JP2737669B2 - 自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置 - Google Patents
自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置Info
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- G—PHYSICS
- G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
- G10F—AUTOMATIC MUSICAL INSTRUMENTS
- G10F1/00—Automatic musical instruments
- G10F1/02—Pianofortes with keyboard
Description
ことができる自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置に関する。
た演奏情報(あるいは外部から供給される演奏情報)に
応じて自動演奏する自動演奏ピアノが各種実用化されて
いる。図11は、この種の自動演奏ピアノの打弦構造を
示す側面図である。この図に示すように、打弦機構は、
鍵11の動きをハンマ13に伝達する打弦機構12と、
ハンマ13によって打弦される弦14と、弦14の振動
を抑制するためのダンパ15等を備える。
自在に取り付けられており、鍵11が押鍵されるか、あ
るいはソレノイド17からプランジャ17aが突出して
鍵11を回動させると、この動作が打弦機構12を介し
てハンマ13およびダンパ15に伝達される。これによ
り、ダンパ15が弦14から離れると共に、ハンマ13
が図面左方向へ回動して打弦が行われる。
構成されるコントローラである。このコントローラ16
から出力される駆動信号Ddに応じてソレノイド17が
駆動され、そのプランジャ17aが突出して鍵11に打
鍵動作を与える。
生器22およびドライバ23を有している。波形発生器
22は、予め内部メモリに記憶された演奏情報(あるい
は外部から供給される演奏情報)に応じた打鍵動作に対
応する駆動パターンDPを生成する。この駆動パターン
DPは、例えば、押鍵タイミングやタッチ情報等を勘案
した階段状の波形信号24である。ドライバ23は、波
形発生器22から出力される駆動パターンDPに対応し
た駆動信号Dsを発生する。そして、このドライバ23
から出力される駆動信号Dsに従ってソレノイド17が
駆動(励磁)されることによって鍵11に打鍵動作が与
えられ、この打鍵動作が打弦機構12に伝達される。
来の鍵盤駆動装置は、図12に示したように、発生した
駆動パターンに応じてソレノイド17を一意的に駆動す
るフィード・フォワード制御態様であることに起因して
次のような欠点が存在する。 演奏中にソレノイド17が発熱して加熱状態になる
と、励磁コイルの抵抗分が増加することによってソレノ
イド17自体の推力が低下し、これに伴って打弦力が落
ちて発音音量が弱くなってしまう。 駆動パターン発生に際して、各鍵に対応する打弦機構
のばらつきや経年変化を考慮していないため、特に、弱
音を発音させようとする時、その鍵に対応する打弦機構
に機械的ロスが大きいと、「音抜け」が生じ易くなる。 各鍵に対応する打弦機構のばらつきを解消するために
は、各鍵毎に補正調整を行わなければならない上、その
補正調整結果を記憶する大容量の内部メモリが必要にな
ったり、前述した波形発生器21の構成が複雑化する
等、結果的にコストアップを招致する。
動装置では、打鍵機構を含む駆動系全体をフィードフォ
ワード制御することから、上述した種々の問題点が存在
しており、これら問題点に対処する構成とすると、駆動
系が複雑化する上、安定した打鍵動作が容易に得られな
いという問題がある。
て、これを補償するためのフィードバックループを設け
た制御を行う装置が知られている。図13は、この種の
制御装置の構成を示すブロック図である。なお、この制
御装置(特開平3−229299号公報の第19図)
は、ピアノのペダルを駆動する装置であるが、制御原理
は鍵の駆動にも全く同様に適用できるものである。
ず、フロッピーディスクFDから正規化されている正規
化位置データXiを読み出す。この正規化位置データ
は、ペダルの位置(演奏情報に対応したペダルの操作
量)を示すものであり、16段階のデータとなってい
る。次に、16段階の正規化位置データを補間処理によ
り128段階の正規化位置データXiに変換し、さら
