JP2741328B2 - 竹平板の製造装置および方法 - Google Patents

竹平板の製造装置および方法

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JP2741328B2
JP2741328B2 JP5136452A JP13645293A JP2741328B2 JP 2741328 B2 JP2741328 B2 JP 2741328B2 JP 5136452 A JP5136452 A JP 5136452A JP 13645293 A JP13645293 A JP 13645293A JP 2741328 B2 JP2741328 B2 JP 2741328B2
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誠二 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は竹平板の製造装置および
方法に関する。特に、原料竹を半割りにすることなく、
1ヵ所の長手方向溝から左右に展開して幅広の平板を製
造する装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】世界的に森林資源の枯渇が叫ばれると共
に、環境保護のために森林伐採が制限されようとしてい
る。それに伴なって木材価格が急騰している。理想的に
は、伐採量に見合っただけ植林すればよいのであるが、
新たに植林したものは資源として活用できるまでに30
年〜50年の長年月を要する。木材に代わりうる資源と
しては、金属、プラスチック、竹などが考えられる。し
かし、金属は高価であり、また、感触が悪く、錆が発生
しやすいので、例えば床材や壁材として使用するのは適
当でない。プラスチックについても、原料の石油に枯渇
のおそれがあり、廃棄したときや焼却したときには環境
汚染の元凶となる。それに比べ、竹には前記するような
問題はない。特に生育が早いので、資源枯渇のおそれは
少ない。しかし、円筒型のままでは例えば床材や壁材と
して使いづらい。この問題を解決するため次のような発
明が行なわれて来た。 (1)特公昭36−794号 円筒状の竹材を平面状に展開する方法であって、切り込
みを入れた竹材を加熱油槽中で煮沸しながら展開用器具
を使用して両方に引っ張り展開する。 (2)特開昭59−48103号 円筒状の竹材を平面状に展開する方法であって、縦方向
の割れを防止するため、予め竹材内周面の長さ方向に多
数の切り込みを入れると共に、展開して形成される切り
込みの楔状空間に接着剤を充填する。 (3)特開昭62−90202号 円筒状の竹材を平面状に展開する方法であって、縦方向
の割れを防止するため、予め竹材内周面の長さ方向に多
数の切り込みを入れ、加熱浴中で竹材に柔軟性を与えな
がら外方へ押し広げて展開する。 (4)特開平1−294003号 半月状に切断された竹を加熱状態でプレスして平面状に
するに当り、竹の両側を幅を狭くする方向に加圧する状
態で平面状に加圧することで竹の割れを防ぐ。 (5)特開平4−67902号 半割り又はそれ以上に分割した竹材を長さ方向に連続的
に送り込みながら、節取り加工と内外皮の削り加工を行
ない、次に加熱しながら展開する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術には次の
ような問題がある。 (1)特公昭36−794号 バッチ方式であり、作業性が悪いので、実用向きではな
い。また、高温油の中で竹材を押し広げるので、油が染
み込む。そのため、平板加工後に油を除去する必要があ
るが、その方法が明らかにされていない。たとえ高温油
でなく、高温水を使用しても、作業員に火傷事故が発生
しやすい。さらに、節を除去する具体的な方法が開示さ
れていない。また、竹材の一方を固定し他方を延展する
ので、展開する過程で竹材が割れやすい。 (2)特開昭59−48103号 バッチ方式であり、作業性が悪いので、実用向きではな
