JP2571367B2 - 可変速誘導電動機 - Google Patents

可変速誘導電動機

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JP2571367B2
JP2571367B2 JP61138650A JP13865086A JP2571367B2 JP 2571367 B2 JP2571367 B2 JP 2571367B2 JP 61138650 A JP61138650 A JP 61138650A JP 13865086 A JP13865086 A JP 13865086A JP 2571367 B2 JP2571367 B2 JP 2571367B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、任意の回転速度に変速でき、それぞれの変
速領域において効率を安定的に確保することのできる可
変速誘導電動機に関する。
【従来技術とその問題点】
従来技術における誘導電動機の速度を制御する方法の
一つとして電源周波数を変える方法がある。この方法は
連続的かつ広範囲な速度制御が可能である半面、この方
法で必要とする周波数変換装置が高価である。またこの
周波数変換装置により交流を直流に変換して再度交流に
変換する過程において、一般に高調波および電波が発生
しており、これらによってコンピューター,その他各種
電気制御機器の誤動作あるいはコンデンサーの過熱等の
障害を招くことがある。このうち高調波障害に対して
は、フィルターを設置することにより対策を講じること
もできるが、フィルターの設置にはコストがかかる。ま
た低速時において一般に性能が不十分となる等の欠点を
有するものである。 また、電動機の極数を変えて速度を制御する方法は、
極数の変換によって段階的に速度を変えることはできる
が、無段階的に滑かな速度制御をすることができないと
いう欠点がある。 また、電源の電圧を変えて速度を制御する方法では、
速度制御が連続的に行える半面、特に低速度領域におい
て効率が悪くなる欠点がある。 そして巻線型電動機において二次抵抗を変化させすべ
りを変えて速度制御を行う方法は、比較的簡単に連続的
な速度制御が可能である半面、外部からブラシとスリッ
プリングを介して回転子巻線回路へ抵抗を挿入するため
に、ブラシの消耗による保守点検を必要とする。また、
かご形誘導電動機においては、二次抵抗を変化させるこ
とはできず回転子回路による速度制御を行うことができ
ない問題点がある。 上記問題点に対処するものとして、同軸で結合された
双鉄心としてなる2組の固定子鉄心および回転子鉄心
と、各固定子鉄心にそれぞれ巻装された固定子巻線と、
各回転子鉄心にそれぞれ巻装されかつ各相毎に巻線端子
同志が相互接続された回転子巻線と、各回転子巻線に対
して各相端子の相互間に介挿接続された共通始動抵抗と
を備えてなり、始動時には、各回転子巻線に誘起される
起動力が互に同位相に、始動後の運転時には起動力が互
に逆位相になるよう定めて各固定子巻線へ給電する双鉄
心巻線形誘導電動機が特開昭54−29006号公報として提
案されている。この電動機の回転子巻線に接続している
共通始動抵抗は、始動時のみ電流が流れて高抵抗トルク
特性を与えるよう作用し、運転時には接続状態のままで
も電流は流れず二次抵抗として作用しないものである。
したがって共通始動抵抗を回転子巻線とともに回転子側
に設置して両者を固定的に接続し、保守面で有利なブラ
シレス方式の実現化を図ることができ、また共通始動抵
抗を機外の外部抵抗としてスリップリングを介して接続
した場合にも、スリップリングの短絡スイッチを省略で
きる等の特徴を有するものである。しかし回転子の回転
速度を無段階的に変速できないために、変速制御を必要
とする負荷の動力源として使用することができないもの
であった。
【発明の目的】
本発明に係る可変速誘導電動機は、2個の固定子と2
個の回転子コアと該2個の回転子コアに連通する複数個
の回転子導体を装設すると共に、回転子コア間におい
て、複数個の回転子導体を相互に短絡する抵抗材を設
け、前記2個の固定子の相互間における回転磁界の位相
を変化させる電圧位相装置とから構成して、上記従来技
