JP2695256B2 - ホルムアルデヒドー尿素水溶液 - Google Patents

ホルムアルデヒドー尿素水溶液

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なアミノ樹脂製造用の原料ホルムアル
デヒドに供されるホルムアルデヒド−尿素水溶液に関す
る。さらに詳しくは、高濃度ホルマリンに尿素を添加し
予備縮合した溶液とホルマリン安定剤とからなる、常温
下保存可能なホルムアルデヒド−尿素水溶液に関する。
合板、パーティクルボード等の木質系製品に使用する
接着剤は、アミノ樹脂と称されるものであり、尿素とホ
ルムアルデヒドを縮合した尿素樹脂、尿素とメラミンと
ホルムアルデヒドとを縮合した尿素−メラミン樹脂は、
廉価で製法が容易で、かつ木質材料に適した接着特性を
有することから大量に使用されている。
本発明のホルムアルデヒド−尿素水溶液は、このアミ
ノ樹脂の製法に適した高濃度のホルムアルデヒド水溶液
であり、常温で貯蔵可能なことから格別に有利に使用す
ることができるものである。
(従来の技術) アミノ樹脂製造用のホルマリンは、ホルムアルデヒド
濃度が37重量%でメタノール含有量が、8重量%以下の
ホルマリン(以下37%ホルマリンという)が、温度20℃
以下の常温で安定に貯蔵できることから専ら使用されて
きた。
しかし、37%ホルマリンはメタノール含有量が多くホ
ルムアルデヒド濃度が低いために、高い樹脂固形分を有
するアミノ樹脂を製造する工程では、多量の水、メタノ
ールを除去するため、メタノール分の損失があり、さら
には廃水による公害の発生を防止するための処理設備が
必要となる欠点がある。
このため、近年高濃度ホルマリンと称するホルムアル
デヒド濃度が約50〜55重量%でメタノール含有量が3重
量%以下のホルマリン(以下に高濃度ホルマリンとい
う)が使用されている。
この高濃度ホルマリンはメタノール含有量が低く、ホ
ルムアルデヒド濃度が高いため、アミノ樹脂製造に際し
て生産性において有利なものであるが、貯蔵と輸送に際
して温度50〜60℃に保持しなければならない。さらに
は、貯蔵タンクより反応缶に輸送した後の空のパイプラ
インや、輸送した後の空のローリーが常温に冷却される
とき、固体のパラホルムアルデヒドが析出し、ラインを
閉鎖するので、温水で洗浄する必要がある。
すなわち、ホルムアルデヒドは水溶液中では、ホルム
アルデヒド[CH2O]とメチレングリコール[CH2(OH)
]、低級ポリオキシメチレングリコール[HO(CH2O)
nH]等の平衡状態にあり、常温下ではこの平衡状態が不
安定であり、低級ポリオキシメチレングリコールがさら
に重合してパラホルムアルデヒドを析出して、ホルマリ
ンが白濁し、沈殿するからである。
一方、高濃度ホルマリンを濃縮して常温で固体である
パラホルムアルデヒドもアミノ樹脂製造に供されるが、
パラホルムアルデヒドは、臭気、吸湿のため完全密閉型
の取扱を必要とし、運搬と計量に多大な労力を要し、か
つ水に溶解するのにかなりの時間を要する欠点がある。
さらに、高濃度ホルマリンに尿素を加えて弱アルカリ
性下、加温熟成した後、減圧脱水濃縮して製造する尿素
−ホルムアルデヒド液(以下UF液という)があげられ
る。
UF液は、アミノ樹脂の製造に供する場合、遊離のホル
ムアルデヒドとメチロール尿素として存在するメチロー
ル態ホルムアルデヒドとの合計量をホルムアルデヒド有
効成分とみなし、メチロール尿素として存在する尿素を
も有効成分として原料に使用する。
このUF液として、例えば、ホルムアルデヒド対尿素の
モル比が4.8対1であり、ホルムアルデヒド有効成分が5
0重量%、尿素有効成分が21重量%のUF−70をあげるこ
とができる。
しかし、このようなUF液は、常温で貯蔵することは可
能であるが、UF液を製造する工程で多量の廃水処理を必
要とする欠点があげられる。
(発明が解決しようとする問題点) かくて、上記のようなアミノ樹脂製造に供されている
様々なホルマリンの欠点である廃水処理、高温貯蔵性、
固体であるための取扱の不便さなどを排除して、高濃度
ホルマリンのようにメタノール含量を少なくして、高い
ホルムアルデヒド含有量による利益を維持しつつ、ホル
