JP2733865B2 - 耐食性と加工性に優れたCr含有亜鉛合金系有機分散めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐食性と加工性に優れたCr含有亜鉛合金系有機分散めっき鋼板の製造方法

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JP2733865B2 JP11764090A JP11764090A JP2733865B2 JP 2733865 B2 JP2733865 B2 JP 2733865B2 JP 11764090 A JP11764090 A JP 11764090A JP 11764090 A JP11764090 A JP 11764090A JP 2733865 B2 JP2733865 B2 JP 2733865B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車、家電、建材等に使用される耐食性と
加工性に優れた防錆用のCr含有亜鉛合金系有機分散めっ
き鋼板の製造法に関するものである。
従来の技術 既に冷延鋼板の加工性、溶接性、及び塗装性、特に燐
酸塩処理性を損なわずに、耐食性を向上させることが出
来、かつ量産可能な表面処理鋼板として、電気亜鉛めっ
き鋼板が製造され汎用されているのは周知の通りであ
る。
ところが近年では、寒冷地帯に於ける冬期の道路凍結
防止用塩の散布により自動車の車体の腐食が激しくな
り、その防錆強化の一策として亜鉛めっき鋼板の適用が
進められているが、更に耐食性がよい防錆鋼板の要求が
高い。
これら亜鉛系めっき鋼板の耐食性向上要求に対して亜
鉛のめっき付着量の増加による耐食性の向上が知られて
いるが、溶接性や加工性の著しい低下を起こすことか
ら、めっき付着量の増加以外の方法として、亜鉛自身の
溶解を、抑制する狙いで、各種合金めっき法が提案され
ている。これらの多くはFe、Ni、Coと言った鉄族元素を
合金成分として含有するものである。
これらの亜鉛−鉄族系元素による電気亜鉛系合金めっ
き鋼板は、たとえば特公昭50−29821号公報、特公昭57
−61831号公報に見られる如く、未塗装あるいは、塗装
後の耐食性に優れる特徴があり、工業的に生産、実用化
されてきたが、更に一層の耐食性の向上が要求されてい
る。
これに対して、亜鉛ないし亜鉛系合金めっき中にCrを
含有させて耐食性の向上を計った電気めっき鋼板が各種
提案されている。例えば、特公昭59−3831及び59−4023
4号公報、特開昭61−130498、61−270398、62−54099号
公報等が開示されている。
これらは何れも加工性、化成処理性の観点からCr含有
率が5%以下と少なく、耐食性にとってCrの効果は不十
分である。この改善策としてCrの含有率増加による耐食
性の向上を狙った有機物とCrとの複合共析法が開発され
耐食性の改善に大きく寄与しているが加工性や化成処理
性の改善を目的として処理される上層めっきの密着性不
足など、更に一層の改善が望まれている。
発明が解決しようとする課題 このめっき層中のCr含有量を増すと加工性が低下し、
かつ化成処理性改善を目的とする上層めっきの密着性が
不十分である。更に有機物とのCrの共析でも、この改善
がCr含有亜鉛合金系有機分散めっき鋼板の重要課題であ
る。本発明は、この加工性や上層めっきの密着性に優れ
たCr含有亜鉛合金系有機分散めっき鋼板の製造法を確立
することにある。
課題を解決するための手段 本発明は、Cr3+とカチオンポリマーとの共析により耐
食性と加工性に優れたCr含有亜鉛合金系有機分散めっき
鋼板を得るために、SO3 2-を一定量以上めっき液中に存
在せしめることを提案するものである。この様にSO3 2-
を一定量存在させる目的は、電気めっきに際し、めっき
液中のCr3+とカチオンポリマーが陽極表面で酸化され、
Cr6+とカチオンポリマーの酸化によるアニオン化の発生
を阻止することにある。
本発明の要旨は、鋼板の表面にCr3+を10g/以上含
み、かつカチオンポリマーを10p.p.m以上含むCr含有亜
鉛合金系有機分散めっき用めっき液を用いて電気めっき
を行なうに際し、SO3 2-を1p.p.m以上添加保持しながら
電気めっきを行なうことにある。
作用 電気めっきにおいては、本来Cr3+やカチオンポリマー
は陰極、すなわち鋼板に引き寄せられて還元されて電析
する性質を有するが、隔膜を使用しないめっき装置で電
気めっきを行なうときは、機械的な作用により、陽極に
近づくため酸化される。このため下記のような酸化反応
により Cr3+−3e=Cr6+ (1) R(NH3+O2=R′(NH3(COO) (2) Cr6+やR′(NH3(COO)がめっき液中に発生し、
これが鋼板枝の電析を妨げるほか、共析してめっきの加
工性低下の原因となっている。此の現象はめっき溶液中
のCr3+濃度及びカチオンポリマーの濃度が或量を越すと
顕著になる。めっき液のpHが0.5〜6.5の酸性から中性に
かけての亜鉛系合金めっき液に対しては、Cr3+濃度で10
g/ぐらいから、またカチオンポリマーの濃度で10p.p.