術の欠点を改善し、速度制御領域を広範囲に且つその速
度制御を無段階的として任意の所望速度に設定できると
共に、任意のトルクで起動させることができ、またそれ
ぞれの速度領域における効率の改善と、その効率を安定
的に維持することのできるものである。 本発明では、複数個の回転子導体を相互に短絡する抵
抗材は、2個の固定子による回転磁界の位相に差を設
け、回転磁界の位相のずれを大きくした低速回転領域に
おいては、冷却用の翼車の回転が低下して、更に抵抗材
を通じて流れる電流が大きくなるため発熱温度が高くな
ってしまうものである。 したがって、低速回転領域でもこれらの発熱が固定子
等に伝播することなく、抵抗材が放熱できるようにし
て、発熱による効率の低下を防止することを目的とする
ものである。 なお、本発明の可変速誘導電動機は、単相または3相
のいずれにでも形成でき、回転子の形態は、普通かご
形,二重かご形,深溝かご形,特殊かご形のいずれの形
式のものにも適用できるものである。
【問題点を解決するための手段】
上記技術的課題を達成するために、本発明は、同一回
転軸に空間又は非磁性体コアを介在して軸着した2個の
回転子コアを有し、該回転子コアに連通した複数個の回
転子導体を装設してかご形導体とした一体的回転子と、
前記2個の回転子コアに対峙した外周に周設した2個の
固定子コアにそれぞれ巻線を巻装して直列に接続した2
個の固定子と、前記回転子コア間の前記空間又は非磁性
体コアにおいて前記複数個の回転子導体を相互に連結材
を介して短絡連結した抵抗材と、前記2個の固定子のう
ち少なくとも1個の固定子に関連して設けた電圧移相装
置とからなる可変速誘導電動機において、前記抵抗材を
前記固定子巻線の外側方となる大きさの環状体に形成し
て回転子コア間の外周に装設し、該回転子コア間におい
て前記複数個の回転子導体と前記抵抗材とを連結用導体
を介して連結した可変速誘導電動機により問題点を解決
するための手段とした。 また、前記回転子コアに装設した複数個の回転子導体
のうち、前記回転子コア間の回転子導体を回転子外方に
突設する湾曲体に形設し、該湾曲体を連結用導体として
前記環状体の抵抗材と連結した可変速誘導電動機によっ
ても前記問題点を解決するために有効に作用する。 更に、前記湾曲体には翼板を設けたことで、冷却をよ
り向上させるものである。
【作 用】
本発明に係る可変速誘導電動機は、任意手段により、
それぞれの固定子に生起する回転磁界の磁束間に位相の
ずれを生じさせると、磁束間の位相のずれに応じて固定
子に対峙する回転子導体に誘起する電圧の位相が変化
し、回転子導体全体に誘起する電圧を増減制御して回転
子の回転速度を任意に変えることができる。 ところで、このように2個の固定子間に生起する回転
磁界の磁束の位相に差が生じると、2個の固定子の回転
磁界によって個別に回転子の導体に誘起して流れる電流
は、複数個の回転子導体間を短絡した抵抗材を通じて、
位相のずれに応じた合成電流として流れるので、この位
相のずれに応じたそれぞれの速度領域において、大きな
トルクを確保すると同時に効率を改善することができ
る。 本発明の可変速誘導電動機においては、2個の固定子
による回転磁界の磁束の位相に差を設け、回転子導体に
生起する電圧の位相のずれを変化させて回転速度を任意
に変えることを可能としているが、回転磁界の位相のず
れを大きくした低速回転領域においては、冷却用の回転
子軸に設けた翼車の旋回速度の低下により通風冷却作用
が減衰して、更に位相のずれが大きいと複数個の回転子
導体を相互に短絡した抵抗材を通じて流れる電流が大き
くなるため発熱温度が高くなってしまう。ところが本発
明では複数個の回転子導体を相互に短絡する抵抗材は、
固定子に巻装した固定子巻線の外側方となる大きさの環
状体に形成してあるから、これら抵抗材の発熱が固定子
に伝播することがなく、また、連結用導体によって抵抗
材が軸芯から遠い外側方の周速の速い位置にあるから、
抵抗材自身の旋回により放熱させることができ、発熱に
よる効率の低下を防止することができる。
【実施例】
本発明の実施例を第1図〜第11図に基づき説明する。 第1図〜第5図により本発明の一実施例を説明する。