ムアルデヒドの水溶液状で、37%ホルマリンのように常
温で貯蔵しうる新規なホルムアルデヒド原料を開発する
ことが当業界から要望されていた。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の問題点を解決することを目的と
して検討した結果、高濃度ホルマリンに卓越した安定効
果を示すホルマリン安定剤であるポリビニルホルマール
を微量添加し、ホルマリンの貯蔵温度をより低下させ、
さらに少量の尿素を添加し、ホルマリン中で安定に存在
できるメチロール尿素を加温下、予備縮合して生成させ
ることにより、アミノ樹脂製造のホルマリン原料となり
うるホルムアルデヒド−尿素水溶液が得られることを見
出し本発明を完成した。
すなわち本発明のホルムアルデヒド−尿素水溶液はホ
ルムアルデヒド濃度が50〜55重量%、メタノール含有量
が3重量%以下であるホルマリンに、尿素をホルムアル
デヒド対尿素のモル比が6〜16対1になるように添加し
その混合溶液のpHを8〜9の範囲に調整し、温度65〜75
℃で15〜60分間撹拌して予備縮合することにより得られ
た溶液と数平均分子量が1500〜5000、ホルマール化度が
65〜75モル%であるポリビニルホルマール5〜30ppmと
からなる粘度5〜10ポイズ、遊離ホルムアルデヒドが20
〜40重量%のホルムアルデヒド−尿素水溶液である。
高濃度ホルマリンとしては、ホルムアルデヒド濃度
が、50〜55重量%でメタノール含有量が3重量%以下の
貯蔵温度が50℃以上の工業用ホルマリンが使用される。
本発明に使用されるポリビニルホルマールはホルマリ
ン安定剤として使用されゲルパーミエイションクロマト
グラフィー法(GPC法)で測定した数平均分子量が、150
0〜5000(ポリエチレングリコール換算)、化学分析に
よるホルマール化度が、65〜75モル%であるポリビニル
ホルマールで、ホルマリンに易溶解性を有するものであ
ればよく、好ましくは、固形分含量が5〜10重量%のメ
タノール−水混合溶液が適当である。
このようなホルマリン安定剤の製法として、例えば酢
酸ビニルモノマーから直接合成する方法があげられる。
(特開昭61−36303号公報)。つぎに、本発明の尿素と
ホルムアルデヒドの予備縮合溶液の製法を説明する。
高濃度ホルマリンに30重量%の水酸化ナトリウム水溶
液をpHが8〜9のアルカリ性になる迄添加する。その後
ホルムアルデヒド対尿素のモル比が6〜16対1になるよ
うに尿素を添加し、撹拌下、温度65〜75℃で15〜60分
間、予備縮合したのち35℃以下の室温に冷却する。
本発明のホルムアルデヒド−尿素水溶液はこのように
して得られた予備縮合溶液と上述のポリビニルホルマー
ル5〜30ppmとからなる。ポリビニルホルマールは予備
縮合時に反応系中に添加しておいてもよいし、予備縮合
終了後に添加してもよい。
ホルムアルデヒド−尿素水溶液のホルムアルデヒドと
尿素のモル比の範囲(6〜16:1)と貯蔵温度範囲(−5
〜20℃)との関係は、ホルマリン安定剤を一定とした場
合、貯蔵温度が低くなれば該モル比は低くなる関係にあ
り、又、ホルムアルデヒド−尿素水溶液のホルマリン安
定剤添加量の範囲(5〜30ppm)と貯蔵温度範囲(−5
〜20℃)との関係は、ホルムアルデヒドと尿素のモル比
を一定とした場合、貯蔵温度が低くなればホルマリン安
定剤添加量は増加する関係にある。各貯蔵温度におけ
る、ホルムアルデヒド−尿素水溶液のホルムアルデヒド
と尿素のモル比の好ましい範囲とホルマリン安定剤添加
量の好ましい範囲の組み合わせを例示すれば下記の通り
である。
すなわち、ホルムアルデヒドと尿素のモル比が6〜1
0:1であれば、ホルマリン安定剤添加量が5〜10ppmで貯
蔵温度が−5℃であり、該モル比が10〜12:1であれば、
ホルマリン安定剤添加量が10〜20ppmで貯蔵温度が0〜
5℃であり、該モル比が12〜16:1であれば、ホルマリン
安定剤添加量が20〜30ppmで貯蔵温度が5〜15℃とする
ことが可能である。
ホルムアルデヒド対尿素のモル比が5:1であれば、ホ
ルマリン安定剤無添加でも0℃で貯蔵できるが、ホルム
アルデヒド−尿素水溶液中の有効尿素成分が多くなり、
