JP2739254B2 - イリジウム―光学活性ホスフィン錯体及びこれを用いた光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

イリジウム―光学活性ホスフィン錯体及びこれを用いた光学活性アルコールの製造方法

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JP2739254B2 JP2263439A JP26343990A JP2739254B2 JP 2739254 B2 JP2739254 B2 JP 2739254B2 JP 2263439 A JP2263439 A JP 2263439A JP 26343990 A JP26343990 A JP 26343990A JP 2739254 B2 JP2739254 B2 JP 2739254B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は各種有機合成反応、特に不斉水素化反応など
の触媒として有用なイリジウム−ホスフィン錯体及びこ
れを用いた光学活性アルコールの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、遷移金属錯体を触媒とする有機合成反応が多く
開発され、多くの目的のために活用されてきた。特に、
不斉合成すなわち不斉異性化反応、不斉水素化反応など
に用いられる不斉触媒について、多くの報告がなされて
いる。中でもロジウム及びルテニウムと光学活性な三級
ホスフィンよりなる金属錯体は不斉水素化反応の触媒と
してよく知られており、例えば、2,2′−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)−1,1−ビナフチル(以下BINAPとい
う)を配位子とするロジウム−ホスフィン錯体が報告さ
れている(特開昭55−61937号公報)。またルテニウム
に関してはBINAPを配位子とするRuCl4(BINAP)(NEt
3)の錯体が報告されている〔Ikariyaら;J.Chem.Soc.Ch
em.Commun.,(1985)P922〕。更に、特開昭62−265293
号公報には、Ru(O2CR)(BINAP)(ここにおけるR
は低級アルキル基、低級アルキル置換フェニル基等を示
す)が開示されており、また特開昭63−41487号公報に
は[RuHl(R−BINAP)]Xn(ここでRは水素原子又
はメチル基を、XはClO4、BF4又はPF6を示し、lが0の
ときはmが1、nが2であり、lが1のときはmが2、
nが1である。)が開示されている。その他の遷移金属
を用いる不斉合成反応に関しては総説;Sheri.L.Blyston
e.Chemical Reviews(1989)p1663〜1679に報告されて
いる。しかしながらイリジウム−光学活性ホスフィン錯
体を触媒とする不斉合成反応についての例は少なく、例
えば特開昭63−57558号公報、特開昭64−47723号公報で
報告されているイミンの光学活性アミンへの変換が知ら
れているだけである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ロジウム及びルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を
触媒とする不斉合成反応、特に不斉水素化反応は比較的
広い範囲の基質に対して高い触媒活性、不斉収率を与え
ることが知られている。しかしながら、対象基質によっ
ては、触媒活性、不斉収率ともに低い場合があった。
従って、更に新しい不斉合成触媒の開発が要望されて
いた。
〔課題を解決するための手段〕
かかる現状において、本発明者らはこのような工業界
の要請にこたえるべく研究を重ねた結果、今般新たに合
成したイリジウム−光学活性ホスフィン錯体が不斉合成
反応、特に不斉水素化反応において優れた触媒活性及び
不斉収率を与えることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は次式(I) [H2Ir(L1)(L2)]Y (I) 〔式中、L1は一般式(II) (ここで、Arはパラ位及び/又はメタ位が低級アルキル
基で置換されていてもよいフェニル基を示す)又は式
(III) で表わされる光学活性ホスフィンを示し、L2は一般式
(IV) (ここで、Zは低級アルコキシ基又はジ低級アルキルア
ミノ基を示し、Aは1〜3の整数を示す)で表わされる
三級ホスフィンを示し、YはBF4、PF6、ClO4又はBPh4
示し、Phはフェニル基を示す〕 で表わされるイリジウム−光学活性ホスフィン錯体を提
供するものである。
