JP2740787B2 - 電気化学槽に使用するための抗変動出口装置 - Google Patents

電気化学槽に使用するための抗変動出口装置

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JP2740787B2 JP1501579A JP50157989A JP2740787B2 JP 2740787 B2 JP2740787 B2 JP 2740787B2 JP 1501579 A JP1501579 A JP 1501579A JP 50157989 A JP50157989 A JP 50157989A JP 2740787 B2 JP2740787 B2 JP 2740787B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気化学槽に使用するための通気装置であつ
て電気化学槽の内部からガスおよび電解質液を迅速かつ
効率的に除去して電気化学槽の内部の圧力変動を最小に
するのに有用な通気装置に関する。特に本発明は電気化
学槽の電極室の上部に特別に設計されたダクトを使用し
て内部の圧力変動を最小にしながら電極室からガスおよ
び液体を効率的に除去することに関する。
イオン交換膜および薄くて触媒的に活性のある寸法安
定性電極が出現する以前には、ほとんどの電気化学槽は
それ以後の新しい電気化学槽に比べてやゝ重かつた。そ
れらはやゝ重かつたので、多くの日常操業条件(新しい
電気化学槽についても依然として存在する)は槽内に問
題を生ぜしめなかつた。然しながら、最近は主としてイ
オン交換膜および触媒的に活性のある寸法安定性電極の
使用の結果として、電気化学槽の設計に革命があっつ
た。これらの開発は設計者が電極間の距離を最小にして
槽操業電流密度を増大させ且つ槽操業圧力を増大させ、
然も同時に従来は電極間のやゝ大きな空間をみたす流体
中を通る電流によつて生ずる抵抗損失の結果として廃棄
されていたエネルギを保存することを可能にした。ほと
んどの現代の電気化学槽はイオン交換膜に押しつけた又
は少なくともイオン交換膜に非常に接近させた電極を備
えている。このような密な設計は非常に良く作動し、且
つ非常に効率的である。然しながら、これらはイオン交
換膜の及び触媒的に活性は寸法安定性電極のデリケート
な性質のために、旧来の重い電気化学槽よりも操業上の
問題を遥かに多く生ぜしめやすい。新設計の電気化学槽
について遭遇する1つの問題は槽の内部からガスおよび
液を除去することによつて生ずる槽自体の内側の圧力変
動の問題である。
コンパクトな電気化学槽はイオン交換膜または隔膜に
よつて陽極と陰極を分離させており、電解質液を電解し
て広範な種類の化学薬品を製造するために商業的に使用
されている。この槽の多くはガス/電解質液を生じ、こ
れらは槽から除いてリサイクルまたは更なる処理を行な
わなさればならない。たとえば、イオン交換膜を備える
電気化学槽はNaCl水溶液を電解して槽の陰極側に水素と
NaOH溶液との混合物を生じ槽の陽極側に塩素と使用済み
塩水との混合物を生じるように商業的に使用される。
電解のガス状生成物がそれらの生成後すぐに槽から除
かれないと、槽内にガス・ポケツトを蓄積し、電解質液
が電極部分に接触するのを妨げて不十分な操業をもたら
す。この問題は電流密度と電極密度が増大するにつれて
更に顕著になる。電極に電解質液が存在しないとその電
解部分は活性を失ない、槽の非効率的な操業がもたらさ
れる。ガス・ポケツトはまた電解質液がイオン交換膜の
部分と接触するのを妨げる。電解質液がイオン交換膜の
部分に存在しないと、その膜は物理的および化学的な性
質に有害な変化を受ける。これらの変化は非可逆的であ
り、膜に永久的な損傷を生ぜしめる。
別の更に深刻な問題は、電気化学槽からのガス/液混
合物の不適切な除去の結果としての槽内のひどい圧力変
動の発生である。ガスと液は槽の電極室の内部で又は出
入口で分離する傾向があり、しばしば出口ラインでの流
体のスラツギングをもたらす。液およびガスのスラツグ
が出口ラインを流れる際に、それらのスラツグは出口ラ
インにひどい圧力変動を生ぜしせる。これらの圧力変動
は出口ライン中の液を槽の電極室に逆流させる。水柱約
100cm程度のい圧力変動が出口の内側および槽の電極
室内側で測定された。これらの圧力変動は膜を曲げさ
