であ
り、w/nが2.4であるエチレン・4−メチル−1−
ペンテン共重合体41.6gが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機ア
ルミニウムオキシ化合物のIRスペクトルであり、第2図
は従来公知のベンゼン可溶性の有機アルミニウム化合物
のIRスペクトルである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機アルミニウム化合物と水とを接触さ
    せ、その際、反応系内に溶解している有機アルミニウム
    原子が、全有機アルミニウム原子に対して10%以下とな
    るような量で、有機アルミニウム化合物と水とを接触さ
    せることを特徴とする、60℃のベンゼンに溶解するAl成
    分がAl原子換算で10%以下であり、かつ で示されるアルキルオキシアルミニウム単位を有するベ
    ンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物の製造方
    法。
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