また本発明は3−オキソテトラヒドロチオフェン上記
式(I)で表わされるイリジウム−光学活性ホスフィン
錯体の存在下、不斉水素化することを特徴とする光学活
性3−ヒドロキシテトラヒドロチオフェンの製造方法を
提供するものである。
更にまた、本発明は一般式(V) 〔式中、R1及びR2はそれぞれ芳香族又は脂肪族炭化水素
基を示す〕 で表わされるα,β−不飽和ケトンを上記式(I)で表
わされるイリジウム−光学活性ホスフィン錯体の存在
下、不斉水素化することを特徴とする一般式(VI) 〔式中、*は不斉炭素原子を示し、R1及びR2は前記と同
義語である〕 で表わされる光学活性アリルアルコール誘導体の製造方
法をも提供するものである。
本発明に係るイリジウム−光学活性ホスフィン錯体
は、上記式(I)で表わされるものであるが、当該式
(I)中、L1で示される化合物としては2,2′−ビス
(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、2,2′
−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1′−ビナフ
チル(以下、これをTol−BINAPと略称する)、2,2′−
ビス(ジ−m−トリホスフィノ)−1,1′−ビナフチ
ル、2,2′−ビス(ジ−3,5−ジメチルフェニルホスフィ
ノ)−1,1′−ビナフチル、2,2′−ビス(ジ−p−クロ
ロフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、2,2′−
ビス(ジ−p−t−ブチルフェニルホスフィノ)−1,
1′−ビナフチル等が挙げられる。またL2で表わされる
化合物としてはビス(o−ジメチルアミノフェニル)フ
ェニルホスフィン、トリス(o−ジメチルアミノフェニ
ル)ホスフィン、o−ジメチルアミノフェニルジフェニ
ルホスフィン、ビス(o−メトキシフェニル)フェニル
ホスフィン、o−メトキシフェニルジフェニルホスフィ
ン、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィン、ビス
(o−エトキシフェニル)フェニルホスフィン、o−エ
トキシフェニルジフェニルホスフィン、ビス(o−ジエ
チルアミノフェニル)フェニルホスフィン、o−ジエチ
ルアミノフェニルジフェニルホスフィン等を挙げること
ができる。
イリジウム−光学活性ホスフィン錯体(I)は、例え
ば次の反応式に従って製造することができる。
〔式中、CODは1,5−シクロオクタジエンを示し、L1、L2
及びYは前記と同義語である〕 すなわち、錯体(VII)に光学活性ホスフィンL1を反
応させて錯体(VIII)となし、次いでこれに三級ホスフ
ィンL2と水素を反応させることにより、本発明イリジウ
ム−光学活性ホスフィン錯体(I)が製造される。
ここで原料錯体(VII)は、M.Greenら、J.Chem.Soc,
(A)2334(1971)の記載に従って調製される。また、
原料光学活性ホスフィンL1のうち、光学活性な化合物
(III)2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5,5′,
6,6′,7,7′,8,8′−オクタヒドロ−1,1′−ビナフチル
(以下、OcH−BINAPと略称する)は、例えば次の如くし
て合成される。すなわち、高谷ら、ジャーナル オブ
オーガニック ケミストリー(J.Org.Chem.)51巻、629
頁、1986年に基づいて合成した2,2′−ジブロモ−1,1′
−ビナフチルをルテニウム−炭素触媒存在下に、水素化
して2,2′−ジブロモ−5,5′,6,6′,7,7′,8,8′−オク
タヒドロ−1,1′−ビナフチル(2,2′−ジブロモ−1,
1′−ビテトラヒドロナフタレン)とした後、金属マグ
ネシウムを反応せしめてグリニャールを試薬とし、これ
にジフェニルホスフィニルクロリドを縮合せしめて、ラ
セミOcH−BINAPを合成する。このラセミ体は光学活性は
ジベンゾイル酒石酸を分割剤として用い、クロロホルム
−酢酸エチルの混合溶媒から再結晶を行い、析出結晶を
濾過して集めた後、1N−水酸化ナトリウムで処理してホ
スフィンオキシドとし、光学活性カラムを用いた高速液
体クロマトグラフィーにより光学純度を検定し、光学的
に純粋となるまで再結晶を繰り返す。この様にして得た
光学活性なホスフィンオキシドをトリクロリシランを用
いて還元すれば、本発明に用いられる光学活性なOcH−B
INAPを得ることができる。
錯体(VII)と光学活性ホスフィンL1との反応は、通
常テトラヒドロフラン、塩化メチレン等の溶媒中、室温
下20分〜1時間撹拌することにより行われる。また錯体
(VII)と三級ホスフィンL2との反応は、通常テトラヒ
