JP2734186B2 - レンズ駆動装置 - Google Patents

レンズ駆動装置

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JP2734186B2
JP2734186B2 JP22188090A JP22188090A JP2734186B2 JP 2734186 B2 JP2734186 B2 JP 2734186B2 JP 22188090 A JP22188090 A JP 22188090A JP 22188090 A JP22188090 A JP 22188090A JP 2734186 B2 JP2734186 B2 JP 2734186B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、例えば映像と音声を同時に収録するビデ
オカメラなどにおいて、自動焦点合わせの時などにレン
ズ系をステップモータで駆動するレンズ駆動装置に関す
るものである。
[従来の技術] 第7図は、例えば特開平2−20815号公報に示された
従来のレンズ駆動装置を用いた撮影レンズを示す断面図
である。図において、(4)はステップモータ、(6)
はステップモータ(4)の駆動軸、(7)はこの駆動軸
(6)に勘合するフライホイール、(8)はこのフライ
ホイール(7)とは異なった慣性モーメントで駆動軸
(6)と勘合するフライホイール、(9)はフライホイ
ール(7),(8)と駆動軸(6)の間に封入された粘
性流体、(10)は駆動軸(6)に固定された送りねじ、
(11)は送りねじ(10)と勘合するナット、(12)はナ
ット(11)を保持すると共に後部レンズ系を内蔵した後
部レンズ筒、(13)は後部レンズ筒(12)を摺動しなが
ら保持するガイドロッド、(14)はこのガイドロッド
(13)を保持する鏡胴、(15)は鏡胴(14)の端部に固
定された撮像素子である。
次に動作について説明する。図中の一点鎖線Aはレン
ズ系の光軸を示しており、後部レンズ筒(12)がこの光
軸Aに沿って移動することにより撮像素子(15)の位置
で結像される画像のピントを合わせる。このような後部
レンズ筒(12)の移動は、ステップモータ(4)の駆動
軸(6)の回転によって行われる。即ち、駆動軸(6)
に固定された送りネジ(10)の回転がナット(11)を介
して光軸方向の直進運動となり、後部レンズ筒(12)は
ガイドロッド(13)に沿って移動することになる。この
時ステップモータ(4)は巻線への供給電圧を矩形波状
に切り替えて駆動するため、駆動軸(6)の回転はオー
バシュートを生じた後、残留振動を発生する。このよう
な駆動軸(6)の回転の変動が、送りネジ(10)とナッ
ト(11)との間のがた振動や後部レンズ筒(12)とガイ
ドロッド(13)との間のがた振動を生じさせ、大きな衝
撃力が鏡胴(14)に伝搬する。この衝撃力を防ぐため
に、例えばこの従来例では、駆動軸(6)に粘性流体
(9)を介してフライホイール(7),(8)を装着し
て、回転速度に比例した減衰トルクを駆動軸(6)に加
えようと意図している。
第8図は従来のレンズ駆動装置におけるステップモー
タ駆動装置の電気系統の全体構成を示すブロック図であ
る。図において、(1)はマイクロプロセッサを中心と
してモータの駆動シーケンスを制御する指令回路であ
り、TTLレベル信号のS1a,S2a,S3a,S4a,S1b,S2b,S3b,S4b
を生成する。(2)はステップモータのa相の励磁回
路、(3)はステップモータb相の励磁回路であり、a
相の励磁回路(2)はTTLレベル信号のS1a,S2a,S3a,S4a
に基づいてモータへの供給電圧Vaを生成してモータ巻線
を励磁し、b相の励磁回路(3)はTTLレベル信号のS1
b,S2b,S3b,S4bに基づいてモータへの供給電圧Vbを生成
してモータ巻線を励磁する。(4)はステップモータ
で、その基本構造を2相で模式的に示しており、(5
a),(5b),(5c),(5d)は巻線を施したステータ
のティース、(6)は永久磁石を組み込んだロータであ
る。第1表に巻線供給電圧Va,Vbの2相励磁のシーケン
スを示す。ロータ(6)の回転角度をθとして、巻線供
給電圧を第1表に示すような2相励磁のシーケンスで切
り換えると、切り換えごとにロータ回転角度θはステー
タのティースの歯角λづつ回転する。第1表中のV0は一
