JP2735621B2 - テレビジョン方式変換器 - Google Patents

テレビジョン方式変換器

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JP2735621B2
JP2735621B2 JP1139939A JP13993989A JP2735621B2 JP 2735621 B2 JP2735621 B2 JP 2735621B2 JP 1139939 A JP1139939 A JP 1139939A JP 13993989 A JP13993989 A JP 13993989A JP 2735621 B2 JP2735621 B2 JP 2735621B2
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浩 伊藤
斉 瀬戸
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、テレビジョン方式変換器に関し、特にMU
SE信号を現行のNTSC受像機にて再生するためのMUSE信号
/NTSC信号変換器の走査線数変換回路に関する。
〔従来の技術〕
本発明に対応する従来例はない。しかしながら参照す
べき従来例として、例えば論文「MUSE−525本コンバー
タ/二宮他、昭和63年電子情報通信学会春季全国大
会」,「MUSE方式受信用標準方式アダプター/二宮他、
テレビジョン学会技術報告、TEBS99−5」に掲載された
ものが挙げられる。
第11図はこの従来例の一つであるMUSE−525本コンバ
ータの信号処理回路を示す概略ブロック図である。図に
おいて、入力端子1に入力されたMUSE信号1101は標本化
周波数16.2MHzにてA/D変換器3にて標本化される。標本
化されたMUSE信号1102は走査線数変換回路4にて走査線
数1125本の信号から走査線数1050本の信号に変換され
る。走査線数変換回路4の出力1103はインタレース対応
輝度信号処理回路5とインタレース対応色信号処理回路
6に与えられる。インタレース対応輝度信号処理回路5
の出力1104はNTSC方式に則った輝度信号となっており、
D/A変換器7aを介して逆マトリクス回路8aに与えられ
る。またインタレース対応色信号処理回路6の出力110
5,1106はそれぞれNTSC方式に則ったR−Y信号,B−Y信
号となっており、それぞれD/A変換器7b、7cを介して逆
マトリクス回路8aに与えられる。逆マトリクス回路8aか
らは、R,G,B信号1110,1111,1112が出力され、出力端子2
a,2b,2cよりそれぞれ出力される。
次に動作について説明する。
ハイビジョン放送方式として提案されているMUSE信号
は現行の受像機では再生できない。そのためMUSE信号を
現行受像機にて再生するためには信号をNTSC信号に変換
しなくてはならない。その際アスペクト比の変換と走査
線数の変換の両者が必要となってくる。MUSE信号はアス
ペクト比約16:9で走査線数1125本であるのに対し、NTSC
信号はアスペクト比4:3で走査線数525本である。
そこで本従来例では次のような変換方式をとってい
る。
走査線数1125本のうち1050本を利用する。
上述した走査線1050本のインタレース信号を走査線数
525本のインタレース信号に変換する。
アスペクト比4:3の部分のみを表示する(左右の部分
は表示しない)。
第12図にその変換の概要を示す。
以下、第11図に則って説明する。
標本化周波数16.2MHzにて標本化されたMUSE信号1102
は走査線数変換回路4にて走査線数1125本から走査線数
1050本の信号1103に変換される。この走査線変換回路は
一般に、入力と出力とが非同期で動作するメモリによっ
て構成される。
走査線数1050本に変換された信号1103はインタレース
対応輝度信号処理回路5とインタレース対応色信号処理
回路6の両者に与えられる。MUSE信号は色差信号(R−
Y信号、B−Y信号)を線順次TCI(Time Compressed I
nsertion)信号として多重しているため、このような構
成をとる(参考文献「MUSE方式の開発/二宮他、NHK技
術研究 昭和62」)。
インタレース対応輝度信号処理回路5に与えられる信
号における輝度信号のフィールド内におけるサンプリン