に、逆正規化変換テーブルを用いて、ピアノの固有特性
に合致した位置データXiに変換する。
位置データxiは、位置−PWM変換テーブルにより、
PWM制御を行うための制御コードPWMsに変換され
る。また、位置データxiは、1回微分されて速度デー
タx´iとなり、さらに、係数K1が乗じられて制御コ
ードPWM1となる。同様にして、位置データxiは、
2回微分されて加速度データx´´となり、この加速度
データx´´に係数K2が乗じられて制御コードPWM
2となる。
ンジャの位置がセンサによって検出され、これがA/D
変換器を介して位置信号xとしてフィードバックされ
る。この位置信号xと位置データxiとの偏差に係数K
3が乗算されて制御コードPWM3に、位置信号xの1
回微分値x´と速度データx´iとの偏差に係数K4が
乗算されて制御コードPWM4に、また、位置信号xの
2回微分値x´´と加速度データx´´iとの偏差に係
数K5が乗算されて制御コードPWM5になる。
s、PWM1、PWM2によって、それぞれ位置、速
度、加速度についてのフィードフォワード制御がなさ
れ、さらに、制御コードPWM3、PWM4、PWM5
によって、それぞれ位置、速度、および加速度につい
て、フィードバックによる補償がなされる。
について説明する。まず、図13に示す制御回路は、図
14に示す制御ブロック図に置き換えられる。この図1
4におけるMは、ペダルの物理モデルの伝達関数であ
る。そして、制御ブロック図の各部を順次まとめていく
と、図15、図16、図17……図20となり、最終的
には図21に示す伝達関数が得られる。
は、以下のような欠点があった。 制御系の構成が複雑なことから制御すべきパラメータ
が多く、このために最適化が難しい。しかも、各パラメ
ータを独立して制御することができず、調整が難しいと
いう欠点がある。例えば、図21に示す伝達関数におけ
る分母のS項の係数は、ダンピング係数と呼ばれ、系の
安定を司る重要な要素であるが、これを調整すべく速度
フィードバックの係数K4を変更すると、フィードフォ
ワードの項(分子のS項)の係数も変わってしまう。こ
のように、あるパラメータを所望の値に調整しようとす
ると、他のパラメータが変化してしまい、その調整が極
めて困難である。 フィードフォワード制御系の要素が支配的で、フィー
ドバックが補助的に用いられる構成であるため、制御対
象の特性が既知であることが前提となる。したがって、
ペダル駆動機構の機械的特性変化に対する追従性が低
い。 この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、パラ
メータ等の最適化が容易で、しかも安定した打鍵動作を
得ることができる自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置を提供
することを目的としている。
求項1記載の発明によれば、鍵に対して演奏情報に応じ
た打鍵動作を与える自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置にお
いて、前記打鍵動作に基づく鍵速度を検出する速度検出
手段と、前記演奏情報に対応する打鍵速度と前記鍵速度
とを比較して誤差信号を生成する誤差信号生成手段と、
鍵加速度を検出する加速度検出手段と、前記誤差信号に
第1のゲインを乗算した値と前記鍵加速度に第2のゲイ
ンを乗算した値とを比較して、前記打鍵動作の速度を制
御する制御手段とを具備することを特徴としている。ま
た、請求項2に記載の発明にあっては、前記鍵が前記打
鍵動作に伴って所定位置に達した場合に、前記誤差信号
生成手段および前記制御手段を停止させ、当該鍵を一定
力で保持する保持力発生手段を具備することを特徴とし
ている。また、請求項3に記載の発明にあっては、請求
項1または2記載の自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置にお
いて、前記誤差信号の低域のゲインを増大させる低域ブ
ースト手段を具備することを特徴としている。
速度とを比較して打鍵動作の速度偏差が誤差信号として
誤差信号生成手段により制御される。また、制御手段に
よって打鍵動作の速度が制御される。この際、系の伝達
関数における減衰率を、第2のゲインを変えることによ
って個別に調整できる。したがって、第1のゲイン(す
なわち、速度フィードバックゲイン)をある程度大きく
しても、系を安定させることができる。また、請求項2
に記載の発明によれば、鍵が駆動されて所定位置に達し
た場合には、保持力発生手段による制御に切り替えられ
