JP2739862B2 - 圧縮器を湿式洗浄するための噴霧装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、圧縮器を湿式洗浄するための噴霧装置であ
って、該噴霧装置によって、ノズルを介して液状の洗浄
媒体が圧縮器の上流で流過通路内に供給される形式のも
のに関する。

背景技術 従来使用されていた噴霧装置は、羽根組みが損傷を被
る可能性に対してわずかな保護しか提供していない。一
般的に、管片が強制的に流過通路内の比較的深くに突入
しているリバウンド式ノズルが使用されている場合に
は、特にトランソニック（transonic）式の圧縮器にお
いて、流体技術的な理由により、圧縮器入口にこのよう
な妨害部材を設けることは許容されない。羽根の損傷に
関連した潜在的な危険性は２つの性質を有している。一
方では、管片が共鳴状態で振動せしめられて、羽根に向
かって投げ飛ばされ、他方では、管片がその固定部から
吹き飛ばされて、腐食例えば点食の原因となる。

このような形式のリバウンド式ノズルの作用形式はま
ったく満足のいくものではない。洗浄液の噴霧は、均一
ではなく液滴の大きさは種々異なっている。これは羽根
の部分的な振動を引き起こす。また、羽根コーティング
部分が侵食せしめられる可能性が生じる。さらにまた、
ノズルの効率は圧力が変化するだけで調節せしめられ、
この調節中に滴の大きさが直接影響を受ける。しかも、
ノズル噴霧方向も管片軸線を中心にしてのみ変えること
ができるが、これはノズルホルダを、優勢な流れ状態に
個別に適合させることを不可能にする。

冒頭に述べた形式の噴射装置は、フランス国特許公開
第2418355号明細書により公知である。この公知の噴射
装置は、圧縮器段部を個別に及びカスケード内で湿式洗
浄するようになっている。液体を供給することによっ
て、まず、最後の圧縮器段が洗浄され、この最後の圧縮
器段の洗浄後に、次の高い段が洗浄されるか、若しくは
段部間で洗浄液体が排水される。排水の汚れ程度に基づ
いて、相応の圧縮段の清潔性が見積もられる。洗浄液体
がどのように流過通路内に導入されるかについての形式
に関しては、前記フランス国特許公開第2418355号明細
書には詳しく説明されていない。この公知の洗浄技術
は、最近の（ガスタービン）圧縮器においては、その圧
力と温度に関する特性について基づいて使用することが
できない。特に、前記フランス国特許公開第2418355号
明細書においてそうであるように、水を比較的大きい液
滴で導入すると、圧縮器羽根の腐食を生ぜしめ、また特
に超音波領域で流れの不安定性及び振動を生ぜしめる原
因となる。公知の装置においては、噴射装置の調節可能
性は提供されていない。

発明の開示 本発明は以上のような欠点を取り除くことである。本
発明の課題は、冒頭に述べた形式の装置で、一方では噴
霧効率及び噴霧方向を調節することができ、他方では圧
縮器羽根が、強引に分離せしめられた装置部分から最大
限保護されるようなものを提供することである。

ノズルが噴霧ノズルであって、該噴霧ノズルが、玉継
手内で三次元で調節可能に、圧縮器のケーシング壁部に
組み込まれており、前記玉継手が運転中に緊締ナットに
よって解除可能及び調節可能であって、玉継手内にねじ
込まれた噴霧ノズルが運転中に交換可能である。

本発明の利点は特に、ユニバーサルに使用される市販
のノズルを使用したことによって、圧縮器の運転中に、
機械の運転に不都合な影響を及ぼすことなしに、ノズル
噴霧流方向及びノズル噴霧流形状を調節し、効率修正を
行うことができるという点にある。

図面の説明 図面には、本発明の１実施例が簡単に示されている。

第１図は軸方向圧縮器の入口部分の概略的な縦断面図
である。

第２図は、据え付けられた、調節可能な噴霧装置の断
面図である。

圧縮器の、本発明にとって重要でない部分は省略され
ている。作業媒体の流れ方向は矢印で示されている。

発明を実施するための最良の形態 第１図には、噴霧ノズルのための４つの組立例が示さ
れている。選択された圧縮器入口の形状とは無関係に、
ノズルの位置及び数は、一方ではノズルが貫流横断面全
体に亙って負荷し、他方では外部からアクセスできるよ
うに選定されている。