ドロフラン、塩化メチレン等の溶媒中、水素ガス雰囲気
下に室温で5〜30時間撹拌することにより行われる。
かくして得られた本発明イリジウム−光学活性ホスフ
ィン錯体(I)は、反応液をそのままあるいは単離して
不斉合成用触媒として用いることができる。
次に本発明の錯体(I)を用いた不斉水素化反応につ
いて説明する。例えば3−オキソテトラヒドロチオフェ
ンを本発明錯体(I)の存在下、不斉水素化すれば光学
活性3−ヒドロキシテトラヒドロチオフェンが得られ
る。この反応は、基質である3−オキソテトラヒドロチ
オフェンを、メタノール、テトラヒドロフラン、塩化メ
チレン、ベンゼン又はこれらの混合系等の適当な溶媒に
溶かし、本発明錯体(I)を基質に対して1/1000〜1/10
モル加え、10〜50℃、好ましくは30℃前後で、水素圧2
〜100kg/cm2、好ましくは30〜50kg/cm2で行われる。
また、次の反応式に従い、α,β−不飽和ケトン
(V)を本発明錯体(I)の存在下、不斉水素化すれば
光学活性アリルアルコール誘導体(VI)が得られる。
〔式中、*は不斉炭素原子を示し、R1及びR2は前記と同
義語である〕 この反応は、上記の不斉水素化と同様の溶媒中、基質
に対して1/1000〜1/10モルの本発明錯体(I)を加え、
水素圧2〜100kg/cm2、5〜50℃、好ましは20〜30℃で
行われる。
〔発明の効果〕 本発明によれば、触媒活性、不斉収率が高く、各種不
斉合成反応、特に不斉水素化反応の触媒として有用なイ
リジウム−光学活性ホスフィン錯体が提供できた。ま
た、本発明錯体を利用することにより、3−オキソテト
ラヒドロチオフェンから光学活性3−ヒドロキシテトラ
ヒドロチオフェンが、またα,β−不飽和ケトンから光
学活性アリルアルコール誘導体が高純度、高収率で製造
できる。
〔実施例〕
次に参考例及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
本参考例及び実施例において用いた分析機器は次のも
のである。1 H−NMR及び31P−NMR:AM−400型装置(400MHz)(ブル
ッカー社製) 内部標準物質:1H−NMR・・・テトラメチルシラン 外部標準物質:31P−NMR・・・85%リン酸 旋 光 度 :DIP−4型装置(日本分光工業(株)製) 化 学 純 度:ガスクロマトグラフィー島津GC−9A型
を用い、カラムはガスクロ工業(株)社製シリカキャピ
タリーOV−101 25m 参考例−1 [Ir(COD)((+)−BINAP)]BF4の合
成: あらかじめ窒素置換を行った10mlの枝付フラスコに、
窒素気流下、[Ir(COD)(CH3CN)]BF40.9g(1.9mm
ol)を秤取し、200mlのテトラヒドロフランを加えた。
つづいて(+)−BINAP1.25g(2mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液20mlを加え室温で30分撹拌した。溶液を15ml
まで濃縮し、析出結晶を濾取して、室温、減圧下(1mmH
g)に6時間乾燥して、1.9gの結晶を得た。収率95%。
31P−NMR(CD2Cl2)δppm:15.73(s) 1H−NMR(CDCl3)δppm:1.90(m,2H),2.18(m.4H),
2.36(m,2H),4.24(m,2H),4.48(m,2H),6.47(d,2
H),6.71(m,4H),6.81(m,2H),7.00(dt,2H),7.35
(m,3H),7.37(m,3H),7.50−7.60(m,10H),7.66(d,
2H),7.76(d,2H),7.89(t,2H) 参考例−2 [Ir(COD)((−)−OcH−BINAP)]BF4
の合成: あらかじめ窒素置換を行った500mlの枝付フラスコ
に、窒素気流下、[Ir(COD)(CH3CN)]BF40.64g
(1.36mmol)を秤取し、15mlのテトラヒドロフランを加
えた。つづいて(−)−OcH−BINAP0.86g(1.36mmol)
のテトラヒドロフラン溶液10mlを加え、室温で30分撹拌
した。不溶物を濾別した後、濾液を300mlのエーテルに
注ぎ、室温で60時間放置した。析出結晶を濾取し、乾燥
(室温、1mmHg)して、1.3gの標題化合物を得た。収率9
3.3%。
31P−NMR(CDCl3)δppm:14.9(s) 1H−NMR(CDCl3)δppm:3.95(m,2H),4.26(m,2H),
6.94(d,2H),7.32(q,4H),7.40(d,2H),7.54(m,16
H) 実施例−1 の合成: 50mlの枝付フラスコに、窒素気流下、参考例−1で合
成した[Ir(COD)((+)−BINAP)]BF4252.2mg(0.
