JP2741354B2 - 湿潤有機物汚泥の乾燥方法及び装置 - Google Patents

湿潤有機物汚泥の乾燥方法及び装置

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JP2741354B2
JP2741354B2 JP7096149A JP9614995A JP2741354B2 JP 2741354 B2 JP2741354 B2 JP 2741354B2 JP 7096149 A JP7096149 A JP 7096149A JP 9614995 A JP9614995 A JP 9614995A JP 2741354 B2 JP2741354 B2 JP 2741354B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、し尿処理汚泥、食品工
場廃液処理汚泥等の湿潤有機物汚泥を、微生物による発
酵熱及び温風を用いて乾燥させる方法及びこの方法を実
施する乾燥装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下水処理場汚泥の脱水ケーキ等の湿潤有
機物汚泥は、通常75〜85wt%の水分を含んでおり、
そのままでは堆肥化の反応を進めることが困難であるの
で、従来から、製品堆肥(乾燥物)を混入して原料汚泥
の水分含量を低下させる手段が取られている。例えば、
実開昭61−44300号公報には、有機性汚泥の脱水
ケーキと乾燥コンポストを混合する混合装置と、この混
合装置で得られた混合物をコンポスト化するコンポスト
化装置と、このコンポスト化装置で得られたコンポスト
の一部を充填して通気乾燥し前記乾燥コンポストを得る
通気低温乾燥装置とを備え、この通気低温乾燥装置にブ
ロワーの吐出口を連結せしめた汚泥の処理装置が記載さ
れている。
【0003】また、特開昭59−125317号公報に
は、間接加熱式乾燥機と、この乾燥機から乾燥汚泥が送
り込まれる焼却炉と、この焼却炉の燃焼排ガスが流通す
る熱交換器との組み合わせからなり、前記乾燥機の乾燥
室から発生する水蒸気を前記熱交換器に送り込んで前記
燃焼排ガスにより水蒸気を加熱し、その後、乾燥機の加
熱室に供給して汚泥を乾燥するようにした汚泥の乾燥焼
却装置が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】実開昭61−4430
0号公報記載の汚泥の処理装置では、堆肥化反応を順調
に実施できるが、水分の除去効果は通常の堆肥化反応と
変りなく、水分含量40wt%以下にまで低下させるため
には、10日以上の長い反応時間が必要である。また、
特開昭59−125317号公報記載の汚泥の乾燥焼却
装置におけるような乾燥機と焼却炉とを組み合わせて省
エネルギー化を図る試みは、実際に各種の形態で実用化
されているが、中小処理場の場合、焼却設備を併設して
いるケースはきわめて少なく、このシステムの条件が整
っていないのが現状である。このように、従来の方式で
は、次のような問題点があった。 (1) 焼却炉等を併設しない場合、汚泥の乾燥には熱
エネルギーの全量が投入されていた。 (2) 汚泥乾燥による排熱は全量放熱されていた。 (3) 汚泥の乾燥を堆肥化反応のみで実施した場合、
水分含量40wt%以下にまで低下させるためには長期間
を要した。 (4) 汚泥の乾燥を堆肥化反応のみで実施した場合、
装置が大型化した。
【0005】本発明は上記の諸点に鑑み、上記の問題点
を解決するためになされたもので、本発明の目的は、湿
潤有機物汚泥に乾燥汚泥を混合した後、生物反応を前段
で行って水分を50〜60wt%に低下させ、ついで、加
熱して乾燥汚泥を製造するようにすることにより、省エ