アミノ樹脂製造処方の設計に制限をうけ原料ホルムアル
デヒドとして不適当となる。また該モル比が17:1以上と
なればホルマリン安定剤を30ppm以上に増やしても20℃
で30日以上保存できなくなり本発明の目的を達成するこ
とができない。また、ホルマリン安定剤であるポリビニ
ルホルマール量は30ppm以上添加しても、ホルムアルデ
ヒド−尿素水溶液の貯蔵安定性を向上しないので30ppm
以上添加することは好ましくない。
ホルムアルデヒド−尿素予備縮合水溶液の製造でpHを
8〜9、予備縮合温度を65〜75℃としたのは、この範囲
条件の組合せにより、全量の尿素とホルムアルデヒドと
が反応してメチロール尿素のみを生成させるからであ
る。この範囲からはずれた場合、予備縮合温度が低く、
pHが低いときは、メチロール尿素の生成が少なく、遊離
のホルムアルデヒドが多くなることから、パラホルムア
ルデヒドが生じ易くなる。また、予備縮合温度が高く、
反応時間が長いときは、樹脂状の水不溶の縮合物が生成
し、貯蔵中短期間で白濁や沈殿を生じたりするので、い
ずれの場合も好ましくない。
このようにして製造したホルムアルデヒド−尿素水溶
液の25℃での物性は、外観無色透明、比重1.1〜1.2、粘
度5〜10センチポイズ、(B型回転粘度計で測定)、pH
約6.5〜7.5で、ホルムアルデヒド有効成分含量50〜55重
量%のうち、遊離のホルムアルデヒド含有量が20〜40重
量%と高いものである。
遊離のホルムアルデヒド含有量が余りに高い場合は上
述のようにパラホルムアルデヒドが生成し易くなり、余
りに少なすぎるとアミノ樹脂原料として不適当になる。
粘度は予備縮合の割合を間接的に示すものであり、余り
に大きなものはホルムアルデヒド−尿素縮合物の濃度が
大でアミノ樹脂原料として不適当であり、小さすぎるも
のは遊離ホルムアルデヒド含有量が多いのと同じ結果を
生じる。
また、この水溶液は、20℃以下の常温で1カ月以上貯
蔵しても遊離のホルムアルデヒド含有量がほとんど変化
しないものである。
本発明のホルムアルデヒド−尿素水溶液はアミノ樹脂
の製造に適した高濃度のホルムアルデヒド水溶液を常温
で貯蔵することを可能にしたものである。換言すれば50
〜55重量%、メタノール含有量が3重量%以下であるホ
ルマリンに、尿素をホルムアルデヒド対尿素のモル比が
6〜16対1になるように添加しその混合溶液のpHを8〜
9の範囲に調整し、温度65〜75℃で15〜60分間撹拌して
予備縮合せしめ、この溶液に数平均分子量が約1500〜50
00、ホルマール化度が約65〜75モル%である5〜30ppm
のポリビニルホルマールを添加することにより高濃度ホ
ルマリン水溶液を常温で貯蔵可能に安定化せしめる方法
とを云うことができる。
(発明の効果) 本発明のホルムアルデヒド−尿素水溶液をアミノ樹脂
製造に供するとき、下記のような効果が奏される。
37%ホルマリン並みの温度で貯蔵でき、高濃度ホル
マリンのような高温で維持する必要がない。
ホルムアルデヒド有効成分のうち、遊離ホルムアル
デヒド成分が約20〜40重量%と高いので、任意に尿素と
メラミン成分を設定して、アミノ樹脂を製造することが
できる。
アミノ樹脂製造の原料として、37%ホルマリンを使
用した場合のように脱水濃縮する必要がなく、廃水設備
が不要であり、また、固体のパラホルムアルデヒドのよ
うな取扱上の不便さもない。
低粘度の水溶液であり、容易にポンプ輸送ができ、
かつ1ケ月以上にわたって遊離ホルムアルデヒド成分の
変化がないので、品質の安定したアミノ樹脂を製造でき
る。
以上のような効果を本発明のホルムアルデヒド−尿素
水溶液が発現する理由は、高濃度ホルマリン中のホルム
アルデヒド成分が、予備縮合反応によるメチロール尿素
の生成に消費され低濃度となり、かつホルマリン安定剤
の作用により低級ポリオキシメチレングリコールとして
メチロール尿素と水溶液中で安定な平衡状態で共存して
いるためと推察される。
このような特徴を有するホルムアルデヒド−尿素水溶
液は、従来全く提案されたことがなく新規なものであ
る。
かくて、本発明によるホルムアルデヒド−尿素水溶液
をアミノ樹脂製造の原料として工業的規模で使用すると
き、生産性、経済性において著しい利益をもたらすもの