mぐらいからこの現象が顕著となる。
この対策として、(1)これらの妨害イオンや生成物
をめっき液から系外に除外する方法、(2)隔膜を使用
してCr3+やカチオンポリマーの陽極への接近を防ぐ方
法、(3)還元剤により発生したCr6+やR′(NH3
(COO)を還元する方法等が挙げられる。
(1)の方法は処理に時間を要しめっき液のような大
量処理には不向きである。(2)の方法はめっき槽の構
造が複雑になり、電流密度や液温さらにはめっき液のpH
に制限が出来るため鋼板の電気めっき法としては不向き
である。従って(3)の還元剤による方法が一番適して
いることになるが、還元剤の選択が重要になる。
この還元剤としてSO3 2-をめっき液中に存在させ、還
元効果を現わさせると同時にアニオンである性質を利用
して陽極の周囲に集積せしめ還元性雰囲気を形成させCr
6+やR′(NH3(COO)の発生を阻止する方法が本
発明の基本である。
具体的には鋼板の表面にCr3+を10g/以上含み、かつ
カチオンポリマーを10p.p.m以上含むCr含有亜鉛合金系
有機分散めっき用めっき液を用いて電気めっきを行なう
に際し、SO3 2-を1p.p.m以上添加保持しながら電気めっ
きを行なうことを提案するものである。
一般に亜硫酸のめっき液中への添加量はめっき液中の
Cr3+、カチオンポリマー(R)、さらに電流密度によっ
て決まる。鋼板の連続めっき設備での実験結果からSO3
2-の必要量(C)を整理すれば下記のような関係式で整
理される。
([Cr3++[R]×104)×[I]×10-6≦C I:A/dm2 Cr3+:g/ R:g/ C:p.p.m SO3 2-の投入法としては(1)亜硫酸ガスをめっき液
中に直接吹き込む方法、(2)K2SO3、Na2SO3、(NH3
2SO3等亜硫酸塩を添加する方法、等が利用できる。此の
場合注意しなくてはならない点は、SO3 2-酸化によるSO4
2-の増加で、めっき液中の全硫酸根が次第に増加し、め
っき皮膜の特性に影響を与えるのでその除去が必要とな
る。この除去方法として(1)Ca、Sr、Ba等の炭酸塩を
投入し、難溶性の硫酸塩の沈澱にして系外に除去する方
法、(2)イオン交換樹脂による方法、(3)めっき液
の一部ダンピング法等があり、これらの方法より適当な
方法を選んで処理することが出来る。
尚本発明が対象とすCr含有亜鉛合金系有機分散めっき
とは、 1)Zn−Cr−カチオンポリマーめっき 2)Zn−Ni−Cr−カチオンポリマーめっき 3)Zn−Co−Cr−カチオンポリマーめっき 4)Zn−Fe−Cr−カチオンポリマーめっき 5)Zn−Mn−Cr−カチオンポリマーめっき 6)Zn−Sn−Cr−カチオンポリマーめっき 7)Zn−Ni−Cr−難溶性無機酸化物−カチオンポリマー
めっき 8)Zn−Co−Cr−難溶性無機酸化物−カチオンポリマー
めっき 9)Zn−Fe−Cr−難溶性無機酸化物−カチオンポリマー
めっき 10)Zn−Mn−Cr−難溶性無機酸化物−カチオンポリマー
めっき 11)Zn−Sn−Cr−難溶性無機酸化物−カチオンポリマー
めっき 12)Zn−Mn−Cr−Ni−難溶性無機酸化物−カチオンポリ
マーめっき 13)Zn−Sn−Cr−Ni−難溶性無機酸化物−カチオンポリ
マーめっき 14)Zn−Ni−Cr−難溶性金属粉−カチオンポリマーめっ
き 15)Zn−Co−Cr−難溶性金属粉−カチオンポリマーめっ