ネルギーを図るとともに、汚泥の貯留期間中、すなわ
ち、2日程度(約48時間)以内の短時間で汚泥を乾燥
することができる方法及び装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、乾燥のためにエネルギーを
投入するが、その投入量を最小にし、短時間で処理する
ため、生物反応による発酵熱を最大限利用するようにし
た汚泥の乾燥方法及び装置を提供することにある。さら
に、本発明の目的は、汚泥の貯留期間中に発酵と乾燥と
を同一装置内で行ない、発酵熱により汚泥を乾燥すると
ともに、汚泥乾燥の排熱を発酵工程における汚泥の加熱
に利用することにより、経済的な運転が可能な汚泥の乾
燥方法及びコンパクトな汚泥の乾燥装置を提供すること
にある。
【0006】図4は、汚泥乾燥に要する全エネルギー中
の発酵エネルギーの割合と、ランニングコスト及び乾燥
時間との関係を示すグラフである。図4から、発酵エネ
ルギーの割合が増加するとランニングコストが下がり、
乾燥時間が長くなることがわかる。乾燥時間を48時間
以下とするためには、発酵エネルギーの割合は約0.5
8以下としなければならないが、発酵エネルギーの割合
を小さくするとランニングコストが大きくなるので、発
酵エネルギーの割合を約0.5〜約0.2の範囲にしな
ければならない。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、本発明の湿潤有機物汚泥の乾燥方法は、
湿潤有機物汚泥と乾燥汚泥とを微生物反応部で通気しな
がら混合して、耐熱好気微生物を主体とした酸化分解菌
群により酸化分解し、酸化分解時の発酵熱により水分を
蒸発させ、ついで、水分を蒸発させた汚泥を加熱部に移
行させ、温風を吹き込みながら加熱・乾燥させるように
構成されている。
【0008】本発明の方法の一例は、図1に示すよう
に、湿潤有機物汚泥と乾燥汚泥とを混合した後、この混
合物を微生物反応槽10等の微生物反応部に導入し、耐
熱好気微生物を主体とした酸化分解菌群を作用させ通気
することにより、微生物による酸化分解を行うととも
に、酸化分解時の発酵熱により水分を蒸発させ、つい
で、水分を蒸発させた汚泥を加熱槽12等の加熱部に導
入するとともに温風を導入して加熱・乾燥し、乾燥汚泥
の一部を湿潤有機物汚泥に混合することを特徴としてい
る。
【0009】上記の方法において、微生物反応槽10出
口の汚泥の水分を50〜60wt%とし、加熱槽12出口
の乾燥汚泥の水分を45wt%以下とし、微生物反応時の
発酵熱による水分除去と加熱による乾燥とを合わせた工
程を48時間以内に完了させることが好ましい。微生物
反応槽10出口の汚泥の水分が60wt%を超える場合
は、加熱槽内部で汚泥が粘着性を有し、付着が甚だしく
乾燥操作ができなくなる傾向があり、一方、50wt%未
満とする場合は、微生物反応時間を長くとる必要があ
り、全工程を48時間以内にすることは不可能となる傾
向がある。また、加熱槽12出口の乾燥汚泥の水分が4
5wt%を超える場合は、加熱槽内での着火や、排出後の
飛散の危険性が増す傾向がある。中小の処理場では、汚
泥の場外への排出は、通常2日に1回程度実施している
ところが多く、乾燥工程は、2日程度の短時間以下、す
なわち48時間以内に完了させることが望まれる。
【0010】微生物反応槽10内では撹拌して汚泥を粒
状化して加熱槽12に導入することが好ましい。また、
微生物反応槽10からの有臭排ガス中の臭気成分を温風
発生機14に導入し熱分解して脱臭ガスとすることが好
ましい。また、加熱槽12からの排ガスで水又は空気を
加温し、温水又は温風にて微生物反応槽10を加熱する
ことが好ましい。さらに、微生物反応槽10入口の混合
汚泥のpHを7.0〜9.5の範囲に調整することが好ま