第1図と第3図に示す符号1は誘導電動機であり、該誘
導電動機1は以下のように構成してある。鉄心からなる
回転子コア2,3を任意の間隔を設けて回転子軸4に装着
し、回転子コア2,3間に非磁性体コア9を介設してあ
る。回転子コア2,3に連通した複数個の回転子導体5…
を装設して一体的な回転子8を形成し、その複数個の回
転子導体5…の両端部を短絡環6,7に連結してかご形導
体としてある。また回転子コア2,3,9に回転子8の両側
部10,11に連絡する複数個の通風胴12…を設け、通風胴1
2…から直交状に回転子8の外周部に貫通する複数個の
通気孔13…を穿設してある。第1図,第2図を参照し
て、円筒状の機枠14の両側部に設けた軸受盤15,16を連
結棒17…にナット18…留めして一体的に取付け、回転子
8の両側部に冷却用翼車19,20を装着し、回転子軸4の
両端部を軸受盤15,16に嵌装した軸受21,21に軸支し、回
転子軸4を回転自在としてある。 回転子コア2,3に対峙する外側部に巻線22,23を施した
第1固定子24と第2固定子25を機枠14に並設し、機枠14
と第1固定子24,第2固定子25との間にすべり軸受26,27
を装設し、すべり軸受26,27を機枠14に嵌装したストツ
プリング28…によって固定し、第1固定子24と第2固定
子25の一側外周面にギヤー33A,33Bを嵌着してある。ま
た第2図,第3図に示すように、機枠14の外周部に固設
したパルスモーター35に駆動用歯車36を軸着し、機枠14
の外側部に装着した軸受台32に中継軸29を回転自在に軸
架し、中継軸29の両端部に中継用歯車30と回動用歯車31
とを軸着し、機枠14に設けた開口部37から駆動用歯車36
と回動用歯車31とを機枠14内に挿入し、回動用歯車31を
第2固定子25に嵌着したギヤー33Bに係合させ、駆動用
歯車36を第1固定子24に嵌着したギヤー33Aに係合させ
ると共に、駆動用歯車36と一体的に形成した連動歯車34
に中継用歯車30を係合し、第1固定子24と第2固定子25
とを回転子8と同心的に回動自在に形設し、第1固定子
24と第2固定子25とにより電圧位相装置38に形成し、可
変速誘導電動機としてある。ここで39は排風孔、40は、
軸受盤15,16に複数個穿設した通風孔である。 次に第1固定子24と第2固定子25のそれぞれに巻装し
た巻線22,23の結線について第4図を参照して説明す
る。第1,第2固定子24,25のそれぞれにスター結線を施
した巻線22,23とを直列に連結する。即ち、第1固定子2
4の巻線22の端子A,B,Cを商用3相電源A,B,Cに連結する
と共に、巻線22の端子a,b,cを第2固定子25の巻線23の
端子A,B,Cに連結し、巻線23の端子a,b,cを短絡して連結
してある。 更に詳しく第5図を参照して説明すると、回転子8を
形成する回転子コア2,3間に介設した非磁性体コア9部
において、複数個の回転子導体5…を相互に短絡する抵
抗材として、ニクロム線,炭素混入鋼,通電性セラミッ
ク等による抵抗材rを設け、抵抗材rは第1,第2固定子
24,25に巻装した巻線22,23の外側方となる大きさの環状
体41に形成し、回転子コア2,3間の非磁性体9部の外周
に装設して、環状体41と複数個の回転子導体5…とを連
結用導体42…により連結し、複数個の回転子導体5…の
それぞれは環状体41…の抵抗材rによって短絡してあ
る。また、抵抗材rと連結用導体とを同材質とすれば、
連結することも容易となり、一体的に抵抗材と連結用導
体とを形成することもできる。 以下に上記構成における作用を説明する。 第1固定子24の巻線22に商用3相電源から通電する
と、固定子24,25に回転磁界が生じて、この回転磁界に
よって回転子8に電圧が誘起され、回転子8の導体5…
に電流が流れて回転子8は回転する。第1固定子24に対
して第2固定子25それぞれの回動量をゼロとしたときに
は、それぞれの固定子24,25に生じる回転磁界の磁束に
位相のずれがなく、その詳細は後述する如く抵抗材r…
には電流が流れないので、一般の誘導電動機と同一のト
ルク特性を持つものである。 次に、パルスモーター35を作動して第1固定子24と第
2固定子25のそれぞれを逆方向に回動して位相角でθだ
