JP2739210B2 - 可変速誘導電動機の回転子 - Google Patents

可変速誘導電動機の回転子

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JP2739210B2
JP2739210B2 JP63176075A JP17607588A JP2739210B2 JP 2739210 B2 JP2739210 B2 JP 2739210B2 JP 63176075 A JP63176075 A JP 63176075A JP 17607588 A JP17607588 A JP 17607588A JP 2739210 B2 JP2739210 B2 JP 2739210B2
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利彦 佐竹
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トルク特性および効率が良く速度制御が容
易な可変速誘導電動機の回転子に関する。
従来技術とその問題点 誘導電動機の速度を制御する方法の一つとして電源周
波数を変える方法がある。この方法は連続的かつ広範囲
な速度制御が可能である半面、この方法で必要とする周
波数変換装置を高価とし、また周波数変換装置により交
流を直流に変換して再度交流に変換する過程において一
般に高調波および電波が発生し、これらによってコンピ
ューター,その他各種電気制御機器の誤動作あるいはコ
ンデンサーの過熱等の障害を招くことがあり、このうち
高周波障害に対しては、フィルターを設置することによ
り対策を講じることもできるが、フィルターの設置には
コストがかかる。また低速時において一般に性能が不十
分となる等の欠点を有するものである。
また、電動機の極数を変えて速度を制御する方法は、
極数の変換によって段階的に速度を変えることができて
も、無段階的に滑かな速度制御をすることができない欠
点がある。
また、電源の電圧を変えて速度を制御する方法では、
速度制御が連続的に行える半面、特に低速度領域におい
て効率が悪くなる欠点がある。
そして巻線型電動機において二次抵抗を変化させすべ
りを変えて速度制御を行う方法は、比較的簡単に連続的
な速度制御が可能である半面、外部からブラシとスリッ
プリングを介して回転子巻線回路へ抵抗を挿入するため
に、ブラシの消耗による保守点検を必要とし、また、か
ご形誘導電動機は、二次抵抗を変化させて速度制御を行
うことができない問題点がある。
上記問題点に対処するものとして、例えば、特開昭54
−29005号公報にその技術が開示してあり、このもの
は、同軸上に設置された2組の回転子鉄心および回転子
鉄心に対向してそれぞれ独立する固定子巻線を備えた2
組の固定子と、前記各回転子鉄心に跨って共通に設置さ
れかつ両端にてそれぞれ短絡環を介して相互間を短絡し
たかご形導体と、2組の回転子鉄心間におけるかご形導
体の中央箇所にてかご形導体の相互間を短絡する高抵抗
体とを備え、始動時には固定子巻線の相互間の位相を18
0゜ずらせ、始動後の運転時には位相を合わせて給電す
る双鉄心かご形電動機であるが、始動時に固定子巻線の
相互間の位相を180゜ずらすことにより始動トルクを大
にして始動特性を向上し、運転時には固定子巻線の相互
間の位相を合わせて通常のトルク特性で運転できる点に
特徴を有するものである。したがって、始動性を向上す
る効果は認められたとしても、この電動機は可変速電動
機ではないから変速を必要とする負荷の動力源として使
用することができないものである。
なお、上記特開昭54−29005号公報において、起動時
から運転時への移行に際し、トルクの急激な変動による
ショックを緩和する目的により瞬間的に固定子巻線の相
互の給電回路を直列接続の中間ステップを設けることも
1例にあるが、この場合は、回転磁界の位相のずれが0
゜と180゜の両時点のみに限定されるもので変速目的の
ものではない。しかも直列に切り換えたことにより固定
子に加わる電圧は半減されるのでトルクは1/4に減殺さ
れることも相俟って変速制御が全く不可能になること
は、この公報に開示する要旨が変速を目的としないこと
からも明白なところである。
要するに特開昭54−29005号公報のものは、仮に「固
定子巻線を給電回路に対して直列接続と並列接続とに切