。さらに、わざわざ切れ目を入れることにより割れを
発生させるわけであるから、たとえ接着剤で充填すると
しても、実用向きではない。また、接着剤を大量に使用
するという欠点がある。 (3)特開昭62−90202号 バッチ方式であり、作業性が悪いので、実用向きではな
い。また、加熱浴が油槽の場合、油の中で竹材を押し広
げるので、油が染み込む。そのため、平板加工後に油を
除去する必要があるが、その方法が明らかにされていな
い。たとえ高温油でなく、高温水を使用しても、作業員
に火傷事故が発生しやすい。さらに、節を除去する具体
的な方法が開示されていない。また、わざわざ切れ目を
入れることにより割れを発生させるわけであるから、実
用向きではない。 (4)特開平1−294003号 バッチ方式であり、作業性が悪いので、実用向きではな
い。また、半月状に切断された竹を展開するので、幅広
の平板が得られず、損失部分が多い。 (5)特開平4−67902号 連続方式で作業性はよいが、半割り又はそれ以上に分割
した竹材を展開するので、幅広の平板が得られず、損失
部分が多い。また、内外節を回転ローラーで削り取って
いたが、竹材の寸法がまちまちであって、竹の寸法とロ
ーラー径が合わず、節が削れる部分と残る部分があっ
た。節が残れば、プレスして平板にするときに割れが入
りやすく、歩どまりが悪くなる。それを避けようとすれ
ば、竹の寸法に合わせて削り回転ローラーをいちいち変
更しなければならないので、大変な労力を要した。
【0004】そこで、本発明では、上記従来技術の欠点
を除き、安全で、実用向きに改良を加えた竹材から平板
を製造する方法を提供することを目的とする。本発明で
は、さらに各製造工程において使用する装置も提供す
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の竹材から平板を
製造する方法は、次の加工工程を有することを特徴とす
る。順番は必ずしも(a)−()の順でなくてもよ
い。 (a)自然竹から使用できない部分を廃棄してほぼ均一
の材料竹を得る。 (b)原料竹の内径測定センサーと、この内径測定セン
サーの情報に基づいて径の調節可能な竹の内部節切削刃
と、原料竹の外径測定センサーと、この外径測定センサ
ーの情報に基づいて径の調節可能な竹の外部節切削刃と
を使用して、竹材を半割りすることなく、内外の節を除
去する。)原料竹に長手方向に伸びる単一の溝を形成する。 ()原料竹を温水浴中で加熱してエキス分を除去す
る。 ()原料竹を加熱して柔軟性を与える。 ()原料竹を移動させつつ、竹の移動過程中2〜10
箇所において、竹の内外にペアとなって位置するプレス
ローラーにより竹の単一溝を長手方向先端より連続して
左右に押し広げて徐々に展開して最終的に平板とする。 ()得られた平板竹を乾燥する。 ()得られた平板竹の表面を加工する。
【0006】本発明の竹材から平板を製造する装置は次
の(a)−()を有することを特徴とする。 (a)原料竹の内径測定センサーと、この内径測定セン
サーの情報に基づいて径の調節可能な竹の内部節切削刃
と、原料竹の外径測定センサーと、この外径測定センサ
ーの情報に基づいて径の調節可能な竹の外部節切削刃と
からなる、内外の節を除去する手段。)原料竹に長手方向に伸びる単一の溝を形成する手
段。 ()温水浴中で原料竹のエキス分を除去するために加
熱する手段。 ()原料竹に柔軟性を与えるために加熱する手段。 ()原料竹を移動させつつ、竹の移動過程中2〜10
箇所において、竹の内外にペアとなって位置するプレス
ローラーにより竹の単一溝を長手方向先端より連続して
左右に押し広げて徐々に展開して最終的に平板とする手
段。
【0007】本発明の原料竹の節取り装置は、原料竹の
内径測定センサーと、この内径測定センサーの情報に基
づいて径の調節可能な竹の内部節切削刃と、原料竹の外
径測定センサーと、この外径測定センサーの情報に基づ
いて径の調節可能な竹の外部節切削刃を有することを特
徴とする。
【0008】本発明の竹の単一溝を長手方向先端より連
続して徐々に展開して最終的に平板とする装置は、竹を