け回動した場合について説明する。電圧移相装置38を構
成する第1固定子24と第2固定子25が作る回転磁界の磁
束φ1の位相はθだけずれており、そのため第1固
定子24と第2固定子25の回転磁界の磁束により回転子8
の導体5…に誘起される電圧1,の位相はθだけず
れている。今、第2固定子25の回転磁界の磁束によって
回転子8の回転子導体5…に誘起される電圧を基準
にとし、該電圧を=SEとする。ここでSはすべり,E
はすべり1のときの誘起電圧である。このとき第1固定
子24によって回転子導体5Aに誘起される電圧は,
=SEεjθとなる。(E=すべり1の時の誘起電圧) 第6図に示すものは、非磁性体コア9部において複数
個の回転子導体5…を短絡する抵抗材r…が装着されて
いない場合の回転子8のすべりSと回転子入力の有効電
力Pとの関係を示すもので、電圧の位相のずれがθ=0
゜のとき有効電力Pは最大となり、0゜<θ<180゜の
ときはそれよりも小さなものとなる。ここで回転子導体
5…の抵抗およびインダクタンスをRおよびLとし、電
源の角周波数をωとすれば、有効電力Pの極大はS=
(R/ωL)のとき現われる。 有効電力Pは誘導電動機の駆動トルクと比例するの
で、パルスモーター35を作動して電圧位相装置38の第1
固定子24と第2固定子25とを回動させることによって回
転子8に誘起する電圧の位相のずれを調整し、回転子の
速度を無段階的に制御することができる。 次に、回転子8の回転子導体5…の短絡環6,7から抵
抗材までのそれぞれの抵抗をR1,R2、またインダクタン
スをL1,L2とし、電源の角周波数をωとし、各導体5…
のそれぞれを短絡する抵抗材の抵抗をrとすれば、回転
子8の電気的等価回路は第7図のようになり、符号I1,I
2,I3は各枝路を流れる電流を示すものである。 次に、第7図に示すものを両固定子24,25側からみた
等価回路に変換すると第8図のようになり、R1=R2,L1
=L2でθ=0゜のときにはI3=I1−I2=0となり抵抗材
rには電流が流れないことになる。このことはθ=0゜
のときにはトルクTはrがないときの値に等しいものを
意味している。従って、θ=0゜のときは従来の誘導電
動機と同一のトルク特性を持つことになる。 次に、R1=R2,L1=L2でθ=180゜のときには、I1=−
I2,I3=I1−I2=2I1となり、従来の誘導電動機において
回転子導体の抵抗をR1=R2=RとすればRはR+2rに増
加したと同様の結果となっている。 さて、回転子8の回転により、軸受盤15,16に穿設し
た通風口40…から冷却用翼車19,20により機枠14内に外
気を吸引し、冷却用翼車19,20により第1,第2固定子24,
25、巻線22,23に通風して冷却し、また通風胴12…を介
し通気孔13…に流通させる風により回転子コア2,3、回
転子導体5…、抵抗材r等を冷却してそれぞれの機能を
安定的に作用させている。ところで回転速度の制御は、
第1,第2固定子24,25の回動をパルスモーター35を正・
逆回転させて行っているが、第1固定子24と第2固定子
25の回動差を大きく設け、両固定子24,25それぞれの磁
束により回転子に生起する電圧の位相のずれを大きくし
て低速回転域に制御すると、冷却用翼車19,20の旋回速
度の低下により通風冷却作用が減衰し、また、抵抗材r
の発熱度が高くなるが、本発明によると、抵抗材rを巻
線22,23の外側方に超える大きさに形成してあるから、
低速回転でも周速度が大きいために、抵抗材r自身の旋
回による通気によって放熱することができるようになっ
た。 第1,第2固定子24,25の回動機構としてはパルスモー
ター35に限定されるものではなく他の正逆転モータで
も、また気体,液体シリンダー等によるサーボ機構等任
意の駆動装置を転用できるものであり、また手動ハンド
ルによって操作する場合と第1固定子24と第2固定子25
のいずれか一方のみを回動する場合もある。そして、固
定子の回動駆動装置の作動に関連して固定子の回動を任
意の作動機構により開放またはロックする。 次に、第1固定子24と第2固定子25のそれぞれに巻装
した巻線22,23を直列に連結した作用につき説明する。 巻線22,23を直列に連結してあるために、巻線22に商