り換える中間ステップ」云々とあるが、この直列接続は
変速目的には全く用をなさない接続に過ぎない。
また、回転子コア間において導体を抵抗材によって相
互に連結することにおいて特別な構成もないから変速し
て0゜と180゜以外の位相のずれで長時間運転すれば熱
と遠心力の影響で回転子が破損してしまう等の欠点を有
するものであった。
〔発明の目的〕
本発明は、上記従来技術の欠点を改善するためのもの
で、上記特開昭54−29005号公報および特開昭49−86807
号公報のそれぞれの総和では奏することのできない特異
のトルク特性を求めるものであり、速度制御領域を広範
囲に且つその速度制御を無段階的として任意の所望速度
に設定できると共に、任意のトルクで起動させることが
でき、また起動点から最高回転速度までの全速度領域に
亘り、トルク特性と効率が優れ、前記抵抗材の放熱性と
抵抗材の強度及び回転子導体の強度の優れた可変速誘導
電動機の回転子を提供することにある。
なお、本発明の可変速誘導電動機は、単相または3相
電源等に接続して使用され、回転子の形態は、普通かご
形,二重かご形,深溝かご形,特殊かご形等のいずれの
形式のものにも適用できるものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記技術的課題を達成するために、本発明は、複数個
の回転子コアのそれぞれに装設した複数個の導体のそれ
ぞれを連結して一体的な回転子に形成し、同一回転軸に
任意の間隔を設けて軸着した前記複数個の回転子コアに
対峙する外周部に複数個の固定子を機枠に並設し、前記
複数個の固定子と対峙しない前記複数個の回転子コア間
において、前記複数個の導体を抵抗材を介して短絡する
と共に、前記複数個の固定子のうち、少なくとも1個の
固定子に関連して前記複数個の固定子のうちのいずれか
一方の固定子に対峙する回転子の導体部分に誘起する電
圧と他方の固定子に対峙する前記回転子の導体部分に誘
起する電圧との間に位相差を生じさせる電圧移送装置を
付設した電動機の回転子であって、隣接する導体と連結
した前記抵抗材の一部分を前記導体の外周部に突出状に
形成したことにより問題解決の手段とした。また、突出
状に形成した抵抗材は、帯状または板状に形成した。
〔作 用〕
本発明は、任意手段により、それぞれの固定子間に生
起する回転磁界の磁束に位相のずれを生じさせると、磁
束の位相のずれに応じて回転子導体に誘起する合成電圧
が変化し、回転子導体に誘起する電圧を増減制御して回
転子の回転速度を任意に変えることができる。
ところで、複数個の回転子コアに装設した複数個の導
体を抵抗材を介して短絡してあるので、位相のずれに応
じて前記抵抗材に電流が流れ、大きなトルクを得ること
ができる。前記抵抗材に電流が流れれば当然発熱し、こ
れが抵抗材や回転子導体の強度を低下させる原因とな
り、回転による遠心力の影響もあり、回転子コア間の強
度は特に低下することになる。また高トルクを出せば出
す程抵抗材の温度が上昇して抵抗材自身の溶融あるいは
抵抗材につながっている回転子導体の溶融・破壊を引き
起こすこともある。
ところで本発明においては抵抗材を回転子の外側に突
出した形状のものを装着したため、抵抗材の長さを十分
に大きくすることが可能になり、同一抵抗値を得るため
に抵抗材の断面積を十分に大きくすることができた。こ
のため抵抗材の表面積も大きくなり、放熱性が向上し、
抵抗材の温度上昇を抑えることができるようになったこ
とで、抵抗材の強度,回転子導体の強度を向上させるこ
とができた。
なお、抵抗材を帯状または板状としたものは、抵抗材
の表面積が大幅に大きくなり、放熱性を顕著に向上させ
て、抵抗材の温度上昇を顕著に低下させ、抵抗材,回転
子導体の強度を大幅に向上させることができた。その結
果、広範囲の変速と広範囲の速度において高トルクを得
ることが可能となった。
なお、複数個の導体を短絡連結した前記抵抗材一部分
を前記導体の外周部において突出状に形成した…とした
が、複数個の導体を短絡連結するとは、抵抗材が一つの
導体から、次の導体を短絡することを意味し、抵抗材が
たとえば、ある導体からその横に隣接する次の導体を介
しないで、その次に位置する導体を連結して短絡する場
合を含むものである。
〔実施例〕
実施例について図面を参照し説明する。第1図の符号
1は本発明による可変速誘導電動機であり、該誘導電動