るので、制御手段の発振を防止することができる。ま
た、請求項3に記載の発明によれば、位相遅れが小さい
範囲において、誤差信号のゲインがブーストされるの
で、定常速度偏差を効率よく低減することができる。
る。始めに、この実施例においては、鍵をモデル化して
取り扱っているので、このモデル化について説明する。
図2は、鍵を力学的にモデル化した際の概念図であり、
図に示すx軸が鍵の駆動方向(押鍵方向)を示す。ま
た、f(t)は推力であり、鍵を駆動するソレノイドの
力である。MS、MDは、各々鍵の静的重量および慣性質
量であり、μは粘性抵抗である。ここで、x(t)を鍵
の変位、その微分値であるx´(t)を鍵の速度とし、
重力加速度をgとすると、図2に示すように、鍵にはx
軸方向に推力f(t)が働き、その反対方向にMS・g
およびμ・x´(t)が働くことになる。この状態にお
いて運動方程式を立てると、
とおくと、
(s)を出力とすると、その伝達関数は、
示すブロック図は、鍵自体の伝達関数を示す。この伝達
関数は、入力が力、出力が位置となっている。しかしな
がら、本実施例においては、鍵の速度を速度センサによ
り検出し、これにより得られる速度信号をフィードバッ
クするようにしている。したがって、速度センサの出力
信号までを含んでモデル化すると、数4について微分要
素のsを乗じれば良く、次式に示すようになる。
また、図4(イ)は、サーボゲインをKvとした場合の
速度フィードバックの制御ブロック図であり、この場合
の伝達関数は同図(ロ)に示すようになる。以上のよう
に系が一次遅れの場合は、理論通りであれば、いかなる
周波数帯域においても、位相の回転が90°を超えるこ
とはなく、系は常に安定となる。このような条件の下で
は、フィードバックゲインKvを無限大にすることがで
き、定常速度偏差を0とすることが可能となる。
れ要素が種々存在し、例えば、ソレノイドコイルの遅れ
要素を加味するならば、図5(イ)に示すような制御ブ
ロックになる。この図において、ブロックB1は、ソレ
ノイドの伝達関数を示し、ブロックB2は速度フィード
バックを行った場合の伝達関数(数5と同じ)を示して
いる。ここで、ブロックB1におけるLはソレノイドの
インダクタンス分、Rは直流抵抗分を示している。さ
て、図5に示すブロックB1、B2の各伝達関数を合成
すると、同図(ロ)に示すようになり、これを整理する
と同図(ハ)に示す伝達関数となる。
を考慮すると、伝達関数は2次遅れとなる。したがっ
て、位相は180°まで回転することがあり、系が発振
する可能性が高い。一般に、実際の鍵盤等の制御対象
は、多次の遅れ要素になっており、鍵の物理モデルだけ
から得られる理論に基づいて、単純に一次遅れ系として
扱うことは妥当でない。しかし、多次の遅れ要素におけ
る膨大なパラメータを全て扱うと制御が複雑化し現実的
でないため、この発明においては、パラメータの中から
支配的なものを抽出し、実際の鍵盤に近似したモデル化
を行う。例えば、ソレノイドのインダクタンス分や回路
の伝達遅延時間などは重要なパラメータであるため、こ
の実施例においては、これらを考慮に入れてモデル化を
行う。すなわち、次の伝達関数を用いてモデル化する。
ξは次のように表される。
ならば、粘性抵抗μや慣性重量MDが複雑に入り込んで
おり、ソレノイドコイルの直流抵抗分Rやインダクタン
ス分Lの遅れ要素が無視できない。以上機械系だけを考
慮した一次遅れ系でモデル化すると、これらの遅延要素
の影響により、系の安定性を得るのは難しくなることが
判る。
にコントロールするため、この発明においては、2次遅
れの系としてモデル化を行い、さらに、加速度フィード
バックを用いるようにしている。なお、加速度フィード
バックの機能については、後に詳述する。
は同実施例による鍵盤駆動装置の構成を示す制御ブロッ
ク図である。なお、この実施例における機械的構成は、
図11に示す装置とほぼ同様であるので、以下において
は図11を参照して説明する。図1において、1はコン
トローラ16(図11参照)から供給される速度制御デ
ータDsに応じた速度目標値信号Dtを発生する速度目
標値発生器である。速度制御データDsは、外部からコ
ントローラ16に供給される演奏情報(例えば、MID
I信号中のタッチ情報)に応じた打弦速度を表す情報で
ある。したがって、この速度目標値発生器1は、所望の
打弦速度を得る打鍵動作の速度(押鍵速度)を出力す
る。2は速度目標値信号Dtを平滑化(積分)して出力
する平滑化手段であり、次式で示される伝達関数を備え
るローパスフィルタによって構成される。