せ、この曲げは膜の一部が電解質液と接解していないと
いう事実と組み合わさつて、しばしば膜を亀裂または破
損させる。亀裂のある又は破損したイオン交換膜はその
意図する機能、すなわち実質的に水圧的に不浸透性を保
持しながらイオンを一方の電極室から他方の電極室に移
動させるという機能、を果たさない。電気化学槽の操業
中に膜の亀裂を修理することは実用的でなく、また電気
化学槽の操業を停止して欠陥膜を取替えることは経済的
でない。
本発明は、電気化学槽に使用するための制動装置であ
つて、スラツジ流から生ずる槽内の圧力変動ならびに電
極室からのガスと液の不適切な除去によつて生ずる圧力
変動を最小にしながら、槽の内部からガスおよび液を除
去するための通気装置(dampening device)を提供する
ものである。本発明において通気装置における通気とは
液体も含む流体を通す意味である。
本発明は、 (a)少なくとも1つの電極室を形成する周辺フランジ
であつて、上部の実質的に水平配置のフランジ部分、下
部の実質的に水平配置のフランジ部分、および一対の向
き合つた側面フランジ部分をもつ周辺フランジ;および (b)上部フランジ部分を通る、又は向き合つた側面フ
ランジ部分の少なくとも1つを通る、又は下部フランジ
部分を通る、そして電気化学槽の外部を電極室に接続す
る、少なくとも1つの出口; を備える垂直配置の電気化学槽ユニットに使用するため
の通気装置であつて、 上部フランジ部分に隣接する電極室の頂部の少なくと
も一部にそつてのびる細長い中間通気装置から成り、電
極室に及び上記出口に流体流連通しており、その頂部近
くに通気装置の内部を電極室に接続する少なくとも1つ
の開口を備え、その開口が通気装置の最大の内部断面積
より小さいか又はこれに等しい合計断面積をもつことを
特徴とする通気装置、にある。
本発明はまた、 (a)少なくとも1つの電極室を形成する周辺フランジ
であつて、上部の実質的に水平配置のフランジ部分、下
部の実質的に水平配置のフランジ部分、および一対の向
き合つた側面フランジ部分をもつ周辺フランジ; (b)上部の水平配置のフランジ部分を通る、又は向き
合つた側面フランジ部分の少なくとも1つを通る、又は
下部フランジ部分を通る、そして電気化学槽の外部を電
極室に接続する、少なくとも1つの出口;および (c)上部の水平配置のフランジ部分に隣接する電極室
の頂部の少なくとも一部を横切つて配置された細長い中
空ダクトであつて、電極に及び上記出口に流体流連通し
ており、その頂部近くにダクトの内部を電極室に接続す
る少なくとも1つの開口を備え、その開口がダクトの最
大の内部断面積より小さいか又はこれに等しい合計断面
積をもつダクト; を備えて成ることを特徴とする電気化学槽ユニツト、に
関する。
本発明は添付の図面を参照することによつて更に良く
理解することができる。添付の図面は本発明の好ましい
具体例を説明するためのものであり、図面中の同一の符
号は同一の要素を表わす。
第1図は本発明の通気装置を含む電気化学槽の平面図
である。
第2図は第1図の線A−Aにそつてとつた第1図の電
気化学槽の部分断面図である。
第3図は本発明の通気装置の1つの具体例である。
第1図および第2図は平らな背板(14)および背板が
形成する電極室(12,12a)の向き合つた側面に配置され
たイオン交換膜(15、15a)をもつ型の垂直配置電気化
学槽ユニツト(11)を示す。電極(2,2a)はそれぞれの
電極室(12,12a)内に収納される。それぞれの電極室
(12,12a)は周辺フランジ(1)の上部の水平配置のフ
ランジ部分(1A)を通る少なくとも1つの出口(5)に
連通する。
本発明が有用である槽ユニツトは(第1図および第2
図に示す槽ユニツトのように)ほゞ長方形の形状をもつ
ことができるが、槽ユニツトが長方形の形状をもつこと
は臨界的なことではない。むしろ、槽ユニツトは丸い、
楕円の、長円形の、または放物線形の、または他の任意
の所望形体であることができる。然し、このような槽ユ
ニツトは望ましくは平らであり、槽を2つの電極室(1
2,12a)に分離する平らな背板をもつ。
本発明が有用である型の電気化学槽が二極式で操作さ
れるとき、陽極は平らな背板(14)の一面に配置され、
陰極は平らな背板の他面に配置される。複数のこのよう