グ・パターンは第13図(a)のごとくなっている。尚、
Y(i+1,l)は座標(i+1,l)における標本値を示し
ており、説明上1ライン下の点の座標は(i+1,l+
4)と単位4だけ差があるようにとってある。
インタレース対応輝度信号処理回路5では次のような
処理を行っている。
MUSE信号がサブ・サンプリングされているため、フィ
ールド内で内挿処理を行う。
走査線数を1050本から525本に変換するため、垂直方
向に525/2〔cph〕にて帯域制限を行う。
走査線数1050本インタレースから525本インタレース
に変換する。
上記3つの処理は実際には次のような手順にて行って
いる。
第14図(a)の×点に標本値としてゼロを挿入する。
垂直方向に低減通過フィルタをかける。
本例では、垂直方向フィルタとして、次のような伝達
関数を持つものを使用している。
F(z)=1/4{1+4Z-L+3Z-2L}…フィルタA(Z-L:
1ライン遅延を表す遅延演算子) あるいは、 F(z)=1/4{3+4Z-L+Z-2L}…フィルタB 第14図(b)は第14図(a)に対して1ラインおきに
フィルタAをかけた結果得られる信号である。例えば第
14図(b)におけるYV(i−1,l−1)は次のように求
められる。
YV(i−1,l−1)=1/4{Y(i−1,l+4)+4・Y
(i−1,l)+3・Y(i−1,l−4)} 尚、Y(x,y),YV(x,y)は座標(x,y)における標本
値である。ここでフィルタAの特性により、第14図
(b)に示す信号は本来の走査線上の信号を表わすもの
ではなくなっている。
水平方向に低減通過フィルタをかける。本例では水平
方向フィルタとして、次のような伝達関数を持つものを
使用している。
F(z)=1/2{1+Z-1}…フィルタC (Z-1;1サンプル遅延を表わす遅延演算子) 第14図(c)は第14図(b)に対してフィルタCをか
けた結果、得られる信号である。
例えば、第14図(c)におけるYVH(i,l−1) は次のように求められる。
YVH(i,l−1)=1/2{YV(i+1,l−1)+YV(i−1,
l−1)} なお、YVH(x,y)は座標(x,y)における標本値であ
る。ここで、フィルタCの特性により第14図(c)の座
標が示すサンプル点は第14図(b)の座標が示すサンプ
ル点とは水平方向にずれている。
手順で示した垂直方向フィルタであるフィルタAと
フィルタBとをフィールド毎に使い分ける。即ち、奇数
フィールドではフィルタAを、偶数フィールドではフィ
ルタBを使用する。この操作により、第15図のごとくイ
ンタレース信号を得る。
上記4つの手順により、前記3つの処理を実行するこ
とになる。
インタレース対応色信号処理回路6に与えられる信号
における色差信号(R−Y信号,B−Y信号)のフィール
ド間におけるサンプリングパターンは、第13図(b)の
ごとくなっている。ここでのサンプリングパターンは明
らかにMUSE信号と同等であり、色差信号を線順次TCI信
号として多重している。インタレース対応色信号処理回
路6では次のような処理を行っている。
MUSE信号がサンプリングされているため、フィード内
で内挿処理を行う。
垂直方向に525/4〔cph〕にて帯域制限を行う。
走査線数1050本インタレース色差線順次信号を走査線
数525本インタレースR−Y信号と走査線数525本インタ
レースB−Y信号に変換する。
時間軸伸張を行う。
上記4つの処理を実際には次のような手順にて行って
いる。
第16図(a)の×点に標本値としてゼロを挿入する。
垂直方向に低減通過フィルタをかける。
本例では垂直方向フィルタとして、次のような伝達関数
を持つものを使用している。
F(z)=1/4{1+4・Z-2L+3・Z-4L}…フィルタD あるいは、 F(z)=1/4{3+4・Z-2L+・Z-4L}…フィルタE 色差信号は線順次多重されているため、このような構
成をとる。第16図(b)は第16図(a)に対して各ライ
ン毎に、即ちR−Y信号,B−Y信号に交互にフィルタD
をかけた結果、得られる信号である。
例えば、第16図(b)におけるR−Y信号CV(j−1,
l−6)とB−Y信号CV(j−1,l−2)は次のように求
められる。
CV(j−1,l−6)=1/4{C(j−1,l+4)+4C(j