度目標値信号Dtを連続的に変化させて制御系の不安定
な挙動を回避するものである。図6に示す通り、ステッ
プ状に変化する離散的な速度目標値信号Dtをローパス
フィルタリングを施すことによって、「実際の目標値」
を生成する。なお、平滑化手段2には、ローパスフィル
タリングの他、移動平均の算出を用いてもよく、また、
補間器を用いても良い。要は、その出力が目標値として
使用されるので、波形の歪みを最小限に抑える必要があ
り、群遅延がなるべく一定となる手段を使用すればよ
い。
ク速度信号Fv(後述する)を減算し、定常偏差を表す
速度誤差信号ERを発生する加算器である。4は位相補
償器であり、加算器3から出力される速度誤差信号ER
の低周波成分のゲインを増幅して次段へ出力する。この
位相補償器4の伝達関数は次式で示され、直流から周波
数ωd/Adまでの低周波領域のゲインが[Ad]となり、
周波数ωd/Adから周波数ωdまでは−6dB/octの
減衰率でゲインが低下する。
が、図7に示すC1であった場合に、その低域部分のゲ
インを上げて特性をC2とする機能を有する。すなわ
ち、系のゲインの低域部分をブーストする。これは、系
が2次以上の遅れを持つ場合は、高域における位相遅れ
が180°前後、あるいはそれ以上になるので、系のフ
ィードバックゲインが大きいと発振してしまうが、低域
においては位相があまり回っていないので、ある程度ゲ
インを上げても発振の心配がないからである。このよう
に、低域においてゲインを上げておくと、加算器3にお
いて得られる定常速度偏差分(後述するように、速度フ
ィードバックの定常偏差)が低減される。
vを乗算する乗算器である。6は加算器であり、乗算器
5の出力からフィードバック加速度信号Faを減算して
出力する。7はコントローラ16から供給される切り替
え制御信号Dswに応じてオンオフ動作する切り替えスイ
ッチである。この実施例におけるコントローラ16は、
鍵があがき最下点に到達したこと検出するようにしてお
り、最下点に達したことが検出されると、切り替え制御
信号Dswを出力するとともに、保持力信号Dco ns tを出
力する。コントローラ16における最下点検出は、以下
のようにして行われる。
度を検出する速度センサ20が図11に示すように鍵1
1の下方に設けられている。この速度センサ20は、鍵
11の下面に取り付けられたシャッタ20aの通過時刻
を所定の4点で検出し、これらの通過時刻から鍵11の
速度を検出するようになっている。また、鍵が最終の検
出点を通過すると、あがき最下点に達するように設定さ
れている。そこで、コントローラ16は、シャッタ20
aが速度センサ20の最終検出点を通過したときに、鍵
があがき最下点に達したと判断する。また、コントロー
ラ16は、速度センサ20が検出した鍵速度から鍵11
があがき最下点に達するまでの時間を求め、その時間が
経過したときに、最下点に達したと判断する。
11の位置情報または最下点に達するまでの時間情報の
いずれかにおいて最下点検出がなされれば、切り替え制
御信号Dswおよび保持力信号Dconstが出力されるよう
になっている(すなわち、論理和によって動作するよう
に構成されている)。なお、速度センサ20に代えて、
ハンマ13(図11参照)の速度を検出するハンマ速度
センサを設け、これによって得られるハンマ速度から鍵
11があがき最下点に達するまでの時間を求めるように
してもよい。また、21は速度信号Fvを得るための速
度センサであり、ソレノイド17のプランジャ17aの
移動速度に応じた信号を出力する。
生器8は、コントローラ16から供給される保持力信号
Dconstに対応した一定保持力を表すレベル信号Scを
発生する。9は加算器であり、上述した加算器6の出力
あるいは上記レベル信号SCにを後段へ出力する。
する力Ms・gを加算してオフセットさせる。MDは鍵
11を物理モデル化したものであり、図3に示すブロッ
ク図にSを乗じたものに対応している。この場合のモデ
ル化はソレノイド17を含んでいる。したがって、その
伝達関数は、前述のように2次遅れ系であり、数6に示
すとおりになっている。また、物理モデルMDからは鍵
11の速度信号が出力されるようになっている。これ
は、前述したように、速度センサ21の検出信号であ
る。
度信号は、前述したフィードバック速度信号Fvとして
加算器3に帰還される。これにより、速度フィードバッ
クループが構成される。一方、速度信号は微分器12に
入力される。微分器12は、速度信号を微分して加速度
信号に変換して次段へ出力する。13はこの加速度信号