き 16)Zn−Fe−Cr−難溶性金属粉−カチオンポリマーめっ
き 17)Zn−Mn−Cr−難溶性金属粉−カチオンポリマーめっ
き 18)Zn−Sn−Cr−難溶性金属粉−カチオンポリマーめっ
き 19)Zn−Mn−Cr−Ni−難溶性金属粉−カチオンポリマー
めっき 20)Zn−Sn−Cr−Ni−難溶性金属粉−カチオンポリマー
めっき 21)Zn−Fe族元素の複数種−Cr−カチオンポリマーめっ
き 22)Zn−Mn−Fe族元素の複数種−Cr−カチオンポリマー
めっき 23)Zn−Sn−Fe族元素の複数種−Cr−カチオンポリマー
めっき 24)Zn−Fe族元素の複数種−Cr−難溶性酸化物−カチオ
ンポリマーめっき 25)Zn−Mn−Fe族元素の複数種−Cr−難溶性無機酸化物
−カチオンポリマーめっき 26)Zn−Sn−Fe族元素の複数種−Cr−難溶性無機酸化物
−カチオンポリマーめっき 27)Zn−Fe族元素の複数種−Cr−難溶性金属粉−カチオ
ンポリマーめっき 28)Zn−Mn−Fe族元素の複数種−Cr−難溶性金属粉−カ
チオンポリマーめっき 29)Zn−Sn−Fe族元素の複数種−Cr−難溶性金属粉−カ
チオンポリマーめっき 30)上に記した7)〜13)のめっき組成に於て難溶性酸
化物を難溶性窒化物に置き換えためっき 31)上に記した24)〜26)のめっき組成に於て難溶性酸
化物を難溶性窒化物に置き換えためっき 32)上に記した7)〜13)のめっき組成に於て難溶性酸
化物を難溶性炭化物に置き換えためっき 33)上に記した24)〜26)のめっき組成に於て難溶性酸
化物を難溶性炭化物に置き換えためっき ここに述べる(1)カチオンポリマーとは分子量が20
0以上で−COOH基、−OH基をその骨格からはずしたとき
水に不溶性である有機樹脂で、アミン基を有する物を指
す。具体的には下記の様な有機樹脂を指す。
A)カチオン化オレフィン樹脂 B)カチオン化アクリル樹脂 C)カチオン化ビニール樹脂 D)カチオン化エポキシ樹脂 E)カチオン化ポリエステル樹脂 F)カチオン化ウレタン樹脂 G)カチオン化天然樹脂 H)カチオン化アミノ樹脂 I)カチオン化イミド樹脂 J)カチオン化アミド樹脂 K)ポリアミノスルフォネート 又、ここで言う(2)難溶性酸化物とは下記の元素の
酸化物粒子或はこの酸化物で其表面が70%以上おおわれ
た粒子を言う。
Ti、Si、Al、Nb、Zr、Ta、Pb、In、Hf、W、Os 更に又、ここで言う(3)難溶性窒化物とは下記の元
素の窒化物粒子或はこの窒化物で其表面が70%以上おお
われた粒子を言う。
Ti、Si、Al、Nb、Zr、Ta、Pb、In、Hf、W、Os、B、
Co、Fe、Ni 更に又、ここで言う(4)難溶性炭化物とは下記の元
素の炭化物粒子或はこの炭化物で其表面が70%以上おお
われた粒子を言う。
Ti、Si、Al、Nb、Zr、Ta、Pb、In、Hf、W、Os、B、
Co、Fe、Ni 尚又ここに記した(5)難溶性金属粉とはめっき液に
溶けにくい金属粉を指すもので、具体的に例を挙げれば
下記のようになる。
Ti、Si、Al、Nb、Zr、Ta、Pb、In、Hf、W、Os、Au、
Ag、Co、Fe、Ni 実施例 実施例1 電気めっき液として、Zn2+を42g/、Ni2+を21g/、
Cr3+を16.5g/、又カチオンポリマーとして、その分子
量が3500のポリアミンスルフォンを2g/含むめっき液