しい。さらに、投入される湿潤有機物汚泥1重量部を、
加熱部から排出される乾燥汚泥の少なくとも0.5重量
部と混合することが好ましい。乾燥汚泥が0.5重量部
未満の場合は、微生物反応部で汚泥が粘着性を有し、付
着が甚だしく、また、通気不良を起こすため、発酵操作
を良好に進めることができなくなる傾向がある。
【0011】上記の目的を達成するために、本発明の湿
潤有機物汚泥の乾燥法は、図5に示すように、湿潤有
機物汚泥を微生物反応部10aに投入して、微生物反応
部10a内上部の乾燥汚泥の一部と撹拌・混合し、微生
物反応部10aの下部から通気して撹拌・混合された汚
泥を、耐熱好気微生物を主体とした酸化分解菌群により
酸化分解し、酸化分解時の発酵熱により汚泥中の水分を
蒸発させて水分含量を低下させ、発酵した汚泥を微生物
反応部10a内の下部から微生物反応部10a内の中空
軸内に設けられたスクリューコンベア30により撹拌し
つつ温風発生機14から温風を吹き込んで加熱部12a
である中空軸内で上方へ移動させながら加熱・乾燥さ
て、さらに水分含量を低下させた乾燥汚泥とすること
を特徴としている。上記の本発明の方法において、微生
物反応部10a出口の汚泥の水分を50〜60wt%と
し、加熱部12a出口の乾燥汚泥の水分を45wt%以
下とし、微生物反応時の発酵熱による水分除去と加熱に
よる乾燥とを合わせた工程を48時間以内に完了させる
ことが好ましい。 微生物反応部10a出口の汚泥の水分
が60wt%を超える場合は、加熱部内部で汚泥が粘着
性を有し、付着が甚だしく乾燥操作ができなくなる傾向
があり、一方、50wt%未満とする場合は、微生物反
応時間を長くとる必要があり、全工程を48時間以内に
することは不可能となる傾向がある。 また、加熱部12
a出口の乾燥汚泥の水分が45wt%を超える場合は、
加熱部内での着火や、排出後の飛散の危険性が増す傾向
がある。 中小の処理場では、汚泥の場外への排出は、通
常2日に1回程度実施しているところが多く、乾燥工程
は、2日程度の短時間以下、すなわち48時間以内に完
了させることが望まれる。 また、上記の本発明の方法に
おいて、微生物反応部10aからの有臭排ガス中の臭気
成分を温風発生機14に導入し熱分解して脱臭ガスとす
ることが好ましい。また、微生物反応部10a入口の混
合汚泥のpHを7.0〜9.5の範囲に調整することが
好ましい。 また、上記の本発明の方法において、微生物
反応部10aの撹拌翼の回転、加熱部12aのスクリュ
ーコンベア30の回転、湿潤有機物汚泥の投入、及び乾
燥汚泥の排出を同時に行なうことが好ましい。さらに、
上記の本発明の方法において、投入される湿潤有機物汚
泥1重量部を、加熱部から排出される乾燥汚泥の少なく
とも0.5重量部と混合することが好ましい。乾燥汚泥
が0.5重量部未満の場合は、微生物反応部で汚泥が粘
着性を有し、付着が甚だしく、また、通気不良を起こす
ため、発酵操作を良好に進めることができなくなる傾向
がある。
【0012】本発明の湿潤有機物汚泥の乾燥装置は、内
部で汚泥と空気とを接触させて微生物による酸化分解を
行なわせるとともに、発酵熱により水分を蒸発させるた
めの微生物反応部と、この微生物反応部からの汚泥を温
風で加熱して乾燥させるための加熱部と、この加熱部で
乾燥した乾燥汚泥の一部と湿潤有機物汚泥とを混合する
汚泥混合手段と、加熱部へ導入する温風を発生させるた
めの温風発生機と、からなることを特徴としている。
【0013】本発明の装置の一例は、図1に示すよう
に、内部で汚泥と空気とを接触させて微生物による酸化
分解を行わせるとともに、発酵熱により水分を蒸発させ
るための微生物反応槽10等の微生物反応部と、この微
生物反応部からの汚泥を導入し、温風で加熱して汚泥を