25mmol)と を秤取し、テトラヒドロフラン5mlを加えて、水素雰囲
気下、室温で18時間撹拌し、反応液を濃縮乾固して、30
2mgの標題化合物を得た。
1H−NMR(CD3CN)δppm:−11.51〜−11.49(m,1H),
−9.04〜−8.71(m.1H),1.45〜2.54(6H,N−Me),5.60
〜8.50(46H,芳香環) 元素分析(C64H54BF4NP3Ir) C H N 計算値(%) 68.58 4.50 1.16 実測値(%) 63.61 4.39 1.42 実施例−2 (+)−BINAPの代わりに(−)−OcH−BINAPを用い
て、実施例−1と同様に操作して上記の錯体を得た。
1H−NMR(CD3CN)δppm:11.73〜11.35(m,1H),−9.
38〜−9.06(m,1H),2.04〜2.50(6H,N−Me),1.60〜2.
80(16H,メチレン基),6.00〜8.40(38H,芳香環) 元素分析(C64H66BF4NP3Ir) C H N 計算値(%) 62.95 5.45 1.15 実測値(%) 62.73 5.14 1.08 実施例−3〜8 (−)−OcH−BINAPの代わりに(+)−BINAP、
(−)−Tol−BINAP又は(−)−2,2′−ビス{ジ(3,5
−ジメチルフェニル)ホスフィノ}−1,1′−ビナフチ
ル(以下、(−)−3,5)−D,M−BINAPの略称する)を
用い、 を用いて実施例−2と同様に操作して以下の錯体を得
た。
元素分析(C68H64BF4N3P3Ir) C H N 計算値(%) 63.06 4.98 3.24 実測値(%) 63.41 4.69 3.57 元素分析(C64H53BO2F4P3Ir) C H 計算値(%) 62.80 4.20 実測値(%) 62.71 4.44 元素分析(C70H67BF4N2P3Ir) C H N 計算値(%) 64.27 5.16 2.14 実測値(%) 63.93 4.83 2.45 元素分析(C74H75BF4N2P3Ir) C H N 計算値(%) 65.14 5.54 2.05 実測値(%) 65.01 5.35 2.41 元素分析(C65H55BF4O3P3Ir) C H 計算値(%) 62.15 4.41 実測値(%) 62.41 4.62 元素分析(C66H59N2P3BF4Ir) C H N 計算値(%) 63.31 4.75 2.24 実測値(%) 63.53 4.46 2.19 実施例−9 3−オキソテトラヒドロチオフェンの不斉
水素化: 500mlのステンレス製オートクレーブに、窒素気流
下、3−オキソテトラヒドロチオフェン214.5g(2.103m
ol)、実施例−8で合成した を秤取し、テトラヒドロフラン200ml、メタノール43ml
を加えて、水素圧50kg/cm2、30℃で45時間撹拌した。反
応液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(溶離
液;ヘキサン/ベンゼン/酢酸エチル=70/25/10)で未
反応部と水素化物を分離し、未反応物146gと3−ヒドロ
キシテトラヒドロチオフェン63g(転化率31.8%、理論
収率93.8%)を得た。▲〔α〕25 D▼+9.2゜(C=2.7,
CHCl3)。なおこのものの光学純度は63.2%eeであっ
た。
実施例−10 100mlのステンレス製オートクレーブに、窒素気流
下、3−オキソテトラヒドロチオフェン3.58g(35.1mmo
l)、実施例−2で合成した を秤取し、テトラヒドロフラン3ml、メタノール1mlを加
えて、水素圧50kg/cm2、30℃で45時間撹拌した。実施例
−9と同様に操作して、3−ヒドロキシテトラヒドロチ
オフェン0.84gを得た。(転化率30.1%、理論収率93.5
%)。
▲〔α〕25 D▼+9.6゜(C=2.65,CHCl3)。光学純度6