を硫酸塩及び硫酸クロムを使用して作る。このめっき液
を硫酸を用いてpH=1.5に調整した後、常温で鉛電極を
陽極とし、極比1:1にして電流密度80A/dm2で板厚0.75の
冷延鋼板に電気めっきを行ないZn:Cr:Ni:カチオンポリ
マーの比が86.5:9:4:0.5のCr含有亜鉛合金系有機分散め
っき鋼板を得た。
この際亜硫酸ソーダを添加してめっき液中の亜硫酸根
を0.1、0.4、1.0、3.0、10、80、200、1000ppmに保ちな
がら付着量30g/m2のめっきを行ないその効果を調べた。
更にこのZn:Cr:Ni:カチオンポリマーの比が86.5:9:4:0.
5のCr含有亜鉛合金系分散めっき鋼板の上層にZn:Niの比
が88:12の上層めっきを、通常の亜鉛・ニッケル合金め
っき液である、Zn2+が30g/、Ni2+が37g/、pH=1.1
のめっき液を用いて3g/m2めっきした。
第1図のめっき液中の亜硫酸濃度のppm値を対数目盛
りで横軸に、又得られためっき鋼板のカップ絞り後のめ
っき剥離量mg値にて表わした加工性を縦軸にして両者の
関係を整理した図である。
加工性の評価は、直径が50mmのカップ絞りを行ない、
その側壁部のめっき層の崩壊具合いをセロテープを貼っ
て引き剥して回収し化学分析にてパウダリング量を算定
した。亜硫酸根が1ppmを越すとパウダリングが減少し良
好な加工性を持つめっき層が得られることが分かる。
第2図はめっき液中の亜硫酸濃度のppm値を対数目盛
りで横軸に、又得られためっき鋼板の塗装後の低温チッ
ピングによる上層めっきの剥離面積百分率比を縦軸にと
って整理したものである。
塗装は代表的な自動車塗装を模して、りん酸塩として
は日本パーカー製Bt3040による皮膜を2.3g/m2を施し、
又カチオン電着塗装としてU−600を30ミクロン塗装
し、更に中塗りとして関西ペイントのルガベークKPX 36
を35ミクロン、上塗りとして関西ペイントのルガベーク
B 531を35ミクロン塗布してグラベロ試験機を用いて低
温チッピングを行なった。低温チッピングは−20℃に試
験片を冷やし、5号採石片200gを150ミリ×50ミリの大
きさの試験片に投射して行った。
第3図はめっき液中の亜硫酸濃度のppm値を対数目盛
りで横軸に、又得られためっき鋼板の塗装後耐食性を、
カット傷付け部での塩水散布屋外暴露試験2年後のブリ
スター中のmm値で縦軸を表わし整理した図である。やは
り亜硫酸根の濃度を1ppm以上に保ったとき良好な耐食性
が得られた。
実施例2 電気めっき液として、Zn2+を42g/、Ni2+を21g/、
Cr3+を16.5g/、又カチオンポリマーとして、その分子
量が3500のポリアミンスルフォンを2g/、更にその粒
径が10ミリミクロンのSiO2を50g/含むめっき液を硫酸
塩及び硫酸クロムを使用して作る。このめっき液を硫酸
を用いてpH=2.5に調整した後、常温で鉛電極を陽極と
し、極比1:1にして電流密度80A/dm2で電気めっきを行な
いZn:Cr:Ni:カチオンポリマー:シリカの比が82.3:9:4:
0.5:4.2のCr含有亜鉛合金系有機分散めっき鋼板を得
た。
この際亜硫酸ソーダを添加してめっき液中の亜硫酸根
を0.1、0.4、1.0、3.0、10、80、200、1000ppmに保ちな
がら付着量30g/m2のめっきを行ないその効果を調べた。
更にこのZn:Cr:Ni:カチオンポリマー:シリカの比が82.