乾燥させるための加熱槽12等の加熱部と、この加熱部
で乾燥した乾燥汚泥の一部と湿潤有機物汚泥(例えば脱
水ケーキ)とを混合する汚泥混合手段13と、加熱部へ
導入する温風を発生させるとともに、微生物反応部から
の有臭ガス中の臭気成分を熱分解して脱臭ガスとするた
めの温風発生機14と、加熱部からの排ガスで微生物反
応部を加熱するための温水又は温風を発生させる熱交換
器16と、からなることを特徴としている。
【0014】図1に示す装置においては、温調水又は空
気を熱交換器16で加温して微生物反応槽10のジャケ
ット18に導入して加温するように構成されているが、
図2に示すように、空気を熱交換器16で加温し、この
空気を微生物反応槽10のジャケット18及び微生物反
応槽10内のいずれか、又は両方に導入するように構成
することも可能である。また、上記の装置において、微
生物反応槽10の上流側にpH調整槽20を設け、CO2
ガス、CO2 リッチガス等のpH調整剤を導入してpHを
7.0〜9.5の範囲に調整することが好ましい。pHが
この範囲未満の場合は、微生物群の働きは活発化する
が、pH調整用の炭酸ガスや薬剤の量が増大する傾向があ
り、一方、この範囲を超える場合は、微生物群の働きが
不活発化し、酸化反応が不十分となる傾向がある。ま
た、図3に示すように、微生物反応槽10が、汚泥を粒
状化した状態で排出するように、内部に撹拌機22を備
えるように構成することが好ましい。24は空気吹込管
である。また、加熱槽12の出口から排出される乾燥汚
泥の一部を、原料湿潤有機物汚泥中に返送する乾燥汚泥
返送手段26を備えるように構成することが好ましい。
【0015】以下、図1に基づいて、本発明の好ましい
実施態様を説明する。なお、各部のマテリアルバランス
の一例を併せて表示している。Qは流量、Sは固体分、
Wは水分を示している。単位は重量部である。脱水ケー
キ(一例として水分80wt%)と乾燥汚泥(一例として
水分40wt%)とを混合した後、この混合物(一例とし
て水分66wt%)をpH調整槽20でpH7.0〜9.5の
範囲に調整して微生物反応槽10に導入し、耐熱好気微
生物を主体とした酸化分解菌群を作用させ通気すること
により、微生物による酸化分解を行うとともに、酸化分
解時の発酵熱により水分を蒸発させる。ついで、水分を
蒸発させた汚泥(一例として水分55wt%)を加熱槽1
2に導入するとともに、60〜300℃の範囲の温風を
導入して加熱・乾燥し、乾燥汚泥の一部を前述のように
脱水ケーキに混合する。乾燥汚泥の残部は焼却用原料及
び肥料原料として用いられる。
【0016】微生物反応槽10は、例えば図3に示され
るように、内部に撹拌機22を備えており、汚泥を粒状
化した状態で排出するように構成されている。このよう
に構成することにより、微生物反応に必要な酸素との接
触や水分蒸発のための効率向上が期待でき、かつ、加熱
槽内での流動性が向上し、良質な乾燥汚泥を得ることが
できるという利点がある。
【0017】温風発生機14では、燃料油、ガスなどの
燃料を燃焼させるか、又は電力により空気を加温し、温
風を加熱槽12に導入する。微生物反応槽10からの有
臭ガスは温風発生機14に導入され、ガス中の臭気成分
が熱分解されて脱臭ガスとして放出される。また、加熱
槽12からの60〜300℃の範囲の排ガスを熱交換器
16に導入し、温調水を60〜90℃の範囲に加温した
後、微生物反応槽10のジャケット18に導入して微生
物反応槽10を40〜60℃の範囲に加熱する。
【0018】図2は、温調水の代わりに熱交換器16で
空気を加温した後、加温空気を微生物反応槽10のジャ
ケット18に導入するか、又は/及び微生物反応槽10
内に直接吹き込むように構成する場合を示している。本