定供給電圧であり、V0〉0である。
第9図は従来のレンズ駆動装置におけるステップモー
タを駆動するための回路図である。S1〜S4はTTLレベル
のハイまたはローの信号である。R1〜R20は抵抗、Tr1〜
Tr10はトランジスタである。S1は抵抗R4を介してトラン
ジスタTr5をオンオフする。S1がハイレベル信号の時ト
ランジスタTr5がオンとなり、トランジスタTr5のエミッ
タが接地されているので、抵抗R3,R2を介してトランジ
スタTr1のベース電位が下がってトランジスタTr1がオン
となる。S1がローレベル信号の時トランジスタTr5がオ
フとなり、トランジスタTr1のベース電位は直流電源の
正電位V0からベース電流と抵抗R1,R2の抵抗値の和との
積だけ低下した高い電位となるため、トランジスタTr1
はオフとなる。S2とTr2の動作の関係は、S2,R8,Tr6,R7,
R5,R6,Tr2がそれぞれS1,R4,Tr5,R3,R1,R2,Tr1に対応し
ているので、S1とTr1の動作の関係と同様であり、S2が
ハイレベル信号の時Tr2はオンとなり、S2がローレベル
信号の時Tr2はオフとなる。
S3は抵抗R11を介してトランジスタTr9をオンオフす
る。S3がハイレベル信号の時トランジスタTr9がオンと
なり、トランジスタTr9のエミッタが接地されているの
で、抵抗R10を介してトランジスタTr7のベース電位が下
がってトランジスタTr7がオンとなる。トランジスタTr7
がオンの時トランジスタTr3のベース電位は直流電源の
正電位V0からトランジスタTr7の損失分およびトランジ
スタTr3のベース電流と抵抗R12の抵抗値の和との積だけ
低下した高い電位となるため、トランジスタTr3はオン
となる。S3がローレベル信号の時トランジスタTr9がオ
フとなり、トランジスタTr7のベース電位は直流電源の
正電位V0からトランジスタTr7のベース電流と抵抗R9の
抵抗値の和との積だけ低下した高い電位となるため、ト
ランジスタTr7はオフとなる。トランジスタTr7がオフの
時はトランジスタTr3のベースは抵抗R12とR13を介して
接地されているので、トランジスタTr3のベース電位は
低くなってトランジスタTr3はオフとなる。S4とTr4の動
作の関係は、S4,R17,Tr10,R16,R15,Tr8,R20,R18,R19,Tr
4がそれぞれS3,R11,Tr9,R10,R9,Tr7,R13,R12,R14,Tr3に
対応しているので、S3とTr3の動作の関係と同様であ
り、S4がハイレベル信号の時Tr4はオンとなり、S4がロ
ーレベル信号の時にTr4はオフとなる。なお、トランジ
スタTr1〜Tr4はいずれもオンのとき飽和領域にあり、ス
イッチング動作する。
第9図中の破線Mはモータ巻線の等価回路であり、等
価回路M内のEはモータのロータ回転による逆起電力で
ある。Vはこの巻線への供給電圧であり、T1点の電位が
T2点のそれよりも高いときを正に取った。駆動回路にお
けるトランジスタの動作パターンの一覧表として、トラ
ンジスタTr1〜Tr4のオンオフ状態とVの関係を第2表に
示す。
なお、巻線電流は、逆起電圧と巻線自体のインダクタ
ンスにより動的に変動するが、トランジスタTr1〜Tr4を
飽和領域で使用しているため巻線への供給電圧Vには影
響しない。
[発明が解決しようとする課題] 従来のレンズ駆動装置は以上のように構成されている
ので、巻線の印加電圧を切り換える時にモータ発生トル
クが急峻に立ち上がって加振源となり、モータのロータ
が目標の安定平衡点を行き過ぎてオーバシュートした
後、残留振動を生じると共に、レンズ駆動機構のがた振
動を励起し、大きな騒音を生じる。この騒音が重畳した
音声をマイクロフォンが収録するため、音声のS/N比が
低下し音質が劣化するという問題点があった。
なお、従来例で述べた粘性流体によって減衰を付加す
る方法においては、粘性流体を封入するためのシールが
必要である。また、駆動軸(6)とフライホイール
(7),(8)とのすき間を適正に保たなければならな
いため、機構が高価になると共に装置全体の重量が増え
る。また、駆動軸(6)とフライホイール(7),
(8)との相対的な慣性力がシール部の摩擦力を越える
までは、駆動軸(6)とフライホイール(7),(8)
とは一体で回転し、ステップモータ(4)に対する慣性
負荷が大きくなるために、より大きな発生トルクが必要