3:9:4:0.5:4.2のCr含有亜鉛合金系有機分散めっき鋼板
の上層にZn:Niの比が88:12の上層めっきを、通常の亜鉛
・ニッケル合金めっき液である、Zn2+が30g/、Ni2+
37g/、pH=1.1のめっき液を用いて3g/m2めっきした。
第4図はめっき液中の亜硫酸濃度のppm値を横軸に、
又得られためっき鋼板のカップ絞り後のめっき剥離量mg
値にて表わした加工性を縦軸にして両者の関係を整理し
た図である。
加工性の評価は、直径が50mmのカップ絞りを行ない、
その側壁部のめっき層の崩壊具合いをセロテープを貼っ
て引き剥して回収し化学分析にてパウダリング量を算定
した。亜硫酸根が1ppmを越すとパウダリングが減少し良
好な加工性を持つめっき層が得られることが分かる。
第5図はめっき液中の亜硫酸濃度のppm値を対数目盛
りで横軸に、又得られためっき鋼板の塗装後の低温チッ
ピングによる上層めっきの剥離面積百分率比を縦軸にと
って整理したものである。
塗装は代表的な自動車塗装を模して、りん酸塩として
は日本パーカー製Bt3040による皮膜を2.3g/m2を施し、
又カチオン電着塗装としてU−600を30ミクロン塗装
し、更に中塗りとして関西ペイントのルガベークKPX 36
を45ミクロン、上塗りとして関西ペイントのルガベーク
B531を30ミクロン塗布してグラベロ試験機を用いて低温
チッピングを行なった。低温チッピングは−20℃に試験
片を冷やし、5号採石片200gを150ミリ×50ミリの大き
さの試験片に投射して行った。
第6図はめっき液中の亜硫酸濃度のppm値を対数目盛
りで横軸に、又得られためっき鋼板の塗装後耐食性を、
カット傷付け部での塩水散布屋外暴露試験4年後のブリ
スター巾のmm値で縦軸を表わし整理した図である。やは
り亜硫酸根の濃度を1ppm以上に保ったとき良好な耐食性
が得られた。
実施例3 電気めっき液として、Zn2+を42g/、Cr3+を16.5g/
、カチオンポリマーとして、その分子量が5500のポリ
アミンスルフォンを5g/含むめっき液を硫酸塩及び硫
酸クロムを使用して作る。このめっき液を硫酸を用いて
pH=2.0に調整した後、常温で鉛電極を陽極とし、極比
1:1にして電流密度80A/dm2で電気めっきを行ないZn:Cr:
カチオンポリマーの比が85:14.8:0.2のCr含有亜鉛合金
系有機分散めっき鋼板を得た。
この際亜硫酸ソーダを添加してめっき液中の亜硫酸根
を5.0ppmに保ちながら付着量30g/m2のめっきを行ないそ
の効果を亜硫酸根の無添加の場合と比較した。
尚このZn:Cr:カチオンポリマーの比が85:14.8:0.2のC
r含有亜鉛合金系有機分散めっき鋼板の上層にはZn:Niの
比が88:12の上層めっきを、通常の亜鉛・ニッケル合金
めっき液である、Zn2+が30g/、Ni2+を37g/、pH=1.