−1,l−4)+3C(j−1,l−12)} CV(j−1,l−2)=1/4{C(j−1,l+8)+4C(j
−1,l)+3C(j−1,l−8)} ここで、フィルタDの特性により第16図(b)に示す
信号は本来の走査線上の信号を表わすものではなくなっ
ている。
水平方向に低減通過フィルタをかける。
本例では水平方向フィルタとして、次のような伝達関
数を持つものを使用している。
F(z)=1/2{1+Z-1}…フィルタF 第16図(c)は第16図(b)に対してフィルタFをか
けた結果、得られる信号である。
例えば第16図(c)におけるCVH(j,l−6),C
VH(j,l−2)は次のように求められる。
CVH(j,l−6)=1/2{CV(j+1,l−6)+CV(j−1,
l−6)} CVH(j,l−2)=1/2{CV(j+1,l−2)+CV(j−1,
l−2)} ここで、フィルタFの特性により第16図(c)の座標
が示すサンプル点は第16図(b)の座標が示すサンプル
点とは水平方向にずれている。
手順で示した垂直方向フィルタであるフィルタDと
フィルタEとをフィールド毎に使い分ける。即ち、奇数
フィールドではフィルタDを、偶数フィールドではフィ
ルタEを使用する。
この操作により、第17図のような信号を得る。
このようにして得られた色差信号は、依然、線順次の
状態である。これをR−Y信号及びB−Y信号に分離し
たものが第18図である。しかしながら、図からわかるよ
うにR−Y信号とB−Y信号とで垂直方向に位置がずれ
たものとなってしまっている。そのため、第19図のよう
な手順をとる。
まず、図中、×点に標本値としてゼロを挿入する。後
次のような特性を持つ垂直フィルタをかける。
F(z)=1/4{1+2Z-L+2Z-2L+2Z-3L+Z-4L}…
フィルタG この時、出力はR−Y信号とB−Y信号とで垂直位置
がそろうように1ラインおきに採用する。このようにす
ることにより、走査線525本の擬似的なインタレースR
−Y信号及びB−Y信号を得ることができる。
メモリを用い、水平方向に時間軸伸張する。
上記6つの手順により前記4つの処理を実行すること
になる。
このようにして得られたインタレース対応輝度信号処
理回路5の出力である輝度信号1104,インタレース対応
色信号処理回路6の出力であるR−Y信号1105,B−Y信
号1106はそれぞれD/A変換され、さらに逆マトリクス回
路8aにてRGB信号に変換され出力される。
なお、輝度信号と色信号の垂直方向の位置ずれに関し
ては特に述べなかったが、インタレース対応輝度信号処
理回路もしくはインタレース対応色信号処理回路の一方
に、メモリを使用しライン単位の遅延を施すことによ
り、容易に解消することができる。
また、アスペクト比の変換に関しては、前述した走査
線数変換回路4にて必要な数の標本点の値を読出すこと
により実現している。
従来のMUSE信号/NTSC信号変換器は走査線数変換の容
易さから一般に以上のように構成されており、MUSE信号
の上下及び左右の一部を削除し、アスペクト比4:3の画
像のみを再生するというものであった。
しかしながら、そもそもMUSE信号はアスペクト比16:9
のハイビジョン信号として撮像されたものであり、アス
ペクト比4:3に変換するために削除されてしまう左右の
画像にも映像表現としての重要な情報が存在している。
それは芸術性の表現上重要であるという意味だけではな
く、例えば、スーパーインポーズされた文字情報が欠落
してしまう等の問題が生じたりする。
即ちMUSE信号/NTSC信号変換器としてはMUSE信号の有
効画面を全て再生することのできる変換方法も必要とな
る。以下、MUSE信号の有効画面全てを再生することを全
画面再生という。
又、次のような問題もある。
現在、現行のNTSC受像機としては一般に2種の受像機
に分類できる。1つは走査線数525本インタレース走査
にて再生する通常の受像機であり、他の1つは走査線数
525本ノンインタレース走査にて再生するIDTVもしくはE
DTVと呼ばれる受像機である。
周知のように、IDTV,EDTV受像機は一般に走査線数525
本インタレース走査であるNTSC信号を受像機にて走査線
補間を行い、走査線数525本ノンインタレース走査に変
換し、再生画像を得ている。このIDTV,EDTV受像機は走
査線補完を行なうため通常のNTSC受像機に比し高画質で