といえる。
(実施例等) 以下に実施例、比較例、参考例を挙げて本発明をさら
に説明する。なお、%は特に示されない限り重量%であ
る。
参考例1 つぎに本発明に使用したホルマリン安定剤であるポリ
ビニルホルマールの製法を示す。
反応容器に酢酸ビニル800g、イソプロピルアルコール
800gを加え、撹拌下昇温し、70℃に達した時にアゾビス
イソブチロニトリル3.0gを加え、72℃の還流下で約1時
間反応させたのち、70℃でさらに3時間反応させた。
アゾビスイソブチロニトリルを添加してから4時間後
に、ホルマール化剤として37%ホルマリン300g、35%塩
酸20g、水200gを加え、70℃で19時間反応させたとこ
ろ、20℃のメタノール:水容積比=60:40の混合溶液中
で白濁を生じたので、この時点で直ちに室温に冷却し
た。得られた粗ポリビニルホルマール溶液を熱水溶液中
に投入し加熱処理して精製した。
このポリビニルホルマールをメタノール:水=80:20
の混合液に溶解し、ポリビニルホルマール固形分5〜10
%のホルマリン安定剤溶液を得た。このポリビニルホル
マールのGPC法による平均分子量は、数平均1647、重量
平均4428、Z平均10541であった。ポリビニルホルマー
ルのJISK−6729に準拠した化学分析値は、酢酸ビニル成
分16.7モル%、ビニルアルコール成分11.4モル%、ビニ
ルホルマール成分71.9モル%であった。
実施例1 モル比、F/U=6のホルムアルデヒド−尿素水溶液の製
法 (F/U=ホルムアルデヒド/尿素のモル比) 反応器に温度51℃の51.6%高濃度ホルマリン(メタノ
ール含有量1.5%)2000gを仕込み、撹拌下、ポリビニル
ホルマール固形分2.5%のホルマリン安定剤溶液0.4gを
添加し、30%水酸化ナトリウムでpH8.6に調整した後、
尿素344gを添加し、液温65℃まで昇温した。この温度で
60分予備縮合した後、室温まで冷却した。
このようにして得たホルムアルデヒド−尿素水溶液
は、外観無色透明、25℃での粘度10センチポイズ、比重
1.205(浮秤法)、pH7.1(ガラス電極)であった。
そして、液体クロマトグラフィーでの尿素成分の分析
の結果、ホルムアルデヒド−尿素水溶液の溶出ピーク
は、メチロール尿素のピークと一致した。
貯蔵試験方法とその結果 このようにして得た、ホルムアルデヒド−尿素水溶液
を500mlのガラス容器に移し、温度−5℃の恒温室に31
日間保存し、その外観、粘度と塩化アンモニウム法(JI
S K−6801準拠)による、遊離ホルムアルデヒド含有
量を分析した。
貯蔵による安定性試験の結果は、−5℃で31日間貯蔵
しても、外観は無色透明であり、粘度の変化はなく遊離
ホルムアルデヒド含有量はわずかに低下しただけであっ
た。
この結果を第1表に示した。
実施例2〜12 モル比、F/U=8〜16のホルムアルデヒド−尿素水溶液
の製法 実施例1と同様な操作でF/Uのモル比,ポリビニルホ
ルマール量、予備縮合条件を第1表のように変えて製造
した。ただし、51.6%と54.5%の高濃度ホルマリンを使
用し、ポリビニルホルマール固形分2.5〜10%のホルマ
リン安定剤を使用した。
貯蔵試験方法と結果 実施例1と同様の貯蔵試験を行った。
この結果を第1表に一括して示した。
第1表の実施例1〜12の結果から明らかなように、本
発明のホルムアルデヒド−尿素水溶液は、モル比F/Uが
6から16と高くなるにつれて、ホルマリン安定剤の必要
とされる添加量も多くなったが、それでも貯蔵できる温
度も−5℃から15℃と高くなる結果となった。しかし、
いずれも貯蔵温度20℃以下で、31日間の貯蔵においても
白濁等を生ぜず粘度の変化なく遊離ホルムアルデヒド含
有量は、貯蔵前と貯蔵後でほとんど変化せず極めて安定
していることが判明した。
比較例1 尿素との予備縮合を行なわない高濃度51.6%のホルマ
リン水溶液にポリビニルホルマールを30ppm添加した。
貯蔵温度20℃では5時間でパラホルムアルデヒドの析出
により白濁を生じた。
比較例2 安定剤であるポリビニルホルマールを使用しない以外
は実施例1と同様の条件でホルムアルデヒド−尿素水溶
液を製造した。20℃の貯蔵温度で21日で白濁を生じた。