発明の方法及び装置において、乾燥させる汚泥として
は、有機物を含む汚泥であれば適用できるが、中でも、
下水処理場汚泥、廃水処理場汚泥、し尿処理場汚泥、食
品工場廃棄物、食品工場廃液処理汚泥等を用いることが
効果的である。
【0019】上記の目的を達成するために、本発明の湿
潤有機物汚泥の乾燥置は、図5に示すように、内部に
撹拌機32を備え、汚泥と空気とを接触させ撹拌・混合
して微生物による酸化分解を行なわせるとともに、発酵
熱により水分を蒸発させるための微生物反応部10a
と、この微生物反応部10aの中心部に上部から下部に
かけて設けられた中空軸及びこの中空軸内に設けられた
スクリューコンベア30からなり、微生物反応部10a
内の下部から発酵した汚泥を中空軸内の下部に導入し温
風と接触させ撹拌して加熱・乾燥させる加熱部12a
と、この加熱部12aで乾燥し中空軸の上端からオーバ
ーフローする乾燥汚泥の一部と湿潤有機物汚泥とを微生
物反応部内上部で混合する汚泥混合部34と、加熱部1
2aへ導入する温風を発生させる温風発生機14と、か
らなることを特徴としている。図5において、52は乾
燥汚泥の大部分を排出するための乾燥汚泥排出機で、一
例として、水平方向に設置されたスクリューコンベア6
0から構成されている。すなわち、中空軸の上端にスク
リューコンベア60を連通するように固定配置し、中空
軸内を上方向に移動し中空軸の上端からオーバーフロー
する乾燥汚泥をスクリューコンベア60内に巻き込み、
左方向に移動させて一部を装置本体56内に落下させ、
残部を乾燥汚泥として装置本体56外に抜き出し、装置
本体56内に落下した乾燥汚泥と原料汚泥(脱ケー
キ)とを微生物反応部(発酵部)10a内の上部の撹拌
翼で汚泥混合部34内において撹拌混合するように構成
されている。なお、後述のように、中空軸を回転軸とす
ることがあるので、この場合は、中空軸とスクリューコ
ンベア60とは別体として接続し、スクリューコンベア
60が回転しないようにしなければならない。また、上
記の本発明の装置において、微生物反応部10aの上流
側にpH調整槽を設け、CO ガス、CO リッチガス
等のpH調整剤を導入してpHを7.0〜9.5の範囲
に調整することが好ましい。pHがこの範囲未満の場合
は、微生物群の働きは活発化するが、pH調整用の炭酸
ガスや薬剤の量が増大する傾向があり、一方、この範囲
を超える場合は、微生物群の働きが不活発化し、酸化反
応が不十分となる傾向がある。
【0020】図6は、図5に示す装置における要部の一
例を示している。図5に示す装置では、たとえば、図6
に示すように、中空軸を中空回転軸36とし、この中空
回転軸36の外周に撹拌翼38を取り付けて微生物反応
部の撹拌機32を構成した場合を示している。40は原
料汚泥ホッパー、42は加熱部のスクリューを回転させ
るための撹拌モーター、44は生物脱臭部、46は脱水
ケーキ(原料汚泥)受槽、48は汚泥ポンプ、50は空
気ブロワ、52は乾燥汚泥の大部分を排出するための乾
燥汚泥排出機、54は乾燥汚泥受槽、56は装置本体で
ある。また、熱交換器は設けていない。図5に示す装置
において、他の構成及び作用は図1の場合と同様であ
る。図6において、70は中空軸及び撹拌翼を回転させ
るためのモーター、72はこのモーターの回転を伝える
ためのギア、74は中空軸上端からオーバーフローする
乾燥汚泥を受けるための乾燥汚泥受けで、この乾燥汚泥
受け74内の適量を装置本体56内に戻し、残部を装置
本体56外に抜き出せるように構成されている。中空軸
を回転軸とする場合は、中空軸と乾燥汚泥受け74とは
別体として接続し、乾燥汚泥受け74が回転しないよう
にしなければならない。図5に示す装置では、中空軸及