機は以下のような構成を有する。(第1図,第2図参
照) 鉄心からなる回転子コア2,3を任意の間隔を設けて回
転子軸4に軸装し、該回転子コアは、回転子コア2,3そ
れぞれに装設した複数個の導体5のうち、隣接する複数
個の導体5を一組にして、その一端部を短絡環6と7に
より連結し、他方側に前記複数個の導体を一組にして、
端部51を形成した。さらに回転子8は前記回転子コア2,
3間において、1組の導体に対し、つまり前記回転子コ
ア2,3の端部51に対し導体55を連通状に連結することで
一体的に形成する。回転子コア2,3間の前記連通状に連
結した導体55を抵抗材r…たとえば、銅ニッケル合金,
ニッケルクロム合金,鉄クロム合金,ステンレス…を介
し短絡連結してある。
また回転子コア2,3に回転子8の両側部10,11に連絡す
る複数個の通風胴12…を設ける。また、複数個の抵抗材
r…は回転子外周に突出する形状を成し任意の冷却撹拌
体として冷却作用体13に形成することができる。前記抵
抗材rの両側面には抵抗材rの発熱を遮閉する断熱材を
固着した遮閉板52が設けられる。
円筒状の機枠14の両側部に設けた軸受盤15,16を両側
部にボルト17により一体的に組付け、回転子8の両側部
に冷却用翼車19,20を装着し、回転子軸4の両端部を軸
受盤15,16に嵌装した軸受21,21に軸支し、回転子4を回
転自在としてある。
第1図および第2図に示すように、回転子コア2,3に
対して同心的にその外側部に巻線22,23を施した回動固
定子31と第2固定子25を対峙並設し、機枠14と回動固定
子31との間にすべり軸受26を装設し、すべり軸受26を機
枠14に嵌装したストツプリング28…によって左右移動を
固定し、第2固定子25は機枠14の内壁面に固設される固
着固定子である。回動固定子31の一側外周面にはギヤー
33を嵌着してあり、機枠14の外周部に固設した駆動装置
29と成す正逆回転用小型モーター35に、駆動用歯車36を
軸着し、機枠14の外周囲部に複数個の排風口39を穿設
し、軸受盤15,16には複数個の通風孔40…を穿設してあ
る。
回転子コア2,3間と、すべて軸受26に装着した回動固
定子31と、第2固定子25,機枠14とで形成する空間部66
を通風胴67に形成し、機枠14に複数個の開口部を開設し
て通風胴67に連通し、上記複数個の開口部を任意個数の
送風口68と排風口69とに形成してある。風車71に軸着し
たモーター72を送風胴70に装着して送風装置73に形成す
る。送風装置73を機枠14に固設すると共に、送風装置73
の吸風部74Aを排風口69に連絡して通風胴67に連通し、
排風口69の他方から外気を導入する送風口68を通風胴67
に連通してあり、送風胴70に排風部74Bが形設してあ
る。また、送風口69に、クーラー,凝縮器,冷媒ガス,
その他種々の冷媒装置を直接に、または通管を介して連
結することがある。
開口部37から機枠14内に一部を挿入した駆動用歯車36
と、回動固定子31に嵌着したギヤー33とを係合させ、駆
動装置29と成すスイッチを備えた小型モーター35と、ギ
ヤー33および駆動用歯車36とにより成る回動機構30を介
して回動固定子31に連結し、回動固定子31を回動自在と
し、機枠14に固設した第2固定子25に関連して回動自在
とした回動固定子31を、電圧移送装置100に形設してあ
る。
上記回転子8の回転により、軸受盤15,16に穿設した
通風口40…から冷却用翼車19,20により機枠14内に外気
を吸引し、冷却用翼車19により巻線22,回転子コア2,導
体5…等を冷却して排風孔39…を介して機枠14外に排除
し、冷却用翼車20では、翼車19で吸引して余剰となった
空気を通風胴12…内に流動させると共に、回転子コア2,
3を冷却し、軸受盤16から吸引した空気とを合流させて
巻線23,第2固定子25を通風させて冷却し、機枠14の排
風孔39B…から排出され、巻線22,23、回転子コア2,3、
導体5…のそれぞれに機能を安定的に作用させる。符号
38は突片を入出動制御するソレノイドで、ソレノイド38
は機枠14に装着してその突片を回動固定子31に嵌着した
ギヤー33に装着自在に係合させてあり、トルク発生時の
固定子への反作用等、固定子が必要以外容易に回動しな
いためのストッパーでる。
第3図に示すように、回動固定子31と第2固定子25の
それぞれにスター結線を施した巻線22,23とを直列に連