な槽ユニツトは相互に隣接して配置され、1つの槽ユニ
ツトの陽極はその隣接する槽ユニツトの陰極に面する。
イオン交換膜(15または15a)はこの隣り合う陽極と陰
極との間に配置される。平らな背板(14)と膜(15)と
の間の区域たとえば陽極室であり、膜(15a)と平らな
背板(14)との間の区域はたとえば陰極室である。
同様にして、槽ユニツトが単極式で操作されるとき
は、(1)陽極が平らな背板(14)のそれぞれの面に配
置されるか、あるいは(2)陰極が平らな背板(14)の
それぞれの面に配置されて、それぞれのユニツトが陽極
ユニツトになるか、あるいは陽極ユニツトになる。操業
に際して、陽極ユニツトは陰極ユニツトに隣接して配置
され、1つのユニツトの陽極が隣り合せのユニツトの陰
極に面する。イオン交換膜(15または15a)は1つのユ
ニツトの隣り合わせの陽極と別のユニツトの陰極との間
に配置される。この場合、膜(15または15a)と平らな
背板(14)との間の区域は場合により陽極室であるか、
または陰極室である。ある種の単極槽ユニツトは平らな
背板(14)をもたない。平らな背板があつたとしたら、
その両面に同じ化学薬品が存在するためである。
本発明の装置は平らな背板なしに槽ユニツト中で均等
に良く作動する。このような場合、通気装置は上部の水
平配置のフランジ部分(1B)に隣接して配置される。通
気装置(8)は電極(2,2A)と平らな背板(14)との間
の、あるいは(平らな背板が存在しない場合)電極室の
それぞれの面に配置される電極と電極との間の、空間の
実質的な部分を占有するような寸法をもつ。電極と電極
との間の空間の実質的部分を占有することによつて、電
極室から除去されるべきガスと電解質液は通気装置
(8)のまわりを且つ通気装置(8)中の開口(13)に
向つて通る際にその流速を増大させなければならない。
ガス/電解質液の混合物の流速の増大を生ぜしめるこの
設計は、気泡が合体し、ガス・ポケツトが電極室内に生
成するのを防ぐのに役立つ。
本発明の装置は次の2つの主要な理由により作動する
ものと考えられる。第1に、小さい気泡は自然に垂直に
上昇するが、本発明の装置なしでは、これらの気泡はガ
ス/電解質液の出口の方に水平に移動するに違いない。
横方向に移動する際に、これらの気泡は垂直に上昇する
気泡に衝突する。この衝突は大きな気泡を生成させる。
大きな気泡は更に速く上昇して出口(5)に到達する前
に槽の頂部に到達する。本発明の通気装置の使用により
出口(5)を多数の出口に単に分割することによつて、
すべての気泡は垂直に上昇し、横方向の流れなしに槽か
ら取出される。従つて気泡の全体の大きさは比較的小さ
いまゝであり、槽中での大きな気泡またはガス・ポケツ
トの生成は実質的に減少せしめられる。第2に、本発明
の通気装置は小さい気泡の集合が電解区域に悪影響を及
ぼすことを防ぐ実用的手段を与える。小さい気泡は槽中
を垂直に上昇し、槽区域から除去され、次いで集まつて
通気装置に入る。本発明の通気装置はガス状生成物を槽
の出口(5)にはこぶ導管としても役立つ。
槽ユニツト(11)が二極式で操作されるか単極式で操
作されるかにかかわりなく、槽(15または15a)と平ら
な背板(14)との間の区域は以後は電極室と呼び、第2
図では符号12、12aで表わされる。
本発明が特に有用である種類の電気化学槽ユニツトは
たとえば米国特許第4,488,946号、同第4,568,434号、同
第4,560,452号、同第4,518,114号および4,602,984号に
記載されているユニツトである。
本発明の記述の便宜上、唯一個の電極室について以下
に記述する。然し、本発明の通気装置は、平らな背板が
与えられているときは2つの電極室のうちのいづれか1
つ又は双方に配置することができ、あるいはまた、平ら
な背板をもたない槽の場合には2つの電極の間に室中に
配置することができる。
通気装置(8)は電極室(12)および出口(5)と流
体流連通しており、上部の水平配置の周辺フランジ部分
(1A)の内部縁に隣接して電極室(12)中に配置され
る。通気装置は好ましくは(必ずしも必要ではないが)
上部の水平配置の周辺フランジ部分(1B)の上部内部縁
にほゞ対応する上部の表面形状をもつ。
通気装置(8)はその頂部近くに通気装置(8)の内
部を電極室(12)に接続する少なくとも1つの開口(1
