JP2733144B2 - キャビネット電磁シールド構造 - Google Patents

キャビネット電磁シールド構造

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JP2733144B2
JP2733144B2 JP3084382A JP8438291A JP2733144B2 JP 2733144 B2 JP2733144 B2 JP 2733144B2 JP 3084382 A JP3084382 A JP 3084382A JP 8438291 A JP8438291 A JP 8438291A JP 2733144 B2 JP2733144 B2 JP 2733144B2
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敏則 森
薫 篠崎
晃生 山口
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KITAGAWA KOGYO KK
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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KITAGAWA KOGYO KK
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子装置キャビネット
のカバー周縁に導電性パッキングを取り付けたキャビネ
ット電磁シールド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子計算機、通信装置等がディジ
タル化、高速化されるとともに、これらが広範に普及す
ることに伴い、装置から周囲空間に放射される電磁妨害
波が問題となってきた。このため、装置を収容するキャ
ビネットにおける対策として、開閉部分の隙間から電磁
波が漏洩するのを防止するための導電性パッキングが使
用されている。
【0003】図は従来のキャビネット電磁シールド構
造の一例を示す側断面図、図は導電性パッキング7の
カバー2への取り付け方法を示す斜視図である。
【0004】導電性パッキング7はパッキング本体7a
と、その長手方向に部分的に形成された矢尻形の突起7
bとからなり、一方、カバー2には切欠2bがカバー2
の周縁部2aに設けられている。突起7bを切欠2bに
差し込むことにより、導電性パッキング7がカバー2に
装着される。そしてカバー2を閉じたとき導電性パッキ
ング7によりキャビネット1とカバー2間に隙間が生じ
ないようになっている。
【0005】
【0006】このような電磁シールド構造に使用される
導電性パッキング7としては、従来、ゴムにカーボンや
金属のフィラーを添加した導電性ゴムが多用されてい
る。導電性ゴムは、図に示した、パッキング本体7a
と突起7bの一体成形が容易であることが特徴である
が、電気的なインピーダンスが比較的高いためシールド
効果として十分な特性が得られなかったり、インピーダ
ンス低減をねらって金属フィラーを多く添加すると固く
なり密着性や繰り返し圧縮に対する強度が低下する欠点
があった。このような欠点を補う他の導電性パッキング
としては、図に示すような、円筒状ゴムからなるパッ
キング本体11の表面に金属細線を編んだ金網12を被
せたもの、または円筒状ゴムのパッキング本体11の表
面近くに金網を埋設し金網12の外側部を表面に露出さ
せたものが使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなパッキング
ではキャビネットおよびカバーに接触する部分は金属で
あるから、上記のカーボンを添加した導電性ゴムと比べ
インピーダンスが通常3桁程度も低く、従って高いシー
ルド効果が期待できる。しかしながら、このパッキング
がカバー2と接触するのは、カバー周縁部2aの切欠2
bの上端の角部近傍だけであるため、接触面積が小さ
く、金網12の持つ低インピーダンス性を十分活かし切
れない欠点があった。また、カバーが回転ドアのような
場合、開閉時にパッキングに対して斜め方向の圧縮力が
加わるため、パッキングにカバー周縁部2aからの浮き
が生じるなど、パッキングの圧縮方向によっては接触が
不安定となる欠点があった。
【0008】本発明の目的は、上記の欠点を除去して、
高度の電磁シールド性能を有し、かつ安定性に優れたキ
ャビネット電磁シールド構造を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のキャビネット電
磁シールド構造は、キャビネットの開口を閉塞するカバ
ーの周縁またはこのカバーの周縁に対向するキャビネッ
トの周縁に、この何れかの周縁に設けられた切欠に差し
込まれる、断面が矢尻形で長手方向に連続していない
起を有し、かつこの突起を含む全体が金網で覆われ、こ
の金網の全部または一部が表面に露出したパッキング
を、突起を切欠に差し込むことにより取付け、キャビネ
ットの開口をカバーで閉塞したときパッキングがカバー
とキャビネットと切欠の壁面と切欠の周辺部に密着して
キャビネットの開口が密閉される。
【0010】
【作用】カバー周縁部に設けられた切欠に差し込むため
の突起とパッキング本体からなるパッキング全体を金網
で被覆するので、カバーとパッキングが隙間がない状態
接触し、高い電磁シールド効果が安定して得られると
ともに、カバーが回転ドアのような場合でも金網とカバ
ー周縁部との接触を安定して保持することができる。
らに、パッキングが切欠の壁面と、切欠の、キャビネッ
トまたはカバー裏面の周辺部とも接触しているため、電
磁波がこの切欠からも洩れることはない。なお、突起を
パッキングの本体と一体成形することにより、安価なキ
ャビネット電磁シールド構造が得られる。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0012】図1は本発明の一実施例のキャビネット電
磁シールド構造の側断面図、図2は図1中のパッキング
3の構造を示す斜視図である。
【0013】パッキング3はパッキング本体3aと、こ
のパッキング本体3aの長手方向に部分的に、パッキン