あるが、入力信号が動画像の際には、走査線補間による
画質劣化が生ずるという問題が常につきまとう。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来例で示したMUSE/NTSC信号変換器は主に前者のイ
ンタレース走査の受像機を対象としており、走査線数52
5本インタレース走査の信号を出力している。従ってこ
の出力をIDTV,EDTVにて再生する際、上述したような劣
化が生ずることになる。しかしながら、この劣化はMUSE
信号から直接走査線数525本ノンインタレース走査に変
換した信号をIDTV,EDTVに入力することによって、容易
に回避することができる。即ち現行のNTSC受像機が2種
類存在している以上、それぞれの受像機に適した映像信
号を供給する必要がある。
この発明は上記のような従来のものの問題点を解消す
るためになされたもので、現行の2種類のNTSC受像機に
それぞれ適した映像信号を提供でき、しかも全画面再生
が可能なテレビジョン方式信号変換器を得ることを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係るテレビジョン方式変換器は、走査線数
1125本のインタレース輝度信号の走査線数を2倍化して
走査線数1125本のノンインタレース信号に変換し、その
変換後の走査線をフィールド毎に3ラインにつき1ライ
ンもしくは6ラインにつき1ラインを抽出して走査線数
375本のノンインタレース信号もしくはインタレース信
号に変換し、画面上下にブランキング信号を付加して走
査線数525本のノンインタレース信号もしくはインタレ
ース信号を得るとともに、線順次多重した走査線数1125
本のインタレース色信号を第1,第2の信号に分離し、そ
の分離後の信号の走査線数をそれぞれ2倍化して走査線
数1125本のインタレース信号に変換し、以下2つの信号
につきそれぞれ上記と同様の処理を行なって走査線数52
5本のノンインタレース信号もしくはインタレース信号
を得るようにしたものである。
〔作用〕
この発明におけるMUSE信号/NTSC信号変換器において
は、上述のように構成したことにより、現行のインタレ
ース走査型の受像機には走査線数525本インタレース信
号を、現行のノンインタレース走査型の受像機には走査
線数525ノンインタレース信号をそれぞれ供給できるの
で、インタレース走査型の受像機であるIDTV,EDTVでの
より高画質な再生画像を可能とし、また現行のインタレ
ース走査型受像機,ノンインタレース走査型受像機のい
ずれにおいても、全画面再生を可能とする。
〔実施例〕 以下、この発明の実施例を図について説明する。
第1図はこの発明の一実施例によるテレビジョン方式
変換器を示す概略ブロック図である。図において、入力
端子1に入力されたMUSE信号101は標本化周波数16.2MHz
にてA/D変換器3により標本化される。標本化されたMUS
E信号102は周波数変換回路9にて標本化周波数が変換さ
れる。周波数変換回路9の出力103は輝度信号処理回路1
0と色信号処理回路11とに与えられ、輝度信号処理回路1
0,色信号処理回路11はれぞれその内部で周波数変換回路
9の出力103から輝度信号,色信号を選択し、走査線数5
25本のノンインタレース信号もしくはインタレース信号
に変換する。輝度信号処理回路10の出力104はD/A変換器
7dを介して、また色信号処理回路11の出力105,106はそ
れぞれD/A変換器7e,7fを介して逆マトリクス回路8bに与
えられる。逆マトリクス回路8bからはR,G,B信号110,11
1,112が出力され、出力端子2d,2e,2fよりそれぞれ出力
される。
第3図はこの発明の一実施例における走査変換方式を
示す概略ブロック図である。第3図(a)において、入
力端子12aから入力された走査線数1125本のインタレー
ス走査の輝度信号301は走査線数2倍化回路14a及び走査
線数1/3倍化回路16aを介して、出力端子13aから走査線
数525本のノンインタレース走査もしくはインタレース
走査の輝度信号303として出力される。
また、第3図(b)において、入力端子12bから入力
された走査線数1125本インタレース走査の色差線順次信
号304は色差信号分離回路15に与えられ、R−Y信号305
とB−Y信号309とに分離される。R−Y信号305は走査