3)をもつ。開口(13)の断面積の合計は好ましくは出
口の断面積より小さいか又はこれに等しい。また、通気
装置(8)の断面積は好ましくは出口の断面積に等しい
か又はこれより大きい。これらの一般的な関係に従わな
いと、気泡は合体して槽内に大きな気泡を形成する。
好ましくは、通気装置(8)の端部は閉鎖されている
が、通気装置(8)はその端部が開放されているときで
さえ合理的に良く作動する。これは出口(5)から最も
遠い離れている通気装置(8)の端部が開放されている
ときに特に真実である。
好ましくは、通気装置(8)は通気装置(8)とその
隣り合わせの電極(2)との間に空間を与えるように寸
法づけられ配置される。槽ユニツト(11)の操業中、通
気装置(8)と電極(2)との間の空間は電解質液とガ
スで満たされ、槽ユニツト(11)内の電極表面の完全な
使用が行なわれる。
操業中の電極室(12)のガス状および液状の内容物は
考慮下にある槽ユニツトの種類に応じて変わる。たとえ
ば、塩素・アルカリ電解槽ユニツトにおいては、陽極電
極室(12)は塩化ナトリウム水溶液と塩素を含み、陰極
電極室(12A)は水酸化ナトリウム水溶液と塩素を含
む。
通気装置(8)は好ましくは実質的に中空であるが、
たとえば充てん物質で少なくとも部分的に充てんされて
いてもよい。また、通気装置はその内部に溝、羽根また
は他の流れ方向制御装置をもつていてもよい。
通気装置(8)は電極室内の条件に対して少なくとも
やゝ耐性のある任意の材料から作ることができる。たと
えば、塩素・アルカリ槽ユニツトにおいて、通気装置
(8)はたとえば鉄、鋼、ステンレス鋼、ニッケル、
鉛、モリブデン、コバルト、バルブ金属、およびこれら
の金属を主要成分として含む合金から好都合に作ること
ができる。塩素・アルカリ槽ユニツトの場合、アルカリ
環境中でのその化学的安定性のためにニツケルを陰極室
中に使用するのが好ましい。
陽極室用には、通気装置(8)はたとえばチタン、タ
ンタル、ジルコニウム、タングステン、またはフイルム
形成性(バルブ)金属〔陽極液によつて実質的に影響を
受けない金属〕、またはこれらの金属を主要成分として
含む合金から好都合に作ることができる。通気装置
(8)はまた、テフロン(デュポンの商標:化学名ポリ
テトラフルオロエチレン)またはKynar(ペンウオルト
・コーポレーシヨンの商標;化学名ポリビニリデン)を
含有するポリマー材料から作ることもできる。塩素−ア
ルカリ槽ユニツトの場合、湿潤塩素および塩水における
その化学的安定性のためにチタンを陽極室中に使用する
のが好ましい。
通気装置(8)は周辺フランジ部分(1A)に物理的に
接触してもよく、あるいは単に周辺フランジの近くに存
在していてもよい。概して、通気装置は好ましくは周辺
フランジ(1A)の内面に接触しているか、あるいは該表
面から約2.5cm以内にある。任意に、通気装置(8)の
壁は周辺フランジ部分および/または平らな背板によつ
て少なくとも部分的に形成されていてもよい。換言すれ
ば、通気装置(8)の上部は周辺フランジ(1A)の内面
であることができる。
通気装置(8)は好ましくは電極室の距離の少なくと
も50%にわたつて電極室の頂部を横切つてのびている。
然しながら特に好ましいのは、第1図に示すような電極
室(12)の頂部の実質的に全長にわたつてのびている通
気装置である。この通気装置(8)は丸い、卵形の、ま
たは長方形を含有するほとんど任意の断面形状をとるこ
とができる。
通気装置(8)は出口(5)に向つて傾斜していても
よく、あるいは実質的に水平位置に配置してあつてもよ
い。然し、好ましくは通気装置(8)は出口(5)から
離れて傾斜していない。このような傾斜は電解質液によ
る通気装置(8)の少なくとも部分的な閉塞をもたら
し、通気装置(8)からガスおよび電解質液を容易でス
ラツグのない状態で除去することを可能にしない。ま
た、このような傾斜はガスおよび電解質液を通気装置
(8)のすべての開口には侵入させない。それえらの若
干は電解質液によつて閉塞されるからである。最も好ま
しくは、通気装置(8)は実質的に水平に配置される。
本発明の通気装置(8)はその頂部近くに通気装置
(8)を電極室(12)に接続するための少なくとも1つ
の開口をもたなければならない。この開口(13)は単一