び発酵部の撹拌翼の回転を行なうモーターと、加熱部の
スクリューの回転を行なうモーターとを兼用する場合を
示しているが、図6に示す装置では、別々のモーターを
使用する場合を示している。また、図6では、生物脱臭
部44等を省略し、乾燥汚泥排出機52の構成を図5と
は変更して描いている。図5〜図7に示す例では、中空
回転軸36の軸周囲に撹拌翼38を取り付ける場合を説
明したが、中空軸を回転軸とせず、微生物反応部10a
内に、独立した撹拌機を設置するように構成することも
できる。また、装置本体56内の中心部を微生物反応部
とし、装置本体56内の周縁部を加熱部とするように構
成することもできる。
【0021】以下、図5〜7に基づいて、本発明の好ま
しい実施態様を説明する。なお、各部のマテリアルバラ
ンスの一例を図7に表示している。Qは流量、Sは固体
分、Wは水分を示している。単位は重量部である。脱水
ケーキ(一例として水分80wt%)と乾燥汚泥(一例と
して水分40wt%)とを、微生物反応部10a内上部の
汚泥混合部34で混合した後、この混合物(一例として
水分60wt%)を撹拌機32で撹拌しながら通気して、
耐熱好気微生物を主体とした酸化分解菌群を作用させ
て、微生物による酸化分解を行なうとともに、酸化分解
時の発酵熱により水分を蒸発させる。ついで、水分を蒸
発させた汚泥(一例として水分52wt%)を、微生物反
応部10aの下端から反転させて加熱部12aの中空回
転軸36内にスクリューコンベア30により導入すると
ともに、温風発生機14又は熱交換器16からの60〜
300℃の範囲の温風を導入して加熱・乾燥し、乾燥汚
泥(一例として水分40wt%)とする。乾燥汚泥は加熱
部12aの中空回転軸36の上端からオーバーフロー
し、乾燥汚泥の一部は脱水ケーキと混合され、乾燥汚泥
の大部分は乾燥汚泥排出機52により抜き出され、焼却
用原料、肥料原料等に用いられる。図5に示す方法にお
いては、脱水ケーキ(原料の湿潤有機物汚泥)を少なく
とも1日(1日以上)の間隔で装置本体56上部に回分
投入するとともに、乾燥汚泥を装置本体56上部から排
出する。また、微生物反応部10a(発酵部)と加熱部
12aに吹き込む空気流量を、各部10a、12aに必
要な空気量に調整し、加熱部に吹き込む空気を乾燥に必
要な温度に加温する。排ガスは装置本体56上部に設け
た生物脱臭部44にて脱臭される。
【0022】図6は、図5における微生物反応部及び加
熱部の構成例及び試験装置を示している。図6に示され
るように、微生物反応部(発酵部)10aと加熱部12
aとは、1つの装置本体56内に一体に構成されている
ので、微生物反応部10a内における有機物の分解によ
る発酵熱を汚泥の乾燥に有効利用することができ、か
つ、汚泥の乾燥工程での排熱を発酵工程での汚泥の乾燥
に有効利用することができ、さらに、装置をきわめてコ
ンパクトな形状にすることができる。他の構成及び作用
は、図1及び図2の場合と同様である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することが可能なもので
ある。 実施例1 原料汚泥として、含水率80wt%、pH11.0の下水処
理場汚泥脱水ケーキ(石灰汚泥)を用いた。この脱水ケ
ーキ10kgと乾燥汚泥10kgとを混合し、含水率を60
wt%に調整した後、CO2 ガスを吹き込んでpH9.0に
調整した。ついで、混合汚泥20kgを微生物反応槽に充
填した。反応槽の下部から空気を2l /min で通気し汚
泥と直接接触させた。反応槽外周は放熱を防ぐため、保
温剤で全体を被覆した。また、実験期間中は撹拌を実施
しなかった。45時間反応させた後、汚泥を取り出し
た。この汚泥の含水率は55wt%であった。つぎに、上
記の汚泥(含水率55wt%)500g を充填式通気乾燥