線数2倍化回路14b,走査線数2倍化回路14c及び走査線
数1/3倍化回路16bを介して、出力端子13bから走査線数5
25本のノンインタレース走査もしくはインタレース走査
のR−Y信号308として出力される。B−Y信号309は走
査線数2倍化回路14d,走査線数2倍化回路14e及び走査
線数1/3倍化回路16cを介して出力端子13cから走査線数5
25本のノンインタレース走査もしくはインタレース走査
のB−Y信号312として出力される。
次に動作について説明する。
本実施例の特徴として次の2点が挙げられる。
全画面を表示する。
走査線数525本インタレース信号と、走査線数525ノン
インタレース信号の両者を供給する。
以下、図について説明する。
第2図は本実施例の変換概念を示している。MUSE信号
はアスペクト比約16:9走査線数1125本のインタレース信
号である。この信号における映像を走査線数1125×1/3
=375本に変換する。MUSE信号の有効走査線数及びNTSC
信号の有効走査線数を考慮すると、1/3の走査線数で映
像を表現することが処理の容易さも含めて最適といえ
る。即ち、走査線数1125本インタレース映像を走査線数
375本ノンインタレース映像あるいは走査線数375本イン
タレース映像とする。なお、ここでいう走査線数375本
ノンインタレース映像とはNTSC信号の走査線数525本の
うち375本を映像期間として使用するということであ
る。
第1図は本実施例の概略ブロック図である。
標本化周波数16.2MHzにて標本化されたMUSE信号は周
波数変換回路9にて標本化周波数が変換される。周波数
変換回路は一般に入力と出力とが非同期で動作するメモ
リによって構成される。このメモリの読み出し周波数は
NTSC信号に変換した時にテストパターンの真円率が保た
れるような周波数であり、一意に定まるものである。な
お、この回路での走査線数の変更はない。周波数変換回
路9の出力は輝度信号処理回路10と色信号処理回路11と
に与えられる。
輝度信号処理回路では次のような処理を行う。
MUSE信号がサブサンプリングされているため、フィー
ルド内で内挿処理を行う。
走査線数を変換するため垂直方向に帯域制限を行う。
走査線数1125本インタレース信号の情報を走査線数37
5本ノンインタレース信号あるいはインタレース信号の
情報に変換する。
また、色信号処理回路では次のような処理を行う。
MUSE信号がサブサンプリングされているためフィール
ド内で内挿処理を行う。
走査線数を変換するため垂直方向に帯域制限を行う。
走査線数1125本インタレース色差線順次信号の情報を
走査線数375本ノンインタレースあるいはインタレース
R−Y信号の情報と走査線数375本ノンインタレースあ
るいはインタレースB−Y信号の情報に変換する。
時間軸伸張を行う。
上記輝度信号処理回路及び色信号処理回路におけるフ
ィールド内内挿は、従来例でも述べたように水平方向の
内挿と垂直方向の内挿とが行われる。水平方向の内挿に
関しては従来例と同様である。垂直方向の内挿は従来例
でも述べたように垂直方向フィルタによって実現され
る。この垂直方向フィルタは内挿処理だけでなく、上記
輝度信号処理回路における,の処理及び上記色信号
処理回路における,の処理を実現している。
以下、この垂直フィルタ、即ち走査変換方式に主眼を
おいて説明する。
第3図は本発明の実施例の走査変換方式を示す概略ブ
ロック図である。
まず、輝度信号系の動作について述べる。入力端子12
aから入力された走査線数1125本インタレース走査であ
る輝度信号は第4図(a)のような信号配列をとってお
り、走査線数2倍化回路14aにて次のように処理され
る。
まず、第4図(b)に表わされている×点に標本値と
してゼロが挿入され、見かけ上走査線数が2倍化された
後、垂直方向に低減通過フィルタがかけられる。本例で
は垂直方向フィルタとして次のような伝達関数を持つも
のを使用している。
F(z)=1/4{1+2Z-L′+2Z-2L′+2Z-3L′+Z
-4L′}…フィルタH (Z-L′;1ライン遅延を表わす遅延演算子 但し、ここでの1ラインは1フィールド当たりの走査線
数1125本としたときの1ラインである) 第4図(c)は第4図(b)に対してフィルタHをか
けた結果、得られる信号である。例えば第4図(c)に