1のめっき液を用いて3g/m2めっきした。
第1表の本発明の方法1及び比較方法1にその結果を
示す。尚第1表から第3表では、直径50mmのカップ絞り
による側壁部のパウダリング発生量によるめっき層の加
工性評価、上層めっきの低温チッピングによる耐剥離性
の評価及び塗装後の耐食性のブリスター巾による評価は
実施例1に示した方法に従った。
又めっき層への陽極酸化生成物の混入が減少すること
による裸耐食性の改善効果は塩水噴霧試験での赤錆発生
迄の試験時間の比で整理し示した。
更に又薄膜塗装型防錆鋼板の下地用めっきとしての性
能は上層めっきの代わりに50mg/m2の電解型クロメート
を施し、更にその上に0.8ミクロンの有機皮膜を、その
分子量が3500のエポキシ樹脂20%とシリカ6%とを含む
塗料を用いて塗布し、155℃に焼付けて製作した物を用
いて下記のごとき条件にて耐食性を評価した結果を示し
た。
[薄膜塗装型防錆鋼板用の下地めっきとしての耐食性評
価条件] 40℃、3%NaClの塩水の浸漬7.5分、次いで70
℃、RH40以下での乾燥処理15分、更に50℃、RH98以上
での湿潤処理7.5分を1サイクルとして腐食による板厚
減少が0.05ミリに達する迄のサイクル数で耐食性を表わ
す。
第1表の本発明の方法1及び比較方法の比較から分か
るように亜硫酸を添加することにより、めっき層の特性
が改良されていることが分かる。
実施例4 電気めっき液として、Zn2+を32g/、Cr3+を16.5g/
、カチオンポリマーとして、その分子量が5500のポリ
アミンスルフォンを5g/含むめっき液を鉄族のイオン
としてNi2+、Fe2+或はCo2+を10g/から30g/の範囲で
めっき層の合金組成を第1表のごとく変えることを目的
に調整した、めっき液を硫酸塩及び硫酸クロムを使用し
て作た。このめっき液を硫酸を用いて2.6に調整した
後、常温で鉛電極を陽極とし、極比1:1にして電流密度8
0A/dm2で電気めっきを行ない、Cr含有亜鉛合金系有機分
散めっき鋼板を得た。
この際亜硫酸ソーダを添加してめっき液中の亜硫酸根
を一定量添加しながら付着量30g/m2のめっきを行ないそ
の効果を亜硫酸根の無添加の場合と比較した。その結果
を、第1表の本発明の方法2から9に、亜硫酸添加の場
合を、また比較方法2と3に亜硫酸根添加の場合を示
す。めっき皮膜特性の顕著な改善効果が認められる。
実施例5 電気めっき液として、Zn2+を30g/、Cr3+を18.5g/
、カチオンポリマーとして、その分子量が3500のポリ
アミンスルフォンを3g/含むめっき液を基本に、これ
に第2表の本発明の方法10から14迄及び従来法による比
較例4から6までに示すめっき組成に必要なイオン或は
難溶性酸化物を必要量添加しためっき液を使用して30g/
m2の電気めっきを行ない、Cr含有亜鉛合金系有機分散め
っき鋼板を得た。
この際亜硫酸ソーダを一定量添加しながら付着量30g/
m2のめっきを行ないその効果を亜硫酸根の無添加の場合
と比較した。その結果は、第2表の本発明の方法10から
14に示す通りで、、亜硫酸添加の無い場合の、従来法に
よる比較例4から6の結果に比較して、めっき皮膜特性
の顕著な改善効果が認められる。
実施例6 電気めっき液として、Zn2+を30g/、Cr3+を18.5g/
、カチオンポリマーとして、その分子量が8500のカチ
オン化エポキシ樹脂を10g/、更にポリエチレングリコ
ールを5g/含むめっき液を基本に、これに第2表の本
発明の方法15から第3表の本発明の方法23迄及び第2表
の従来法による比較例7から第3表の比較例11までに示
すめっき組成に必要なイオン或は難溶性酸化物或は難溶
性金属粉末を必要量添加しためっき液を使用して30g/m2
の電気めっきを行ない、Cr含有亜鉛合金系有機分散めっ
き鋼板を得た。
この際亜硫酸ソーダを一定量添加しながら付着量30g/