のスリツトであつてもよく、あるいは複数のスリツトで
あつてもよい。同時に、開口(13)は種々の形状の1個
以上の孔であつてもよい。特に便利で加工しやすい開口
(13)は通気装置(8)の実質的に全長にわたつて配置
された複数の孔である。任意に、通気装置は結合または
焼結させた多孔質金属粒子から作ることもできる。
通気装置(8)中の開口(13)の断面積と数は槽の操
業中に通気装置(8)から出口(5)に流れるガスと電
解質液の量と物性、ならびに槽の圧力、電流および槽中
の流体の循環率に応じて変わる。然し、一般的にいつ
て、開口(13)は出口を通る流速よりも大きい開口流通
ガスおよび電解質液流速を与えるような寸法のものであ
るべきである。たとえば、槽の底部から槽の頂部に流れ
る流速が約0.3インチ/秒(0.75cm/秒)である槽におい
て、開口は約30インチ/秒(75cm/秒)より大きい流速
を生ぜしめる寸法であるべきである。一般的にいつて、
開口の断面積(合計)は0.2mm2〜200mm2である。更に好
ましくは、開口は3mm2〜50mm2の断面積をもつ。最も好
ましくは、開口は約7mm2〜20mm2の断面積をもつ。
通気装置(8)から出口(5)を通るガスと電解質液
の速度は、抵抗がそれほど大きくなくて出口(5)への
ガスと電解質液を実質的に阻止しない限り、本発明の成
功裡の操業にとつて重要ではない。この速度は好ましく
は出口(5)の流速に等しいか又はそれより小さい。
通気装置(8)の開口の種類と設計の特に好ましい態
様は通気装置(8)の頂部近くに通気装置(8)の実質
的全長にわたつて配置されている複数の間隔をおいた開
口であることがわかつた。
複数の孔を開口(13)として使用するとき、これらの
孔の間隔は特に重要ではないことがわかつた。然し、若
干の大きな孔寸法の槽においては、最適に多くの孔が出
口(5)から最も遠く離れた通気装置の端部に配置され
ることがわかつた。ある場合には不均一な間隔の孔をも
つことが望ましい。それは、電気化学槽内のガス状生成
物の生産速度が槽の長さにそつて一定であり、生成する
ガスは直接上方に流れるけれども、これらの孔の1つを
通る流れの駆動力〔(孔付近の槽圧力)−(孔付近の通
気装置内側の圧力)〕は通気装置内側の圧力が槽の最も
遠い端部においていため、槽の最も遠い端部において
他の端部(出口ノズル近い)よりも小さいからである。
単一孔の流れの駆動力は通気装置の最も遠い端部におい
て小さいので、そしてすべての孔は等しいので、通気装
置の最も遠い端部におけるそれぞれの孔を通る流れは小
さくなる。通気装置の最も遠い端部(出口ノズルから最
も遠い端部)に多くの孔を作ることによつて、与えられ
た長さの槽について通気装置に入る合計の流れは増大す
る。通気装置の一定の長さに入る合計の流れは、槽の長
さの任意の部分(通風装置のこの一定の長さに相当す
る)にそつて生産されるガスのすべてがこれらの孔から
通気装置に流れるように適切なものでなければならな
い。槽のこの長さ(通気装置の与えられた長さに相当す
る)において生産されるガス状生成物のすべてがこれら
の孔から通気装置中に流れないと、このガスは電極室の
頂部に垂直に流れ、次いで電気室の頂部にそつて然し通
気装置の外観を水平に流れる傾向がある。電極室の頂部
を横切るこの水平のガス流はガス・ポケツトを生成さ
せ、このガス・ポケツトは膜と接触し(それによつてイ
オン伝導の膜の部分を効果的に不活性化し)そして電極
と接触する(それによつて電解反応の電極の部分を効果
的に不活性化する)。槽の頂部にそつたこの水平ガス流
はまた電極室(12)の頂部近くで波動作用を生ぜしめ、
この波動作用によつて電極室(12)の内側で圧力変動が
起ることがある。
出口ノズルに向つて通気装置にそつて移動するとき、
通気装置を通る水平ガス流はそれぞれの孔を通る流れが
この水平流に加わるので増大する。通気装置は好ましく
は一定の断面積をもつので、流速も水平流が増大するに
つれて増大する。この流速の増大はこれに対応して通気
装置内側の圧力を減少させる。この水平流によつて生ず
る摩擦による圧力低下も存在する。それ故、通気装置内
側の圧力はその長さにそつて出口ノズルに向つて減少す
る。これはそれぞれの孔を通る流れの駆動力を出口ノズ
ルに近づくにつれ増大させる。それは槽の電極室の圧力
がほゞ一定であるのに対して、通気装置の圧力は減少す