おけるYV(i,l)は次のように求められる。
YV(i,l)=1/4{Y(i,l+4)+2・Y(i,l+2)+
2・Y(i,l)+2・Y(i,l−2)+Y(i,l−4)} このようにして処理された走査線数2倍化回路14aの
出力302は走査線数1/3倍化回路16aに与えられる。
走査線数1/3倍化回路16aでは第5図のごとく走査線が
間引かれる。第5図(a)のごとく各フィールド毎に同
じ垂直位置に存在する走査線を3本に1本ずつ使用する
ことにより、走査線数375本のノンインタレース映像を
得る。また第5図(b)のごとくインタレースにするに
は、更に走査線を間引いて、各フィールド毎に走査線を
6本に1本ずつ使用することにより、走査線数375本の
インタレース映像を得る。
次に色信号系の動作について述べる。入力端子12bか
ら入力された走査線数1125本インタレース走査の色差線
順次信号は第6図(a)のような信号配列をとってお
り、色差信号分離回路15にて第6図(b)のごとくR−
Y信号とB−Y信号とに分離される。分離されたR−Y
信号305は走査線数2倍化回路14bにて次のように処理さ
れる。
まず第6図(b)に表わされている×点に標本値とし
てゼロが挿入され、見かけ上走査線数が2倍化された
後、垂直方向に低減通過フィルタがかけられる。本例で
は垂直方向フィルタとして次のような伝達関数を持つも
のを使用している。
F(z)=1/4{1+2Z-2L′+2Z-4L′+2Z-6L′+Z
-8L′}…フィルタI 第7図(a)は第6図(b)に対してフィルタIをか
けた結果、得られる信号である。例えば第7図(a)に
おけるR−YV(j,l)は次のように求められる。
R−YV(j,l)=1/4{R−Y(j,l+8)+2・R−Y
(j,l+4)+2・R−Y(j,l)+2・R−Y(j,l−
4)+R−Y(j,l−8)} このように処理された走査線数2倍化回路14bの出力3
06は走査線数2倍化回路14cに与えられる。走査線数2
倍化回路14cでは第7図(b)に表わされている×点に
標本値としてゼロが挿入され、見かけ上走査線数が2倍
化された後、垂直方向に低減通過フィルタがかけられ
る。本実施例では垂直方向フィルタとして、次のような
伝達関数を持つものを使用している。
F(z)=1/2{1+2・Z-L′+Z-2L′}…フィルタ
J 第7図(c)は第7図(b)に対してフィルタJをか
けた結果、得られる信号である。例えば第7図(c)に
おけるR−YVV(j,l)は次のように求められる。
R−YVV(j,l)=1/2{R−YV(j,l+2)+R−YV(j,
l)+R−YV(j,l−2)} このようにして処理された走査線数2倍化回路14cの
出力307は走査線数1/3倍化回路16bに与えられる。走査
線数1/3倍化回路16bは第8図(a)のごとく各フィール
ド毎に同じ垂直位置に存在する走査線を3本に1本ずつ
使用することにより、走査線数375本のノンインタレー
ス映像を得る。また第8図(b)のごとく、インタレー
スにするには、更に走査線を間引いて各フィールド毎に
走査線を6本に2本ずつ使用することにより、走査線数
375本のインタレース映像を得る。
また、B−Y信号も第9図,第10図のごとくR−Y信
号と同様の処理が実行され、走査線数375本のノンイン
タレースあるいはインタレース映像を得る。
このようにして得られた走査線数375本のノンインタ
レースあるいはインタレース映像は、映像の上下にブラ
ンキング信号が付加され、輝度信号処理回路10から輝度
信号104が、色信号処理回路11からR−Y信号105及びB
−Y信号106がそれぞれD/A変換され、更に逆マトリクス
回路8bにてRGB信号に変換され出力される。
なお、輝度信号と色信号の垂直方向の位置ずれに関し
ては特に述べなかったが、輝度信号処理回路あるいは色
信号処理回路の一方にメモリを使用しライン単位の遅延
を施すことにより、容易に解消することができる。
なお、上記実施例では、MUSE信号を走査線数525本ノ
ンインタレース信号に変換するための方法について述べ
たが、MUSE信号に限るものではなく、ハイビジョン信号
(ベースバンドRGB信号)であってもよい。
勿論その時には前述したMUSE信号に伴う内挿処理は必
要ではなく、輝度信号系と同様の処理をR,G,Bの各成分