型の加熱槽に充填し、150℃の加熱空気を7l /min
で通気し汚泥と直接接触させた。3時間乾燥させた後、
乾燥汚泥を取り出した。この乾燥汚泥の含水率は40wt
%であった。
【0024】実施例2 原料汚泥として、含水率80wt%、pH11.0の下水処
理場汚泥脱水ケーキ(石灰汚泥)を用いた。この脱水ケ
ーキ10kgと乾燥汚泥(含水率40wt%)10kgとを混
合し、含水率を60wt%に調整した後、CO2 ガスを吹
き込んでpH9.0に調整した。ついで、混合汚泥20kg
を微生物反応槽に充填した。反応槽の下部から空気を2
l /min で通気し汚泥と直接接触させた。また、微生物
反応槽は恒温槽内にセットし、加熱部からの排熱を考慮
するため、恒温槽の温度を50℃に設定した。また、実
験期間中は撹拌を実施しなかった。45時間反応させた
後、汚泥を取り出した。この汚泥の含水率は50wt%で
あった。つぎに、上記の汚泥(含水率50wt%)500
g を充填式通気乾燥型の加熱槽に充填し、150℃の加
熱空気を7l /min で通気し汚泥と直接接触させた。2
時間乾燥させた後、乾燥汚泥を取り出した。この乾燥汚
泥の含水率は40wt%であった。
【0025】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 乾燥エネルギーの一部に、微生物の発酵熱を利
用し、汚泥乾燥の排熱を発酵工程における汚泥の加熱に
利用するため、水分蒸発の投入エネルギーが減少し、乾
燥コストが低減する。 (2) 汚泥を脱水ケーキのままで微生物反応工程に受
け入れるので、微生物濃度が高く、発酵の立ち上がりが
早い。 (3) 微生物反応工程で悪臭発生成分の大部分が分解
するので、加熱工程での悪臭発生が押えられる。 (4) 加熱の受入汚泥の含水率が低いので、高い乾
燥効率が得られる (5) 微生物反応部内の中心部に、上部から下部にか
けて設けられた中空軸及びこの中空軸内に設けられたス
クリューコンベアからなる加熱部を有する構成であり、
発酵と乾燥とを同一装置内で行なうように構成されてい
るので、発酵熱により汚泥を乾燥するとともに、汚泥乾
燥の排熱を発酵工程における汚泥の加熱に有効に利用す
ることができ、したがって、より経済的な運転可能に
なり、かつ、装置のコンパクト化を図ることができる。 (6) 加熱部の中空軸を中空回転軸とし、この中空回
転軸の軸外周に撹拌翼を取り付けて微生物反応部(発酵
部)の撹拌機を構成する場合は、装置をよりコンパクト
にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿潤有機物汚泥の乾燥装置の一実施例
を示す系統図である。
【図2】本発明の装置の他の実施例を示す系統図であ
る。
【図3】図1における微生物反応槽の一例を示す縦断面
図である。
【図4】汚泥乾燥に要する全エネルギー中の発酵エネル
ギーの割合と、ランニングコスト及び乾燥時間との関係
を示すグラフである。
【図5】本発明の装置のさらに他の実施例を示す概略構
成図である。
【図6】図5における微生物反応部及び加熱部のまわり
の他の一例を示す縦断面図である。
【図7】図5に示す装置のマテリアルバランス等を示す
系統図である。
【符号の説明】