用3相電源から入力して巻線22,23間に電流は流れる
が、仮に巻線22,23のそれぞれの抵抗の相違あるいは両
固定子24,25の容量の大きさに相違があっても、それと
は無関係に、それぞれの巻線22,23に流れる電流の大き
さは等しく、したがって第1固定子24と第2固定子25の
それぞれの回転磁界の磁束によって回転子8の回転子導
体5…に誘起して流れる電流の大きさは等しくなる作用
と、両固定子24,25間の位相差に起因するベクトル差分
の電流は複数個の回転子導体5…のそれぞれを抵抗材r
を介して必然的に流れるという強制力が生じる作用との
相乗効果により、第9図に示す、すべりとトルク特性の
ように効率の改善と低速回転領域において大きなトルク
を出すことができ、負荷を連結した状態においてもそれ
ぞれの速度領域ごとに起動を容易とし、負荷の起動特性
に順応して滑らかな起動とすること、あるいは高トルク
で起動すること等任意に使い分けができ、起動・停止を
頻繁に反復する動力源に最適に対応できる。そして回転
子8の変速は、電圧移相装置38により固定子の回転磁界
の位相のずれを制御して回転子8の回転子導体5…に流
れる電流を増減に変化させ、回転子8回転速度を任意に
変えることができる。 なお、巻線22,23を直列に連結した第1固定子24と第
2固定子25のそれぞれの回転磁界の磁束によって回転子
8の回転子導体5…に誘起して流れる電流の大きさに対
し、複数個の回転子導体5…間に設けた抵抗材rを介し
て流れる電流の比率は、抵抗材rの抵抗値およびすべり
とは無関係に、Pθ(P=極対数、θ=位相角)の値に
よって決定される。この比率は、Pθ=πで最大となり
Pθ=0でゼロとなる。さてPθが一定であれば、一般
の巻線形誘導電動機の二次挿入抵抗を一定とした場合と
同様のすべりとトルク特性になり、Pθが小となると回
転子8の回転子導体5…に流れる電流の比率が小とな
り、言い換えればPθを小さくするということは一般の
巻線形誘導電動機の二次挿入抵抗を小さくするというこ
とと同等の作用となる。そして両固定子24,25に定格電
流を流した場合において、位相差θを任意に変えても、
すべり値の選定と連結材の抵抗値の設計次第により、最
高速度の持つ定格電流とトルク特性とをそれぞれの変速
領域においてもほぼ同等に作用させることができる。 第10図に示すものは、回転子コア間において2個の回
転子導体のそれぞれを外側方に突出する湾曲体に形設し
て連結用導体とし、抵抗材を回転子コア間の外周に嵌装
して湾曲体に連結した実施例である。 回転子コア2,3に連通する複数個の回転子導体を装設
して一体的な回転子導体5…とし、複数個の回転子導体
5…のそれぞれを2個の回転子コア2,3間において、両
固定子24,25に巻装した巻線22,23よりも外側方に突出す
る湾曲体43に形成し、湾曲体43に環状体にした抵抗材r
を嵌挿連結し、湾曲体43に翼板44を装着してある。この
場合、第5図にある通り、外側方に突設した回転子導体
5は抵抗材rを介して回転子コア2,3間を連通するよう
になるが、回転子導体5を相互に抵抗短絡する導体間の
抵抗材の抵抗値の方が大きい。 この実施例においては、抵抗材rを回転軸4より距離
を設けた巻線22,23の外側方に突出した回転子導体5…
の湾曲体43に嵌挿連結してあるから、回転軸4が低速回
転であっても周速度が大きく湾曲体43と抵抗材r自身の
旋回により放熱することができ翼板44はその冷却作用を
より効果的とすることができる。 第11図に示すものは、回転軸4を中空軸とし、回転子
コア2,3間において内周部45と外周部46に貫通する複数
個の通気孔47…を開設した実施例であり、回転軸4の両
端部から外気を導入して抵抗材rに通気させることがで
き、抵抗材rの冷却に効果的である。 なお、回転軸4の一側部を閉塞したその反対側に送風
機を連結して通気孔47…を介し抵抗材rを冷却する場合
と、軸受盤15,16のいずれか側の通風孔40に送風機に連
通する空気管を連結して抵抗材rおよび巻線22,23を冷
却する場合もあり、送風機に空気冷却機を介設すること
もある。 さらに、電圧移相装置として巻線22,23のいずれかに
位相切換用スイッチを連結すること、あるいは単相変圧