結する。即ち、回動固定子31の巻線22の端子A,B,Cを商
用3相電源A,B,Cに連結すると共に巻線22の端子a,b,cを
第2固定子25の巻線23の端子A,B,Cに連結し、巻線23の
端子a,b,cを短絡して連結してある。
以下に上記構成における作用を説明する。
巻線22,23に商用3相電源から通電すると、回動固定
子31,25に回転磁界が生じて回転子8に電圧が誘起さ
れ、回転子8の導体5…に電流が流れて回転子8は回転
する。回動固定子31に対して第2固定子25それぞれの回
転量をゼロとしたときには、それぞれの固定子31,25に
生じる回転磁界の磁束に位相のずれがなく、その詳細は
後述する如く連結材となす抵抗材r…には電流が流れな
いので、一般の誘導電動機と同一のトルク特性を持つも
のである。
次に、小型モーター35を作動して回動固定子31を回動
し、回動固定子31を電気位相角でθだけ回動した場合に
ついて説明する。回動固定子31と第2固定子25が作る回
転磁界と磁束φ1の位相はθだけずれており、その
ため回動固定子31と第2固定子25により回転子8の導体
5…に誘起される電圧1,の位相はθだけずれてい
る。今、第2固定子25によって回転子8の導体5…に誘
起される電圧を基準にとし、該電圧を=SEとす
る。ここでSはすべり,Eはすべり1のときの誘起電圧で
ある。このとき第1固定子24によって導体5Aに誘起され
る電圧は,=SEεjθとなる。
(E=すべり1の時の誘起電圧) 第4図に示すものは、非磁性体コア9部において複数
個の導体5…を短絡する抵抗材r…が装着されていない
場合の回転子8のすべりSと回転子入力の有効電力Pと
の関係を示すもので、電圧の位相がθ=0゜のとき有効
電力Pは最大となり、0゜<θ<180゜のときはそれよ
りも小さなものとなる。ここで導体5…の抵抗およびイ
ンダクタクスをRおよびLとし、電源の角周波数をωと
すれば、有効電力Pの極大はS=(R/ωL)のとき現わ
れる。
有効電力Pは誘導電動機1の駆動トルクと比例するの
で、小型モーター35を作動して回動回転子31を第2固定
子25に対して回動させることによって回転子8に誘起す
る電圧を調整し、回転子の速度を無段階的に制御するこ
とができる。
次に、回転子8の導体5…の短絡環6,7から連結材ま
でのそれぞれの抵抗をR1,R2、またインダクタンスをL1,
L2とし、電源の角周波数をωとし、各導体5…のそれぞ
れを短絡する抵抗材の抵抗をrとすれば、回転子8の電
気的等価回路は第5図のようになり、符号I1,I2,I3は各
技路を流れる電流を示すものである。
次に、第5図に示すものを両固定子31,25側からみた
等価回路に変換すると第6図のようになり、R1=R2,L1
=L2でθ=0゜のときにはI3=I1−I2=0となり抵抗材
rには電流が流れないことになる。このことはθ=0゜
のときにはトルクTはrがないときの値に等しいことを
意味している。従って、θ=0゜のときは従来の誘導電
動機と同一のトルク特性を持つことになる。
次に、R1=R2,L1=L2でθ=180゜のときには、I1=−
I2,I3=I1−I2=2I1となり、従来の誘導電動機において
回転子導体の抵抗をR1=R2=RとすればRはR+2rに増
加したと同様な結果となっている。
次に、回動固定子31と第2固定子25のそれぞれに巻装
した巻線22,23を直列に連結した作用を第1図,第3図
につき説明する。
巻線22,23を直列に連結してあるため商用3相電源か
ら巻線22,23間に電流は流れるが、仮に巻線22,23のそれ
ぞれの抵抗の相違あるいは両固定子31,25の容量の大き
さに相違があっても、それとは無関係に、それぞれの巻
線2,2223に流れる電流の大きさは等しく、したがって回
動固定子31と第2固定子25のそれぞれから回転子8の導
体5…に誘起して流れる電流の大きさは等しくなる作用
と、回動固定子31,第2固定子25に対する回動差、即ち
回転磁界の磁束に生じる位相のずれに応じて両固定子3
1,25のそれぞれから回転子8の導体5…に流れる電流の
大きさが等しくなるという強制力が生じる作用と、両固
定子31,25間の電圧の位相差を起因するベクトル差分の
電流は複数個の導体5…のそれぞれを連結材となす抵抗
材r…を介して必然的に流れるという強制力が生れる作
用との相乗効果により、第7図に示すすべりとトルク特
性のように効率の改善とそれぞれの変速領域において大