10 微生物反応槽 10a 微生物反応部 12 加熱槽 12a 加熱部 13 汚泥混合手段 14 温風発生機 16 熱交換器 18 ジャケット 20 pH調整槽 22 撹拌機 24 空気吹込管 26 乾燥汚泥返送手段 30 スクリューコンベア 32 撹拌機 34 汚泥混合部 36 中空回転軸 38 撹拌翼 40 原料汚泥ホッパー 42 撹拌モーター 44 生物脱臭部 46 脱水ケーキ受槽 48 汚泥ポンプ 50 空気ブロワ 52 乾燥汚泥排出機 54 乾燥汚泥受槽 56 装置本体 60 スクリューコンベア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−95999(JP,A) 特開 昭57−209696(JP,A) 実開 平5−3887(JP,U) 特公 昭58−38396(JP,B1) 実公 昭63−13838(JP,Y1)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿潤有機物汚泥を微生物反応部に投入し
    て、微生物反応部内上部の乾燥汚泥の一部と撹拌・混合
    し、微生物反応部の下部から通気して撹拌・混合された
    汚泥を、耐熱好気微生物を主体とした酸化分解菌群によ
    り酸化分解し、酸化分解時の発酵熱により汚泥中の水分
    を蒸発させて水分含量を低下させ、発酵した汚泥を微生
    物反応部内の下部から微生物反応部内の中空軸内に設け
    られたスクリューコンベアにより撹拌しつつ温風発生機
    から温風を吹き込んで加熱部である中空軸内で上方
    移動させながら加熱・乾燥させて、さらに水分含量を低
    下させた乾燥汚泥とすることを特徴とする湿潤有機物汚
    泥の乾燥方法。
  2. 【請求項2】 微生物反応部出口の汚泥の水分を50〜
    60wt%とし、加熱部出口の乾燥汚泥の水分を45w
    t%以下とし、微生物反応時の発酵熱による水分除去と
    加熱による乾燥とを合わせた工程を48時間以内に完了
    させる請求項記載の湿潤有機物汚泥の乾燥方法
  3. 【請求項3】 微生物反応部からの有臭排ガス中の臭気
    成分を温風発生機に導入し熱分解する請求項1又は2
    載の湿潤有機物汚泥の乾燥方法
  4. 【請求項4】 微生物反応部入口の混合汚泥のpHを
    7.0〜9.5の範囲に調整する請求項1、2又は3
    載の湿潤有機物汚泥の乾燥方法。
  5. 【請求項5】 微生物反応部の撹拌翼の回転、加熱部の
    スクリューコンベアの回転、湿潤有機物汚泥の投入、及
    び乾燥汚泥の排出を同時に行なう請求項記載の湿潤有
    機物汚泥の乾燥方法。
  6. 【請求項6】 投入される湿潤有機物汚泥1重量部を、
    加熱部から排出される乾燥汚泥の少なくとも0.5重量
    部と混合する請求項1〜5のいずれかに記載の湿潤有機
    物汚泥の乾燥方法
  7. 【請求項7】 内部に撹拌機を備え、汚泥と空気とを接
    触させ撹拌・混合して微生物による酸化分解を行なわせ
    るとともに、発酵熱により水分を蒸発させるための微生
    物反応部と、 この微生物反応部の中心部に上部から下部にかけて設け
    られた中空軸及びこの中空軸内に設けられたスクリュー
    コンベアからなり、微生物反応部内の下部から発酵した
    汚泥を中空軸内の下部に導入し温風と接触させ撹拌して
    加熱・乾燥させる加熱部と、 この加熱部で乾燥し中空軸の上端からオーバーフローす
    る乾燥汚泥の一部と湿潤有機物汚泥とを微生物反応部内
    上部で混合する汚泥混合部と、 加熱部へ導入する温風を発生させる温風発生機と、 からなることを特徴とする湿潤有機物汚泥の乾燥装置。
  8. 【請求項8】 中空軸を中空回転軸とし、この中空回転
    軸の外周に撹拌翼を取り付けて微生物反応部の撹拌機を
    構成した請求項記載の湿潤有機物汚泥の乾燥装置。
  9. 【請求項9】 微生物反応部の上流側にpH調整槽を設
    けた請求項7又は8記載の湿潤有機物汚泥の乾燥装置。
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