移動させる手段と、竹の移動過程において複数箇所に設
けられ、かつ、竹の内外に対となって位置するプレスロ
ーラーとからなる装置において、前記複数対のプレスロ
ーラーの各対が原料竹の断面円弧のうち、プレスローラ
ー対のほぼ設定数分の1の弧長を平坦化することを特徴
とする。
【0009】
【作用】本発明によれば、原料竹を半割りにすることな
く、1ヵ所の長手方向溝から左右に原料竹を展開して、
幅広平板を連続的に製造することができる。また、本発
明の節取り装置によれば、原料竹を半割りにしなくて
も、円筒状の竹材から直接的に節を除去することが出来
る。さらに、本発明の竹材展開装置によれば、高温の竹
材を徐々に展開していくので、竹材に人為的な割れ目を
入れなくても容易に平板に展開できる。
【0010】
【実施例】以下、添付の図面に基づき本発明の実施例を
説明する。本発明の方法は、図1のフローチャートに示
すような各種製造工程を有する。以下、それぞれの工程
毎に説明する。
【0011】<原料竹投入工程> 原料竹は、幅広の板材を得るために孟宗竹など大径のも
のが好ましく、通常2年〜5年ものを使用する。竹の固
体差をなくし、外径を揃えるため、図2(a)に示すよ
うに、竹の子が高さが約2m位になるまで、1本の竹に
つきリング2を2〜5個外側からあてがうのが好まし
い。または、図2(b)に示すように、1個の細長いリ
ング2でもよい。これをすることにより、後工程におい
て平板にしたとき、竹目の繊維が均一となり、横幅寸法
もあまり狂わないので、加工ロスが少なくなるという効
果もある。リングは、図3の横断面図に示すように、プ
ラスチック、薄亜鉛鉄板、鉄板等からなる適当な長さの
円筒2a,2bを筒の長さ方向に2分割し、一方の開口
縁を蝶番4で開閉自在に接続し、他方の自由縁を固定金
具6で締め付け可能とする。固定金具は、支点を中心に
して回動するレバーをハンドル2cで係脱する形式のも
のが好ましいが、その他の形式のものでもよい。リング
の直径は竹の種類や原産地の土壌、竹の生育時期にもよ
るが、通常10〜15cm位に設定すればよい。本発明
において使用する竹材は、地面のすぐ近くや先端の枝葉
が付いて細くなっている部分を除き、中間部のほぼ同じ
直径の部分である。即ち、地上約1m〜8m又は9m位
の部分である。この部分を、例えば、約2m毎に4本、
又は、約3m毎に3本、又は、約4m毎に2本、又は、
8mのもの1本というように切断して、均一材料とす
る。
【0012】<節取り工程> 周知のように、竹には約15〜50cm置きに節があ
る。節は、竹内部では少し凹んだ円板状であり、外部で
はリング状に隆起している。従来は、竹を半割りにして
竹を伏せた状態で移動させつつ、内部節は回転ヤスリ刃
などで削り取り、外部節は半円形の回転ヤスリ刃ロータ
ーなどで削り取っていた。
【0013】本発明では、竹を半割りにすることなく、
円筒状のまま、内外部の節を一度に除去する。まず、原
料竹はチャック装置(図示せず)によりしっかりと固定
する。図4(a)(b)は節取り工程に使用する装置の
概略図である。この装置は、竹の外部に沿って進行し、
節の位置を検知するとともにリング状の突起節を切削す
る外部装置8と、竹の内部において外部装置8と連係し
ながら進行する内部装置10とからなる。
【0014】外部装置8全体は、固定された竹材と平行
に配置されたボールねじなどの移動ガイド12に沿って
移動する移動部材14に接続されている。移動部材14
の進行方向側にはL字型のアーム16が突き出ており、
その先端に節位置検知センサー18が取り付けられてい
る。このセンサー18は、節の位置にくると節の隆起に
より持ち上げられるのでその上昇運動により節の位置を
感知するタッチスイッチである。
【0015】感知した節位置情報信号は、同じく移動部
材に接続された節切削装置20に伝達される。節切削装
置20は、移動部材の延長部に固定されたモータ22
と、このモータ22に対向する固定位置でモータにより
回転されるギア24と、このギア24と噛合して円筒状