につき行なえばよい。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明に係るテレビジョン方式変換
器によれば、現行のインタレース走査型の受像機には走
査線数525本インタレース信号を、現行のノンインタレ
ース走査型の受像機には走査線数525本ノンインタレー
ス信号を、それぞれ全画面再生が可能なように信号処理
して供給するように構成したので、現行受像機でより高
画質なMUSE映像を再生できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によるMUSE信号/NTSC信号
変換器の概略ブロック図、第2図はこの発明による走査
変換方式の変換概念を示す信号配列図、第3図はこの発
明による走査変換方式の概略ブロック図、第4図,第5
図,第6図,第7図,第8図,第9図,第10図はこの発
明の走査変換方式の信号処理方法を示す信号配列図、第
11図は従来のMUSE信号/NTSC信号変換器の概略ブロック
図、第12図,第13図,第14図,第15図,第16図,第17
図,第18図,第19図は従来のMUSE信号/NTSC信号変換器
の信号処理方法を示す信号配列図である。 図において、1は入力端子、2a〜2fは出力端子、3はA/
D変換器、4は走査線数変換器、5はインタレース対応
輝度信号処理回路、6はインタレース対応色信号処理回
路、7a〜7fはD/A変換器、8a,8bは逆マトリクス回路、9
は周波数変換回路、10は輝度信号処理回路、11は色信号
処理回路、12a,12bは入力端子、13a,13bは出力端子、14
a〜14eは走査線数2倍化回路、15は色差信号分離回路、
16a〜16cは走査線数1/3倍化回路である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走査線数n本のインタレース信号を走査線
    数n/2本またはこれとほぼ同数本(以下、約n/2本と称
    す)のノンインタレース信号に変換するテレビジョン方
    式変換器であって、 前記走査線数n本のインタレース信号の走査線数を2倍
    化し走査線数n本のノンインタレース信号に変換する第
    1の走査線数2倍化手段と、 該走査線数2倍化手段の出力の走査線をフィールド毎に
    3ラインにつき1ラインずつ抽出し走査線数n/3本のノ
    ンインタレース信号に変換し、更に画面上下にブランキ
    ング信号を付加し走査線数n/2本のノンインタレース信
    号に変換する第1の走査線数1/3倍化手段とを備えたこ
    とを特徴とするテレビジョン方式変換器。
  2. 【請求項2】2種類の信号を線順次多重した走査線数n
    本のインタレース信号を走査線数n/2本またはこれとほ
    ぼ同数本(以下、約n/2本と称す)のノンインタレース
    信号に変換するテレビジョン方式変換器であって、 前記線順次多重した走査線数n本のインタレース信号を
    第1,第2の信号に分離する信号分離手段と、 該信号分離手段にて分離された第1,第2の信号の走査線
    数を2倍化し走査線数n本のインタレース信号に変換す
    る第2,第3の走査線数2倍化手段と、 該第2,第3の走査線数2倍化手段の出力の走査線数を2
    倍化し走査線数n本のノンインタレース信号に変換する
    第4,第5の走査線数2倍化手段と、 該第4,第5の走査線数2倍化手段の出力の走査線をフィ
    ールド毎に3ラインにつき1ラインずつ抽出し走査線数
    n/3本の2つのノンインタレース信号に変換し、更に画
    面上下にブランキング信号を付加し走査線数n/2本のノ
    ンインタレース信号に変換する第2,第3の走査線数1/3
    倍化手段とを備えたことを特徴とするテレビジョン方式
    変換器。
  3. 【請求項3】走査線数n本のインタレース信号を走査線
    数n/2本またはこれとほぼ同数本(以下、約n/2本と称
    す)のインタレース信号に変換するテレビジョン方式変
    換器であって、 前記走査線数n本のインタレース信号の走査線数を2倍
    化し走査線数n本のノンインタレース信号に変換する第
    1の走査線数2倍化手段と、 該走査線数2倍化手段の出力の走査線をフィールド毎に
