JP2741367B2 - 椅子のパッド部 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、椅子の座部、背
部、肘掛部等のパッド部に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】折畳椅子や各種の簡便な椅子の座部、背
部、肘掛部等のパッド部は、芯材の上にフォ−ム材を載
せ、その上から表皮材でカバ−し、該表皮材の端縁を芯
材の裏面にまわし込んでタッカ−等で止着したものが多
いが、製造が面倒で、クッション性も不充分であり、ク
ッション部分の交換も簡単にできなかった。

【０００３】芯材として周縁に上向のＵ字形の保持溝を
形成した基板を設け、この基板の上にクッション材を載
せ、該クッション材の周縁部を上記保持溝に圧入して固
定するようにした椅子の座席も知られているが、基板の
上にクッション材が載っているだけなので、全体として
クッション性が乏しく、クッション材を厚くすると体裁
も良くなく、満足すべきものは少ない。

【０００４】

【発明の解決課題】本発明は、そのような実情に鑑み、
製造が簡単でクッション性も充分にあり、外観上もボリ
ュ−ム感のある椅子のパッド部を提供することを目的と
する。

【０００５】

【課題解決の手段】本発明によれば、底壁の周囲に起立
壁を立上げて凹陥部を形成し、この凹陥部内にクッショ
ン本体を設け、該クッション本体の上面を表装体で覆
い、この表装体の周縁部を、上記起立壁の外周に形成し
た差込溝内に挿入し、該差込溝の外方に枠縁を形成し、
該枠縁をフレ−ムに取付けるようにした椅子のパッド部
が提供され、上記目的が達成される。

【０００６】

【実施例】以下実施例と共に説明する。図１に一実施例
を示すように、本発明のパッド部（１）は、椅子本体
（２）を構成するパイプ材料等で作られた脚フレ−ム
（３）に支持される座部（４）、背部（５）や肘掛部
（図示略）等適宜の部位に適用することができる。

【０００７】図２は、座部（４）に本発明を適用したパ
ッド部（１）を示し、該パッド部（１）は、主として基
板（６）、クッション本体（７）、表装体（８）で構成
されている。上記基板（６）は、ポリプロピレンその他
の合成樹脂材料をインジェクション成形やスタンパブル
シ−ト成形その他の適宜の成形方法で成形することによ
り作られ、底壁（９）の周囲に起立壁(10)を立上げて凹
陥部(11)を形成し、該起立壁(10)の上端を弧状面(12)を
介して外側下方に向かって折り返し上記凹陥部側の壁面
(13)と該折り返し側の壁面(14)間に間隙(15)をあけて略
倒Ｕ字状に形成されている。上記起立壁(10)には、その
外周に差込溝(16)を形成するよう上記下方に折り返した
下端を上方に向かって立ち上げて形成した側壁(17)が連
なり、該側壁(17)の上端には、上記脚フレ−ム（３）に
取付けるための枠縁(18)が形成されている。

【０００８】図において、上記起立壁(10)は、壁面(1
3)，(14)間に間隙(15)を形成してあるが、そのような間
隙が殆ど生じないように折り返してもよく、また図３に
示すように１つの板状に形成してもよい。また、上記弧
状面(12)の形状は、大きな曲率が好ましく、図３のよう
に１つの板状に形成するときは、起立壁の上端に内方に
わん曲する上端部（図示略）を形成することもできる。
上記枠縁(18)の形状は、上記脚フレ−ム（３）の形状に
応じた適宜の形状に成形すればよい。

【０００９】上記クッション本体（７）は、上記凹陥部
(11)の形状にあわせてスラブ状のウレタンフォ−ムやポ
リエチレンフォ−ム等のフォ−ム材料をカットして形成
され、上記凹陥部(11)内に詰め込むようにしてあるが、
該凹陥部内で発泡成形するようにしてもよい。