の竹の周囲を回転する回転ギア26と、この回転ギアの
竹側に接続された外径測定センサー28および外部節切
削刃、さらにこの二者の制御装置30からなる。
【0016】切削刃32は竹の外径に合わせて大中小3
種類くらいの径のものを用意しておく必要があるが、そ
れ以上の微調節は外部径測定センサー28の信号により
駆動するサブモータ駆動のピストンにより、上下移動さ
せることにより達成される。
【0017】内部節切削装置10は、内径測定センサー
34と、回転進行軸36と、その先端に固定された切削
ドリル38とからなる。
【0018】内径測定センサー34は、回転進行軸36
の外側に位置する円筒部40と、この円筒部40先端付
近から竹の内部表面に向け突出したスプリング軸42
と、このスプリング軸42の端部に設けられ、竹の内部
表面に沿って回転する接触ローラ44からなるタッチス
イッチである。竹の内径の大きさに合わせて、スプリン
グ軸42は伸縮するので、その伸縮量が検知され、それ
によって竹の内径を知ることが出来る。
【0019】回転進行軸36は先端部に、孔開け用ドリ
ル46と、2段階になった切削回転刃48,50を有す
る。孔開け用ドリル46はきりの先端のような形状をし
ていて、内部節に孔を開ける。続いて、1段目の切削回
転複数刃48が孔を大きくし、2段目の切削複数刃50
が内部節を完全に除去する。2段目の切削回転刃50の
外径は竹の内部表面と接触する必要があるので、切削回
転刃支持アーム52は前記内径測定センサー34の情報
に基づいてサブモータにより駆動する調節ピストンによ
り伸縮可能とする。
【0020】この内部節切削装置10によれば、完全に
節取りができ、竹の内径が一定でない部分にも適用でき
るので、後の竹展開作業において竹の割れが発生しにく
くなる。
【0021】最終節の除去が終わった後、内径節切削装
置と外径節切削装置の移動を停止させ、移動部材に沿っ
て元の位置に復帰させ、次の原料竹の切削にとりかかる
ようにする。切削装置の復帰時には、事前に前記調節ピ
ストンを収縮させて、回転刃の直径を小さくしておくこ
とが必要である。
【0022】なお、内部節除去作業時に発生する竹の切
り粉は、回転進行軸36とその外側に位置する円筒部4
0の間の中空部へ続く孔54へ落ち、ここから、バキュ
ーム方式で集塵機(図示せず)内に吸引回収することが
できる。
【0023】上記実施例では、原料竹を回転させずに進
行させて内外切削刃48,50を回転させたが、原料竹
の方を一定位置で回転させる一方、内外切削刃を移動さ
せて切削することもできる。そのための概略的な構成を
図5に示す。図4と同一機能の部品には「A」を付した
同じ符号を使用して説明を省略する。この実施例の機構
では、外径測定センサー28A及び外部節切削装置20
Aが直接移動部材14Aに取り付けられて、簡素化され
ている。
【0024】また、内径、外径測定センサーは上記実施
例のようなタッチスイッチだけでなくマイクロスイッチ
・リミットスイッチなどの接触型センサーや近接スイッ
チ・光電スイッチなどの非接触型センサーを使用するこ
とも出来る。
【0025】<単一溝加工工程> 単一溝を加工するには回転鋸刃を固定位置で回転させ、
竹の方を移動させて1条の筋状縦溝を設ける(図示せ
ず)。しかし、逆に、竹を固定して鋸刃の方を移動させ
てもよい。この工程は節取り工程の前に行なってもよ
い。溝の幅は約5〜15mm程度である。
【0026】<油抜き工程> この明細書で「油」とは、竹のエキス、油分などの総称
である。従来、油抜きのためには、温水タンク内に蒸気
を注入して、半割りにした竹を煮沸していた。
【0027】本発明でも温水タンク内に蒸気を注入して
一定の温水温度(約100℃〜150℃)を保ちつつ、
竹を連続投入して一定時間(約30〜100分)煮沸す
る点は共通である。しかし、本発明では、その時、浸透
液タンクより浸透液を定量ポンプで定量(約10〜20
cc/分)注入すると共に防カビ剤を投入して、付属の
撹拌機で均一に撹拌する点が異なる。このようにするこ
とによって、平板加工後に防カビ、防虫、防腐処理をす