5.7%ee。
実施例−11 触媒として実施例−7で合成した を用い、実施例−9と同様に操作して、転化率17.1%、
理論収率93%、不斉収率61.1%eeで3−ヒドロキシテト
ラヒドロチオフェンを得た。
実施例−12 200mlのステンレス製オートクレーブにベンザルアセ
トン(34.2mmol)、実施例−4で合成した を秤取し、テトラヒドロフラン3ml、メタノール2mlを加
えて、水素圧50kg/cm2、30℃で45時間撹拌した。溶媒を
減圧下(10mmHg)に留去した後、反応物をGLC(PEG H
T、25m(ガスクロ工業社製))で分析した結果、転化率
34.5%であった。反応物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶離液;ヘキサン/酢酸エチル=4/1)を用
いて未反応ケトンと水素化物に分離し、純度89%の4−
フェニル−3−ブテン−2−オール1.73gを得た。▲
〔α〕25 D▼+18.1゜(C=5,CS2)。本アリルアルコー
ルの光学純度はCHIRALCEL OD(溶離液;ヘキサン/イソ
プロパノール=9/1)を用い、流速;0.5ml/分、検出;UV2
54nmの条件で測定した結果、76.5%eeであった。
実施例−13 100mlのステンレス製オートクレーブにベンザルアセ
トン5g(34.2mmol)、実施例−1で合成した を秤取し、実施例−12と同様に操作して、転化率26.7%
で純度70%の4−フェニル−3−ブテン−2−オール1.
34gを得た。光学純度70.3%ee。
実施例−14 触媒として実施例−2で合成した を用いた以外は実施例−12と同様に操作して、転化率30
%で純度90%のアリルアルコール1.68gを得た。光学純
度68%ee。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 (72)発明者 雲林 秀徳 東京都大田区蒲田5丁目36番31号 株式 会社高砂リサーチ・インスティテュート 内 (72)発明者 高谷 秀正 滋賀県草津市若草7丁目7番地9 (72)発明者 真島 和志 京都府京都市左京区吉田上阿達町37番地

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I) [H2Ir(L1)(L2)]Y (I) 〔式中、L1は一般式(II) (ここで、Arはパラ位及び/又はメタ位が低級アルキル
    基で置換されていてもよいフェニル基を示す)又は式
    (III) で表わされる光学活性ホスフィンを示し、L2は一般式
    (IV) (ここで、Zは低級アルコキシ基又はジ低級アルキルア
    ミノ基を示し、Aは1〜3の整数を示す) で表わされる三級ホスフィンを示し、YはBF4、PF6、Cl
    O4又はBPh4を示し、Phはフェニル基を示す〕 で表わされるイリジウム−光学活性ホスフィン錯体。
  2. 【請求項2】3−オキソテトラヒドロチオフェンを請求
    項1記載のイリジウム−光学活性ホスフィン錯体の存在
    下、不斉水素化することを特徴とする光学活性3−ヒド
    ロシキテトラヒドロチオフェンの製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(V) 〔式中、R1及びR2はそれぞれ芳香族又は脂肪族炭化水素
    基を示す〕 で表わされるα,β−不飽和ケトンを請求項1記載のイ
    リジウム−光学活性ホスフィン錯体の存在下、不斉水素
    化することを特徴とする一般式(VI) 〔式中、*は不斉炭素原子を示し、R1及びR2は前記と同
    義語である〕 で表わされる光学活性アリルアルコール誘導体の製造方
    法。
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