噴霧しようとする媒体は、一般に、市販の凝縮物と処
理された水とから成る混合物である。

第２図によればこの混合物は、分子−噴霧器２を介し
て流過通路１内に噴霧される。この噴霧器２は球継手３
の内部でねじ山によって、ノズル開口が球表面と少なく
ともほぼ同一列になるように固定されている。図示の実
施例では、円錐形の噴霧形状は約90°の角度を有してい
る。これはつまり、壁部範囲をカバーするために、噴霧
器の縦軸線が圧縮器ケーシングの流れを制限する壁部４
に対して45°だけ傾けられなければならないことを意味
する。

図示の実施例は例えば、圧縮器内に流入せしめられる
空気の流れ方向で噴霧せしめられる噴霧形状に適してい
る。吸い込まれた新鮮空気の流れ方向に抗して噴霧され
るべき場合には、球継手を符号Ｂで示した位置に90°だ
け旋回させなければならない。

この調節及びその他の調節を機械の運転中に行うこと
ができるようにするために、球継手３は、ケーシング５
内に形成されたヒンジシェル内に位置している。この、
圧縮器壁部４を貫通する有利には円筒形の形状のケーシ
ングは、フランジ状の底で圧縮器壁部に当接している。
この底には前記ヒンジシェルが配置されている。圧縮器
壁部の外側に突き出る、ケーシング５の円筒形の部分は
雌ねじと雄ねじとを備えている。この雄ねじを介してケ
ーシングは軸ナット６及び固定板７によって壁部４に固
くねじ固定されている。雌ねじを介して緊締ナット８に
よって、球継手３はヒンジシェル内に押し付けられ、そ
の都度の位置で保持される。

分子−噴霧器２は供給管９に接続されており、該供給
管９はその他端部で、例えばフレキシブルなチューブ接
続部11（第１図）を収容するためのねじ結合部10を備え
ている。供給管の直径とケーシング４の円筒形部分の軸
方向長さとは、供給管９が図平面で及び図平面に対して
直角方向で90°以上の旋回運動をそのまま行うことがで
きるように互いに合わされている。これによって噴霧角
度の調節可能性は制限されない。

第２図に示されているように、貫流せしめられる圧縮
器通路内に突入する部分は極限の最小値に減少されてい
る。構造に制限されて、装置から切り離された部分が羽
根の範囲に達することはないようにもなっている。ま
た、部分が振動する可能性に関連する、又は装置におけ
る腐食に関連する危険性は殆どない。何故ならば、洗浄
剤に触れる、装置の部分は、錆びを防止する材料から成
っているからである。

本発明による装置は、非常に整備しやすいということ
を特徴としている。従って例えば清掃、修正、コントロ
ール及び修理等のすべてのサービス作業を機械運転中に
行うことができる。これは勿論、分子−噴霧器の効率及
びノズルホルダの形状を変える必要がある場合に、分子
−噴霧器を実際に交換するためにも適している。ノズル
ユニットの交換には約15分必要であることが分かった。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】運転中に圧縮器を湿式洗浄するための噴霧
   装置であって、該噴霧装置でノズルによって液状の洗浄
   媒体が圧縮器の上流で流過通路内に供給される形式のも
   のにおいて、 前記ノズルが噴霧ノズル（２）であって、該噴霧ノズル
   （２）が、玉継手（３）内で三次元で調節可能に、圧縮
   器のケーシング壁部（４）に組み込まれており、前記玉
   継手（３）が運転中に緊締ナット（８）によって解除可
   能及び調節可能であって、玉継手（３）内にねじ込まれ
   た噴霧ノズル（２）が運転中に交換可能であることを特
   徴とする、圧縮機を湿式洗浄するための噴霧装置。