JP2737239B2 - ホルムアルデヒド水溶液安定剤の製法 - Google Patents

ホルムアルデヒド水溶液安定剤の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はホルムアルデヒド水溶液安定化剤の製法、詳
しくは卓越した安定化効果を示すポリビニルホルマール
系のホルムアルデヒド水溶液安定化剤を、酢酸ビニルモ
ノマーより直接に製造する方法に関する。
本発明の製造法によって得られるホルムアルデヒド水
溶液安定化剤は、部分的にホルマール化されたポリビニ
ルホルマール系安定化剤であって、極く微量の添加で卓
越した安定化効果を示すから、高濃度ホルムアルデヒド
水溶液、特にアミノ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂の製
造に使用される高濃度ホルムアルデヒド水溶液の貯蔵及
び輸送時の安定化に有利に使用することができる。
(従来の技術) 従来、ホルムアルデヒドはホルムアルデヒド濃度が37
重量%程度のホルムアルデヒド水溶液(以下において、
ホルムアルデヒド水溶液を「ホルマリン」ということが
ある。)として市販されていた。ところが近年、高濃度
ホルマリンと称するホルムアルデヒド濃度が37重量%を
超えるもの、たとえばホルムアルデヒド濃度が約40〜55
重量%のホルマリンがアミノ樹脂、フェノール樹脂等の
樹脂の製造に使用されるようになった。
一般に、ホルムアルデヒドは水溶液中では、ホルムア
ルデヒド(HCHO)、メチレングリコール〔CH2(O
H)〕、低級ポリオキシメチレングリコール〔HO(CH2
O)nH〕、さらにホルマリン中に存在するメタノールと
反応してて低級ポリオキシメチレングリコールヘミホル
マール〔CH3O(CH2)O)nH〕を形成して、これらの平
衡混合物となっている。この平衡状態は、メタノール濃
度が低下するにつれて、またホルムアルデヒド濃度が高
くなるにつれて不安定になり、低級ポリオキシメチレン
グリコールがさらに重合してパラホルムアルデヒドを生
成する。このパラホルムアルデヒドは水不溶であるの
で、ホルマリン中で析出してホルマリンが白濁し、沈澱
を生じ、上記の樹脂の製造その他の多くの工業的用途に
支障をきたすことになる。
かかるパラホルムアルデヒドの析出防止のために、ホ
ルマリン中に多量のメタノールを含有させ、さらに高い
温度で貯蔵,輸送する方法がとられている。たとえば、
ホルムアルデヒド濃度約40〜55重量%のホルマリン中に
はメタノールを0.5〜8重量%含有せしめて、かつ貯
蔵,輸送時には約20〜65℃の温度を維持せしめる必要が
ある。しかし、このような多量のメタノールの含有は経
済的に不利であるばかりでなく、上記の樹脂の製造反応
を円滑,迅速に行なわせるのに支障となる。
そのために、ホルムアルデヒド濃度が高く、かつメタ
ノール含量の少ないホルマリンを低温で貯蔵,輸送して
もパラホルムアルデヒドの析出を防止できる安定化剤が
種々提案されているが、微量の添加で優れた安定化効果
を示すものとして、ポリビニルアルコールよりポリビニ
ルホルマール系安定化剤を製造する方法が提案された
(特開昭61−36303号公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかし、この方法で得られるホルマリン安定化剤は反
応原料に由来する不純物を含有しており、これを添加し
たホルムアルデヒドに着色が見られるため用途に制限が
あった。また、これらの不純物を除去する方法として水
洗浄が行なわれるが、この方法では目的物の歩留りが低
下するという問題があった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記の問題点を解決するために鋭意検討
を行なった結果、着色をもたらす原因とみられるホルマ
ール化反応原料の塩酸又は硫酸、或はその他の未反応原
料、即ち、酢酸ビニルモノマー、イソプロピルアルコー
ル、重合開始剤、ホルムアルデヒド、また反応中間体で
あるポリ酢酸ビニル、副生物の酢酸、酢酸エーテルは熱
水に可溶であるが、本発明の安定化剤である部分的にホ
ルマール化されたポリビニルホルマールは不溶であるこ
とに着目し、ホルマール化反応で得られる粗ポリビニル