るからである。それ故、それぞれの孔を通る流れは通気
装置の出口端部近くで大きくなり、孔の数は小さくな
る。
通気装置(8)の操作理論は完全には理解されていな
いけれども、通気装置は電極室(12)の圧力変動を低下
させるのに驚くほど良くその性能を果すことが発見され
た。通気装置(8)は1種のダンパーとして働き、出口
(5)を去るガス/電解質液の混合物によつて生ずる圧
力変動が電極室(12)中の圧力に悪影響を及ぼすのを抑
制する。更に、電極室(12)中の通気装置の存在は通気
装置(8)と電極(2)との間の区域中のガスと電解質
液の容積を最小にする。これはガス/電解質液の混合物
に、電極室(12)の残部にあるガス/電解質液の混合物
の見掛け流速よりも実質的に大きい見掛け流速をもたせ
る。ガス/電解質液の混合物の増大した見掛け流速は電
解質液からのガスの分離を最小にし、気泡を電解質液中
に分散した状態に保つのを助ける。ガスと電解質液は電
極室(12)の中では分離しないが、通気装置の中では分
離するので、電極室(12)内でのスラツグの生成は最小
になる。
本発明を使用する槽ユニツト(11)の操作において、
未反応電解質液は1つ以上の入口から槽ユニツトを導入
される。この入口は通常、電極室(12)の底部に配置さ
れる。電流が電解質液を通過して電解を生ぜしめる。電
解は種々の生成物を製造するが、それらの生成物は槽ユ
ニツトの種類に応じて変わる。本発明は、ガスが生産さ
れ、ガス/電解質液が槽ユニツトから除去される槽ユニ
ツトにおいて有用である。槽ユニツト中で生じるガスは
電解質液にまざつて混合物を形成する。ガスは電解質液
より小さい密度をもち、槽ユニツトの頂部に上昇する。
ガスが上昇するとき、ガスは電解質液を一緒にはこぶ。
混合物が上昇するとき、該混合物は通気装置(8)に遭
遇し、この通気装置では流体の流速が電極室(12)の残
部の流速よりも大きい。この地点で、ガス/電解質液の
混合物は通気装置(8)の下部のまわりを通り、通気装
置(8)の上部にある開口(13)に向う。容積の大部分
は通気装置(8)に占有されるため槽ユニツトのこの部
分の容積はあまり大きくないので、混合物の流速は増大
する。混合物は次いで通気装置(8)の上部の開口(1
3)を通る。ガス/電解質液が開口(13)に入るとき、
混合物の流速は開口(13)を通過する際に再び増大す
る。
通気装置(8)に入つた後、ガスと電解質液は通常、
通気装置(8)の内部で分離して、通気装置(8)の底
部に電解質液に富む流れを形成し、そして通気装置
(8)の上部にガスに富む流れを形成する。電解質液と
ガスは次いで出口(5)に向つて流れる。ガスと電解質
液が出口を出たとき、それらは収集区域にはこばれる。
ガスと電解質液は通気装置(8)中で分離するので、ス
ラツグ流がこの点で起りうる。スラツグ流は圧力変動を
生ぜしめ、この圧力変動が通気装置(8)中にくまなく
移される。このようにして発生した圧力変動は通気装置
中に均一に分布され、電極室(12)から開口(13)を通
つて通気装置に入る際のガスと電解質液が及ぼす圧力を
克服するのに十分ではない。従つて、電気室(12)中で
のスラツグの形成は顕著に最小化される。
電気化学槽が加圧下で操作されるならば、スラツギン
グはなお一層ひどい問題であると思われる。それ故、本
発明は加圧槽中で特に有用である。
通気装置にそつた圧力変動は開口(13)中の流量変化
を生ぜしめる。通気装置内側の圧力変化は開口(13)を
通る流量変化に転換される。従つて、通気装置内側の圧
力変化は電極室中を形成し、そして通気装置(8)の上
部にガスに富む流れを形成する。電解質液とガスは次い
で出口(8)に向つて流れる。ガスと電解質液が出口を
出たとき、それらは収集区域にはこばれる。ガスと電解
質液は通気装置(8)中で分離するので、スラツグ流が
この点で起りうる。スラツグ流は圧力変動を生ぜしめ、
この圧力変動が通気装置(8)中にくまなく移される。
このようにして発生した圧力変動は通気装置中に均一に
分布され、電極室(12)から開口(13)を通つて通気装
置に入る際のガスと電解質液が及ぼす圧力を克服するの
に十分ではない。従つて、電気室(12)中でのスラツグ
の形成は顕著に最小化される。
電気化学槽が加圧下で操作されるならば、スラツギン
グはなお一層ひど問題であると思われる。それ故、本発