【００１０】上記表装体（８）は、図に示す実施例で
は、張生地(19)の裏面にフォ−ム材(20)を重ね合わせ熱
プレス等により加熱加圧して上記差込溝(16)に嵌着する
形状に賦形してある。上記張生地としては、ポリプロピ
レン生地、ポリエステル生地、アクリル生地、ポリエチ
レンレザ−等のオレフィン系レザ−その他が使用でき、
上記フォ−ム材としてはウレタンフォ−ム、ポリエチレ
ンフォ−ム等のオレフィン系フォ−ムその他の適宜の材
料を用いることができる。なお、上記張生地とフォ−ム
材は、加熱加圧する前に適宜の接着剤を用いて接着して
おくか、若しくは張生地とフォ−ム材の間にホットメル
ト系の接着剤を介在させておき、型に入れて加熱加圧し
た際に溶融させて接着するようにしてある。また、上記
フォ−ム材を上記形状に賦形してから張生地を接着する
ようにしてもよいし、その他適宜の方法で表装体を形成
することができる。

【００１１】上記表装体（８）は、上記クッション本体
（７）を上記基板（６）の凹陥部(11)内に充填してから
該クッション本体上に載置し、周縁部(21)を上記差込溝
(16)に差込む。この際上記起立壁(10)の外面や上記差込
溝(16)、上記周縁部(21)等の適宜個所に接着剤を設けて
上記表装体を基板（６）に接着してあるが、上記周縁部
(21)を差込溝(16)に圧入するようにすれば、接着しなく
てもよい。

【００１２】上述したようにして形成した座部を構成す
るパッド部（１）は、座枠を構成する左右の脚フレ−ム
（３）間に両端を固定した適宜幅の帯状の支承片(22)の
上に上記基板（６）の底壁（９）が載置し、かつ上記枠
縁(18)が上記脚フレ−ム（３）に嵌着するように取付け
られ、図示を省いた止ねじ、リベット、接着剤その他の
適宜の止着手段で上記支承片(22)に固定される。背部や
肘掛部等のパッド部も上述とほぼ同様に構成することが
できる。

【００１３】

【発明の効果】本発明は上記のように構成され、基板の
底壁の周囲に起立壁を設けて凹陥部を形成し、該凹陥部
内にクッション本体を設けるようにしたので、該クッシ
ョン本体を厚く設けることができると共に該クッション
本体にカットしたスラブ状のウレタンフォ−ム等を詰め
込むだけでよいから、クッション部分を簡単に組み立て
できる。その上、上記起立壁の外周に差込溝を設けて表
装体の周縁部を該差込溝に差込むようにしたので、該周
縁部と差込溝の差込長さを長くとることができ、したが
って使用中に表装体が脱落しにくく、また上記差込溝の
外方に枠縁を形成して該枠縁をフレ−ムに取付けるよう
にしたから、上記基板の底壁から枠縁にわたる部分の強
度が増大し、丈夫であり、かつパッド部全体の外観にボ
リュ−ム感がでて、体裁を良くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるパッド部を使用した椅子の一実施
例を示す斜視図。

【図２】パッド部の一部の拡大断面図。

【図３】パッド部の他の実施例を示す拡大断面図。

【符号の説明】

１ パッド部 ３ 脚フレ−ム ６ 基板 ７ クッション本体 ８ 表装体 ９ 底壁 １０ 起立壁 １１ 凹陥部 １２ 弧状面 １６ 差込溝 １８ 枠縁 ２１ 周縁部

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底壁の周囲に起立壁を設けて凹陥部を形
   成し該凹陥部内にクッション本体を設け、上記起立壁の
   外周に差込溝を形成し該差込溝に上記クッション本体の
   上面を覆う表装体の周縁部を差込み、該差込溝の外方に
   フレ−ムに取付けるための枠縁を形成したことを特徴と
   する椅子のパッド部。
2. 【請求項２】 上記表装体は、張生地の裏面にフォ−ム
   材を有し、上記差込溝に嵌着する形状に賦形されている
   請求項１に記載の椅子のパッド部。
3. 【請求項３】 上記起立壁は、凹陥部側の壁面と差込溝
   側の壁面を形成するよう該壁面間に間隙をあけた略倒Ｕ
   字状に形成されている請求項１又は２に記載の椅子のパ
   ッド部。