る手間と時間を節約することができる。浸透液は、界面
活性剤が好ましく、陰イオン性界面活性剤としては、ハ
ード型またはソフト型のドデシルベンゼンスルフォン酸
ナトリウムを使用することが出来、非イオン性界面活性
剤としてはポリオキシエチレン高級アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどを使用す
ることが出来る。回収した油は排水処理装置により処理
した後、放流される。
【0028】<加熱工程> 加熱工程では竹の芯まで均一に加熱する必要があるの
で、加熱手段は高周波発生装置または電磁波発生装置を
使用することが出来る。または、前記油抜き工程の温水
タンクに付属蒸気室を設け、ここで高温蒸気を竹材に直
接均一に吹きかけることも出来る。この後者の方法では
高周波発生装置または電磁波発生装置を設ける必要がな
いので、前者の方法に比べ装置が簡素化される。加熱温
度は100℃〜150℃の範囲で適宜調整することがで
きる。
【0029】<展開工程> 展開工程は、前記した節取り工程と共に、本発明にとっ
て非常に特徴的な部分である。概略すれば、単一溝56
を有するがまだ円筒状である竹を送りガイドロール(図
示せず)により移動させると共に、竹の内外に設定した
複数のプレスローラーで圧力をかけつつ、長手方向先端
より連続して単一溝を左右を徐々に広げて最終的に平板
とするのである。この際、重要なことは、円筒状のもの
をいきなり平板にするのではなく、単一溝に近い部分ま
たは遠い部分から徐々に、例えば5−7段階を経て、広
げることである。
【0030】図6は第1段階であり、第1展開位置(単
一溝に最も近い左右の部分)の平板化を表現している。
竹の内側にはほぼT字型の受け部60がある。T字の下
辺60aは単一溝56から外部に突出し駆動源(例え
ば、油圧シリンダー、スプリングなど)に接続され、T
字の上辺の左右60b,60bに円錐状回転プレスロー
ラー62Aが設けられている。その回転ローラーと竹を
隔てて向かい合う位置に外部回転ローラー62Bが設け
られ、これも駆動源(例えば、油圧シリンダー、スプリ
ングなど)に接続されている。このようにして、内外回
転ローラー62A,62Bは互いに押圧可能であり、こ
れにより竹の円周の約1/7を平面にする。
【0031】図7は第2段階であり、第2展開位置(第
1位置の隣)を表現している。ここでも竹の内外に回転
プレスローラー63A,63Bが設けられている。内外
回転ローラーは互いに押圧可能であり、これにより竹の
円周のさらに約1/7を平面化する。内側左右プレスロ
ーラー63Aは、第1段階と異なり、もはや円錐状であ
る必要はなくなり通常の形状である。
【0032】図8は第3段階であり、第3展開位置(第
2位置の隣)を表現している。ここでも竹の内外に回転
プレスローラー64A,64Bが設けられている。内外
回転ローラーは互いに押圧可能であり、これにより竹の
円周のさらに約1/7を平面化する。
【0033】図9は第4段階であり、第4展開位置(第
3位置の隣)を表現している。ここでも竹の内外に回転
プレスローラー65A,65Bが設けられている。内外
回転ローラーは互いに押圧可能であり、これにより竹の
円周のさらに約1/7を平面化する。
【0034】図10は第5段階であり、第5展開位置
(第4位置の隣)を表現している。ここでも竹の内外に
回転プレスローラー66A,66Bが設けられている。
内外回転ローラーは互いに押圧可能であり、これにより
竹の円周のさらに約1/7を平面化する。この段階まで
くると、内側プレスローラー66Aは単一の比較的大型
のものを採用することができる。
【0035】図11は第6段階であり、第6展開位置
(第5位置の隣)を表現している。ここでも竹の内外に
回転プレスローラー67A,67Bが設けられている。
内外回転ローラーは互いに押圧可能であり、これにより
竹の円周のさらに約1/7を平面化する。
【0036】図12は第7段階であり、第7展開位置
(第6位置の隣で、単一溝に最も遠い位置)を表現して