になるという問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、所要のレンズ系駆動速度を維持しつつ、オ
ーバシュートと残留振動を軽減し、機構系の変更無しに
大幅な低騒音化ができるレンズ駆動装置を得ることを目
的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係わるレンズ駆動装置は、ステップモータ
のステータ巻線の印加電圧の極性を切り換える途中に零
電圧の時間区間を設け、この零電圧から逆極性に切り換
える時の印加電圧の時間波形を指数関数状になまらせ、
このなましの時定数をモータ回転系固有周期の1/4以上
としたものである。
[作用] この発明においては、巻線への印加電圧の極性を反転
させる時に、反転の間に零電圧の時間区間を設け、さら
に零電圧から逆の極性に指数関数状に滑らかに変化させ
ることにより、ステップモータが発生する起動トルクを
2相励磁のそれから1相励磁のそれに軽減されて加振源
が軽減できる。さらに、なました電圧波形により、目標
の静的安定平衡点を行き過ぎることなく停止できるた
め、レンズ機構のがた振動が軽減でき、機構系の変更無
しに大幅な低騒音化が達成できる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例によるレンズ駆動装置を第
1図,第2図に基いて説明する。第1図はこの発明の一
実施例によるレンズ駆動装置を用いた撮影レンズを示す
断面図、第2図はこの発明の一実施例によるレンズ駆動
装置に係るステップモータの駆動を示す回路図である。
図において、第7図,第9図と同一の記号は同一、又
は相当のものを示している。第1図において第7図の従
来と異なる点は、実施例ではフライホイール(7),
(8)多び駆動軸(6)の間に封入された粘性流体
(9)を必要としない。また、第2図において第9図の
従来と異なる点は、トランジスタTr1〜Tr4のベースに接
続した抵抗R2,R6,R12,R18のトランジスタと反対側の端
子にコンデンサC1〜C4を接続し、これらのコンデンサの
もう一方の端子を接地し、トランジスタTr7とTr8のコレ
クタに抵抗R21とR22を接続した点である。
そして、TTL信号S1がローレベルからハイレベルに切
り換わる時、従来例では瞬時にトランジスタTr1のベー
ス電流が飽和領域まで流れていたが、この実施例では、
コンデンサC1が接続されているため、抵抗R3の抵抗値と
コンデンサC1の静電容量の積で決まる時定数分だけ遅れ
てトランジスタTr5のコレクタ電流が変化する。従っ
て、コンデンサC1のキャパシタンスCと抵抗R3の抵抗値
Rを用いてR/Cによってステータ巻線の印加電圧を指数
関数状になまらせることができる。この実施例ではなま
しの時定数をモータ回転系固有周期とほぼ同一にしてい
る。トランジスタTr1のベース電流が指数関数状に滑ら
かに変化し、トランジスタTr1からモータMへ供給され
る電流も指数関数状に滑らかになまることになる。一
方、TTL信号S1がハイレベルからローレベルに切り換わ
る時、トランジスタTr5がオフとなり、従来例では瞬時
にトランジスタTr1のベース電位が高くなってトランジ
スタTr1は遮断状態となるが、この実施例ではコンデン
サC1が接続されているので、トランジスタTr1のベース
電位の上昇は抵抗R1の抵抗値とコンデンサC1の静電容量
の積で決まる時定数分だけ遅れることになる。しかし、
抵抗R1の抵抗値を抵抗R3の抵抗値よりも充分小さく取る
こともできるので、TTL信号S1に対してトランジスタTr1
を瞬時に遮断状態にでき、モータへの供給電流を急峻に
消滅させることができる。
TTL信号S2とトランジスタTr2からモータへ供給される
電流の関係は、コンデンサC2がコンデンサC1に相当する
ため、上述のTTL信号S1とトランジスタTr1の動作と同様
であり、S2がローレベルからハイレベルに切り換わる
時、トランジスタTr2からモータへ供給される電流は抵
抗R7の抵抗値とコンデンサC2の静電容量の積で決まる時
定数分だけ滑らかになまった波形になる。また、S2がハ
イレベルからローレベルに切り換わる時、トランジスタ
Tr2からモータへ供給される電流は急峻に消滅する。
TTL信号S3がローレベルからハイレベルに切り換わる
時、従来例では瞬時にトランジスタTr3のベース電流が
飽和領域まで流れていたが、この実施例では、コンデン