ホルマールを水中で加熱処理することにより容易に目的
とするポリビニルホルマールが得られることを見出し、
本発明を完成した。即ち本発明は高純度のホルムアルデ
ヒド水溶液安定化剤を収率よく製造する方法を提供せん
とするものである。
本発明のホルムアルデヒド水溶液安定化剤の製造法
は、酢酸ビニルモノマーをイソプロピルアルコールを主
成分とする溶媒中で重合開始剤の存在下で重合させてポ
リ酢酸ビニル溶液とし、得られたポリ酢酸ビニルの溶液
にホルマール化剤としてホルマリン水溶液と塩酸又は硫
酸を加え、加熱してホルマール化反応を行なわせ、その
反応生成物を20〜25℃のメタノール:水容量比=55:45
〜65:35のメタノール混合溶液中に滴下したときに白濁
が生ずるようになった時点でその反応を停止させ、得ら
れた粗ポリビニルホルマール溶液を水中で加熱処理した
のち固形分を分離することを特徴とする方法である。
本発明の製造法における第一段の反応、すなわち酢酸
ビニルの重合反応は、イソプロピルアルコールを主成分
とする溶媒中で、重合開始剤の存在下で行なわせる。
イソプロピルアルコールを主成分とする溶媒は、純イ
ソプロピルアルコールが好ましいが、イソプロピルアル
コールに少量の他のアルコール等が含まれた混合溶媒で
あっても差支えがない。イソプロピルアルコールを主成
分とする溶媒を用いる理由は、イソプロピルアルコール
が連鎖移動定数(CS)が70℃で44×10-4と大きいため
に、この溶媒中で重合させると生成ポリ酢酸ビニルは重
合度が50〜100程度の低重合物となり、しかも重合体収
率が高く、またかかる低重合度のポリ酢酸ビニルはホル
マール化が容易であり、さらにイソプロピルアルコール
がホルマール化反応に格別の支障を及ぼさないからであ
る。これに対し、他のアルコールは連鎖移動定数が小さ
いから(たとえばエチルアルコールのCSが70℃で25×10
-4である。)、他のアルコールを重合溶媒として用いる
と、重合度が高くなりやすく、重合度の高いポリ酢酸ビ
ニルはホルマール化反応も円滑に進行しにくい。
重合開始剤としては、ラジカル系の重合開始剤を使用
することができるが、アゾビスイソブチロニトリルが特
に好ましい。
重合反応における仕込割合は、酢酸ビニルモノマー10
0重量部に対して、イソプロピルアルコールが通常50〜3
00重量部、好ましくは75〜150重量部であり、重合開始
剤は通常0.1〜0.5重量部、好ましくは0.2〜0.4重量部で
ある。
重合反応は、通常、常圧の還流下で50〜100℃、好ま
しくは65〜80℃の温度で行なわれ、反応時間は通常1〜
10時間、好ましくは2〜6時間である。
本発明における第二段の反応、すなわちホルマール化
反応は、通常、第一段の反応生成物であるポリ酢酸ビニ
ル溶液に、ホルマール化剤としてホルムアルデヒド水溶
液と塩酸又は硫酸とを加えて加熱反応させるが、ホルマ
ール化剤の添加料は、第一段の重合反応において用いた
酢酸ビニルモノマー100重量部に対して、ホルムアルデ
ヒド水溶液が37重量%ホルマリンとして30〜50重量部、
塩酸を用いる場合は35%塩酸として2.5〜3.5重量部、硫
酸を用いる場合は98%硫酸として2.5〜3.5重量部であ
り、さらにこのホルマール化反応系にはホルマール化溶
媒として通常、水が添加される。水の添加量は、前記酢
酸ビニルモノマー100重量部に対して10〜50重量部であ
る。
ホルマール化反応における反応温度は通常60〜80℃で
あり、反応時間は通常16〜24時間である。
本発明のホルマール化反応の反応進行度は、反応生成
物の1滴を、適当な濃度のメタノール−水混合溶液中に
滴下したときの白濁の生じ方によって判定することがで
きる。すなわち、ホルマール化度が低い場合には、例え
ば20〜25℃のメタノール:水容量比=30:70の溶液中に
滴下すれば白濁を生ずるが、ホルマール化反応がさらに
進行すれば20〜25℃のメタノール:水容量比=50:50の
混合溶液中に滴下すれば白濁を生ずる。
本発明のホルマール化反応において最も重要なこと
は、安定化剤の添加量が微量で優れた安定化効果を発揮
せしめるために、このホルマール化度を或る一定の範囲
内の部分ホルマール化度に維持すべきである、というこ
とである。そのために、本発明のホルマール化反応で
は、ホルマール化反応生成物の1滴を、20〜25℃のメタ