いる。ここでも竹の内外に回転プレスローラー68A,
68Bが設けられている。内外回転ローラーは互いに押
圧可能であり、これにより竹がほぼ平板となる。
【0037】第1段階ないし第7段階におけるそれぞれ
の内外回転ローラーは例えば30〜50cm置きに設け
て、竹を移動させつつ連続的に行なうのが好ましい。し
たがって、例えば移動する竹の先端部が第3段階にある
ときに、その約30cm後ろは第2段階にあり、その約
30〜40cm後ろは第1段階にあるという具合であ
る。それぞれの段階の内外回転ローラは1対でもよいが
複数個例えば3対程度使用することも出来る。
【0038】なお、上記の実施例では、単一溝に最も近
い左右の部分を第1展開位置としてそこから左右に半周
して単一溝に最も遠い位置を最終段階としたが、これを
逆にして単一溝に最も遠い位置を第1展開位置としてこ
こから左右に半周して単一溝に最も近い左右の部分を最
終段階としてもよい。この目的のためには回転プレスロ
ーラの設定位置を上記実施例と、最終段階を除き、逆に
すればよい。即ち、回転プレスローラを67A,67B
から62A,62Bへ、最後に68A,68Bという順
に設定すればよい。
【0039】<乾燥工程> 乾燥工程は、竹の平板中の水分を除去して製品として適
当なように板のそりやねじれを防止するために行なうも
ので、具体的には熱風で充満した乾燥室内で竹の平板を
移動させる。
【0040】乾燥室(図示せず)は鋼板製とするのが好
ましく、外面は断熱材で覆って内部の保温効果を高める
のが好ましい。乾燥室内部には竹移動用にコンベア装置
とコンベア駆動装置が設けられている。熱風発生源とし
ては、例えば電気ヒーター、バーナーを使用することが
でき、また、油抜き工程で使用した蒸気の熱を利用する
熱交換装置を使用することもできる。
【0041】<半炭化工程> この工程は発明にとって必須ではなく、図1のフローチ
ャートにも掲げていない。この工程では、オートクレー
ブなどの圧力釜(例えば、炭化釜)に平板の竹を入れ、
2〜5kg/cm2の圧力(例えば蒸気圧)をかけて軽
く半炭化する。これにより竹は中まで色が薄茶色ないし
茶褐色に変色し、表面仕上げ、溝加工がしやすくなる。
また、竹材の一番の欠点であるところの釘打ちにより割
れが発生するという問題がこの工程によりほぼ解消す
る。
【0042】<表面研磨工程> 市販の木工機械類を使用して、表面を研磨すると共に、
任意の板厚、横幅長さに加工する。
【0043】<塗装工程> 最終工程として表面塗装材を吹き付けまたはローラー塗
りで塗装してそれ自体出荷可能な最終製品とする。
【0044】<最終製品> このようにして得られた竹の平板は、さまざまな用途に
用いることが出来る。例えば、そのままの形で通常の床
材、壁材、建築足場材、家具材料などとして用いること
が出来るのは勿論、次のような応用製品とすることも可
能である。 (1)竹の平板の裏面にクッション材、例えばゴム、発
泡プラスチック、グラスウールなどを貼付け、振動防止
用材料や断熱材として用いる。 (2)上記(1)の竹の平板とクッション材の間に極薄
の金属板やプラスチック板を挟んで接着し、防音板や防
振板とする。 (3)竹板を複数枚張り合わせて柱状の角材とする。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、原料竹を半割りにする
ことなく、1ヵ所の長手方向溝から左右に原料竹を展開
して、今までの約2倍の幅広平板を製造することができ
る。このようにして得られた竹の平板は従来の木材と同
じように用いることができ、木材の代替資源となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明工程を説明するフローチャートである。
【図2】原料竹成育段階において、竹の直径を均一化す
るためのリングを装着した状態の側面図である。
【図3】前記リングの平面図である。
【図4】原料竹節取り装置の断面図である。
【図5】別の実施例に係る原料竹節取り装置の断面図で
ある。