比較例3 F/Uを5/1とした以外は実施例1と同様の条件で行っ
た。貯蔵性は優れているが、遊離ホルムアルデヒド量が
12.7%と少なく、アミノ樹脂製造には不適当であった。
比較例4 F/Uを17/1とした以外は実施例12と同様の条件で行っ
た。遊離ホルムアルデヒド量が40.2%となり20℃の貯蔵
温度で12日で白濁を生じた。
比較例5〜6 実施例11で予備縮合条件を変えてホルムアルデヒド−
尿素水溶液を製造した。
比較例5は予備縮合温度が低く、pHが低い場合であ
り、遊離ホルムアルデヒドが41.4%と大となり20℃の貯
蔵温度で6日で白濁した。比較例6は予備縮合温度が高
く、反応時間が長い場合であり、樹脂状の縮合物が生成
し、20℃の貯蔵温度で3日で白濁した。
これらの結果を第2表に一括して示した。
参考例2 尿素樹脂の製法 実施例9のホルムアルデヒド−尿素水溶液を使用し
て、ホルムアルデヒドと尿素の有効成分と水の含有量を
算出して、一次モル比F/U=2.0、二次モル比F/U=1.3の
パーティクルボード用尿素樹脂接着剤を製造した。
反応器にホルムアルデヒド−尿素水溶液1000g(F/U=
10)を仕込み、撹拌下30%水酸化ナトリウムでpH8.6に
調整した後、一次尿素395gを加えて、85℃に昇温した。
同温度で30分間保持しpH6.8に降下した時点で、20%蟻
酸を添加してpH4.8に調整し、25分間反応させたとこ
ろ、20℃の水和点に到達した。その後、10%炭酸ナトリ
ウムでpH7.2に中和し、二次尿素263gを加えて、10分間
保持し室温まで冷却した。このようにして製造した樹脂
は、25℃で粘度1.6ポイズ、比重1.276、pH7.4、不揮発
分64.2%であった。この樹脂の反応経過と樹脂物性は、
高濃度ホルマリンを使用した場合と同じであった。
参考例3 メラミン−尿素樹脂の製造 実施例3のホルムアルデヒド−尿素水溶液を使用し
て、メラミン:尿素:ホルムアルデヒドのモル比=1:0.
5:2.8の合板用接着剤を製造した。
反応器にホルムアルデヒド−尿素水溶液1000g(F/U=
10)、水410g、メタノール156gを仕込み、撹拌下尿素78
g、メラミン718gを加えて、90℃に昇温した。昇温の途
中で30%水酸化ナトリウムを添加してpH11.8に調整し
た。90℃で1時間10分反応した時点でpH9.0に降下し
た。そのまま、さらに5分反応させたところ、pH7.4に
降下し35℃で250%の水和度に到達したので、10%炭酸
ナトリウムでpH8.6に調整し室温まで冷却した。このよ
うにして製造した樹脂は、25℃で粘度1.2ポイズ、比重
1.220、pH8.6、不揮発分56.4%であった。この樹脂の反
応経過と樹脂物性は、37%ホルマリンを使用した場合と
同じであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−303944(JP,A) 特開 昭49−103991(JP,A) 特開 昭52−97903(JP,A) 特開 昭61−36303(JP,A) 特開 平2−286646(JP,A) 特開 昭63−307838(JP,A) 特公 昭43−20476(JP,B1) 特公 昭44−18282(JP,B1) 特公 昭46−11575(JP,B1) 特公 昭46−27297(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホルムアルデヒド濃度が50〜55重量%、メ
    タノール含有量が3重量%以下であるホルマリンに、尿
    素をホルムアルデヒド対尿素のモル比が6〜16対1にな
    るように添加しその混合溶液のpHを8〜9の範囲に調整
    し、温度65〜75℃で15〜60分間撹拌して予備縮合するこ
    とにより得られた水溶液と数平均分子量が1500〜5000、
    ホルマール化度が65〜75モル%であるポリビニルホルマ
    ール5〜30ppmとからなる粘度5〜10センチポイズ(25
    ℃)、遊離ホルムアルデヒドが20〜40重量%のホルムア
    ルデヒド−尿素水溶液。
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