サC3が接続されているため抵抗R21の抵抗値とコンデン
サC3の静電容量の積で決まる時定数分だけ遅れてトラン
ジスタTr7のコレクタ電流が変化する。従って、トラン
ジスタTr3のベース電流が指数関数状に滑らかに変化し
て、トランジスタTr3からモータへ供給される電流も指
数関数状に滑らかになまることになる。一方、TTL信号S
3がハイレベルからローレベルに切り換わる時、トラン
ジスタTr5とTr7がオフとなり、従来例では瞬時にトラン
ジスタTr3のベース電位が低くなってトランジスタTr3は
遮断状態となるが、この実施例ではコンデンサC3が接続
されているので、トランジスタTr3のベース電位の上昇
は主に抵抗R13の抵抗値とコンデンサC3の静電容量の積
で決まる時定数分だけ遅れることになる。しかし、抵抗
R13の抵抗値を抵抗R21の抵抗値よりも充分小さく取るこ
ともできるので、TTL信号S3に対してトランジスタTr3を
瞬時に遮断状態にすることができ、モータへの供給電流
を急峻に消滅させることができる。
TTL信号S4とトランジスタTr4からモータへ供給される
電流の関係は、コンデンサC4がコンデンサC3に相当する
ため、上述のTTL信号S3とトランジスタTr3の動作と同様
であり、S4がローレベルからハイレベルに切り換わる
時、トランジスタTr4からモータへ供給される電流は抵
抗R22の抵抗値とコンデンサC4の静電容量の積で決まる
時定数分だけ滑らかになまった波形になる。また、S4が
ハイレベルからローレベルに切り換わる時、トランジス
タTr4からモータへ供給される電流は急峻に消滅する。
この励磁回路を用いた時のモータの動的挙動を従来の
励磁回路を用いた時のそれと比較しながら説明する。第
3図,第4図はそれぞれ1ステップ駆動した時の過渡応
答の数値計算結果を示すグラフであり、第3図は従来例
に係る結果であり、第4図は実施例に係る結果である。
第3図(a),第4図(a)は時間(ms)に対するロー
タ回転角度(θ/λ)、第3図(b),第4図(b)は
時間(ms)に対するモータ発生トルク(gf・cm)、第3
図(c),第4図(c)は時間(ms)に対するa相の巻
線電流(A)、第3図(d),第4図(d)は時間(m
s)に対するa相の供給電圧(Volt)である。従来例で
は、a,b各相のS1とS4をハイレベル、S2とS3をローレベ
ルに充分長い時間保つことでロータを静止させる。次に
この状態から時刻4msでa相のS1とS4をローレベル、S2
とS3をハイレベルにしてa相の巻線への供給電圧を7.5
(Volt)から−7.5(Volt)に極性を切り換えてロータ
をλだけ回転させた。一方実施例では、時刻4msでa相
のS1とS4をローレベルにしてa相の供給電圧を7.5(Vol
t)から0(Volt)に切り換え、時刻5.5msでa相のS2と
S3をハイレベルにして時刻5.5ms以降のa相巻線への供
給電圧を0(Volt)から指数関数状に時定数5msで滑ら
かに−7.5(Volt)まで低下させてロータをλだけ回転
させた。第3図の従来例では、起動直後にモータ発生ト
ルクが急峻に立ち上がって約23(gf・cm)まで達してい
る。このため、ロータ回転角度も目標値のθ/λ=1を
越えてオーバシュートを生じている。これに対して、第
4図の実施例では、起動直後のモータ発生トルクは約8
(gf・cm)に留まっており、従来例の約3分の1であ
る。さらに、時刻5.5ms以降の巻線電流が指数関数状に
滑らかに増えているため、ロータ回転角度にオーバシュ
ートがまったく生じていない。
次に、この実施例によるトルク脈動軽減のメカニズム
について詳細に述べる。従来例では、a相の供給電圧の
極性を反転させており、これは2相励磁に相当する。第
3図には陽に示していないが、第8図に示すb相にも常
に供給電圧を加えており、a相,b相の2相が励磁される
2相励磁となっている。これに対し、この実施例では、
第4図において、4msから5.5msの区間でa相電圧を零と
している。0msから20msまでb相にも供給電圧を加えて
おり、4msから5.5msの区間は1相励磁となっている。こ
の1相励磁の区間を設けることによって、トルク脈動が
軽減される様相を詳細に説明する。ステップモータの動
特性は周知のように次式で表される。