きなトルクを出すことができ、負荷の連結した状態にお
いてもそれぞれの速度領域ごとに起動を容易とするもの
で、負荷の起動特性に順応して滑らかな起動とするこ
と、あるいは高出力で起動すること等任意に使い分けが
でき、起動・停止を頻繁に反復する動力源に最適に対応
できる。上記のように回転子8の変速は、回動固定子31
により位相のずれを制御して回転子8の導体5…に流れ
る電流を増減に変化させる制御のみで回転子8の回転速
度を任意に変速することができる。
なお、巻線22,23を直列に連結した回動固定子31と第
2固定子25のそれぞれから回転子8の導体5…に流れる
電流の大きさに対し、複数個の導体5…間に抵抗材r…
を介して短絡して流れる電流の比率は、抵抗材r…の抵
抗値およびすべりとは無関係にPθ(P=極対数、θ=
位相角)の値によって決定され、(上記比率は、Pθ=
πが最大でPθ=0でゼロとなる)Pθが一定であれ
ば、一般の巻線誘導電動機の二次挿入抵抗を一定とした
場合と同様のすべりとトルク特性になり、Pθが小にな
ると回転子8の導体5…に流れる電流の比率が小とな
り、Pθを小さくすることは一般の巻線形誘導電動機の
二次挿入抵抗を小さくすることと同等の作用をすること
となる。そして両固定子31,25に定格電流を流した場合
において、位相差θを任意に変えてもすべり値の選定と
連結材の抵抗値の設計次第により、最高速度の持つ定格
電流と定格トルク特性とを、それぞれの変速領域におい
てもほぼ同等に作用させることができる。また、回動固
定子31と第2固定子25の巻線22,23を直列に連結してあ
っても、仮に導体5…間に連結材を設けて短絡していな
い場合は、位相差がある時は回転子導体5…にはほとん
ど電流が流れにくい状態となる。
上記の如く構成される誘導電動機に係る回転子につい
て、第1図と第8図に基づき以下に説明する。
まず、回転子コア2,3は一般的に珪素鋼板,電磁鋼板
を積層したものであるが、更に詳しく説明すると、回転
子コア2,3は両側面を燐酸被膜処理した複数個の珪素鋼
板を重合結合して一体的な回転子コア2,3に形成され
る。この珪素鋼板には、複数個の導体挿入孔を穿設して
ある。
上記の如く重合結合して回転子コア2,3はさらにアル
ミニウムを鋳込んで、いわゆるアルミニウムダイカスト
法により導体5と短絡環6,7と、さらに回転子間を連結
する導体を溶接するための端部51とを同時に一体的に形
成したものである。
ここで前記鋳込みで形成される端部51は、同じく鋳込
みで複数の導体挿入孔内に形成される複数の導体5う
ち、複数を1組にしたものに1つの端部51が形成され
る。ただし、導体5、1つに対し端部51が1つ形成され
ることもある。
この鋳込みされた回転子コア2,3間で、前記回転子コ
ア2,3に形成された前記端部51と導体55とを溶接し、導
体55を連通状に成すことで、回転子8を形成する。
ここに記述する導体55には、銅,しんちゅう,ステン
レス,銅ニッケル合金,鉄などを使用する。
さらに該回転子8に連通状に溶接した導体55は、帯状
抵抗材rを介して短絡し、該抵抗材rは前記導体55に対
し突出状になし、前記導体55に溶接固着したものであ
る。ここでいう前記溶接とはロウ付を含むものである。
またここでいう前記突出状とは、たとえば導体55aの外
周部分に外接して回転子外周に突出し、任意延長上で折
り返し、再び前記導体55aに隣接する次の導体55bの外周
部分に外接して、また回転子外周に突出することをくり
かえした形状で、該抵抗材rは各々導体55と抵抗材rの
接触面あるいは接触点で溶接され、導体55に固着され
る。
上記実施例の外にもたとえば導体55aの外周部分に外
接して、さらに隣接する次の導体55bの外周部分に外接
し、回転子外周に突出し、任意延長上で折り返し、再び
前記導体55bに隣接する導体55cの外周部分に外接するこ
とをくりかえした形状とか、導体55aの外周部分に外接
して、回転子外周に突出し、任意延長上で折り返し、再
び前記導体55aに隣接する次の導体55bの外周部分に外接
し、導体55bの次の導体55cに外接しないで、導体55cの
次の導体55dの外周部分に外接し、さらに回転子外周に
突出する方法なども容易に考えられる。
次に回転子8に連通状に溶接した導体55を板状抵抗材
rを短絡して、該抵抗材rを前記導体55に対し突出状に
なしたる場合の実施例を第9図に示す。
