JP2737971B2 - 送風機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は電子機器等に冷却用として使用される送風
機に関するものである。

〔従来の技術〕 第３図は例えば実開昭62-173595号公報に示された従
来の送風機を示す断面図であり、図において（１）はケ
ーシングを成す基台で、中央部にホルダ（２）が設けら
れている。（３）はこのホルダに嵌着されたボールベア
リングから成る軸受、（４）は上記ホルダ（２）の外周
側壁に設けられたステータコア（５）とこのコアに巻回
されたコイル（６）とから成るステータ、（７）は上記
軸受（３）に嵌合し回動可能に設けられた回転軸、
（８）はこの回転軸に固着され上記ステータ（４）を覆
うように形成されたボス部（8a）を設けるとともに、外
周側に翼（8b）を設けた羽根で、合成樹脂で成形されて
いる。（９）は上記ボス部（8a）の上記ステータ（４）
との対向面に設けられたロータヨーク、（10）はこのロ
ータヨークに設けられ上記ステータ（４）と対向するロ
ータマグネットである。

従来の送風機は上記のように構成され、ステータ
（４）のコイル（６）に通電することにより、磁界が発
生し、ロータマグネット（10）との磁気作用により羽根
（８）は回転軸（７）を中心に回転して送風し、電子機
器等内で発生する熱を機器外へ放出するようになってい
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のような従来の送風機では、羽根（８）が合成樹
脂で形成されていることから、電子機器外へ放出する電
子機器の熱および自ら発生する熱により軟化されやすく
変形する。これは特に回転軸（７）と羽根（８）との固
着部分において顕著であるという課題があった。

この発明は係る課題を解決するためになされたもの
で、羽根の温度が上昇して軟化しても変形することのな
い送風機を得ることを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係る送風機は、羽根の回転軸固着面に金属
製の補強部材を固着するとともに、この補強部材に保持
部材を固着し、回転軸を保持部材と羽根に嵌着したもの
である。

〔作用〕

この発明においては、羽根の回転軸固着面に金属製の
補強部材を固着するとともに、この補強部材に保持部材
を固着し、回転軸を保持部材と羽根に嵌着したから、羽
根の温度が上昇しても補強部材と保持部材により強度が
高くなり、羽根の変形を防止する。

〔実施例〕

第１図この発明の一実施例を示す断面図、第２図は同
じく回転軸を取除いた羽根のボス部の半分を示す斜視図
であり、（１）〜（10）は上記従来例と同一または相当
部分を示し、（11）はボス部（8a）の内面にボス部（8
a）と一体成形によりステータ（４）側に回転軸（７）
中心に対し放射状に複数突出したボスリブ、（12）はこ
のボスリブに直線的に連設されボスリブの下部に突設さ
れた台座で、この台座の上面と上記ボスリブの先端に断
面Ｌ字状でリング状に形成したロータヨーク（９）が設
けられ、ロータヨーク（９）とボス部（8a）内周側壁と
の間には台座（12）端部からボスリブ（11）端部に至る
通気路（13）が形成される。（14）は上記羽根（８）の
ボス部（8a）中心部に設けられた凹部で、中心には上記
回転軸（７）が嵌着される孔（15）が形成され、ボス部
（8a）の回転軸（７）が固着される側壁である固着面
（8c）には等分に形成された５個の凸部（16）が設けら
れている。（17）はこの凸部（16）に嵌合する嵌合孔
（18）を設けた金属製の補強部材で、中心には回転軸
（７）が貫通する貫通孔（18）が、また、この貫通孔の
周囲には複数のかしめ孔（20）が設けられている。（2
1）はこの補強部材にかしめ孔を挿通するかしめ片（2
2）によりかしめ固着された黄銅製の保持部材で、中心
には回転軸（７）を嵌着する軸孔（23）が設けられてい
る なお、羽根（８）、補強部材（17）、保持部材（21）
および回転軸（７）の固着は、補強部材（17）と保持部
材（21）をかしめ片（22）をかしめ孔（21）に挿通して
かしめることで固着させ、回転軸（７）を軸孔（23）に
嵌着させる。次に、補強部材（17）の嵌合孔（18）を羽
根（８）の凸部（16）に嵌合させるとともに、回転軸
（７）を羽根（８）の孔（15）に嵌合させ、超音波振動
を加えることにより合成樹脂である羽根（８）側が溶
け、嵌合側は溶着され固着されることになる。このと
き、かしめ片（22）による突出部は凹部（14）によって
当たらないようになっている。

上記のように構成された送風機においては、従来例と
同様に羽根は回転し、基台（１）の一方から吸気し、他
方へ送風する。このとき、ステータ（４）とボス部の回
転軸（７）固着面（8c）との間の空気は、破線矢印のよ
うに台座（12）間から通気路（13）内に入り、ボス部
（8a）端部から羽根（８）外に放出される。一方、羽根
（８）外からは、ステータ（４）とロータマグネット
（10）との隙間からステータ（４）を冷却しながらボス
部（8a）内に吸気される。このとき、台座（12）、ボス
リブ（11）は送風羽根の機能を有し、送風量が多くな
り、冷却効果が大きくなる。このように送風する送風機
は、電子機器の冷却用等に使用されるが、送風時には電
子機器からの熱を受けるとともに、自らの発熱による熱
により羽根（８）の温度は上昇し、羽根（８）が合成樹
脂で形成されていることから軟化するが、補強部材（1
7）が羽根（８）の固着面（8c）に沿って設けられ、か
つこの補強部材（17）に回転軸（７）を嵌着する保持部
材（21）が設けられているため、強度的に高くなり変形
することがない。

〔発明の効果〕

この発明は以上説明したとおり、ホルダと、このホル
ダに嵌着された軸受と、上記ホルダに設けられたステー
タと、上記軸受に嵌合し回動可能に設けられた回転軸
と、この回転軸に固着され上記ステータを覆うように形
成されたボス部を有する合成樹脂の羽根と、上記ボス部
に上記ステータと対向して設けられたロータマグネット
とを備え、上記羽根の上記回転軸固着面に金属製の補強
部材を固着するとともに、この補強部材に保持部材を固
着し、上記回転軸を上記保持部材と上記羽根に嵌着した
ことにより、羽根の温度が上昇して軟化しても変形する
ことがなくなる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す断面図、第２図は同
じく回転軸（７）を取除いた羽根（８）のボス部（8a）
の半分を示す斜視図、第３図は従来の送風機を示す断面
図である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示し、
（２）はホルダ、（３）は軸受、（４）はステータ、
（７）は回転軸、（８）は羽根、（8a）はボス部、（8
c）は固着面、（10）はロータマグネット、（17）は補
強部材、（21）は保持部材である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ホルダと、このホルダに嵌着された軸受
   と、上記ホルダに設けられたステータと、上記軸受に嵌
   合し回動可能に設けられた回転軸と、この回転軸に固着
   され上記ステータを覆うように形成されたボス部を有す
   る合成樹脂製の羽根と、上記ボス部に上記ステータと対
   向して設けられたロータマグネットとを備え、上記羽根
   の上記回転軸固着面に金属製の補強部材を固着するとと
   もに、この補強部材に保持部材を固着し、上記回転軸を
   上記保持部材と上記羽根に嵌着した送風機。