【図6】竹の展開工程の第1段階を説明する横断面図で
ある。
【図7】竹の展開工程の第2段階を説明する横断面図で
ある。
【図8】竹の展開工程の第3段階を説明する横断面図で
ある。
【図9】竹の展開工程の第4段階を説明する横断面図で
ある。
【図10】竹の展開工程の第5段階を説明する横断面図
である。
【図11】竹の展開工程の第6段階を説明する横断面図
である。
【図12】竹の展開工程の第7段階を説明する横断面図
である。
【符号の説明】
8 節取り外部装置 10 節取り内部装置 20 節切削装置 28 外径測定センサー 32 切削刃 34 内径測定センサー 48,50 切削刃 62A,62B;63A,63B;64A,64B;6
5A,65B;66A,66B;67A,67B 内
外プレスローラー

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)−(h)の工程を有すること
    を特徴とする、竹平板の製造方法。 (a)自然竹から使用できない部分を廃棄してほぼ均一
    の材料竹を得る。 (b)原料竹の内径測定センサーと、この内径測定セン
    サーの情報に基づいて径の調節可能な竹の内部節切削刃
    と、原料竹の外径測定センサーと、この外径測定センサ
    ーの情報に基づいて径の調節可能な竹の外部節切削刃と
    を使用して、竹材を半割りすることなく、内外の節を除
    去する。 (c)原料竹に長手方向に伸びる単一の溝を形成する。 (d)原料竹を温水浴中で加熱してエキス分を除去す
    る。 (e)原料竹を加熱して柔軟性を与える。 (f)原料竹を移動させつつ、竹の移動過程中2〜10
    箇所において、竹の内外にペアとなって位置するプレス
    ローラーにより竹の単一溝を長手方向先端より連続して
    左右に押し広げて徐々に展開して最終的に平板とする。 (g)得られた平板竹を乾燥する。 (h)得られた平板竹の表面を加工する。
  2. 【請求項2】 平板となった竹を圧力釜に入れ、軽く半
    炭化する工程を有する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 下記(a)−(e)を有することを特徴
    とする竹平板の製造装置。 (a)原料竹の内径測定センサーと、この内径測定セン
    サーの情報に基づいて径の調節可能な竹の内部節切削刃
    と、原料竹の外径測定センサーと、この外径測定センサ
    ーの情報に基づいて径の調節可能な竹の外部節切削刃と
    からなる、内外の節を除去する手段。 (b)原料竹に長手方向に伸びる単一の溝を形成する手
    段。 (c)温水浴中で原料竹のエキス分を除去するために加
    熱する手段。 (d)原料竹に柔軟性を与えるために加熱する手段。 (e)原料竹を移動させつつ、竹の移動過程中2〜10
    箇所において、竹の内外にペアとなって位置するプレス
    ローラーにより竹の単一溝を長手方向先端より連続して
    左右に押し広げて徐々に展開して最終的に平板とする手
    段。
  4. 【請求項4】 原料竹の内径測定センサーと、この内径
    測定センサーの情報に基づいて径の調節可能な竹の内部
    節切削刃と、原料竹の外径測定センサーと、この外径測
    定センサーの情報に基づいて径の調節可能な竹の外部節
    切削刃を有することを特徴とする原料竹の節取り装置。
  5. 【請求項5】 竹を移動させる手段と、竹の移動過程に
    おいて複数箇所に設けられ、かつ、竹の内外に対となっ
    て位置するプレスローラーとからなる装置において、前
    記複数対のプレスローラーの各対が原料竹の断面円弧の
    うち、プレスローラー対のほぼ設定数分の1の弧長を平
    坦化することを特徴とする、竹の単一溝を長手方向先端
    より連続して徐々に展開して最終的に平板とする装置。
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