m2のめっきを行ないその効果を亜硫酸根の無添加の場合
と比較した。その結果は、第2表の本発明の方法15から
第3表の本発明の方法23迄及び第2表の従来法による比
較例7から第3表の比較例11までに示す通りで、亜硫酸
添加の無い場合に比較して、亜硫酸根の添加めっき液で
めっきすることにより、めっき皮膜特性の顕著な改善効
果が認められる。
実施例7 電気めっき液として、Zn2+を35g/、Cr3+を12.5g/
、カチオンポリマーとして、その分子量が3500のカチ
オン化エポキシ樹脂を10g/、更にポリアミンスルフォ
ンを2g/含むめっき液を基本に、これに第4表の本発
明の方法24から30迄及び第4表の従来法による比較例12
から15までに示すめっき組成に必要なイオン及び或は難
溶性窒化物を必要量添加しためっき液を使用して30g/m2
の電気めっきを行ない、Cr含有亜鉛合金系有機分散めっ
き鋼板を得た。
この際亜硫酸ソーダを一定量添加しながら付着量30g/
m2のめっきを行ないその効果を亜硫酸根の無添加の場合
と比較した。その結果は、第4表の本発明の方法24から
30迄及び第4表の従来法による比較例12から15までに示
す通りで、亜硫酸添加の無い場合に比較して、亜硫酸根
の添加めっき液でめっきすることにより、前記と同様、
めっき皮膜特性の顕著な改善効果が認められる。
実施例8 電気めっき液として、Zn2+を30g/、Cr3+を15g/、
カチオンポリマーとして第5表の本発明の方法31から37
迄及び第5表の従来法による比較例17から19までに示す
めっき組成に必要なポリマー並びにイオンを必要量添加
しためっき液を使用して30g/m2の電気めっきを行ない、
Cr含有亜鉛合金系有機分散めっき鋼板を得た。
この際亜硫酸ソーダを一定量添加しながら付着量30g/
m2のめっきを行ないその効果を亜硫酸根の無添加の場合
と比較した。その結果は、第5表の本発明の方法31から
37迄及び第5表の従来法による比較例16から19までに示
す通りで、亜硫酸添加の無い場合に比較して、亜硫酸根
の添加めっき液でめっきすることにより、同様のめっき
皮膜特性の顕著な改善効果が認められる。
発明の効果 以上の本発明の実施例からも明らかなように、めっき
液への亜硫酸添加によりCr含有亜鉛合金系有機分散めっ
き鋼板の: プレス加工時の耐パウダリング性が、おおよそ3分の
1に減少する。
自動車用塗装系で塗装した後の、−20℃に於ける低温
チッピングに依る上層めっきの剥離量が減少する。
塗装後の耐食性が改善される。
裸耐食性が向上する。
有機薄膜型防錆鋼板の下地めっきとして使用した場
合、耐食性が良くなる。
等、めっきの特性改善が出来るので、より厳しい加工性
を要求するような用途での使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1、4図は亜硫酸添加量と50mmφカップ絞り側壁部め
っきパウダリング発生量との関係、第2、5図は亜硫酸
添加量と上層めっきの低温チッピング剥離面積比率との
関係、第3、6図は亜硫酸添加量と3コート塗装後カッ
ト傷を入れて2年間塩水散布屋外暴露により発生するブ
リスター巾との関係をそれぞれ示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の表面にCr3+を10g/以上含み、かつ
    カチオンポリマーを10p.p.m以上含む、Cr含有亜鉛合金
    系有機分散めっき用めっき液を用いて、電気めっきを行
    うに際し、SO3 2-を1p.p.m以上保持するよう添加しなが
    らめっきすることを特徴とする、耐食性と加工性に優れ
    たCr含有亜鉛合金系有機分散めっき鋼板の製造方法。
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