明は加圧槽中で特に有用である。
通気装置にそつた圧力変動は開口(13)中の流量変化
を生ぜしめる。通気装置内側の圧力変化は開口(13)を
通る流量変化に転換される。従つて、通気装置内側の圧
力変化は電極室中の通気装置の外側の圧力変化には転換
されない。圧力液が通気装置を下降する際、該圧力波の
圧部分において(圧力波のピーク近くで)、開口(1
3)に入る流量は減少する。圧力波の低圧部分において
(圧力波の谷の近くで)、開口(13)に入る流量は増大
する。開口(13)のすべてを通して通気装置に入る全流
量は経時的にほとんど一定であるが、それぞれの孔を通
る流れは経時的にたえず変化する。出口(5)付近での
開口(13)を通る時間平均の流れは、出口(5)から遠
く離れている開口(13)を通る時間平均の流れよりも遥
かに大きい。適切に作動する通気装置について、孔から
孔への時間平均の流れのこの変動は好ましは、主として
液流の変動である。通気装置が均一な横方向の孔間隔を
もつならば、孔から孔への流れの変動のすべては液流の
変動であるか、あるいは電極室内側の水平ガス流がもた
らす変動であるに違いない。
遥かに大きい時間平均流量をもつ出口近付の開口(1
3)はまた、遥かに大きな経時流量変化をもつ。通気装
置の内側の圧力変動は出口(5)の附近で遥かに大きい
からである。それ故、これらの液流量は、流れの変化に
よる圧力変化を吸収するために、流量が最であること
を必要とする点で頂度最である。
通気装置中で圧力変動を生ぜしめる2つの妨害源がこ
の系に存在する。第1に、通気装置を横切る水平の二相
の流れは、流れが出口付近の通気装置にそつて増大する
に際しスラツグ流を発生させる。このスラツグ流は圧力
変動を生ぜしめることができる。第2に、出口(5)の
垂直な二相の流れもスラツグ流であり、このスラツグ流
は更に大きな圧力変動を生ぜしめる。これら2つの妨害
源は複雑に相互作用して通気装置の内側に空間的な及び
時間的な圧力変動を作る。然し、これらの妨害源の双方
は槽の出口付近で発生するので、圧力変動は槽の出口
(5)付近で最になる傾向がある。然し、槽の出口
(5)付近では、通気装置中の時間平均の圧力は最低で
ある。それ故、本発明の通気装置を用いれば、通気装置
の内側の圧力が変化しつつありながら、電極室中の通気
装置の外側で一定の圧力を保つことが可能である。
通気装置の内側の圧力変動が大きい出口付近では、電
極室中の通気装置の外側の圧力変化を避けるために開口
(13)を通る流れの大きな変化が必要である。またこの
系において、これは開口(13)を通る時間平均の流れが
最になる点である。そこでは通気装置中の平均圧力が
最低だからである。それ故、電極室中の通気装置の外側
に一定圧力を保つならば、通気装置中の流れの駆動力は
ここで最である。
圧力パルスのエネルギーは開口(13)を通る流れを変
化させることによつて消費される。パルスのポテンシヤ
ル−エネルギーの若干は開口(13)を通る流れ(波力波
の圧部分)を遅くするか、あるいは開口(13)を通る
流れ(波力波の低圧部分)を増大させるのに使用され
る。
第3図は本発明のもう1つの具体例を示す。それはプ
レート(38,48)によつて形成される通気装置(8)を
示す。プレート(48)はまた電極室(12)中に存在する
電解質液から背板(14)を保護する皿もしくは内張りと
しても役立つ。この図はまた出口(5)、開口(13)お
よび電極(2)も示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 モーリス,グレゴリー ジエイ イー イタリー国イタリー20090 セグレート ミラノ‐1 ミラノ レジデンザ サ ーシ 122 (72)発明者 スプラツドリング,ロバート デイ アメリカ合衆国テキサス州 77566 レ ーク ジヤクソン オイスター クリー ク ドライブ27,142

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)少なくとも1つの電極室を形成する
    周辺フランジであって、上部の実質的に水平配置のフラ
    ンジ部分、下部の実質的に水平配置のフランジ部分、お
    よび一対の向き合った側面フランジ部分をもつ周辺フラ
    ンジ;および (b)上部フランジ部分を通る、又は向き合った側面フ