グ本体3aと一体成形された突起3bとからなってい
る。この構成ではパッキング3の突起3bがパッキング
本体3aの長手方向に連続していないため、成形加工に
おいて不要部分の切断等が必要であるが、カバー周縁部
2aには単純な切欠を設けるだけでよいという特徴があ
る。パッキング3全体に金網4が被覆されている。パッ
キング3の材質としては、弾性、強度、対湿性等からシ
リコーンゴムなどが適する。一方、金網4は線径0.1
mm程度の金属細線を編んだものであり、材質としては
低抵抗性、防錆性等からモネルなどが適する。キャビネ
ット1とカバー2の周縁部2aとの間隔は、パッキング
3の無圧時の外径よりも30〜50%程度小さく設定さ
れるので、カバー2を閉じた状態ではパッキング3に常
時押圧力が加わり、金網4とキャビネット1およびカバ
ー周縁部2aとの間の接触が保たれる。
【0014】パッキング3の突起3bを図に示したカ
バー周縁部2aの切欠2bに差し込むことにより、パッ
キング3がカバー2に装着される。この突起3bの最大
幅は切欠2bの幅よりも大きく、また突起3bの根本の
幅は切欠2bの幅とほぼ同一寸法である。また、突起3
bの根本の長さは切欠2bの厚さとほぼ同一寸法であ
る。突起3bの断面は矢尻形をしているため、カバー周
縁部2aに設けられた切欠2bに小さい力で差し込め、
かつ差し込んだ後は故意に抜こうとしない限り脱落する
ことはない。これと同時に、突起3bの表面を覆った金
網4は、カバー周縁部2aの表面だけでなく、切欠2b
面およびカバー裏面の切欠周辺部2cとも面的に接
触する。突起3bの根本の幅および長さが各々切欠2b
の幅および厚さとほぼ同一寸法であるので、金網4の厚
さ分だけ突起3bに押圧力が加わるため、金網4とカバ
ー2との接触は一層強固となる。
【0015】
【0016】図2に示すような構造のパッキング3を用
い、パッキング表面の金網4とカバー周縁部2aへの接
触面積が大きく、かつ常時押圧力が加わるため、低イン
ピーダンスの接触が安定して得られ、この結果、高度な
シールド性能が得られる。また、パッキング本体3aと
突起3bが一体成形されているので、電磁シールド構造
が安価になる。
【0017】なお、上記の実施例において、パッキング
に金網を被覆するにあたり、必ずしも金網の全体を露出
させる必要はなく、金網をパッキング表面近傍に埋設
し、金網表面の外側部のみを露出させる構造であっても
よい。キャビネットおよびカバー周縁部と接触するの
は、主として金網表面の外側部であるから、この場合で
も、上記実施例の効果が損なわれないことは明らかであ
る。また、パッキング本体と突起とは必ずしも一体成形
されたものである必要はなく、パッキング本体に突起を
取り付けた後、これらの全体に金網を被覆する構成であ
ってもよい。さらに、パッキングを必ずしもカバー周縁
部に取り付ける必要はなく、カバー周縁部と対向するキ
ャビネットの周縁部に切欠を設けることによりパッキン
グをキャビネット側に取り付ける構造であってもよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明は次のよう
な効果がある。 (1)請求項1の発明は、キャビネットの開口を閉塞す
るカバーの周縁部に、この周縁部に設けられた切欠に差
し込まれる、断面が矢尻形で長手方向に連続していない
突起を有し、かつこの突起を含む全体を金網で覆ったパ
ッキングを取付けることにより、キャビネットの開口を
カバーで閉塞したとき上記の金網がキャビネット、カバ
ー周縁部の双方、さらには切欠の壁面と切欠の周辺部
面的に密着してキャビネットの開口が密閉され電磁波の
漏洩を遮断するとともに、カバーが回転ドアのような場
合でも上記の金網とカバー周縁部との接触を安定して保
持することができ、また、高度な電磁シールド性能が得
られる効果がある。 (2)請求項2の発明は、突起をパッキングの本体と一
体成形することにより、経済性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のキャビネット電磁シールド
構造の側断面図である。
【図2】図1中のパッキング3の構造を示す斜視図であ
る。
【図3】従来のキャビネット電磁シールド構造の一例を
示す側断面図である。
【図4】導電性パッキングのカバーへの取り付け方法を
示す斜視図である。
【図5】従来例を構成するパッキングの例を示す側面図
である。
【符号の説明】
1 キャビネット 2 カバー 2a カバー周縁部 2b 切欠2c 切欠周辺部 3 パッキング 3a パッキング本体 3b 突起 4,12 金網 7, パッキング 7a,11 パッキング本体 7b,10 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 晃生 愛知県名古屋市中区千代田2丁目24番15 号 北川工業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭58−66694(JP,U) 実開 平1−163394(JP,U) 実開 平1−145197(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビネットの開口を閉塞するカバーの
    周縁またはこのカバーの周縁に対向する前記キャビネッ
    トの周縁に、この何れかの周縁に設けられた切欠に差し
    込まれる、断面が矢尻形で長手方向に連続していない
    起を有し、かつこの突起を含む全体が金網で覆われ、こ
    の金網の全部または一部が表面に露出したパッキング
    を、前記突起を前記切欠に差し込むことにより取付け、
    前記キャビネットの開口を前記カバーで閉塞したとき前
    記パッキングが前記カバーと前記キャビネットと前記切
    欠の壁面と前記切欠の周辺部に密着して前記キャビネッ
    トの開口が密閉されるキャビネット電磁シールド構造。
  2. 【請求項2】 前記突起が前記パッキングの本体と一体
    成形されている請求項1に記載のキャビネット電磁シー
    ルド構造。
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