ここで、 A=π/2(θ/λ+1/2) B=π/2(θ/λ−1/2) であり、さらに、 E,V:巻線の逆起電力,供給電圧 I,K:巻線の電流,トルク定数 J,t:ロータの慣性モーメント,時間 L,R:巻線の自己インダクタンス,抵抗 Tf:摩擦負荷トルク θ,λ:ロータの回転速度,ステップ角 添字a,b:巻線の各相 を表し、記号 は時間に関する微分を表す。
式(1)は、日本機械学会論文集(C編)56巻524号
(1990年4月発行)の第865頁に記載されており、ま
た、この式(1)は、テキスト「ステッピング・モータ
の基礎と応用」見城 尚志,新村 佳久著、総合電子出
版社発行(昭和54年第1刷,昭和63年第10刷)の第95頁
に記載の式において、M=0としたものに一致する。
式(1)の第1式の右辺は、モータ発生トルクであ
り、このモータトルクとロータ位置θの関係を図示する
と、第10図のようになる。図において、縦軸はモータト
ルク、横軸はロータ位置を示している。このロータ位置
θはステップ角λで正規化している。また、静的な場合
を考え、時間微分の項は零としている。ここで、V0を供
給電圧としたとき、T0=2KV0/Rである。破線は、a相電
流IaがI0のときであり、第3図及び第4図における時間
t=0〜4msの区間に相当する。1点鎖線は、a相電流I
aが零のときであり、第4図の時間t=4〜5.5msの1相
励磁区間に対応する。実線はIaが−I0のときで、第3図
のt=4〜20ms,第4図のt=5.5〜20msに対応する。
ロータが静的に安定して保持される位置は、静的安定
平衡点と呼ばれ、これをθsとすれば、Ia=I0,0,−I0
のとき、それぞれ、θs/λ=0,0.5,1となる。即ち、第
3図及び第4図で述べた励磁の切換えにより、θsが進
み、ロータが目標位置まで進む様相が第10図から読み取
ることができる。
さて、従来例の2相励磁のトルク発生状況は、第11図
のようになる。図におけるハッチングの部分が発生トル
クであり、励磁切換えと同時にステップモータの最大ト
ルクT0が作用することになる。
これに対し、この実施例におけるような、電圧零区
間、即ち1相励磁区間を設けると、第12図のようなトル
クが生じる。即ち、2相励磁から1相励磁に切換える
と、T0/2を発生し、1相励磁の静的安定平衡点で2相励
磁(Ia=−I0)に切換えると、 を発生する。従来の2相励磁に比べると、θ/λ=0で
発生トルクが1/2に軽減されている。
第12図において、1点鎖線の1相励磁のトルクは、θ
/λ=0.5に向けてトルクが零となる。このため、θ/
λ=0.5の手前で切換えると、破線ハッチングのような
トルクとなり、加速が充分行える。反面、切換え時のト
ルク脈動が増える。このような状況に鑑みて、この実施
例では、この2回目の励磁切換えに、電圧のなましを加
えた。そのときのトルク発生状況を第13図に示す。巻線
電流の時定数L/Rを考慮すれば、θ/λ=0のトルク立
上りも若干なまる。そして、θ/λ=0.4付近の励磁切
換え後は、電圧波形のなましにより、Iaは徐々に増える
ので、トルクはハッチングのように大きなピークを生じ
ることなく、滑らかに発生する。この実施例は、このよ
うに、トルク脈動を軽減したものである。
なお、2相励磁から1相励磁に切換えるときは、非駆
動部であるレンズ可動系が静止しているため、静止摩擦
負荷に打ち勝つ駆動トルクを加えて、レンズ可動系を動
かす必要がある。このため、この実施例においては、2
相励磁から1相励磁に移るときには、供給電圧波形をな
ますことなく、可動部の摩擦負荷を静止摩擦から動摩擦
に速やかに軽減する工夫を講じている。
第5図は巻線への電流供給電源電圧V0を5,7.5,10(Vo
lt)と変えて、ステップモータで駆動されるマスタレン
ズの加速度とレンズ駆動系全体が発生する騒音の音圧レ
ベルを実測した結果を示すグラフである。第5図
(a)、(b)、(c)は従来例の電流供給電源電圧V0
が5,7.5,10(Volt)の結果であり、第5図(d)、
(e)、(f)は実施例の電流供給電源電圧V0が5,7.5,
10(Volt)の結果である。ステップモータやレンズ機構
系などの機械系は同一のものを用い、モータ巻線の励磁
回路と指令回路だけを接続し直して従来例とこの発明の
一実施例とを比較した。各時間波形を見比べるとわかる
ように、いずれの供給電圧においても実施4例は従来例
よりも加速度と音圧レベルともに数分の1まで大幅に軽
減できていることがわかる。
また、発生する騒音となましの時定数との関係の実験