    6ラインにつき1ラインずつ抽出し走査線数n/3本のイ
    ンタレース信号に変換し、更に画面上下にブランキング
    信号を付加し走査線数n/2本のインタレース信号に変換
    する第4の走査線数1/3倍化手段とを備えたことを特徴
    とするテレビジョン方式変換器。
  4. 【請求項4】2種類の信号を線順次多重した走査線数n
    本のインタレース信号を走査線数n/2本またはこれとほ
    ぼ同数本(以下、約n/2本と称す)のインタレース信号
    に変換するテレビジョン方式変換器であって、 前記線順次多重した走査線数n本のインタレース信号を
    第1,第2の信号に分離する信号分離手段と、 該信号分離手段にて分離された第1,第2の信号の走査線
    数を2倍化し走査線数n本のインタレース信号に変換す
    る第2,第3の走査線数2倍化手段と、 該第2,第3の走査線数2倍化手段の出力の走査線数を2
    倍化し走査線数n本のノンインタレース信号に変換する
    第4,第5の走査線数2倍化手段と、 該第4,第5の走査線数2倍化手段の出力の走査線をフィ
    ールド毎に6ラインにつき1ラインずつ抽出し走査線数
    n/3本の2つのインタレース信号に変換し、更に画面上
    下にブランキング信号を付加し走査線数n/2本のインタ
    レース信号に変換する第5,第6の走査線数1/3倍化手段
    とを備えたことを特徴とするテレビジョン方式変換器。
  5. 【請求項5】走査線数n本のインタレース信号を走査線
    数n/2本またはこれとほぼ同数本(以下、約n/2本と称
    す)のノンインタレース信号およびインタレース信号に
    変換するテレビジョン方式変換器であって、 前記走査線数n本のインタレース信号の走査線数を2倍
    化し走査線数n本のノンインタレース信号に変換する第
    1の走査線数2倍化手段と、 該走査線数2倍化手段の出力の走査線をフィールド毎に
    3ラインにつき1ラインずつ抽出し走査線数n/3本のノ
    ンインタレース信号に変換し、更に画面上下にブランキ
    ング信号を付加し走査線数n/2本のノンインタレース信
    号に変換する第1の走査線数1/3倍化手段と、 前記走査線数2倍化手段の出力の走査線をフィールド毎
    に6ラインにつき1ラインずつ抽出し走査線数n/3本の
    インタレース信号に変換し、更に画面上下にブランキン
    グ信号を付加し走査線数n/2本のインタレース信号に変
    換する第2の走査線数1/3倍化手段とを備えたことを特
    徴とするテレビジョン方式変換器。
  6. 【請求項6】2種類の信号を線順次多重した走査線数n
    本のインタレース信号を走査線数n/2本またはこれとほ
    ぼ同数本(以下、約n/2本と称す)のノンインタレース
    信号およびインタレース信号に変換するテレビジョン方
    式変換器であって、 前記線順次多重した走査線数n本のインタレース信号を
    第1,第2の信号に分離する信号分離手段と、 該信号分離手段にて分離された第1,第2の信号の走査線
    数を2倍化し走査線数n本のインタレース信号に変換す
    る第2,第3の走査線数2倍化手段と、 該第2,第3の走査線数2倍化手段の出力の走査線数を2
    倍化し走査線数n本のノンインタレース信号に変換する
    第4,第5の走査線数2倍化手段と、 該第4,第5の走査線数2倍化手段の出力の走査線をフィ
    ールド毎に3ラインにつき1ラインずつ抽出し走査線数
    n/3本の2つのノンインタレース信号に変換し、更に画
    面上下にブランキング信号を付加し走査線数n/2本のノ
    ンインタレース信号に変換する第3,第4の走査線数1/3
    倍化手段と、 前記第4,第5の走査線数2倍化手段の出力の走査線をフ
    ィールド毎に6ラインにつき1ラインずつ抽出し走査線
    数n/3本の2つのインタレース信号に変換し、更に画面
    上下にブランキング信号を付加し走査線数n/2本のイン
    タレース信号に変換する第5,第6の走査線数1/3倍化手
    段とを備えたことを特徴とするテレビジョン方式変換
    器。
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