に加速度ゲインKaを乗算し、これを前述したフィード
バック加速度信号Faとして加算器6に帰還させて加速
度フィードバックループを構成する。
鍵が最下点(あがき最下点)に達した場合の制御につい
て説明する。 加速度フィードバック まず、図1に示す回路から加速度フィードバックループ
を抽出すると、図8(イ)に示すブロック図になる。そ
して、加速度フィードバックループの伝達特性を計算す
ると、同図(ロ)に示すようになり、これを整理すると
同図(ハ)に示すようになる。すなわち、加速度フィー
ドバックループは、次式で示される伝達特性を有してい
る。
を比較すると、減衰率ξが(ξ+K・Ka・ωn/2)
に変化しており、他の項は何等変化していないことが判
る。減衰率ξは、ダンピング係数とも呼ばれ、系の安定
性を司どる変数である。そして、このフィードバックル
ープの減衰率(ξ+K・Ka・ωn/2)は、乗算器1
3のゲインKaを調整することにより、任意に設定でき
ることができる。すなわち、この実施例においては、系
の安定性を加速度フィードバックのゲイン調整によって
確保することができる。
おける偏差を0とするように制御がなされるから、鍵の
駆動速度を所望の値にすることができる。ここで、ゲイ
ンKvを大きな値にすれば、極めて応答の早い制御を行
うことができ、また、定常偏差を少なくすることもでき
るが、前述のように鍵の物理モデルは2次あるいは多次
の遅れとして扱うべきであるため、ゲインKvの値には
限界がある。
クループにおいて減衰率の調整ができるため、これを系
が十分に安定するような値に設定すれば、フィードバッ
クゲインKvをかなり大きくとることができる。しか
も、上記構成によれば、位相補償器4において位相遅れ
の少ない低域のゲインが大きくなっているから、直流分
の多い定常偏差誤差については大きなフィードバックゲ
インとすることができる。すなわち、定常偏差誤差を僅
少にした速度フィードバック制御を行うことができる。
ところで、図9は、加速度フィードバックループに速度
フィードバックループを加えた場合の制御ブロック図で
あり、図1に示す回路から両フィードバックループを抽
出したものである。これら2つのフィードバックループ
の総合的な伝達関数G(s)は、次式に示すように演算
される。
n 2に変化していることが判る。すなわち、速度フィード
バックのゲインKvを調整することによって、見かけ上
の固有角周波数ωnが変動することが判る。この角周波
数ωnは、共振周波数に極めて近い値であるから、フィ
ードバックループのゲイン調整によって、系全体の見か
け上の共振周波数を調整できることになる。
押上げられと、他端があがき最下端に達してフェルトに
当接する。この際、これがバネとして機能し、鍵の力学
モデル11bが発振状態に陥り易くなることがある。例
えば、鍵11を1m/sで速度制御しても、あがき最下
点にぶつかるといきなり速度0になる。このとき速度フ
ィードバックは機能しており、しかも、位相補償器4に
よって低域のゲインが高くなっているため、ソレノイド
17に供給される電流が急激に上昇してしまう。このよ
うに、鍵11が最下点に衝突した直後においては、速度
フィードバックが発振してしまい、大きな電流がソレノ
イド17に供給されるという問題が生じる。
0に示す制御シーケンスに基づき打鍵動作を制御する。
すなわち、鍵11があがき最下端に達した時点で、切り
替えスイッチ7をオフ動作させる切り替え制御信号Dsw
を発生し、サーボ系(速度フィードバックループおよび
加速度フィードバックループ)を一時的に解除すると共
に、保持力発生器8から供給されるレベル信号Scに従
って鍵盤アクチュエータ9に一定保持力を発生させる。
これにより、鍵が一定力で保持されるため、発振を回避
することが可能になる。
鍵の速度を検出する速度フィードバック制御に基づいて
速度の定常偏差がゼロとなるように制御しつつ、しか
も、加速度フィードバックによって系の安定性(減衰率
ξ)を制御することができるから、簡易な構成で安定し
た打鍵動作を実現することができる。この結果、前述し
た〜項に示す種々の弊害を解消することができる。
すなわち、演奏中のソレノイド17の発熱状態の変化
や、打弦機構の経年変化はフィードバックによって相殺
することができ、しかも、各鍵に対応する打弦機構のば
らつきについても、フィードバック制御におけるゲイン
調整等によって解消することができる。
達してフェルトに当接した時点でサーボ系を切り、鍵1
1を一定力で保持する制御シーケンスを示したが、これ
に替えて、鍵11があがき最下端に到達した時に速度ゲ