ノール:水容量比=55:45:〜65:35の混合溶液中に滴下
したときに白濁が生ずるようになった時点で、反応系を
急速に冷却することによりその反応を停止させる。ホル
マール化反応がこのホルマール化度に達する前に反応を
停止させても、或いはこのホルマール化度以上に反応が
進行してから反応を停止させても、得られる反応生成物
は安定化剤としての効果が劣るものとなる。すなわち、
メタノール:水容量比=55:45よりもメタノールが少な
く、水が多い混合溶液中で白濁が生ずるようになった時
点で反応を停止させると、ホルマール化度が低すぎて、
安定化効果の劣るものとなり、ホルムアルデヒド水溶液
に多量に添加しなければ十分な安定化効果を発揮せしめ
ることができない。また、メタノール:水容量比65:35
よりもメタノールが多く、水が少ない混合溶液中で白濁
が生ずるようになってから反応を停止させると、ホルマ
ール化度が高くなりすぎて、ホルムアルデヒド水溶液に
添加した場合に溶解せず、小さな不溶のガム状物とな
り、この場合も安定化効果が著しく劣る。
かくして得られるホルマール化反応生成溶液(以下、
粗ポリビニルホルマール溶液という)中には目的物であ
る部分的にホルマール化されたポリビニルホルマール
(以下、単にポリビニルホルマールと称することもあ
る)のほかに反応原料の酢酸ビニルモノマー、イソプロ
ピルアルコール、重合開始剤、ホルムアルデヒド、塩酸
又は硫酸、反応中間体のポリ酢酸ビニル、副生物として
酢酸、酢酸エーテル等が含有されている。これらの物質
はホルムアルデヒドの着色原因となったり、また、これ
を添加したホルマリン水溶液を用いる反応に影響を及ぼ
すことがあるので本発明方法ではホルマール化反応生成
溶液を水中で加熱することにより、これらの物質を除去
する。この加熱処理方法としては、反応生成物に水を加
えて加熱しても、或は反応生成物を水に添加してから加
熱橇を行なってもよいが、水を撹拌しながら、これに反
応生成物を添加する方が操作上好ましい。この加熱操作
を行なうときの水と粗ポリビニルホルマール溶液の重量
比、即ち、水の重量/粗ポリビニルホルマール溶液の重
量を浴比といい、本発明においては、この浴比は2〜5
が適当である。加熱温度は70℃〜還流下(98℃)、加熱
時間は10〜20分の範囲が通常採用される。浴比が2より
小さく、加熱温度が70℃より低く、かつ、加熱時間が10
分より短いと不純物を十分に除去することができない。
浴比が5より大きく、加熱時間が30分より長ければ不純
物を完全に除去できるが、精製物の収率が低下するので
好ましくない。
また、本発明方法の第二段の反応、即ち、ホルマール
化反応におけるホルムアルデヒド、塩酸又は硫酸及び水
の量も前記した量をこえると、水による加熱処理時の負
荷を増大させることになるばかりでなく、ホルマール反
応においてポリビニルホルマールを部分アセチル化、部
分ケン化に止め、これが水による加熱処理時に層分離を
容易にするのに好ましい。即ち、ホルマール化剤の量が
多すぎると部分ケン化度の高いポリビニルホルマールが
生成し、これは熱水に対する溶解度が高いので、目的物
の収率を低下させる原因となる。
加熱処理は水層のpHが4以上になるまで、必要あれば
固液分離デカンテーション操作を繰返して行なう。該pH
が4以上になったら固形分を分離回収する。
このようにして精製されたポリビニルホルマールは、
これにメタノール−水混合溶液を加えて不揮発分濃度が
1〜10重量%、好ましくは5重量%になるように調製
し、そのまま安定化剤としてホルムアルデヒド水溶液に
添加することができる。
また、上記操作で固形分として回収したポリビニルホ
ルマールを加温下減圧乾燥したのち粉砕し、フレーク状
にして安定化剤としてもよい。
(発明の効果) 本発明の製造法によれば、高純度のポリビニルホルマ
ール系のホルムアルデヒド水溶液安定化剤を、高収率で
製造することができる。
しかも、得られる安定化剤は、ホルムアルデヒド水溶
液に極く微量添加するだけで、卓越した安定化効果を発
揮できる。
すなわち、本発明の製造法で得られる安定化剤のホル
ムアルデヒド水溶液への添加量は、該安定化剤を105℃
で1時間乾燥した場合の不揮発分の添加濃度で示すこと
ができる。たとえば50重量%ホルマリン(メタノール含