つまり、導体55間に板状の抵抗材rを挿入し溶接固着
することで、回転子外周に突出状に形成する、このとき
も、それぞれの導体55間すべてに板状の抵抗材rを挿入
し溶接固着することの外に、たとえば導体55aと導体55b
の間に板状の抵抗材rを挿入し、導体55bと導体55cの間
には前記抵抗材rを挿入しないという方法をとることも
ある。
以上に構成される抵抗材rにおいて前述の通り本発明
に係る可変速誘導電動機の始動時及び高ルク発生時の、
電圧移相装置による位相のずれに応じて、抵抗材rには
電流が流れ大きな発熱を伴うものであるが、前記のごと
く帯状または板状の抵抗材rとしたため、その表面積は
大きくなり放熱性は大きく向上し、さらには抵抗材の強
度,回転子導体の強度を向上させることができる。
〔発明の効果〕
以上の構成・作用により本発明に係る可変速誘導電動
機の起動点から最高回転速度までの全速度領域に亘るル
トク特性と効率の向上を追求すると、前記抵抗材の発熱
に伴う抵抗材の溶融あるいは回転子導体の溶融破壊を引
き起こすこともあった。
しかし、抵抗材を回転子外周に突出させる形状にし、
かつ前記抵抗材を帯状または板状のものを使用すること
により、抵抗材の放熱性と抵抗材の強度及び回転子導体
の強度を大幅に向上することができる。つまり、前記抵
抗材の発熱温度上昇を抑えることにより前記可変誘導電
動機は、広範囲の変速と広範囲の速度において高トルク
を得ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る可変速誘導電動機の側断面図、第
2図は第1図の正断面図、第3図は巻線の結線図、第4
図は回転子のすべりと有効電力の関係を示す図、第5図
は回転子の電気等価回路、第6図は固定子側から見た回
転子の電気的等価回路、第7図は複数の回転子導体のそ
れぞれを抵抗材により短絡すると共に、固定子に巻装し
た巻線を直列に連結した場合の速度とトルクの関係を示
す図、第8図は第1図A−A部の特に回転子部分の正断
面図、第9図は板状抵抗材で短絡した場合の、第1図A
−A部の特に回転子部分の正断面図。 1……可変速誘導電動機、2,3……回転子コア、4……
回転子軸、5……回転子導体、6,7……短絡環、8……
回転子、10,11……両側部、12……通風胴、13……冷却
作用体、14……機枠、15,16……軸受盤、17……ボル
ト、19,20……冷却用翼車、21……軸受、22,23……巻
線、25……第2固定子、26……すべり軸受、28……スト
ップリング、29……駆動装置、30……回動機構、31……
回動固定子、35……小型モータ、36……駆動用歯車、37
……開口部、38……ソレノイド、39……排風口、40……
通風口、51……端部、52……遮閉板、55,55a,55b,55c,5
5d……導体、66……空間部、67……通風胴、68……送風
口、69……排風口、70……送風胴、71……風車、72……
モーター、73……送風装置、74A……吸風口部、74B……
排風口部、r……抵抗材。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一回転軸に任意の間隔を設けて軸着した
    複数個の回転子コアのそれぞれに装設した複数個の導体
    のそれぞれを連結して一体的な回転子に形成し、前記複
    数個の回転子コアに対峙する外周部に複数個の固定子を
    機枠に並設し、前記複数個の固定子と対峙しない前記複
    数個の回転子コア間において、前記複数個の導体を、抵
    抗材を介し短絡連結すると共に、前記複数個の固定子の
    うち少なくとも1個の固定子に関連して前記複数個の固
    定子のうちずれか一方の固定子に対峙する回転子の導体
    部分に誘起する電圧と他方の固定子に対峙する前記回転
    子の導体部分に誘起する電圧との間に位相差を生じさせ
    る電圧移相装置を付設した電動機の回転子であって、前
    記複数個の導体を短絡連結した前記抵抗材の一部分を前
    記導体の外周部に突出状に形成したことを特徴とする可
    変速誘導電動機の回転子。
  2. 【請求項2】前記抵抗材は板状または帯状である請求項
    (1)記載の可変速誘導電動機の回転子。
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