インKvおよび加速度ゲインKaを低下させておき、こ
の状態で鍵11を一定力で保持するシーケンスにしても
良い。また、一定力保持に切り換えるタイミングは、鍵
があがき最下端に達したときに限らず、その直前、ある
いは鍵軌道上の任意の位置に達したタイミングでもよ
い。この設定位置に達したか否かは、鍵の位置をリアル
タイムに検出するセンサを設けるか、あるいは、鍵の特
定位置における速度から上記所定位置に達する時刻を求
め、これに基づいて切り換えを行っても良い。 (2)上述した実施例においては、鍵11の速度信号を
微分して加速度を検出したが、加速度を直接検出する加
速度センサを別途設けるように構成してもよい。
ば、前記演奏情報に対応する打鍵速度と鍵速度とを比較
して誤差信号を生成する誤差信号生成手段と、前記誤差
信号に第1のゲインを乗算した値と前記鍵加速度に第2
のゲインを乗算した値とを比較して、前記打鍵動作の速
度を制御する制御手段とを具備したので、フィードバッ
クによる簡易な構成で、安定した打鍵動作を得ることが
できる。
ロック図である。
ための図である。
ック図である。
バックを施した場合の伝達関数を示すブロック図であ
る。
素を加味した場合の伝達関数を示す制御ブロック図であ
る。
めの図である。
めの図である。
プの伝達関数を説明するためのブロック図である。
度フィードバックの双方を合わせた場合の伝達関数を示
すブロック図である。
示す波形図である。
ある。
ための図である。
ある。
ブロック図である。
ブロック図である。
ブロック図である。
ブロック図である。
ブロック図である。
ブロック図である。
ブロック図である。
ブロック図である。
器(誤差信号生成手段)、4…位相補償器(低域ブース
ト手段)、5…乗算器(制御手段)、6…加算器(制御
手段)、7…切り替えスイッチ(保持力発生手段)、8
…保持力値発生器(保持力発生手段)、10…加算器
(制御手段)、12…加速度センサ(加速度検出手
段)、13…乗算器(制御手段)。
Claims (3)
- 【請求項1】 鍵に対して演奏情報に応じた打鍵動作を
与える自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置において、 前記打鍵動作に基づく鍵速度を検出する速度検出手段
と、 前記演奏情報に対応する打鍵速度と前記鍵速度とを比較
して誤差信号を生成する誤差信号生成手段と、 鍵加速度を検出する加速度検出手段と、 前記誤差信号に第1のゲインを乗算した値と前記鍵加速
度に第2のゲインを乗算した値とを比較して、前記打鍵
動作の速度を制御する制御手段と を具備することを特徴
とする自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置。 - 【請求項2】 前記鍵が前記打鍵動作に伴って所定位置
に達した場合に、前記誤差信号生成手段および前記制御
手段を停止させ、当該鍵を一定力で保持する保持力発生
手段を具備することを特徴とする請求項1記載の自動演
奏ピアノの鍵盤駆動装置。 - 【請求項3】 前記誤差信号の低域のゲインを増大させ
る低域ブースト手段を具備することを特徴とする請求項
1または2記載の自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6272282A JP2737669B2 (ja) | 1993-12-10 | 1994-11-07 | 自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置 |
US08/352,543 US5530198A (en) | 1993-12-10 | 1994-12-09 | Piano-like keyboard musical instrument for automatically playing music through feedback control with key acceleration and key velocity |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-341658 | 1993-12-10 | ||
JP34165893 | 1993-12-10 | ||
JP6272282A JP2737669B2 (ja) | 1993-12-10 | 1994-11-07 | 自動演奏ピアノの鍵盤駆動装置 |
Publications (2)
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