有量0.5〜1.5重量%)に、本発明の製造法で得られた安
定化剤を、不揮発分濃度0.1〜0.25ppmで添加した場合に
は貯蔵温度45℃で、0.5〜1ppmで添加した場合には貯蔵
温度40℃で、さらに50〜100ppmで添加した場合には貯蔵
温度25〜30℃で、いずれも30日以上パラホルムアルデヒ
ドの析出が認められずに、安定に貯蔵することができ
た。なお、前記の50重量%ホルマリンは、安定化剤を添
加しなければ、貯蔵温度を55℃以上にしないと30日以上
安定に貯蔵できなかった。
このように、本発明の製造法で得られる安定化剤が極
く微量の添加で卓越えした安定化効果を発揮できるの
は、その理由が必ずしも明瞭でない。しかし、推測によ
れば、イソプロピルアルコール溶媒中で重合させて得ら
れた低重合度のポリ酢酸ビニルが特定のホルマール化度
までを部分的にホルマール化されていて、ホルムアルデ
ヒド水溶液に対する溶解性に優れているためではないか
と考えられる。
ちなみに、本発明の製法によって得られる部分ホルマ
ール化ポリビニルホルマールは、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量が
約1500〜5000(ポリエチレングリコール換算)、化学分
析により分析したホルマール化度が65〜75%の範囲内に
ある。なお、本発明の製法におけるホルマール化反応時
には、ポリ酢酸ビニルのアセチル基のケン化とホルマー
化が同時に進行するものであり、その部分ホルマール化
ポリビニルホルマールには残存アセチル基が少量含まれ
ている。さらに、本発明方法で得られるポリビニルホル
マール系安定化剤は、不純物である酢酸ビニルモノマ
ー、イソプロピルアルコール、塩酸又は硫酸、酢酸又は
そのエステル等を殆んど含有していないので、高品位用
途の工業用ホルマリンの安定化剤として使用することが
できる。
(実施例) 次に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに説明す
る。なお、%は重量%である。
実施例1 反応容器に酢酸ビニル800g、イソプロピルアルコール
800gを加え、撹拌下昇温し、70℃に達した時にアゾビス
イソブチロニトリル3.0gを加え、72℃の還流下で約1時
間反応させたのち、70℃でさらに3時間反応させた。
アソビスイソブチロニトリルを添加してから4時間後
に、ホルマール化剤として37%ホルマリン300g、35%塩
酸20g、ホルマール化溶媒として水200gを加え、70℃で1
9時間反応させたところで反応液の一滴を、20℃のメタ
ノール:水容積比=60:40の混合溶液に滴下したところ
白濁を生じたので、この時点で反応液を直ちに室温に冷
却した。得られた粗ポリビニルホルマール溶液は、粘度
121センチポイズ/25℃、比重0.988/25℃、pH0.2〜/25
℃、不揮発分26%であった。
この粗ポリビニルホルマール溶液を次のようにして加
熱処理した。
20のステンレス反応容器にイオン交換水を所定の浴
比となるよう仕込み、4Kgの粗ポリビニルホルマール溶
液を投入し、静置下還流するまで昇温し、加熱処理を行
なった。この処理により、軟化したポリビニルホルマー
ルが水面上に浮上した。所定時間加熱、反応容器下部の
バルブにより熱水を排出した。この操作を排出水のpHが
4以上になるまで繰返した後、餅状に析出したポリビニ
ルホルマール固体を浅いテフロン製バットに移し、65
℃、10mmHg減圧下で1昼夜乾燥し、調理用ミキサーでフ
レーク状に粉砕した。
この加熱処理工程での結果を第1表に示す。
粗ポリビニルホルマールの収率は、55〜65%であっ
た。
加熱処理後のポリビニルホルマール(以下、精製ポリ
ビニルホルマールという)のGPC法による測定では、数
平均分子量1647,重量平均分子量4428,Z平均10541であっ
た。また、JIS K−6729に準拠した化学分析値は、酢
酸ビニル成分16.7%、ビニルアルコール成分11.4%、ビ
ニルホルマール成分71.9%であった。
また、ガスクロマトグラフィーによる分析では不純物
は、ほとんど認められなかった。
この精製ポリビニルホルマールをメタノール:水=8
0:20の混合液に溶解して安定化剤として使用し、50.6%
ホルマリン(メタノール含量0.9%)に、不揮発分基準