結果のグラフを第6図に示す。図中、横軸はなましの時
定数をモータ系の固有周期で除した無次元時定数であ
る。この無次元量が0の時に、なましの時定数も0とな
り、この無次元量が1の時、なましの時定数とモータ系
の固有周期が等しくなる。実験は供給電圧V0が5,7.5,10
(Volt)で行ない、各々の結果を記号○と実線,△と破
線,□と一点鎖線で示している。この図で明らかなよう
に、無次元時定数が0.25以下では、低騒音化の効果は1
〜2dB(A)と小さいが、無次元時定数が大きくなるに
つれて低騒音化の効果は大きくなることが分かる。従っ
て、なましの時定数をモータ回転系固有周期の1/4以上
とすれば、低騒音化の効果がある程度期待できる。ま
た、このなましの時定数をモータ回転系固有周期の2倍
より大きくすると、レンズ駆動装置としての本来の位置
決め速度が低下するので、2倍以下とするのが好まし
い。
ステップモータの駆動において巻線の印加電圧の極性
を反転させるのみならず、極性の反転の間に適切な時間
間隔で零電圧を設けるためには、TTL回路もしくはマイ
クロコンピュータの指令電圧を備えればよい。また、零
電圧から逆の極性の電圧に巻線への印加電圧を指数関数
状に滑らかに変化させるのはRC回路もしくはオペアンプ
を備えて実現できる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、レンズを駆動する
ステップモータ用いたレンズ駆動装置において、ステッ
プモータのステータ巻線の印加電圧の極性を切り換える
途中に零電圧の時間区間を設け、この零電圧から逆極性
に切り換える時の印加電圧の時間波形を指数関数状にな
まらせ、このなましの時定数をモータ回転系固有周期の
1/4以上としたことにより、モータ巻線に供給する電圧
を滑らかに増減させるように励磁回路を構成でき、駆動
機構系を変更せずに装置の重量や大きさを増すことな
く、極めて低騒音のものが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によるレンズ駆動装置を用
いた撮影レンズを示す断面図、第2図はこの発明の一実
施例によるレンズ駆動装置に係るステップモータの駆動
を示す回路図、第3図は従来例に係る1ステップ駆動し
た時の過渡応答の数値計算結果を示すグラフ、第4図は
この実施例に係る1ステップ駆動した時の過渡応答の数
値計算結果を示すグラフ、第5図は巻線への電流供給電
源電圧V0を5,7.5,10(Volt)と変えて、ステップモータ
で駆動されるマスタレンズの加速度とレンズ駆動系全体
が発生する騒音の音圧レベルを実測した結果を示すグラ
フ、第6図は発生する騒音となましの時定数との関係の
実験結果を示すグラフ、第7図は従来のレンズ駆動装置
を用いた撮影レンズを示す断面図、第8図は従来のレン
ズ駆動装置におけるステップモータ駆動装置の電気系統
の全体構成を示すブロック図、第9図は従来のレンズ駆
動装置におけるステップモータを駆動するための回路
図、第10図は一般的な2相励磁のモータトルクとロータ
位置の関係を示すグラフ、第11図は従来例の2相励磁の
モータトルクとロータ位置の関係を示すグラフ、第12図
は一実施例に係り、1相励磁区間を設けた場合のモータ
トルクとロータ位置の関係を示すグラフ、第13図は一実
施例に係り、電圧のなましを加えたときのモータトルク
とロータ位置の関係を示すグラフである。 (4)……ステップモータ。 なお、図中、同一符号は同一、または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−105711(JP,A) 特開 平2−178640(JP,A) 特開 平2−39209(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レンズを駆動するステップモータを用いた
    レンズ駆動装置において、上記ステップモータのステー
    タ巻線の印加電圧の極性を切り換える途中に零電圧の時
    間区間を設け、この零電圧から逆極性に切り換える時の
    印加電圧の時間波形を指数関数状になまらせ、このなま
    しの時定数をモータ回転系固有周期の1/4以上としたこ
    とを特徴とするレンズ駆動装置。
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