    ランジ部分の少なくとも1つを通る、又は下部フランジ
    部分を通る、そして電気化学槽の外部を電極室に接続す
    る、少なくとも1つの出口; を備える垂直配置の電気化学槽ユニットに使用するため
    の通気装置であって、 上部フランジ部分に隣接する電極室の頂部の少なくとも
    一部にそってのびる細長い中空通気装置から成り、電極
    室に及び上記出口に流体流連通しており、その頂部近く
    に通気装置の内部を電極室に接続する少なくとも1つの
    開口を備え、その開口が通気装置の最大の内部断面積よ
    り小さいか又はこれに等しい合計断面積をもつことを特
    徴とする通気装置。
  2. 【請求項2】通気装置が充てん物質で少なくとも部分的
    に満たされている請求の範囲第1項記載の通気装置。
  3. 【請求項3】通気装置が流れ方向制御装置をもつ請求の
    範囲第1項記載の通気装置。
  4. 【請求項4】流れ方向制御装置が通気装置の内側表面に
    取付けた溝または羽根から成る請求の範囲第3項記載の
    通気装置。
  5. 【請求項5】通気装置の壁が周辺フランジ部分によって
    少なくとも部分的に形成されている請求の範囲第1項記
    載の通気装置。
  6. 【請求項6】通気装置の壁が平らな背板によって少なく
    とも部分的に形成されている請求の範囲第1項記載の通
    気装置。
  7. 【請求項7】通気装置が電極室の距離の少なくとも50%
    にわたって電極室の頂部を横切ってのびている請求の範
    囲第1項記載の通気装置。
  8. 【請求項8】通気装置が出口に向かって傾斜している請
    求の範囲第1項記載の通気装置。
  9. 【請求項9】開口のそれぞれが0.2mm2〜200mm2の断面積
    をもつ請求の範囲第1項記載の通気装置。
  10. 【請求項10】(a)少なくとも1つの電極室を形成す
    る周辺フランジであって、上部の実質的に水平配置のフ
    ランジ部分、下部の実質的に水平配置のフランジ部分、
    および一対の向き合った側面フランジ部分をもつ周辺フ
    ランジ; (b)上部の水平配置のフランジ部分を通る、又は向き
    合った側面フランジ部分の少なくとも1つを通る、又は
    下部フランジ部分を通る、そして電気化学槽の外部を電
    極室に接続する、少なくとも1つの出口;および (c)上部の水平配置のフランジ部分に隣接する電極室
    の頂部の少なくとも一部を横切って配置された細長い中
    空ダクトであって、電極に及び上記出口に流体流連通し
    ており、その頂部近くにダクトの内部を電極室に接続す
    る少なくとも1つの開口を備え、その開口がダクトの最
    大の内部断面積より小さいか又はこれに等しい合計断面
    積をもつダクト; を備えて成ることを特徴とする電気化学槽ユニット。
  11. 【請求項11】通気装置が充てん物質で少なくとも部分
    的に満たされている請求の範囲第10項記載の電気化学
    槽。
  12. 【請求項12】通気装置が流れ方向制御装置をもつ請求
    の範囲第10項記載の電気化学槽。
  13. 【請求項13】流れ方向制御装置が通気装置の内側表面
    に取付けた溝または羽根から成る請求の範囲第12項記載
    の電気化学槽。
  14. 【請求項14】通気装置の壁が周辺フランジ部分によっ
    て少なくとも部分的に形成されている請求の範囲第10項
    記載の電気化学槽。
  15. 【請求項15】通気装置の壁が平らな背板によって少な
    くとも部分的に形成されている請求の範囲第10項記載の
    電気化学槽。
  16. 【請求項16】通気装置が電極室の距離の少なくとも50
    %にわたって電極室の頂部を横切ってのびている請求の
    範囲第10項記載の電気化学槽。
  17. 【請求項17】通気装置が出口に向かって傾斜している
    請求の範囲第10項記載の電気化学槽。
  18. 【請求項18】開口のそれぞれが0.2mm2〜200mm2の断面
    積をもつ請求の範囲第10項記載の電気化学槽。
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