の濃度を第2表に示す種々の濃度になるよう添加したと
ころ、それぞれに示す各温度で、パラホルムアルデヒド
の析出なしに30日以上安定に貯蔵することができた。
結果を第2表に示す。
実施例2 実施例1と同様にして酢酸ビニルの重合を行なった
後、ホルマール化剤として37%ホルマリン400g、98%硫
酸25g、ホルマール化溶媒として水125gを加え、70℃で1
4時間反応させたところで反応液の一滴を、20℃のメタ
ノール:水=65:35の混合液に滴下したところ白濁を生
じたので反応液を室温まで冷却した。
得られた粗ポリビニルホルマール溶液は、粘度128セ
ンチポイズ/25℃、比重0.974/25℃、pH0.5/25℃、不揮
発分28.6%であった。
この溶液を実施例1と同様にして、加熱処理を浴比4
で3回行なった。精製ポリビニルホルマールの収率65.3
%、原子吸光法によるSイオンの含有量は4ppmであり、
ガスクロマトグラフィーによる分析では不純物の含有は
認められなかった。
GPC法による測定では、数平均分子量2270、重量平均
分子量3980、Z平均6998であった。
JIS K−6729に準拠した化学分析値は、酢酸ビニル
成分18.6%、ビニルアルコール成分10.1%、ビニルホル
マール成分71.3%であった。
この精製ポリビニルホルマールをメタノール:水=8
0:20の混合液に溶解して、不揮発分5%の安定化剤と
し、50.3%ホルマリン(メタノール含有量4.1%)に、
不揮発分基準の濃度が10ppmになるよう添加したとこ
ろ、30℃でパラホルムアルデヒドの析出なしに30日以上
安定に貯蔵することができた。また、44.5%ホルマリン
(メタノール含量0.7%)に不揮発分基準の濃度が1ppm
になるよう添加したところ、35℃でパラホルムアルデヒ
ドの析出なしに30日以上安定に貯蔵することができた。
なお、44.5%ホルマリンは45℃以上でなければ、30日以
上安定に貯蔵することができなかった。
比較例1 反応液の一滴を、20℃におけるメタノール:水容積比
=65:35の混合溶液中に添加したときに白濁が生じるよ
うになった時点で、ホルマール化反応を停止させたほか
は、実施例1と同様にしてホルマール化反応させた。
次いで、水溶洗浄槽に40の水を仕込み、ホモミキサ
ーで撹拌しながら、粗ポリビニルホルマール溶液を滴下
し、析出沈澱させた後、この析出沈澱物を水洗した。こ
の操作を2回繰返した。得られた生成物は顆粒状のケー
キであり、このケーキを水と分離後、再び反応器に入
れ、メタノール−水混合物を加えて溶解し、不揮発分5
%になるよう調整した。
この精製ポリビニルホルマールの収率は、30.2%であ
り、本発明の熱水処理精製法に比べ、収率が劣るもので
あった。
比較例2 実施例2と同様にして酢酸ビニルモノマーを重合さ
せ、同様にしてホルマール化反応させた後、精製するこ
となく、メタノール:水=80:20の混合液を加え、不揮
発分10%となるように調整した。この溶液中には、原子
吸光法による測定ではSイオンが1300ppm含まれてい
た。
この溶液を安定剤として、50.4%ホルマリン(メタノ
ール含量0.9%)に不揮発分が100ppmになるように添加
した。
このホルマリンをビーカーに100g取り、105℃で乾固
させ外観を観察したところ、乾燥残分は、わずかに褐色
に着色していた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酢酸ビニルモノマーをイソプロピルアルコ
    ールを主成分とする溶媒中で重合開始剤の存在下で重合
    させてポリ酢酸ビニル溶液とし、得られたポリ酢酸ビニ
    ルの溶液にホルマール化剤としてホルムアルデヒド水溶
    液と塩酸又は硫酸を加え、加熱してホルマール化反応を
    行なわせ、その反応生成物を20〜25℃のメタノール:水
    容量比=55:45〜65:35のメタノール混合溶液中に滴下し
    たときに白濁が生ずるようになった時点でその反応を停
    止させ、得られた粗ポリビニルホルマール溶液を水中で
    加熱処理したのち固形分を分離することを特徴とするホ
    ルムアルデヒド水溶液安定化剤の製法。
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