器と結線切換スイッチとにより位相切換器とすること、
誘導電圧調整器等を連結することができる。
【発明の効果】
上記に説明した如く、固定子の回転磁界によって、回
転子導体に誘起する電圧の位相をずらす操作のみで、任
意の回転速度に変速することができるだけでなく、それ
ぞれの変速領域においては、大きなトルクを得ることと
効率の改善とを達成できる可変速誘導電動機において、
本発明によって抵抗材の発熱の多い低速回転領域であっ
ても、複数個の回転子導体を相互に短絡する抵抗材を固
定子に巻装した巻線の外側方となる大きさの環状体にし
たので、抵抗材の発熱が巻線に伝播することがなく、抵
抗材も周速が大きいので放熱作用が高く、固定子巻線の
絶縁効果を延長することができ、運転時の効率低下を防
止できる等の効果が顕著である。
【図面の簡単な説明】
第1図は誘導電動機の側断面図、第2図は固定子の回動
機構を示す側面図、第3図は固定子の回動機構を示す一
部を破断した側面図、第4図は固定子に巻装した巻線の
それぞれを直列に連結した結線図、第5図は複数個の回
転子導体それぞれを固定子巻線の外側方となる大きさの
抵抗材により短絡した部分断面図、第6図は回転子のす
べりと有効電力の関係を示す図、第7図は回転子の電気
的等価回路図、第8図は固定子側からみた電気的等価回
路図、第9図は複数個の回転子導体のそれぞれを抵抗材
により短絡すると共に固定子に巻装した巻線を直列に連
結した場合の速度とトルクの関係を示す図、第10図は複
数個の回転子導体を巻線よりも外側方に突出する湾曲体
に形設した要部断面図、第11図は回転子軸に通気孔を開
設した斜視図である。 1……誘導電動機、2,3……回転子コア、4……回転子
軸、5……回転子導体、6,7……短絡環、8,8A〜8C……
回転子、9……非磁性コア、10,11……側部、12……通
風胴、13……通気孔、14……軸、15,16……軸受盤、17
……連結棒、18……ナット、19,20……冷却用翼車、21
……軸受、22,23……巻線、24……第1固定子、25……
第2固定子、26,27……すべり軸、28……ストップリン
グ、29……中継軸、30……中継用歯車、31……回動用歯
車、32……軸受台、33A,33B……ギヤー34…ボルト、35
……パルスモーター、36……駆動用歯車、37……開口
部、38……電圧移相装置、39……排風孔、40……通風
孔、41……環状体、42……連結用導体、43……湾曲体、
44……翼板、45……内周部、46……外周部、47……通気
孔、r……抵抗材。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一回転軸に空間又は非磁性体コアを介在
    して軸着した2個の回転子コアを有し、該回転子コアに
    連通した複数個の回転子導体を装設してかご形導体とし
    た一体的回転子と、前記2個の回転子コアに対峙した外
    周に周設した2個の固定子コアにそれぞれ巻線を巻装し
    て直列に接続した2個の固定子と、前記回転子コア間の
    前記空間又は非磁性体コアにおいて前記複数個の回転子
    導体を相互に連結材を介して短絡連結した抵抗材と、前
    記2個の固定子のうち少なくとも1個の固定子に関連し
    て設けた電圧移相装置とからなる可変速誘導電動機にお
    いて、前記抵抗材を前記固定子巻線の外側方となる大き
    さの環状体に形成して回転子コア間の外周に装設し、該
    回転子コア間において前記複数個の回転子導体と前記抵
    抗材とを連結用導体を介して連結したことを特徴とする
    可変速誘導電動機。
  2. 【請求項2】前記回転子コアに装設した複数個の回転子
    導体のうち、前記回転子コア間の回転子導体を回転子外
    方に突設する湾曲体に形設し、該湾曲体を連結用導体と
    して前記環状体の抵抗材と連結した特許請求の範囲第
    (1)項記載の可変速誘導電動機。
  3. 【請求項3】前記湾曲体には翼板を設けた特許請求の範
    囲第(2)項記載の可変速誘導電動機。
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